内田樹のレビュー一覧
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「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。
そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。
この「まえがき」と白井聡と -
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内田樹さんの著者は初めて読みました。
あまり読まないカテゴリーであり、民主主義についての本なので、固い内容かと思いきや、過去に書かれたものをテーマ別に掲載されており、読みやすかったです。
また、過去に書かれた内容が中心ですが、今も変わらない問題を提起しており、古さを感じない内容でした。(むしろ変わらない日本にガッカリするという…。)
印象に残ったのは下記の通り。
・過去の失敗に学べ。歴史から学ばないものに未来話はない(半藤一利)
・権力者を批判する権利は権力者にしかないという思考停止
・多様性を担保された集団は、そうでない集団よりも危機耐性が高い
・公人とは、反対者を含めて集団全体を代表する -
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内田先生の自叙伝とは知らずに読み出す。
あぁ、わたしがこの先生を好きな理由がはっきりわかった。
子どもの頃の記憶で覚えている、いくつかの理不尽な仕打ちに、きちんとらNOを言ってくれるからだ。
わたしの父親は、甘やかすと人間はつけあがるからと言い、優しくしてくれなかい人だった。
その結果出来上がったのは、他人に優しくできない大人(私)だった。
幸いにもわたしは友達や恋人の人間関係に恵まれ、大人になってから甘やかしてもらえた。
だから人に優しくできる人間になったと思う。
内田先生は、絶対にそんな教えは間違ってると言い切ってくれる。
わたしにとって、それは救いだ。
自信をもって優しく -
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内田樹による、アメリカ論。ただし、誰一人アメリカ問題の専門家がいない講義の中で生まれた本。
それでアメリカ論が成り立つのか、と言えば、実に様々な角度からアメリカの持つ病巣を暴き出してくれる。
アメリカ特有のジンクスである、戦争をやって負かした国がその後同盟国になるという成功例。
その文脈でベトナム戦争やイラク戦争を見れば、私たち日本人の目線から見た「戦争」とは、全く違うものに見えてくる。
あるいは、ヨーロッパから引き継いだ子ども嫌いの文化。
マルクスが産業革命後のロンドンで見たように、子どもは搾取の対象だった。
アメリカには、自己実現を妨げる者は排除べし、という共通理解がある。
子どもが親 -
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内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た -
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ー 私たちが会話においていちばんうれしく感じるのは、「もっと話を聞かせて。あなたのことが知りたいから」という促しです。でも、これって要するに、「あなたが何を言っているのか、まだよくわからない」ということでしょう?
私たちが話をしている相手からいちばん聞きたいことばは「もうわかった(から黙っていいよ)」じゃなくて、「まだわからない(からもっと言って)」なんですね。恋人に向かって「キミのことをもっと理解したい」というのは愛の始まりを告げることばですけれど、「あなたって人が、よーくわかったわ」というのはたいてい別れのときに言うことばです。
ごらんの通り、コミュニケーションを駆動しているのは、たし -
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単著を読むのは、実はずいぶん久しぶりだった。共著書はしょっちゅう読んでるし、SNSでの発信にも触れるから、あまりそんな気はしていなかったけど。で、本書も相変わらずの内田節炸裂です。そういえば、先だって読んだ佐藤・池上新書の中で、内田さんのアメリカ陰謀論が、みたいな書き方をされていたんだけど、それが何だか全然ピンとこなくて、どういう読み方をしたらそうなるんだろ?と思ってたんだけど、なるほど、本書でも再三触れられる、アメリカの属国という考え方を受けて、ってことなんだな、きっと。でも、実際その通りじゃん。ここで記されるごとく、ひとまずそのことを受け止めないと、次のステップに進めないと考えるのが妥当じ
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『戦後民主主義に僕から一票』
久々の内田本。懲りもせず、はじめにから引き込まれる。内田老師は、誰も書かないようなことしか書かないことを、文筆家としての自らに課している。誰もが書くようなことを書くのは、書き手としての意味がないからである。しかし、伝えたいメッセージは極めてシンプルである。民主主義って大事だよね、憲法って大事だよね、教育って大事だよねという具合に、誰もが書くようなことを書いている。しかし、内田老師の凡庸ならざる点は、まさにその理路の部分にあり、なぜ大事なのかと言うロジックが、人とは明確に異なっているからこそ、何度も膝を打つポイントがある。
民主主義に対して、何事も決まるのに時間が -
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