内田樹のレビュー一覧

  • 邪悪なものの鎮め方

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    ちょっとオカルト?というタイトルですが、著者は内田樹先生なので、決してそちら側に行きすぎることはありません。「邪悪なもの」とは良くも悪くも『人間的な尺度を越えた』存在。それに対峙した時にどうふるまうか、というのが「鎮め方」という事。過激派、裁判員制度、1Q84、シリアルキラー、幽体離脱等々様々なキーワードでの切り口は、あい変わらず冴えてます。

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    2014年12月14日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    竹宮惠子と内田樹が「マンガ」をテーマに大いに語る、という夢のような対談本。タイトルはもちろん「風と木の詩」のオマージュ。竹宮先生が自分の主要作品について、裏話も含めてここまで整理して語るのを見たのは初めてで、それだけでもとても衝撃的な内容。また、若き日の竹宮惠子・山岸凉子・萩尾望都が、一緒にヨーロッパ1周旅行をしていた事実が明らかに。(ヨーロッパ旅行の件、内田樹は「少女マンガ史上の決定的事件」と評した。まさに「その時、歴史が動いた」のかもしれない)
    本書の後半は、竹宮先生が15年ほど前から精力的に取り組んでいる「マンガ教育」の重要性と難しさの議論に費やされている。漫画家は本質的に「職人」なので

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    2014年12月08日
  • 呪いの時代

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    ネットで人をdisることについて。ガダラの豚読んで呪いのあり方に興味を持ったので。いつもながらわかりやすくて共感できる内容だけどタイトル通りの内容は1章と2章だけなので1章と2章だけ切り出して300円ぐらいで売ってほしい。

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    2014年12月01日
  • 街場の読書論

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    本のガイドというよりも、引用した上での思考哲学といったほうが正しい。しかし、いつもの論評よりはテンポが軽めなのでさくさく読める。
    ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』やケストナーの『飛ぶ教室』ってそんなにおもしろいのか、読んでみたくなった。

    読みやすい本のコツとは、コミュケーション・プラットホームの構築。読者に対してゆっくりと理解を得ながら進む文章。目から鱗が落ちる指摘。いい本を書く人は本に対する感性が鋭い。

    著作権に関する論評も納得。質を問わずに数だけ捌こうとする出版ビジネスにうんざり。

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    2014年11月23日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    これはすごい。40年も生きていて一体何を見ていたのかと愕然とするくらい常識の転換した一冊。イスラームってそんなに悪くないんじゃないかと。。

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    2014年11月19日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    買う
    内田さんの考えはTwitterを見ている限り、好きにはなれないのだが、この本は色々なものをガンガン壊しにかかっていて、とても良かった
    特に、グローバル化についての意見は、それに関わる人は読んで頭の片隅にでも置いておくべきだろうと感じる
    注は微妙

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    2014年10月29日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    イスラームのことがよくわかった。
    知らないものは怖いもの。西欧文化ベースの思考回路では、イスラームはそもそもの議論の出発点からずれちゃうってことがわかった。目から鱗本。

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    2014年10月20日
  • 街場の読書論

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    街場シリーズは数あれど、「読書論」となればついにウチダさんの本業が主題ということになる。(作家は書くだけじゃなく、読むほうも仕事のうちだろうし)
    そういう意味もあってさすがの内容。テーマが幅広くて面白いです。

    ウチダさんの本は多くがそうだけど、今回は特に読書欲を掻き立てられた。
    とりあえず、ウチダさんの著作何作かと、トーマス・マンとカミュとヘミングウェイを読書リストに追加した。(※p280)



    memo:

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    「一気に読ませるもの」では、一行目でいきなり書き手が耳元にいる。つまり、「一行目から話が始まる」のではなく、「もう話は始まっているのだが、それはたまたま私にとって『一行目』だ

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    2014年10月11日
  • 日本霊性論

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    いやあ~。この二人のコンビの本は面白い。
    どこかで読んだ内容が多い(多分、どこかで読んだ
    内容ばかりといってもいいすぎではないかも)
    のですが、何回よんでも面白いと思います。
    ○シグナルを感じる力
    ○プリコルール
    ○スティーブジョブズの話
    ○裁き。学び。癒し。祈り
    ○歩哨。人間的なものと非人間的なものの境界線
    ○このメッセージは私宛である。
    ○私宛ではないメッセージは、邪悪な呪いの言葉
    ○鈴木大拙

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    2014年09月21日
  • 街場の共同体論

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    内田樹さんの、家族、地域、学校など、共同体についての話ということで、自分にとっては好きな話が多かった。
    たぶん、短時間で一気に書いたんだろうな、と思える気迫あふれる文体でした。内田さんのことばで言い直すと、「憑依してる」文章なんじゃないかと思います。
    久しぶりに、すらすらと、わくわくしながら読める本に出会えた。よかった。

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    2014年09月09日
  • 現代霊性論

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    面白かった。
    真に宗教的な人間は宗教団体から勧誘は受けないそうである。
    宗教的であっても宗教団体に属せない人間がスピリチュアルに行くというのは本当だと思う。

    村上春樹氏が世界中で読まれていることにちょっと触れて、世界文学になるような作品は「どうすればいいかわからないときに、どうすればいいか」という難問を扱っている・・とのこと。
    へーそうなの!と単純に驚いたが、そういえばそうかな?
    御二方の闊達な考察に刺激を受ける。
    靖国神社の問題も、もう少し自分の中で整理してみたい。
    (本当は日本のマスコミが、毎年騒ぎたてるからややこしいことになっただけだと思うけど。)

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    2014年08月20日
  • 修業論

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    「修行」じゃなく「修業」。
    『稽古は、競ったり、争ったり、恐れたり、悲しんだりすることを免れて、ただ自分の資質の開発という一事に集中することが許された、特権的な時間である。道場はそれを提供するための場である。』(P115)
    『「いるべき時に、いるべきところにいて、なすべきことをなす」ことができる能力。それが武道修行が開発すべき能力である。』(P212)
    またいつか。
    20140818

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    2014年08月19日
  • 街場の共同体論

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    帯文等の事前情報から、近年の個人主義を否定し、懐古主義を感情的に書いているだけではないかと疑いながら読み始めた。しかし、いい意味で期待を裏切る内容だった。ほぼ全て理論的で、それでいて非常に読みやすい内容となっている。ただ古き良き時代を取り戻す、個人主義こそ理論的な帰結、といったものを否定し、もっと大きな視点で語られている(理論的に)

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    2014年08月15日
  • 街場の共同体論

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    これまでの著作でも繰り返し述べている事がいちばん分かりやすくシャープにまとめられていて、なんなら内田氏の本読むならこれ一冊でええんちゃうかと。身につまされつつ、視野が広がりつつ、点が線に繋がりつつ、様々なブレイクスルーの契機となった。

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    2014年08月13日
  • 街場の憂国論

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    2011年から2013年ごろに書かれたブログや新聞雑誌などへの寄稿文を加筆したエッセイ集。

    教育がなぜ営利主義になっていはいけないか、他書で示されたことへのさらなる掘り下げがある。論じているだけで、改善すべき方向性は与えてはいないのだろうが。

    数年後に再読したい本。
    ここで懸念されたことから状況がよくなっていることを信じつつ。

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    2014年08月02日
  • ためらいの倫理学 戦争・性・物語

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    今までの内田さんの著作の中で1番時間をかけて読んだ。「戦争論」についてに共感というか、ああだから私はこういうことに言及するのが嫌いだし言及してる人間をテレビやTwitterやらで見るのが大嫌いだったのかとすっきりした。まぁデビュー作から首尾一貫してるから最早感想書くのが難しいんだけど、嫌いな人の好みが合う人の著作は楽しいなあってのと、カミュについての考察に紙幅をかなり割いてくれていたのが嬉しかった。

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    2014年08月01日
  • 街場の憂国論

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     先日読んだ『呪いの時代』はどうもいまいちな感じを多く受けたのだが、この本はとても面白かった。
     いろいろな短い文章を集めたもので、時期的には、震災以後・野田政権から安倍政権、維新の会の台頭といった期間にわたっている。
    安倍政権に関して触れているのは最初の方に収められた 数編だけで、まだ特定秘密保護法案も出てきていない。アベノミクスにさえ触れていないから、せいぜい政権成立直後までの文章群かもしれない。ただ、自民党の「憲法改正案」については批判的に解読している。
     内田氏によると、こういった民主政権後に復活した自民党政権の路線は、一見「復古調」に見えるものの、実は「新しい」ものだということだ。

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    2014年07月21日
  • 街場の憂国論

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    今の日本はどこへ向かって行くのか、を考えていた時に出会った一冊。
    タイトル通り、憂う一冊ではあるが要所要所に希望も見出せる。

    頼るべきものはお金ではなくて、という最終章?の文章をよんで胸にストンと落ちた。

    2014.07.17

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    2014年07月17日
  • 街場の共同体論

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    最近のニュースをみていると、「おとな」になりきれていない「おとな」が多いことを実感させられる。混沌とした日本社会の中でどう生きていくのかー、子どもたちに何を伝えていく必要があるのかー、色々考えさせられることが多かった。

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    2014年07月13日
  • 街場の共同体論

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    『階層の二極化と反知性主義の関連は、指摘する人があまりいませんけれど、これは車の両輪のような現象だと思います』 ー『第七講 弟子という生き方』

    例えば郊外の森に囲まれた一軒家に暮らすことにどれだけの価値を見出だせるか。自己充足的な生活が可能で、自然豊かな環境が整っているとして。

    その問いに応えようとすると、どれだけ個人主義を標榜しようとも、人は究極的には社会的生物であるということを思い知る。なに不自由なく暮らせるとしても、人は他人との遣り取りを求めるもの。例えば最近読んだ「極北」の主人公が、閉ざされてはいるが安定している現状から不確かな未来へ向けて行動することを選択しても違和感なく追うこと

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    2014年08月30日