内田樹のレビュー一覧

  • 現代霊性論

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    題名とはやや違ったニュアンスの内容となっており、宗教の本質とは何かということが対談によって議論がなされている。
    本書においては、特に内田氏の議論においては、論理的であることが非常に強調されている。私自身論理的であろうと心がけている積りではあるが、まだまだ甘いということを思い知らせる、大変参考になる内容であった。
    政治家の靖国神社参拝論については、大筋は私の考えてとほぼ同じであったが、論理構成の鋭さに感心した。

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    2013年06月03日
  • 現代霊性論

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    ところで名前を付けることは、ある意味呪いをかけるのと同じだそうです。人名も襲名も役職も地名も。
    名付けはその名の意味に縛られることでもあり、実際それに悩まされるケースは少なくない。そういえば名前を書かれた人間が死ぬというデスノートってマンガがあったな。あれはだんだんルールが追加されてきて、それはそれで面白かったが、複雑になりすぎて理解するのにとても苦労した記憶があります。えっとなんの話だっけ。


    内田樹もそうだけどこういう思想家の話や哲学の本でいつも思うのは、ものごとの初期設定を疑ってかかるところに快感を覚える。

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    2013年05月22日
  • 村上春樹にご用心

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    「死者の生者への関わり」
    「激しく欠けているもの」
    こういったテーマが通低していたとは…。もう一度、小説読みたくなった。
    特に羊を巡る3部作あたり。

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    2013年05月21日
  • こんな日本でよかったね 構造主義的日本論

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    内田樹の本は結構読んでいるけど、どれもクオリティのアベレージが高い。

    前々から思ってたことだけど、この人の本は読みやすい。結構難解なことを言ってたりすることもあるんだけど、それでも読みやすい。

    その答えがこの本に書いてあった。というのも、結局この内田樹という人が心地の良い文章を書いているからだ。

    もちろん自分が作文の名手であるというような自画自賛はしていないんだけど、そういったことが暗に示されている。

    この人は語彙力も豊富で、硬軟多彩な語を使い分けている。それでいて、その語彙の選択が間違いないのである。これはこの人の読書量の豊富さと共に、センスのよさを物語っている。

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    2013年05月05日
  • 現代霊性論

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    大学の授業の書籍化とあって、二人の熱いトークのドライブ感が気持ちよい。
    人の営みや政治・経済、歴史と深く関わる宗教の存在感が目の前に広がってくる。

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    2013年05月01日
  • 荒天の武学

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    自分が やってきたこと してきたことに執着が ある人は 新しい出会い
    武運には恵まれない!

    生き延びるための知恵と力を高めること
    それが武術修行の目的

    過ぎたことは もう過ぎたことだから考えても仕方ない。
    まだ起きてないことは まだ起きてないんだから考えても仕方ない。
    どちらも武道的には禁忌です。

    あんなこと、しなければ よかった
    こんなことが、起きたら どうしよう
    取り越し苦労する人は 想定内 の未来に縛りつけられて、いかなる想定外の事態が起きても、不意を突かれてしまって
    対応できない。

    想定内の対応なら凡人でも できます。
    想定外の ことばが ぱっと出てきたときに
    ふさわしい

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    2013年04月29日
  • 街場の読書論

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    とても示唆にとんだ本だと思う。
    ひっかかる言葉がいくつもあって、これからあと数カ月のちにどの言葉がひっかかっているかそれはまだわからない…
    というわけで、とりあえず目についた箇所を箇条書きに。

    ・「おのれの女性性とうまくなじむことができずにいる少女」の魅力
    ・言語は内側に割れることによって、無限の愉悦と力を生み出す
    ・『「悪」と戦う』と『晩年』の冒頭部の相似
    ・「自分の賢さ」をショウオフするよりも、「自分の愚かさ」の成り立ちを公開することの有益性
    ・映画は「観る」ものではなく、その中を「生きる」もの。映画、音楽は浴びるように。「read」と「scan」というふたつの読み。
    ・科学的知性は突き

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    2013年04月03日
  • 街場の大学論 ウチダ式教育再生

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    以前,「街場のメディア論」が面白かったので。
    恥ずかしながら教育論なるものを読んだことがなかったため,読み進めていくうちに様々なことを知りました。(地方の国立大学の存在意義など)
    なかでも印象に残ったのは,「制度内に組み込まれたなかで埋没してしまう個性など,個性ではない」ということや,「ブレイクスルーは突如起こるものだから予測できるはずもないし,来年度のシラバスなんてきっちりと決められるはずもない」「教員評価制度は,できる人の時間の浪費」「学ぶことは努力と成果の等価交換ではないし,大学に消費者的態度で来てはならない」など。
    こういう警告がされるほど,大学はビジネス化してきているんですね…。

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    2013年03月29日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    敬意の贈与。

    内田樹さん、名越康文さん、橋口いくよさんの3人による対談形式です。価値観再生道場という名前の通り、現代の人々の「価値観」について見直そうとしています。

    個人的には名越康文さんは知性と個性が強すぎて、私の勉強不足ですが「何を言っているのか分からない」状態がありましたが、本書の筋で言うとそれが大切ということも書かれていました。


    絵に描いたようなやる気のない定食屋さんがなぜ安心出来るのか
    本当の豊かさとは何か
    分かりやすさの必要性
    バッシングはなぜ起きるのか
    安心のはずの「定型」による負の連鎖
    執着心
    愛と敬意の違い

    以上のような話が展開されていました。
    それぞれの話で共通し

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    2013年03月16日
  • 荒天の武学

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    今の私にとって、かけがえのない1冊になった。内田樹さんと光岡英稔さんの対談は、ふにおちる宝のような言葉ばかりで、一気に読んだ。透明な感覚で自分の内側をかんさつし、外側を感知していきたいと思う。

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    2013年03月03日
  • 街場の読書論

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    ここのところわたしの知的欲求のほとんどは内田先生の御本を拝読することによって満たされている。読みながら、満たされたそばからまた新たな知的欲求に駆られるので、もうずっと読みたい本が尽きない。
    手元に置いて再読したい本。
    あー、早くひとり暮らしして本棚を買ってこの本をそこに並べたい。

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    2013年06月09日
  • 荒天の武学

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    内田氏の著書は浴びるほど読んだが、今回はとりわけ武道にフォーカスした内容で、対談相手は韓氏意拳の光岡氏。光岡氏はストリートファイトで日本の合気道とは性格を異にする面も多いが、根本は相通じているようだ。時間概念の捉え方など、素人には少々ついて行けないような単元もあったが、海外での体験談や過去の武人にまつわるお話、さらには日本が現在直面している危機など幅広い話題を扱っている。終盤のエアガンの子どものエピソードには正直ビックリした。この事態からも、日本の危機的状況が浮き彫りになっている。平和を実現する手段としての、次元の高い「荒天の武道」が今求められているのかもしれない。

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    2013年01月15日
  • 荒天の武学

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    ちょっとわかんないところ多し。でもその道の一流の応用力というか、他ジャンルに対する解釈理解力はすごい。

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    2012年12月24日
  • 荒天の武学

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    とても奥が深い対談本。
    内田さんの『疲れすぎて眠れぬ夜のために』のなかで既に光岡英稔さんの名前が出ていた。
    光岡さんは1972年生まれとお若いのに、この空間からはもはや超越されている。

    私は数値や目で見えるものでは説明できないような、
    感覚的、時間的な話題に対しては感受性が高いので
    光岡さんが仰っているような

    「輪廻とは『そうなってるね』と言われたら、『うん、そうだね』と言えるくらいのもの」

    というのに腑に落ちて、この本に対して
    「うん、そうだね」と言いたい。

    印象的な場面をいくつか。

    内田さんが「『何となくそう思う』とか・・・どうしてそう判断したのかわからないけれどそう判断したとい

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    2012年12月23日
  • 呪いの時代

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     いやぁ、面白かった。内田樹の面目躍如の文章だった。贈与論に対してまとまった考えが述べられていて、今までの知識が整理されてよかった。知的のんびり状態を満喫できた。

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    2012年12月22日
  • 街場の大学論 ウチダ式教育再生

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    【大学での生き方を見直せる一冊】

    今日は大学で授業のTAがあるので大学論をとりあげます。
    個人的に内田樹さんの文章が好きなんです。
    優しく語りかけてくれるようで読んでてとても癒される上に、
    知的好奇心がどんどん湧いてくるような感覚がして。
    苗字が同じだからというのは…関係ないか。

    この本の中で印象に残っているのは、
    ①教育が子どもを均質化しようとしていること。
    ②就職活動は「時間割通り」にやりなさい。
    ③人文系が強化されないといけない理由。

    ①教育システムは「うまくゆきすぎた」ために、バグやノイズを消そうとしすぎているとのこと。システムの効率を「上げる」のではなく、「下げる」ことを考えて

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    2012年12月11日
  • 街場のアメリカ論

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    「アメリカの映画やドラマに出てくる子どもは(性格が)かわいくない」とか「アメリカは身体加工への抵抗がきわめて希薄な国である」とか、読みながら、なんか分かる~と実感することばかり。
    アメリカは、イギリスからピュアなものだけを持ってきてポンと出来上がった新しい国なんだ、ということを改めて認識。イギリスで歴史を積み上げて作り上げたものをポンと持ってきてできた理想の国・アメリカがだんだんいびつに歪んでゆく様が、出来上がった原子力の技術をポンと持ってきて破綻しかかっている日本の原子力発電に妙に重なっている気がする…。コワイコワイ。新しいことも大切だと思うけど、やっぱり積み重ねられてきたものも大事しないと

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    2012年11月14日
  • 武道的思考

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    いかにして心身のパフォーマンスを高めるか。
    いかにして合理的に最適なアウトカムを達成するか。
    いつも勉強になります。

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    2012年11月12日
  • こんな日本でよかったね 構造主義的日本論

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    サブタイトルにあるとおり「構造主義」的な観点から日本の問題(とされている)格差社会、少子化問題、言葉の力、社保庁問題などを考察している。

    少子化問題については本当にその通りだと思う。
    減っても全然問題ない。

    少子化は「問題」ではなく一種の「解答」である。

    格差社会についてもすごくすっきりとした良い捕らえ方を知ることが出来た。

    「格差社会というのは、格差が拡大し、固定化した社会というよりはむしろ、金の全能性が過大評価されたせいで人間を序列化する基準として金以外のものさしがなくなった社会のことではないか。」

    あとは「親族の基本構造」が面白かった。
    フェミニストと男女の「価値」にまで言及で

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    2012年09月09日
  • 街場の読書論

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    ネタバレ

    本の著者が求めているのは、「購入者」ではなく、「読者」である、という指摘にものすごく感銘を受けました。

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    2012年08月19日