内田樹のレビュー一覧

  • 期間限定の思想 「おじさん」的思考2

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    期間限定とうたわれているが、今でも十分にリーダブルです。
    第1章 「ひとはなぜ仕事をするのか」「断定するひとをみたらバカと思え」など学生とのやり取りが、わかり易く、かつ論理的でふむふむと読んだ。
    やっぱり内田樹は良い。

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    2012年08月27日
  • 街場の大学論 ウチダ式教育再生

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    知的興奮が味わえました。頭の良い人が書く文章は、内容が多少難解でも、なんとなく理解できてしまう。久々に「いい本(いい書き手)」に出会えた、そんな一冊でした。

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    2012年07月28日
  • 態度が悪くてすみません ――内なる「他者」との出会い

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    本書を読んで、
    物語を語る上で、
    「何を語っているか」という、
    意味性のレベルだけではなく、
    「どのように語っているか」という、
    身体性のレベルに注目すると、
    また違った見方が出来て面白いかもしれないなぁ、
    と思いました。

    それはアニメや漫画で言えば、
    絵のレベルの話になるでしょうし、
    音楽で言えば、
    響きのレベルの話になるでしょう。

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    2012年07月11日
  • 現代思想のパフォーマンス

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    ネタバレ

     久しぶりの更新に、まったくもって最近は本を読む暇などなかったことを思い知らされる。あー、発狂しそう。本読めねーような生き方私には向いてない。

    で。感想。

    これはよかった。

    初めのソシュールがちょっと難解で挫折しそうになったんだけども、映画の話につなげて思想のあり方を紹介してくれたりしてることが、おばかなわたしでも非常にわかりやすい構成になってた。ありがたい。こういう本が読みたかった。


    フーコーさんの思想を主に読みたくて買ったんだけど、最後のサイードさん、良かったわ。あれ?これって新近効果?ま、いっか。

     わたしは、わたしのままで生きてるとか思ってた、無知な20代前半。でもなんか、

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    2012年06月27日
  • ためらいの倫理学 戦争・性・物語

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    内田先生のデビュー作。内田作品はこれまでちょうど10冊読んだが、なぜかデビュー作だけはスルーしていた。内田先生自身が述べているが、先生は専門外(たとえば本作品では性)の問題も積極的に俎上に載せ、それを私のような素人にも実に分かりやすく捌いて提供してくれる。その手並みは理路こそ入り組んでいるものの実に鮮やかで胸にストンと落ち、落ちない場合でも読者を思想に駆り立てる。その理由は数多いる専門家と呼ばれる人たちが自分の専門性や知性の高さをひけらかすのに専心するあまり、結果として読者を置いてけぼりにしているのに対し、内田先生にはそういう厭らしさがなく(あっても周到に隠されている)、専ら読者との間に架橋す

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    2012年06月23日
  • こんな日本でよかったね 構造主義的日本論

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    いつものように、内田さんのおもしろい視点で家族、教育、日本などの話題について語られている。
    むずかしい部分と読みやすい部分がある。前半一〇〇ページくらいはかなりむずかしかった。
    内田さんの著書の内容は多岐に渡るので、一冊読んで文字通りぜんぶ頭に入れるということはなかなかできないのですが、自分はこの人の考えにかなり影響されているんやろうなあとめちゃくちゃ感じます。

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    2012年06月19日
  • 村上春樹にご用心

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    村上春樹の小説を読んで感じるけどうまく言葉に表せないことを、とても上手に言語化してくれた内田氏に大感謝。読みながら、そうそう、そうなんだよね。私が言いたかったことってそれなのよ!とかなり興奮してしまいました。他の著書も読んでみたくなりました。

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    2012年06月18日
  • 現代思想のパフォーマンス

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    読んでいて脳がめきめき動く感じ、すごく気持ちがいい!

    この本がきっかけで内田樹さんのファンになりました。

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    2012年05月21日
  • 身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる

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    読んでて、これは違うな、とか、これは腹立つな、とかもありましたが、総じて興味深い内容でした。
    身体知を大事にするところなどは、よくよく共感。
    あと、社会内での役割についても、これまでずっと考えていたことが、おかげで少し言葉になりそうな気がした。今の日本の社会は、ドロップアウトすることを極端に嫌うから、余計に一度どこかでラインを降りてしまうと行き場がなくなるのかも知れない。

    親子関係のところは特に面白い。
    自分の家庭が機能不全だった時期があるからか、色々と考えされられた。
    父母の役割は、いわゆるジェンダーに依るものではなく、機能によるなど。

    私なりの解釈では、この本は、要するに「定量化して測

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    2012年05月14日
  • 「おじさん」的思考

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    ネタバレ

    教師のセクハラの話が面白い。

    学校とはもともと「エロティックな場」であることを
    人間は他者の欲望に欲望する、
    というコジェーヴのヘーゲル解釈やソクラテスを引用し解説している。
    「隣の芝は青く見える」というやつだな。

    「性愛の局面において私が快感を得るのは、
    相手が私から快感を得ていると感じるからであり、
    相手が私から快感を得るのは、
    私が相手から快感を得ていると感じるからである。」
    というのと同じように、
    教師が持つ「知への欲望」を生徒が「欲望する」ことによって、
    学びが賦活されているのである。

    そういう前提が教師にないから、
    セクハラを個人の欲望や嗜好に回収し

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    2012年05月02日
  • 橋本治と内田樹

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    ネタバレ

    大好きな橋本治と、最近興味を持った内田樹の対談集ということで読んでみました。

    橋本治が自信を持ってあちこち話題が飛ぶのを、内田樹が常識でつなぎとめようという感じの対談でした。

    たとえば、橋本治は桃尻娘を書くときに、

      俺が知っている十二年分、彼女が知らないんだな。そういう引き算をしちゃったんです。

    と、主人公のキャラクターのパーソナリティの作り方を明かすと、内田樹が、

      先生は誰でもそういうことができると思ってるんでしょ。引き算が。あえてしないんじゃないんです。「できない」んですよ。引き算なんて。

    と応じてみせる。うん。全般そんな感じのやり取りが続く本です。

    ★★★

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    2012年05月01日
  • 街場の大学論 ウチダ式教育再生

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    〝大学に市場原理を持ち込み改革したせいで変人が減ってつまんなくなった〟という話が、先日読んだ「乾燥標本収蔵1号室」の〝大英博物館が改革したら面白い研究者〟がいなくなったという話と全く同じで興味深い。
    内田節炸裂で面白い。某大学学長の談話を「私には『意味ぷー』であった」とか言っちゃったりw。

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    2012年04月30日
  • 橋本治と内田樹

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    タイトルそのまんま、お二人の対談集。
    5年くらい前の対談ですが、内田先生が言っていることが震災後も全然ブレてないのがすごい。
    二人が掛け合うごとに話がどんどん広がっていって、面白い。橋本さんの著作は読んだことがないのですが、すっかり橋本先生のファンになりました。

    橋本さんの「教養というのは、くだらないことを分かるためのパーツ」という話がおもしろかった。ことにこのお二人の対談は、哲学から古文から映画から義太夫・能楽に宇多田ヒカルまで知ってないと、すみずみまでは楽しめないものなぁと実感。あぁ、世の中のことが全部知りたい。

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    2012年04月30日
  • 「おじさん」的思考

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    内田さんの本。個人的に、著者の本はハズレがない。
    どんなことを語る時でも、自分にはできない視点で物事を見てくれるし、こんなに「むずかしそうなこと」を「平易に」語れる人はなかなかいない。
    ページ数は少ないわけではないのにもかかわらず、すらすら読めて、かなり早く読み終わりました。知的刺激の宝箱みたいな本。
    まぁ、あえて言うと内田さんは同じような話を何度もするところが、ちょっとだけ、難点かな。それでもおもしろいけども。
    あとは、最後の第四章の漱石論はちょっと読みづらい。エッセイの方が好きだ。
    んー、感想を書こうとしても、なかなか簡単に語りつくせない。もっともっと著者の本を読みたい。

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    2012年05月18日
  • 期間限定の思想 「おじさん」的思考2

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    おじさん的思考のパート2。個人的にはこちらの方が、知的刺激ともに、論旨の納得度、エンターテイメント性ともに高いと感じた。相変わらずの内田節である。世にあるもの全ては多面的に観る事ができ、見方ひとつで様々な見解が生まれる。最近凝り固まってきていた自分の脳を耕すためにも、改めてこういったテキストを味わう必要があると感じた。

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    2012年04月12日
  • 女は何を欲望するか?

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    内田先生のジェンダー論は、
    だいたい読書論に行き着く印象です。

    学術的な内容なので、
    エッセイを期待している方は残念でした。

    でも、
    こういった難しいもののほうが、
    彼のメンターっぷりが十二分に発揮されているため、
    とても貴重な読書体験ができると思います。
    読み終わった後の、
    少し見晴らしの良くなった自らの視座にびっくりすることでしょう。

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    2012年03月30日
  • 街場の大学論 ウチダ式教育再生

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    ネタバレ

    内田先生シリーズを読んだ第二弾。
    大学の現状と規制改革に伴う大学の変化を追った。

    「自ら大学や授業がどうなっているかを律することで、自分たちを高める必要があることに気づく」がこの間の大学改革の目的だったのではないだろうか。
    特に、教員がそう考えることで、もっといい大学作りやもっといい教育にしていこう、とする発想を作ろうとしたのではないか。→自分たちの自己満足で終わることなく。

    市場原理を導入しよう、という企業人たちの想いを受け止めたくないがそれを交わそうとしたのが文部科学省で、もっと自分たちの取り組みを高めてもらうための方策を導入した、という風に書いてある。補助金もそこで傾斜配分さ

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    2012年03月19日
  • 期間限定の思想 「おじさん」的思考2

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    「自分の思考と言語を閉じ込めている檻」をはっきりと見せつけられる。そんな本。こういう経験ができる本って、なかなかないのではないかと思う。すごく面白かった。

    ものごとを考える上で、視点の置き方という、考え方を考えてみることが大事なんだと思った。

    p.155
    同世代の人間と自分を比較するな。
    これが若い諸君への年長世代からのご忠告である。


    読みだすと止まらなくなるが、これは‐文庫版あとがき‐で内田さんが述べている「グルーヴ感」や「文体」が、この本の中に、たしかにあるからだと思う。

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    2012年03月05日
  • 「おじさん」的思考

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    内田さんの二冊目のエッセイ集。

    タイトルにしても内容にしても、初期のものだけあって、とにかく書きたいものを書きまくりましたって感じ。
    良くも悪くも、内田さんらしさがすごく出てる。

    p.168より
    一七歳のある日私はいきなり「世界」を一望できるような包括的な視座に立ちたいという強烈な欲望に襲われたのである。

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    2012年03月05日
  • 橋本治と内田樹

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    ネタバレ

    本にマーカー引きすぎてえらいことになっている。
    それくらい「そうだよな!」とか「そうだったのか!」が詰まっている。

    身体知は大事。
    水泳ばかりやってたら水泳に有利な身体になるように、
    文句ばっかり言ってたら文句を言うのに有利な身体になる。
    この前読んだ「ミラーニューロン」も、
    人間が形から変化することを証明しているのではないかな。

    特に唯物論的なことを言いたいのではない。
    心というものはあると思う。
    愛とか勇気とかと同じくらいには。

    愛とか勇気とか国家とか常識とか、
    それらすべては共同幻想だから、
    なんとなく皆が「在る」と思っているものは「在る」ことになっている。
    その

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    2012年02月22日