内田樹のレビュー一覧
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とても奥が深い対談本。
内田さんの『疲れすぎて眠れぬ夜のために』のなかで既に光岡英稔さんの名前が出ていた。
光岡さんは1972年生まれとお若いのに、この空間からはもはや超越されている。
私は数値や目で見えるものでは説明できないような、
感覚的、時間的な話題に対しては感受性が高いので
光岡さんが仰っているような
「輪廻とは『そうなってるね』と言われたら、『うん、そうだね』と言えるくらいのもの」
というのに腑に落ちて、この本に対して
「うん、そうだね」と言いたい。
印象的な場面をいくつか。
内田さんが「『何となくそう思う』とか・・・どうしてそう判断したのかわからないけれどそう判断したとい -
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【大学での生き方を見直せる一冊】
今日は大学で授業のTAがあるので大学論をとりあげます。
個人的に内田樹さんの文章が好きなんです。
優しく語りかけてくれるようで読んでてとても癒される上に、
知的好奇心がどんどん湧いてくるような感覚がして。
苗字が同じだからというのは…関係ないか。
この本の中で印象に残っているのは、
①教育が子どもを均質化しようとしていること。
②就職活動は「時間割通り」にやりなさい。
③人文系が強化されないといけない理由。
①教育システムは「うまくゆきすぎた」ために、バグやノイズを消そうとしすぎているとのこと。システムの効率を「上げる」のではなく、「下げる」ことを考えて -
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「アメリカの映画やドラマに出てくる子どもは(性格が)かわいくない」とか「アメリカは身体加工への抵抗がきわめて希薄な国である」とか、読みながら、なんか分かる~と実感することばかり。
アメリカは、イギリスからピュアなものだけを持ってきてポンと出来上がった新しい国なんだ、ということを改めて認識。イギリスで歴史を積み上げて作り上げたものをポンと持ってきてできた理想の国・アメリカがだんだんいびつに歪んでゆく様が、出来上がった原子力の技術をポンと持ってきて破綻しかかっている日本の原子力発電に妙に重なっている気がする…。コワイコワイ。新しいことも大切だと思うけど、やっぱり積み重ねられてきたものも大事しないと -
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サブタイトルにあるとおり「構造主義」的な観点から日本の問題(とされている)格差社会、少子化問題、言葉の力、社保庁問題などを考察している。
少子化問題については本当にその通りだと思う。
減っても全然問題ない。
少子化は「問題」ではなく一種の「解答」である。
格差社会についてもすごくすっきりとした良い捕らえ方を知ることが出来た。
「格差社会というのは、格差が拡大し、固定化した社会というよりはむしろ、金の全能性が過大評価されたせいで人間を序列化する基準として金以外のものさしがなくなった社会のことではないか。」
あとは「親族の基本構造」が面白かった。
フェミニストと男女の「価値」にまで言及で -
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ネタバレ久しぶりの更新に、まったくもって最近は本を読む暇などなかったことを思い知らされる。あー、発狂しそう。本読めねーような生き方私には向いてない。
で。感想。
これはよかった。
初めのソシュールがちょっと難解で挫折しそうになったんだけども、映画の話につなげて思想のあり方を紹介してくれたりしてることが、おばかなわたしでも非常にわかりやすい構成になってた。ありがたい。こういう本が読みたかった。
フーコーさんの思想を主に読みたくて買ったんだけど、最後のサイードさん、良かったわ。あれ?これって新近効果?ま、いっか。
わたしは、わたしのままで生きてるとか思ってた、無知な20代前半。でもなんか、 -
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内田先生のデビュー作。内田作品はこれまでちょうど10冊読んだが、なぜかデビュー作だけはスルーしていた。内田先生自身が述べているが、先生は専門外(たとえば本作品では性)の問題も積極的に俎上に載せ、それを私のような素人にも実に分かりやすく捌いて提供してくれる。その手並みは理路こそ入り組んでいるものの実に鮮やかで胸にストンと落ち、落ちない場合でも読者を思想に駆り立てる。その理由は数多いる専門家と呼ばれる人たちが自分の専門性や知性の高さをひけらかすのに専心するあまり、結果として読者を置いてけぼりにしているのに対し、内田先生にはそういう厭らしさがなく(あっても周到に隠されている)、専ら読者との間に架橋す
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読んでて、これは違うな、とか、これは腹立つな、とかもありましたが、総じて興味深い内容でした。
身体知を大事にするところなどは、よくよく共感。
あと、社会内での役割についても、これまでずっと考えていたことが、おかげで少し言葉になりそうな気がした。今の日本の社会は、ドロップアウトすることを極端に嫌うから、余計に一度どこかでラインを降りてしまうと行き場がなくなるのかも知れない。
親子関係のところは特に面白い。
自分の家庭が機能不全だった時期があるからか、色々と考えされられた。
父母の役割は、いわゆるジェンダーに依るものではなく、機能によるなど。
私なりの解釈では、この本は、要するに「定量化して測 -
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ネタバレ教師のセクハラの話が面白い。
学校とはもともと「エロティックな場」であることを
人間は他者の欲望に欲望する、
というコジェーヴのヘーゲル解釈やソクラテスを引用し解説している。
「隣の芝は青く見える」というやつだな。
「性愛の局面において私が快感を得るのは、
相手が私から快感を得ていると感じるからであり、
相手が私から快感を得るのは、
私が相手から快感を得ていると感じるからである。」
というのと同じように、
教師が持つ「知への欲望」を生徒が「欲望する」ことによって、
学びが賦活されているのである。
そういう前提が教師にないから、
セクハラを個人の欲望や嗜好に回収し -
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ネタバレ大好きな橋本治と、最近興味を持った内田樹の対談集ということで読んでみました。
橋本治が自信を持ってあちこち話題が飛ぶのを、内田樹が常識でつなぎとめようという感じの対談でした。
たとえば、橋本治は桃尻娘を書くときに、
俺が知っている十二年分、彼女が知らないんだな。そういう引き算をしちゃったんです。
と、主人公のキャラクターのパーソナリティの作り方を明かすと、内田樹が、
先生は誰でもそういうことができると思ってるんでしょ。引き算が。あえてしないんじゃないんです。「できない」んですよ。引き算なんて。
と応じてみせる。うん。全般そんな感じのやり取りが続く本です。
★★★