内田樹のレビュー一覧
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内田樹というフランス思想の研究者が武道についてあちこちに投稿した小論をまとめた本。この方の名前は聞いたことはあったがあまり著作とか目にした記憶はないので他の分野のことはわからないが、少なくとも武道を論じる本としてはとても面白いしためになる本。有事に向いた人間でありたいな。ジョブズや嘉納治五郎のように今学んでいることが将来どう役立つかは将来の自分しかわからないので、茶でも弓でも気の向くまま一生懸命やればいいわな。天下無敵とか同期誘発力とかは武道の審査の論述とかに書いたことをもっと丁寧に言語化してくれてる。
道場を開いたことと社会的共通資本について、場に対する敬意がないとコモンは立ち上げられない、 -
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知識人同士の対談って、本当に面白い。
尊敬する、内田樹さん、名越康文さん。
ここに加わる橋口いくよさんが、とても良い。
震災直後の日本人の変化が
キーワードなんだけど、
10年以上たっても
示唆する部分の本質は
変容しておらず、
確信をつく会話だなあ、と
あらためて感じる。
3人の自然な阿吽の呼吸で
展開していくトークは
仮面ライダー、ショッカー、ゴジラの話から、死生観まで幅広く、
楽しく一緒に会話しているような錯覚に陥る。
怒りの感情からは
何も生まれない、って言葉が印象に残っている。
昔は綺麗だったとか
大恋愛したとか
そんなことは
ただの持ちネタ、つまんない、
ってのも、小気味い -
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(2019/7/2)
読み応えあり。
識者と呼ばれるひとたちが、内田樹氏の声かけのもと、
人口減少社会について文章をよせたもの。
それぞれの観点、得意技から、人口減少を斬る。
いろんな視点が斬新。
同じテーマで11人の文章を読んだから、誰が何を語ったか、
以下の目次を見ても思い出せないところはあるけど、
特に印象的だったのは、
最悪の事態に備え対策を立てること自体を忌避する文化が日本にはある、
という話し。
いけいけどんどん。
マイナスのことを言うと、士気が下がる、といっていやがる。
そうして突っ走って失敗する事例は多い。
成功する経営者はしっかり対策を立てる。
立てずに行き当たりばった -
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勇気論という内田翁には珍しいタイトルだが、なんのことはない、いつもの話だった。
どの部分も良かったが、特にあとがきが良くまとまっており、勇気と内田翁のいつもの他者論/レヴィナス論とのつながりがわかる。
勇気とは、孤立に耐える力であると、最終的には提示される(定義ではない)。上位審級が存在しない状態、何をしてよいのかわからない状態の中で、何かを判断する能力にも勇気は関連する。孤立するということは、他者からの理解が得られないことであるが、いつもの話だが、コミュニケーションの要諦は、理解も共感も絶した他者と、ゼロベースでコミュニケーションを成り立たせることである。コミュニケーションとは、理解も共感も -
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(2014/7/14)
凄い本に出会ってしまった。
麻木久仁子の週刊ほんなびのpodcastで精神科医 名越康文さんが紹介してくれたのを聴いて、
名越さんが進める内田さんの本なら間違いないだろうと思って手に取った本。
タイトルだけでは何の本だか分らなかったのだけど、、、、
光岡さんというのはハワイで育って日本に来た武術家。内田さんは思想家、武術家。
ものの考え方と言うか哲学と言うか、それらを武道を軸に対談している。
生きるか死ぬかの時に型がどうのこうのじゃないだろう!というのがベースにあるように思った。
保護されてる、守られてる前提で武術やってて意味あるのかと。
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(2016/10/15)
中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。
小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
みな「会社員」として何とか生きている。
白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
そこにはまったら最後だな。
戦争中における「国」とは、国民でなく国体 -
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(2016/1/10)
最近内田さん、白井さんの本をよく読ませていただいているが、
この対談で新たな発見をしたのが
「破局願望」、「自己破壊衝動」。
アメリカの属国ということは何度も読んできたが、この概念は新しかった。
坂の上の雲を追いかけて上ってきた明治日本がなぜ大東亜戦争で破滅の道を歩んだか。
幕末に賊軍とされた東北勢などが薩長を追いやって権力の座に就き、それまでの明治維新日本を
壊した、という。
また、今の日本。戦前の天皇をアメリカにおきかえ、アメリカに褒められること、ご褒美をいただくことに
期待して一所懸命やってきたが、なかなか認められない。
そりゃそうだ。天皇と違って、アメリカは自 -
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もう、だいぶ内田老師の本も残り少なくなってしまった。今回のマンガ論も、ただ漫画を媒介しているだけで、なんのことはないいつも同じことが書いてある。老師は自分自身、先生というものの役割について、卒業生にとっての北極星、つまり定点であり続けることと、仰っていた。私は卒業をした記憶こそないが、数か月、内田老師の本を読まない間に、また、10年前に呼んだ老師の本を再読した時に、自分自身の変化や成長を感じることができるのは、まさに老師が定点としての役割を発揮しているおかげなのだろう。
• あらゆるマンガの中でも、主人公に成長を要請するシナリオは似ており、人類学的な普遍性すらも帯びている。人間は「こうせよ」と -
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(2022/1/8)
2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。
日本の知性が集結している。多くの方が参加している。
読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、
もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。
この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。
私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。
一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮 -
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至言に溢れた一冊でした。
「勇気とは何か」を、論理的に体系的に説明するのではなく、編集者との往復書簡という形で考察をしながら導き出していく、という内田さんの思考の過程を辿ることができて、とても面白かった。
「勇気」についてだけでなく、その過程で考えたとりとめのないことの中にも、「なるほど」と膝を打つ言葉が出てきて、子育てをする中でも大事にしたいと思えることがたくさんあった。
特に心に留めておきたいと思ったのは、以下。
「自分がほんとうに思っていること、感じていることを自分の言葉で語る時、口ごもったり小さな声になってしまうのは当然のこと。『大きな声で、はっきりと自分の思っていることを言いな