内田樹のレビュー一覧
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読書のモチベーションが少し下がった気がして(気のせいでしたが)、困ったときの内田頼みってことで、本作を手に取りました。これを読みながら、ネガティブ批評はいかんなと思いつつ書くのも憚られるけど、読み始めたものの遅々として進まない「仮往生伝試文」がどうしても受け付けず、何か突破口はないものかと思ったのがきっかけ。同作の個人的感想はそのときに書くとして、肯定的に読んでみようと思う契機づけにはなりました。他は、母語の考え方とか、人に伝える仕方とか、読書論というくくりで語られてはいても、あくまで筆者ならではの論旨に、相変わらず感嘆しきりでした。決して容易な内容ではないのに、リーダビリティの高さを感じさせ
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ネタバレ誕生日のユルい決意として「人と争わない・競わない」とした数ヵ月後に、この本読むねんもんなぁ。意識することで出会うものってあるよなぁ。
ここんとこ、山に行くと下りより登りが断然面白いのである。ついこないだまで「しんどい思いは出来るだけ少なくして、いい景色や美味しい空気を味わいたい」と思っていたのに、いや、今でも時として「俺なんでこんなしんどいことしとんねやろ?」と脳裏に思い浮かぶのだが、それでも登りが楽しい。
登山口からちょいと歩いて、本格的な上り坂になってしばらく経つと、身体が熱を帯びてくる。衣服を調整して、水分を含み、靴とザックの紐を調整して再び登りだす。肩と腰にかかるザックの重み、無駄 -
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[次なる潮流へ向けて]国家やイスラームを中心とする宗教について2人の専門家が縦横無尽に語り合った作品。次世代の共同体を担保するシステムやネットワークはどのようなものであるべきかについて、新鮮な議論が交わされています。対談者は、哲学者のエマニュエル・レヴィナスを集中的に研究した思想家の内田樹と、大学四年生のときにイスラームに入信した学者の中田考。
イスラームの政治動向について、積極的に1人称を用いて語ることのできる数少ない日本人である中田氏の考え方は、多くの日本人にとってイスラームのある側面を解する際に非常に有意義ではないかと思います。また、反グローバリズムという点で中田氏と共鳴しながらも、 -
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すっごく面白かった。脳がバシバシ刺激された。あとがきで赤坂真理さんが書かれているように、内田先生の倍音の効果かな??
以下、気になった箇所。
P63
「あなたは間違っている」とかは言わないんです。だって、僕が彼の前にいて、現にその言葉を発したという事実がある以上、それには何か意味があるはずだし、僕が間違ったことを言っていたとしても、「間違ったことを言っている男がここに存在する」という事実は否定できない。
P77
福沢諭吉の狂気じみた勉強法について。
「知性が最高速で運転しているときの、全身を貫く震えるような快感。」
「僕はこれはほとんど「知性の身体性」と呼んでよいものだと思います。お腹がす -
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内田樹による 最終講義。
イタチの最後っぺ みたいに濃厚な臭さである。
長くニオイが残るような問題提起。
内田樹はエライ!
内田樹は アメリカ嫌いである。
アメリカは日本を属国にして、
その属国に迎合している日本。
アメリカのなすことに金魚の糞よろしく、
自衛隊まで海外に派兵する日本。
そのことに、怒っているのだ。
国家を株式会社にする。教育を株式会社的にする。
アメリカのグローバルスタンダードは、
とんでもないとおもっているのだ。
役所は 営利を追求するところでない。
学びの場は 教育を商品としてあつかうことではない。
効率的であること、目先の利益しか考えないこと
そのような 刹那主義に -
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内田樹『身体に訊く』-言葉を伝えるということはどういういことか
加藤典洋『僕の夢』-中高生のための「戦後入門」
高橋源一郎『表と裏と表』-政治の言葉について考える
平川克美『人口減少社会について根源的に考えてみる』
小田嶋隆『13歳のハードワーク』
岡田憲治『空気ではなく言葉を読み、書き残すことについて』
仲野徹『科学者の考え方』-生命科学からの私見
白井聡『消費社会とは何か』-「お買い物」の論理を超えて
山崎雅弘『「国を愛する」ってなんだろう?』
想田和弘『「中年の危機」にある国で生き延びるために』
鷲田清一『社会に力がついたと言えるとき』
以上11人の寄稿文
内田樹氏の以下の呼びかけに対応 -
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ネタバレこの三人の鼎談とあらば読まずにいられないと手に取り。
最初にこの本を読むに当たって押さえておくべき場所についての解説がありますが、確かにそれを踏まえて読みだした方が入りはスムースかと。
とはいえ正直言うと私は、最初の方「おっさんの内輪話」にしか感じられず(失礼)中々お三人の語りのペースに馴染めませんでした。
しかし何気ない話をしているようであっても自ずと深い話になってゆくのはさすがです。三人とも全然違うようでどこか通じるものがあるというか似ているところがあるように見受けられました。
「政治やメディアの劣化を野放しにしておくことは危険である」とか、「生きる上で当たり前のこと(常識)だから法文 -
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何はともあれこのタイトル、センスなさ過ぎないか。
中身とはほとんど関係のない煽りっぷり。
せっかくの2人の刺激的な対談が台無しになっている感。
こういうタイトルに惹かれる人にこそ読んでもらいたいというメッセージなのかもしれないけれど、それにしてもなあ。
個人的には末尾の方で指摘されている「飽きている」という指摘が腑に落ちた感じでした。戦後70年を経て、日本人は今の社会に、政治に、平和に「飽きている」という指摘。
たとえば戦争状態に巻き込まれずに半世紀以上の時間を過ごすということは文字通り「有り難い」ことなのだと思う。その奇跡的な出来事が70年続いてくれたおかげで僕たちはそれを「有り難い」と思 -
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日本はシンガポール化するのか? この章が一番面白かった。緊急事態条項を書き込むことによる憲法改正は、日本社会を独裁への道へと開くことになるかもしれないが、一方で、自民党は新自由主義的政策を決して手放そうとはしない。金儲けしながら独裁への道を開く。そのモデルとなっているのがシンガポールな訳だが、そのモデルを日本に導入するにはかなりの無理がある。そもそも経済成長という幻想から離れ、どのような社会を築くことができるのかという問題提起を行っている。本書は、日本のことだけではなく、世界情勢(特に、フランスとアメリカの議論が多い)に広く目配せし、世界が第三次世界大戦に向かっているのではないかと言及している
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「今の日本には成熟した大人はいない。メディアに出てくる官僚、政治家、経営者の言動は呆れる程幼稚だが、それでも何とか社会が回っているのは、幼稚な大人でも統治できる社会を長年かけて作ってきたからだ」。こう指摘する著者たちが、幼稚な大人とは何か、なぜ今の日本には幼稚な大人しかいないのか、その幼児性を脱却し成熟した大人となるためにはどうするべきかを語る。
「幼稚な大人」とは、自分の属する社会の現状に自らは全く責任がないと信じ、不満があれば「自分は純然たる被害者である」という立場で責任者探しに走ったり、あらゆるものを費用対効果でしか吟味できない消費者マインドに支配されていたり、ディベートは得意だが対話