内田樹のレビュー一覧

  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    まさに現代教育の核心をついている。過去のフォーマットにしがみついている場合ではない。評価で釣って、子供に勉強をさせる手法は限界だ。そもそも学問とはそういうものではない。損得勘定でしか人間が動かなくなる。生徒は消費者目線で学校にやってくる。まさに、この通りで、変えることは困難であり、どう折り合いをつけていくのか。

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    2023年02月26日
  • 君たちのための自由論 ゲリラ的な学びのすすめ

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    P171自分の居場所の見つけ方という部分が非常に良かった。内田老師のよく言っていることではあるが、ポワンカレを引いて「知性の働きは違うところにあるものを同じものだと気づくことにある」というメッセージは自分自身の好みにも合致する。「これってあれだよね?」という直感はなんとも表現しがたい恍惚感と快感がある。常に抽象と具体を高速で行き来し、一見全く別のものに見える概念の共通点やフラクタル性に気づくことは何にも代えがたい感覚だ。さらに、内田老師のようにレヴィナスと合気道という一見全く異なる分野になんらかの共通点を直感し、その両者を極めることで、唯一無二の存在になることができるという点も含蓄がある。1つ

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    2023年02月26日
  • 生きづらさについて考える【毎日文庫】

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    2019年に発刊された単行本の文庫化本。特に三年前という感覚を持たずに読めた。
    生きていく上で、究極は利己的なんだろうな感じているが、それではいけないなぁと思った。残りの生き方を真剣に考えてみよう。

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    2023年02月15日
  • 街場のメディア論

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    まえがきがあまり堅苦しさもなかったので、何となく読み進めていたらどんどんのめり込んで、気がついたら読み終えた一冊。教育論から本筋のメディア論等一冊で取り扱うテーマは多岐に渡っていたように感じます。基本的に目の前にあるものがこの世の正義として疑わないスタイルのため、はっとする言葉によく巡り会うことができました。

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    2023年01月04日
  • 街場の憂国論

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     久しぶりに本を読んだ。このところサーフィンに俺の知的リソースを注ぎ込んでいたから…そこに六十過ぎて自称プロサーファーの大学教授が出てきたのには笑ったけど。

     内田先生の街場シリーズは居酒屋でちょっと知的ぶった話がしたい俺みたいな底の浅い手合には格好の書物である。でもまぁ…居酒屋でこんな話をできる人が増えれば、それはそれで市民社会の成熟なのかもしれない。

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    2022年12月13日
  • 戦後民主主義に僕から一票

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    民主主義、政治、憲法、教育の4つのテーマで論じられています。驚くべき事、お書きになられた時期が、ほとんどコロナ前であり、その洞察は、おそろしいほど、

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    2022年12月03日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    めちゃめちゃ面白かった。

    幼年期から経済主体として成長している。

    この視点から現代の問題、例えばクレームする親や教育に反抗する子供などを説明していた。

    これがすごく新鮮で、25の自分にも当てはまるところが多分にあった。

    懐古的に昭和時代の大きな家族ぐるみの付き合いを失ってしまったことを嘆いている。
    一家の大黒柱が働けない家族を含めて支えていた時代を。

    こんな友人や家族を築けたらいいなと思う。

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    2022年11月14日
  • そのうちなんとかなるだろう

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    私が尊敬する内田樹さんの自伝。
    いろんなところで書いている通りの「嫌なことを我慢することができない」半生を語る。

    「このまま行くと大変なことになりそうだ」というところで手を打たないといけないこと。
    決断しないといけない場面は、もうすでに間違った選択肢を通過してしまっていること。
    自分の体が出すサインに敏感になる必要。無理をするということは体が出すサインに自分から鈍感になるということ。そんなことをすれば、他のサインも見落として、結局ひどい目に遭うこと。

    内田さんの含蓄ある言葉は、当然学問の知識にも根ざしていますが、武道の言葉、生身の身体から発せられた言葉、育児のために、大学での役割のためにと

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    2022年11月10日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    当時勧めてくれた友達に、「読んだよ!なんか、哲学者なのに読みやすい語り口だね、堅くないし」と言ったら「わたしは内田樹の本のことはあるある本だと思ってるから」と返ってきたのを覚えてる

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    2022年08月31日
  • コロナ後の世界

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    内田さんの文章はいつもメッセージの宛先に自分が含まれていると思えるので、たとえ悲観的な話題だとしても読んでいて気分が落ち着いてくる。

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    2022年07月16日
  • 日本辺境論

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    辺境の認識がガラリとかわった。
    日本独特の、曖昧な感じ、ふわふわして実体ない感じ、戦争責任とか歴史認識とか、モリカケサクラでもなんもアクションも責任追求もない、このおかしさの根源なよくわかりました。

    真名と、仮名。

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    2022年06月26日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    本書では、子どもが授業を真面目に聞かないこと、勉強をしないこと、すぐに転職する若者が増えていること、ニート問題など、人によっては近頃の若者はけしからんと根性論で片付けてしまいそうなテーマが扱われている。
    しかし、実はこれらの背景には共通しているものがあり、それが消費者マインドだということがわかりやすく説明されていて、なるほどと大変感心した。
    現代社会において、消費者マインドは、重要かつ不可欠な思考であるというイメージがあったので、教育などの場に持ち込まれることで弊害にもなり得るというのは新たな学びだった。

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    2022年06月25日
  • 先生はえらい

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    ★恋愛というのは、「はたは色々言うけれど、私にはこの人がとても素敵に見える」という客観的判断の断固たる無視の上にしか成立しない。いい先生に出会うことと同じです。★

    本の題名に対する先入観は捨てた方がいいと思います。
    「先生は偉いんだから、なんでも言うことを聞こう」ではなく、
    「一人一人の先生から何か一つでも学び取ろうという姿勢」が大事という話です。

    この本を買う人は尊敬する先生に出会った人たちだと思いますが、著者が読んで欲しいのは、先生は偉くないと思っている人達だと思います。帯にそのような内容があればいいなと感じました

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    2022年06月12日
  • 撤退論

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    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
    その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。

    そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。

    この「まえがき」と白井聡と

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    2022年06月01日
  • 撤退論

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    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。

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    2022年05月30日
  • 街場のメディア論

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    医療と教育は市場原理にのせてはいけないものなのに、その路線でメディアが論じてきてしまったこと、学生や患者が、最上の努力で最大の効果を得ようとしていること、批判をすることが権利であり貢献していると錯覚していること、そしてそれを善意に基づいて行っているという刷り込まれた無自覚な意識と行為が、医療と教育を崩壊させている…。
    もやっとすることを、内田先生は論理的にわかりやすく整理してくれています。
    12年経ってますが、全く色褪せてないです。

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    2022年05月05日
  • 属国民主主義論―この支配からいつ卒業できるのか

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    対談というのは面白いもんだね。普通に著書を読むよりもどんな人間たちなのかがよく分かる。二人の考えることほとんど納得だ。

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    2022年04月10日
  • リスクを生きる

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    お二人の対談、やっぱり良いですね~。スリリングな内容もかなり含まれるんだけど、基本的には終始穏やかな雰囲気が感じられて、っていうギャップみたいなものがまた魅力。これからも、継続的に刊行されて行ってほしいです。

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    2022年03月28日
  • 戦後民主主義に僕から一票

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    内田樹さんの著者は初めて読みました。
    あまり読まないカテゴリーであり、民主主義についての本なので、固い内容かと思いきや、過去に書かれたものをテーマ別に掲載されており、読みやすかったです。
    また、過去に書かれた内容が中心ですが、今も変わらない問題を提起しており、古さを感じない内容でした。(むしろ変わらない日本にガッカリするという…。)

    印象に残ったのは下記の通り。
    ・過去の失敗に学べ。歴史から学ばないものに未来話はない(半藤一利)
    ・権力者を批判する権利は権力者にしかないという思考停止
    ・多様性を担保された集団は、そうでない集団よりも危機耐性が高い
    ・公人とは、反対者を含めて集団全体を代表する

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    2022年03月08日
  • 寝ながら学べる構造主義

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    言葉を獲得した人は、テキストと同じく、言葉によって編まれた存在となる。私は小説と同じ成分で作られていた。ファイアボールや文字禍に通ずるところがある気がする。残像に口紅を、に至ってはフィクションという名の現実かもしれない。どちらも言葉によって「作られた世界」であることに変わりないのだから。

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    2022年03月06日