内田樹のレビュー一覧
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ネタバレ久しぶりの更新に、まったくもって最近は本を読む暇などなかったことを思い知らされる。あー、発狂しそう。本読めねーような生き方私には向いてない。
で。感想。
これはよかった。
初めのソシュールがちょっと難解で挫折しそうになったんだけども、映画の話につなげて思想のあり方を紹介してくれたりしてることが、おばかなわたしでも非常にわかりやすい構成になってた。ありがたい。こういう本が読みたかった。
フーコーさんの思想を主に読みたくて買ったんだけど、最後のサイードさん、良かったわ。あれ?これって新近効果?ま、いっか。
わたしは、わたしのままで生きてるとか思ってた、無知な20代前半。でもなんか、 -
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内田先生のデビュー作。内田作品はこれまでちょうど10冊読んだが、なぜかデビュー作だけはスルーしていた。内田先生自身が述べているが、先生は専門外(たとえば本作品では性)の問題も積極的に俎上に載せ、それを私のような素人にも実に分かりやすく捌いて提供してくれる。その手並みは理路こそ入り組んでいるものの実に鮮やかで胸にストンと落ち、落ちない場合でも読者を思想に駆り立てる。その理由は数多いる専門家と呼ばれる人たちが自分の専門性や知性の高さをひけらかすのに専心するあまり、結果として読者を置いてけぼりにしているのに対し、内田先生にはそういう厭らしさがなく(あっても周到に隠されている)、専ら読者との間に架橋す
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読んでて、これは違うな、とか、これは腹立つな、とかもありましたが、総じて興味深い内容でした。
身体知を大事にするところなどは、よくよく共感。
あと、社会内での役割についても、これまでずっと考えていたことが、おかげで少し言葉になりそうな気がした。今の日本の社会は、ドロップアウトすることを極端に嫌うから、余計に一度どこかでラインを降りてしまうと行き場がなくなるのかも知れない。
親子関係のところは特に面白い。
自分の家庭が機能不全だった時期があるからか、色々と考えされられた。
父母の役割は、いわゆるジェンダーに依るものではなく、機能によるなど。
私なりの解釈では、この本は、要するに「定量化して測 -
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ネタバレ教師のセクハラの話が面白い。
学校とはもともと「エロティックな場」であることを
人間は他者の欲望に欲望する、
というコジェーヴのヘーゲル解釈やソクラテスを引用し解説している。
「隣の芝は青く見える」というやつだな。
「性愛の局面において私が快感を得るのは、
相手が私から快感を得ていると感じるからであり、
相手が私から快感を得るのは、
私が相手から快感を得ていると感じるからである。」
というのと同じように、
教師が持つ「知への欲望」を生徒が「欲望する」ことによって、
学びが賦活されているのである。
そういう前提が教師にないから、
セクハラを個人の欲望や嗜好に回収し -
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ネタバレ大好きな橋本治と、最近興味を持った内田樹の対談集ということで読んでみました。
橋本治が自信を持ってあちこち話題が飛ぶのを、内田樹が常識でつなぎとめようという感じの対談でした。
たとえば、橋本治は桃尻娘を書くときに、
俺が知っている十二年分、彼女が知らないんだな。そういう引き算をしちゃったんです。
と、主人公のキャラクターのパーソナリティの作り方を明かすと、内田樹が、
先生は誰でもそういうことができると思ってるんでしょ。引き算が。あえてしないんじゃないんです。「できない」んですよ。引き算なんて。
と応じてみせる。うん。全般そんな感じのやり取りが続く本です。
★★★ -
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内田さんの本。個人的に、著者の本はハズレがない。
どんなことを語る時でも、自分にはできない視点で物事を見てくれるし、こんなに「むずかしそうなこと」を「平易に」語れる人はなかなかいない。
ページ数は少ないわけではないのにもかかわらず、すらすら読めて、かなり早く読み終わりました。知的刺激の宝箱みたいな本。
まぁ、あえて言うと内田さんは同じような話を何度もするところが、ちょっとだけ、難点かな。それでもおもしろいけども。
あとは、最後の第四章の漱石論はちょっと読みづらい。エッセイの方が好きだ。
んー、感想を書こうとしても、なかなか簡単に語りつくせない。もっともっと著者の本を読みたい。 -
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ネタバレ内田先生シリーズを読んだ第二弾。
大学の現状と規制改革に伴う大学の変化を追った。
「自ら大学や授業がどうなっているかを律することで、自分たちを高める必要があることに気づく」がこの間の大学改革の目的だったのではないだろうか。
特に、教員がそう考えることで、もっといい大学作りやもっといい教育にしていこう、とする発想を作ろうとしたのではないか。→自分たちの自己満足で終わることなく。
市場原理を導入しよう、という企業人たちの想いを受け止めたくないがそれを交わそうとしたのが文部科学省で、もっと自分たちの取り組みを高めてもらうための方策を導入した、という風に書いてある。補助金もそこで傾斜配分さ -
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ネタバレ本にマーカー引きすぎてえらいことになっている。
それくらい「そうだよな!」とか「そうだったのか!」が詰まっている。
身体知は大事。
水泳ばかりやってたら水泳に有利な身体になるように、
文句ばっかり言ってたら文句を言うのに有利な身体になる。
この前読んだ「ミラーニューロン」も、
人間が形から変化することを証明しているのではないかな。
特に唯物論的なことを言いたいのではない。
心というものはあると思う。
愛とか勇気とかと同じくらいには。
愛とか勇気とか国家とか常識とか、
それらすべては共同幻想だから、
なんとなく皆が「在る」と思っているものは「在る」ことになっている。
その