内田樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
構造主義という明らかに難解な内容を噛み砕いてわかりやすく説明してくれていてすごいと思いました!まえがきで「私たちのような凡人」と書いていましたが、内田樹さんは頭が良すぎて全然凡人ではないですが…ほんものの凡人である私も理解できるような文章で、本当に頭がいい方だな〜と感じました。
自分の目にナチュラルに映っているものは、私たちの社会集団固有の民族誌的偏見だという部分、非常に心に刺さりました。自分が常識だと思っていることは、意識しないと常識だと思っていることさえも忘れてしまうため、危険だなと思います。自分の常識を疑う、このことを忘れずに過ごしたいなと思いました。
ソシュールのところですが、「名 -
Posted by ブクログ
「学力の低下は怠惰の帰結ではなく、努力の成果」
この一文は印象的だった。
学ぶことから逃走し、階層が下降しても
それが自己決定として満足感と自己評価を引き出す。
なんとも不思議な話なんだけど、どこか納得できる部分もあってコワい。
もう一つ印象的だったのはここ
狩猟時代は、狩りにでかけて「食料」を持ち帰ってきた。サラリーマンは持ち帰る「もの」はない。疲労感と不満を持ち帰り、不機嫌になることで努力をアピールする。不快で自分を主張する。
そのような家庭では、「不快」のカードを一番たくさん切れるメンバーが、家庭内におけるリソースの配分や決定に際して優位にたつことができる。
このルールでは「先に -
Posted by ブクログ
『第二期トランプ大統領誕生の最悪のシナリオ』より 日米安保条約をアメリカが破棄した時、日本国内で安全保障について実際的な知識と意見を持っているのは自衛隊しかない。だから自衛隊が「日本独自の安全保障戦略」の構想を丸投げされることになる。自衛隊としてはとりあえず憲法九条二項の廃棄を求め、つづけて国家予算の半分ほどを国防費に計上することを要求するだろう。恒常的な定員割れを補うためには徴兵制の復活も当然議論の俎上に上る。主を失った米軍基地はもちろんすべて自衛隊基地になる。国防上の配慮からスパイ防止法が制定され、スパイ摘発のために秘密警察が設置され、反戦平和を訴える政党、団体は禁止。仕方がない。何しろ「
-
Posted by ブクログ
正しさとは何かについて、別角度から考えるきっかけとなった。
私たちには自らの意思なんてものは存在しなくて、環境によって全てが決められているのだとしたら。正しさとはなんて不安定なものか。各々の生活する環境によって決められているとしたら、その数だけ正しさも存在する。人によって解釈が違うものは定義として成り立つのか?そもそも正しさなんてものは存在すらしていない?揺るぎないものなんて無くて、揺るぎないものがあると信じたい私たちが生み出したもの?
自分の存在が揺らぐ考えな気もするけど、自分の正体に近づけている気もするし、考え続けることをやめないことが人間には必要なのかな。 -
Posted by ブクログ
再読。
現代における師弟論の概略と、学びの自由さ(主体性)をコミュニケーション論で繋ぐ本。
以下、本文より一部抜粋。
『もし、弟子たちがその先生から「同じこと」を学んだとしたなら、それがどれほどすぐれた技法であっても、どれほど洞察に富んだ知見であっても、学んだものの唯一無二性は損なわれます。だって、自分がいなくても、他の誰かが先生の教えを伝えることができるからです』
『人間は自分が学ぶことのできることしか学ぶことができない、学ぶことを欲望するものしか学ぶことができない』
『「自分は正しい」ということを前提にした「学び」というものは成立しません。「自分の欠点の補正」と「未熟さの発見」という -
Posted by ブクログ
過去の内田本で何度も展開されてきた、教育に関する内田節が炸裂している。
『人文学のめざす目標のひとつは「より複雑な人間になること」ではないかと僕は思っています。ひとつの事象をながめる時に、複数の視点に立つことができる力を養う。複数の文脈のうちに置いて、別の側面を見ることができる「複雑な人」になることを目標に掲げてよいと思います。でも、そういう言葉づかいで人文学の意義を語る人って、あまりいません。』
かつてよく使われていた「学際的」とか「複眼的」という言葉の代わりに「深掘り」がよく聞かれるようになり、「狭くて深い知」こそ良いというような価値観が一般的になったという。
僕も教養課程の縮小とか実学 -
Posted by ブクログ
「関心の深さや細かさの違いが言葉を決める(=知的能力の差ではない)」
これは、現代日本でまかり通ってる風潮がいかに空虚なものか教えてくれる。
知ってる人、エリート、論破できる人こそ賢い。的な風潮がいかに空虚なものか。
たしかに、私と違う人は違うことに関心と知識を抱いており、それが知的か否かとは関係なく、それぞれの世界に必要な、ことを知っているし関心を持っている。
「実存主義は死んだ」
実存主義はその単線的な見方及び、存在するものの本質があるという姿勢が、故に我こそは正しく、我こそは進歩の頂点にいる。と考える。
それは傲慢であり世界、とくに歴史を説明できない。と実存主義の死を宣告したのがレビィ