内田樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても面白い本だった。
読んでみて、内田さんが「集団としての知性をいかに高めるか」を非常に重視していることが改めてよく分かった。そのためには、個々人が“ペンディングする力”、すなわち目の前の違和感やモヤモヤを即座に解消しようとせず、抱えたまま読み進める忍耐力を身につけることが重要だと説いているように感じた。ある時ふと、そのモヤモヤがひらけるように昇華される——そのプロセスこそが学びなのだ、と。
(余談だが、内田樹さんと言えば、学生時代の現代文テストで頻出の“手強い存在”という印象が強く、何度苦しめられたか分からない。しかし大人になって改めて読むと、その思考の面白さや懐の深さにようやく気づき -
Posted by ブクログ
10代向けにフリガナを多用した本だが、これは大人にも十分読み応えがある。
というか、ここまで考える大人はいないだろう。
表紙、タイトルの雰囲気からもっとおちゃらけた本だと思っていたが、
とんでもない。
深い。重い。そして的を射ている。
日頃の私の問題意識にぴたっと当てはまっている。
なんでこんなタイトルにしたんだろ。
最初に私が思ったような軽い感じで読み始めたら、離脱者続出だろう。
しかししっかり読み進めば、日本の病巣を抉り出すような内容。
タイトルって難しいよなあ、、、
さて本題。内容。目次はこう。
■PART 1.謎ルールに従ってしまうワケ
第1章 他人に振り回される私たち
ルールま -
Posted by ブクログ
バッカ面白かった。
貨幣経済、大航海時代、映画、文学評論等に話が脱線しながらも先生はえらいという結論に持っていく手腕は見事。これらの脱線も全てコミュニケーションが本質的に誤解を含むものであるという導入になっていた。最後の文章
私たちは「あなたがそうすることによって、私に何を伝えたいのか?」という問いを発することができる相手がいる限り、私たちは学びに対して無限に開かれています。私たちの人間としての成熟と開花の可能性はそこにあり、そこにしかありません。
という金言にやられ、その文がどういう文脈で使われているのか知りたくて読んだが、想像以上に面白かったし、上記の文章の意味をよく理解できた。(完璧に理 -
Posted by ブクログ
……うーん,いやあ,凄い本だった。
2002年(23年前)に初版発行か。
ちょうど大学に入りたての頃だっただろうから,その頃に読んでおきたかった。
少なくともその後,別の大学に再入学した際には,哲学を中心として,文化人類学でレヴィ=ストロースを学んでいたし,発達心理学ではラカンも学んでいたから,その頃に読めていれば,さらに理解は深まっただろうなと思うと,少し口惜しい気さえする(笑)
さて,本書は構造主義という,20世紀フランスから発祥した現代哲学の思想をおおまかに,わかりやすく解説した本である。
主な内容としては,構造主義前夜として,簡単にマルクスとフロイトとニーチェの思想に触れた後, -
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まず、文章そのものが軽妙で(ブラック・ユーモア満載で)読みやすかったです。
かつては「聖職者」ともいわれた「教師」という仕事ですが、いまでは「生徒」や「保護者」という「お客様」に教育サービスを提供する職業になり、かつての権威は薄れ…と、何かとブラックな扱いをされることが少なくありません。
はたして、内田樹が定義する「理想的な教師像」とはどのようなものなのか、と思って読み進めましたが、目からうろこが落ちたような気がします。
冒頭の「理想の教師は存在しない」というどんでん返しから始まり、コミュニケーション論にもふれながら展開された論考を経て、「学ぶ側の主体性」の大切さに気付かされました。
な -
Posted by ブクログ
2008~2014年に行なわれた講演のなかから7つを収める。テーマは、教育、学びの本質、これからの大学のミッションなど。内容の重複はほとんどない。
21年間勤めた神戸女学院大学を去るにあたっての「最終講義」(2011.1.22)が印象深い。1990年、「生き馬の目を抜くような」忙しい東京の生活から、「秘密の花園のような穏やかな大学」に赴任。内田がそこで身につけたのは「寛容さ」だったという。
95年にはあの大震災。神戸女学院も、ヴォーリズが設計した建物群が損壊。復旧工事に際して、建物を見てまわるなかで、ヴォーリズの「仕掛け」に気づく。音響効果や採光の効果はもちろんだが、隠し屋上、隠し廊下や隠し扉