内田樹のレビュー一覧

  • 沈む祖国を救うには(マガジンハウス新書)

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     かつて日本は、災害や困難のたびに支え合い、共同体の力で危機を乗り越えてき。その温もりが失われつつある現状に警鐘を鳴らす。
     効率や競争が重視されるなかで、人は互いを助けるよりも自己責任を求めるようになった。弱者へのまなざしは薄れ、社会には見えない分断が広がる。
     冷たさの原因を誰か一人の責任には求めない。失われた信頼と連帯を取り戻すことこそ、沈みゆく祖国を支える道だと説く。
     国を救うとは大きな理念ではない。隣人を思いやる小さな行為の積み重ねこそが、日本再生への第一歩である。

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    2026年06月03日
  • 先生はえらい

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    再読。
    現代における師弟論の概略と、学びの自由さ(主体性)をコミュニケーション論で繋ぐ本。
    以下、本文より一部抜粋。

    『もし、弟子たちがその先生から「同じこと」を学んだとしたなら、それがどれほどすぐれた技法であっても、どれほど洞察に富んだ知見であっても、学んだものの唯一無二性は損なわれます。だって、自分がいなくても、他の誰かが先生の教えを伝えることができるからです』

    『人間は自分が学ぶことのできることしか学ぶことができない、学ぶことを欲望するものしか学ぶことができない』

    『「自分は正しい」ということを前提にした「学び」というものは成立しません。「自分の欠点の補正」と「未熟さの発見」という

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    2026年05月31日
  • 君たちのための自由論 ゲリラ的な学びのすすめ

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    過去の内田本で何度も展開されてきた、教育に関する内田節が炸裂している。

    『人文学のめざす目標のひとつは「より複雑な人間になること」ではないかと僕は思っています。ひとつの事象をながめる時に、複数の視点に立つことができる力を養う。複数の文脈のうちに置いて、別の側面を見ることができる「複雑な人」になることを目標に掲げてよいと思います。でも、そういう言葉づかいで人文学の意義を語る人って、あまりいません。』
    かつてよく使われていた「学際的」とか「複眼的」という言葉の代わりに「深掘り」がよく聞かれるようになり、「狭くて深い知」こそ良いというような価値観が一般的になったという。
    僕も教養課程の縮小とか実学

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    2026年05月30日
  • 寝ながら学べる構造主義

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    「関心の深さや細かさの違いが言葉を決める(=知的能力の差ではない)」
    これは、現代日本でまかり通ってる風潮がいかに空虚なものか教えてくれる。
    知ってる人、エリート、論破できる人こそ賢い。的な風潮がいかに空虚なものか。
    たしかに、私と違う人は違うことに関心と知識を抱いており、それが知的か否かとは関係なく、それぞれの世界に必要な、ことを知っているし関心を持っている。

    「実存主義は死んだ」
    実存主義はその単線的な見方及び、存在するものの本質があるという姿勢が、故に我こそは正しく、我こそは進歩の頂点にいる。と考える。
    それは傲慢であり世界、とくに歴史を説明できない。と実存主義の死を宣告したのがレビィ

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    2026年05月26日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    つい最近言われ始めたことなのかと思っていたら2007年に出版されたもので驚いた。
    まさに下流志向の一途をたどっていて、「分からないことか気にならない」という状態で生きてきた私にとって、内容を1度で全て理解して頭に落とし込むことが難しかったが、1度で全て読み切った程に興味深かった。
    私の読書力を上げて、星5の評価ができるようになりたい。

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    2026年05月26日
  • 疲れすぎて眠れぬ夜のために

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    内田さんの考え方についての粗筋のような1冊。
    自身のこと。働くこと。身体のこと。愛のこと。

    考え方として読めてよかったと思う部分が大半だけれど、
    中には理想論過ぎて、現実の中でどう扱ったらいいかわからない考え方もあった。

    利己主義の考え方はすごくわかるけれど、
    「己」の範囲を意識している人というのはかなり限られると思う。
    自分の偏見では「友人に優しいヤンキー」というのは「自分と自分の周囲の人間までが自己」になっているだけの超利己主義者だし。
    でもそういう人は自認でも他人に優しくできる人間だと思っていたりする。

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    2026年05月24日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    この本が書かれてから、20年近く経っている。つまり、この本が「学ばず、働かない若者」と言っているのは私を含む今の40代である。その私ですら、今の若者(子供世代)の周りへの興味のなさには気味悪いものを感じている。「何言ってるかわからない」とよく口にするし、読み飛ばす、聞き流す、ということに抵抗がなく、「何にも覚えてない」と平気で言う。今日本は20年前に指摘されていた「新しい若者たち」だらけになってしまった

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    2026年05月09日
  • 日本人が立ち返る場所

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    養老孟司さんと内田樹さん、この二人の思想家の対談なのだから、
    話の方向性は想像がつく。
    そして期待通り。
    あえてこのブログで要約を書くまでもない。
    いや、そんなものは存在しないのだ。
    話は一つのキーワードから思わぬ展開を示す。
    予定調和などないのだ。
    二人が、それぞれの立場で身体感覚でとらえたこの世界を、
    ことばとことばでぶつけあっているのだ。

    心地よい言葉の応酬。
    知的だ。

    タイトルは何かつけなきゃいけないんだろうけど、立ち返る場所、ねえ。
    日本人、ねえ、、、
    日本人にフォーカスした部分もあるけど、
    逆にそこにこだわらない部分もあったように思う。

    ときどきふたりのやりとりがかみあわない

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    2026年05月07日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    最初は大学教員の若者はダメだという一辺倒な文章かと思ったが、読み進めていくうちにその考え方に惹かれた。

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    2026年05月05日
  • 沈む祖国を救うには(マガジンハウス新書)

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    久しぶりに社会的公共財という言葉にであった
    45年ほど前に北海道出身の青年と語る会に呼ばれた(北海道開発庁主催:当時の長官は稲村左近四郎)事を思い出した
    その際に札幌圏への一極集中が問題、大学や医療機関などの分散にあよる特色ある拠点化と、拠点都市間を結ぶネットワーク化(高速道路、空港など)などを提言
    その当時は、排ガスのひどい東京の方が自然豊かな北海道より平均寿命は高かった〜これは医療機関へのアクセスの問題
    北海道の高速道路は熊が走ると揶揄されていた

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    2026年05月03日
  • 生きづらさについて考える【毎日文庫】

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    「生きづらさ」って、自分の内面についての本かと思って手に取ったけどそうではなくて。
    今の社会って、生きづらいよね、という感じ。

    著者が色々なところで掲載していたエッセイや対談をまとめた本。ぱらぱらと読めるけど、時々思想強めと感じたり。


    以下メモ
    ・家事は他人の身体を配慮する技術。他者の体が経験する生理的な快適さを想像的に先取りする能力。
    家事が好きだと思えたとき、それは娘がいたとき、親がいたとき。

    ・若い人たちは「株式会社みたいな制度」しか経験したことがない。トップが方針を決めて下がそれに従う、彼らがそれを自然で合理的なシステムだと信じても責められない。

    ・ハラスメントは古仏語har

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    2026年05月02日
  • リスクを生きる

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    ネタバレ

    主要論点ではないが記憶に残った内容➡「安易に物事を分かった風に断定している人ほど、物事を分かっていない。わかっている人ほど、わかっているからこそ断定できず、この場合ではこう、という説明になる。でも、そういう専門家はメディア受けが悪いのでメディアに取り上げられない。」
    自分も時折、簡単にわかった風に物事を断定してしまうことがあるが、それは自身にとっても周囲にとっても誤解を招いてしまう。言い方を気を付けようと思う。

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    2026年04月26日
  • 寝ながら学べる構造主義

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    「寝ながら学べる」とのことだったが、私の頭では「寝ながら」では難しかった。特にラカン。
    しかし、筆者も書いているように「たとえ話」がたくさん盛り込まれているため、最終的にはまあまあ理解できたかなと思う。熊ちゃんのパジャマを着て寝るわけには行かなくなるという箇所は面白かったが、すっと納得できた。

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    2026年04月25日
  • 沈む日本とカオス化する世界

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    久しぶりにマーカーとドッグイヤー活躍。納得する鋭い指摘ばかりだけど、気分は沈むばかり。声あげていかないと日本は沈むばかり。日本ばかりでなく白井さんと一致した未来予測は「国民国家を政治単位とする統治モデルでは国際社会の安定が保持できず、いくつかの帝国に分割される」というもの。日本の生き延びる道は中国の属国か「東洋のスイス」か。エネルギー危機迎えても節約の掛け声さえ起きない、この国。末期状態か。

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    2026年04月07日
  • 困難な結婚

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    【2026年54冊目】
    「どうしたら自分に合う良い結婚相手と出会えますか?」「付き合っている相手と本当に結婚していいのか決心がつきません。見極める良い方法はないですか?」「お金はかかりますが結婚式はやった方がいいですか?」などなど、結婚に纏わる素朴な質問に思想家の内田樹が時に軽妙に、時に真剣に答えるエッセイ。

    普段は小説しか読まない私ですが、勧められたので読みました。著者が内田樹さんということで、ちょっとドキドキしながら(理解できるだろうかと思いながら)読み始めましたが、出てくる質問が質問だけに、とっても読みやすくて、するすると読んでしまいました。

    この本を読むと、結婚に対するハードルが多

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    2026年04月07日
  • 聖地巡礼 ライジング  熊野紀行

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    ネタバレ

    熊野が聖地であるというのは何となくは知っていましたが、他の予備知識もないまま、この「聖地巡礼」シリーズ完読を目指して手に取りました。

    本筋の巡礼そのものよりも、あちこちで語られる先生お二人の会話の名言や知識が面白かった。
    1600〜1660年ほどの60年間が日本文学史上「空白期」、後世に残るような文学的成果が全く何も出ていない(p21)という巡礼本筋とは全く関係ない情報にまずは驚き。
    後でこれは何かの文学史年表を確認してみようと思いました。

    「8時だヨ!神仏集合」(p22) 吹き出しました。確かにネーミングセンスが(笑)
    インドネシア全体はイスラム教なのにバリ島だけがヒンドゥー教というのも

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    2026年03月23日
  • 自由より自在に生きるー愉快さと葛藤の哲学ー

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    こだわりや執着を捨てたいと思うのだけど、それは、居着くこと、我執からの解放で、自在に生きるということかも。身体的感度を下げて息苦しさを切り抜けようとするのだけれどそこじゃないんよね。大きな流れの中で自分の境界線を消して、パスを受けたり回したりそんな流れに身を任せたい。たまに大きな自然の中に行きたいと強烈に思うのは自在な自分にグランド接地させたいからかも。

    なにより『「自我を手離しても、誰も君を傷つけない」と保証してくれる存在が必要』だよ

    終始抽象的な感想ですが、よい気付きを得られた。

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    2026年03月22日
  • 沈む祖国を救うには(マガジンハウス新書)

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    面白かった章は、
    「共感」に価値を置くことへの警告
    「最終学歴がアメリカ」を誇る、残念な人々
    「虚無感」に苛まれている有権者たち
    「民主制」の終わり
    第二期トランプ大統領誕生の「最悪のシナリオ」
    「自民一強」時代の終焉
    大学存続の秘策
    今、中高生に伝えたいこと
    第2部 冷たい国からの脱却
    この本を読んでいるときに、「怪しい本」を読んでいると友人から小馬鹿にされた。彼女には、彼女自身の「怪しくない」イデオロギーとはどういうものなのかを聞いてみたい。さすがに内田樹を知らないのは庇えない(知ってて言ってるのかも)。タイトルと装丁は怪しく見えるかもしれないけども。

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    2026年03月11日
  • 武道論 これからの心身の構え

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    「残心」の話にとにかく感心した。合気道と居合を習う一個人として、とても納得できる説だと思う。
    武道とスポーツの違いについては色々な媒体で氏の話を聞いているのだが、何度読んでも良いものである。
    どうすればいいかわからない時に、どう動けば生き残れるのかが分かる。そのような潜在能力を開花させるために、これからも稽古に勤しみたいと改めて思った。

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    2026年03月11日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    子どもが学校にやる気をなくし、若者が働かずにニートになることを選択する。その理由が何にあるのかということがわかった。「消費」することに慣れた子どもたちが教育というサービスを買う立場として教師へ振る舞うことが当たり前となった社会でどう生きていけばいいのか考える一冊だった。

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    2026年02月28日