内田樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
P171自分の居場所の見つけ方という部分が非常に良かった。内田老師のよく言っていることではあるが、ポワンカレを引いて「知性の働きは違うところにあるものを同じものだと気づくことにある」というメッセージは自分自身の好みにも合致する。「これってあれだよね?」という直感はなんとも表現しがたい恍惚感と快感がある。常に抽象と具体を高速で行き来し、一見全く別のものに見える概念の共通点やフラクタル性に気づくことは何にも代えがたい感覚だ。さらに、内田老師のようにレヴィナスと合気道という一見全く異なる分野になんらかの共通点を直感し、その両者を極めることで、唯一無二の存在になることができるという点も含蓄がある。1つ
-
Posted by ブクログ
私が尊敬する内田樹さんの自伝。
いろんなところで書いている通りの「嫌なことを我慢することができない」半生を語る。
「このまま行くと大変なことになりそうだ」というところで手を打たないといけないこと。
決断しないといけない場面は、もうすでに間違った選択肢を通過してしまっていること。
自分の体が出すサインに敏感になる必要。無理をするということは体が出すサインに自分から鈍感になるということ。そんなことをすれば、他のサインも見落として、結局ひどい目に遭うこと。
内田さんの含蓄ある言葉は、当然学問の知識にも根ざしていますが、武道の言葉、生身の身体から発せられた言葉、育児のために、大学での役割のためにと -
Posted by ブクログ
「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。
そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。
この「まえがき」と白井聡と -
-
Posted by ブクログ
内田樹さんの著者は初めて読みました。
あまり読まないカテゴリーであり、民主主義についての本なので、固い内容かと思いきや、過去に書かれたものをテーマ別に掲載されており、読みやすかったです。
また、過去に書かれた内容が中心ですが、今も変わらない問題を提起しており、古さを感じない内容でした。(むしろ変わらない日本にガッカリするという…。)
印象に残ったのは下記の通り。
・過去の失敗に学べ。歴史から学ばないものに未来話はない(半藤一利)
・権力者を批判する権利は権力者にしかないという思考停止
・多様性を担保された集団は、そうでない集団よりも危機耐性が高い
・公人とは、反対者を含めて集団全体を代表する