内田樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読んでいるとあたかも内田樹さんが目の前に座ってらっしゃって自分に語りかけているような、実際に講義を受けているかのような錯覚をしてしまう。著者との距離が近いように感じる。耳元で彼の声が聞こえてくるような、文字列には収まりきらない何かが伝わってくるような本だった。この本をよむにあたって、ある程度の(前のめりになって話を聞くような)知的好奇心やある程度の日本語の運用能力が要されていることは確かだが、それでもこの本は外に開かれた(この表現が適切なのかどうかわからないが)、どんな読者も見下すことのない親切な本だと感じた。今までにも気になった本を手にっとて実際に読んでみるものの、読み始めて直ぐ自分
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Posted by ブクログ
内田樹による内田樹
内田本27冊目
単なる自著の解説かと思いきや、まあそんなわけもなく、本当に読んでいて面白い内田本だった。やはり、なんといってもレヴィナスの話が一番面白い。人は、自分が最も面白いと思っている事を話すことが、最も面白い文章を書く上での条件なのだろう。
レヴィナスの文献を読むとき、それを批評しようとするのではなく、弟子になり、体感を同期するということが良いと話している。その文章を読んでいても意味が解らないが、しかし、その文章を読める主体にならなければならないと感じさせる本、これが内田樹にとってのレヴィナスであったのであろう。最後に話す、下流志向の解説で、現代日本の境域の在り方と -
Posted by ブクログ
「そうでない人」を排除して、社会的に良いことなど、あるのだろうか
最近、日本も日本人もおかしくなってきている。
この、「おかしさ」を言語化することにおいて、内田氏は相当長けていると思う。
毎ページ「そうだよな」という箇所が、たくさんある。
最近の少なくない日本人が、なんでもかんでも、
他人をバッシングするようなメンタリティーになっている。
日本社会の通念上で支配的な倫理観や道徳感に照らし合わせて、
個人や集団、組織の「間違い」を見つけて、徹底的に批判するようになっている。
まるで、それが、自分の義務みたいに思っている人も多くなっているんじゃないだろうか。
個人的には、非常に気味が悪い -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に面白い本読んだー。くすっと笑えるポイントがたくさんあるし、読んでいて納得できる部分も多い。とにかく語り口が楽しい♪ 結婚20年を経たから楽しめる本?(笑)
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P61
若年労働者を追い込むことで短期的に企業の収益は上がりますけど、若い人が結婚できないから子供が生まれず、人口が減少すれば、一世代先には賃労働者も消費者も激減して、市場そのものが消滅する。短期的に市場の要請に従っているうちに、長期的には人間も市場も消えてしまう。そのことをグローバル資本主義者たちは別に気にしていない。一世代先のことなんかどうでもいいからです。当期の利益が最大化して当期の配当が最大 -