【感想・ネタバレ】先生はえらいのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年06月12日

★恋愛というのは、「はたは色々言うけれど、私にはこの人がとても素敵に見える」という客観的判断の断固たる無視の上にしか成立しない。いい先生に出会うことと同じです。★

本の題名に対する先入観は捨てた方がいいと思います。
「先生は偉いんだから、なんでも言うことを聞こう」ではなく、
「一人一人の先生から何...続きを読むか一つでも学び取ろうという姿勢」が大事という話です。

この本を買う人は尊敬する先生に出会った人たちだと思いますが、著者が読んで欲しいのは、先生は偉くないと思っている人達だと思います。帯にそのような内容があればいいなと感じました

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Posted by ブクログ 2022年02月06日

内田樹を読むことの1番の魅力は、本気か冗談か分からない主張を、屁理屈まがいにロジカルに成立させた文章を、面白おかしく読んでいるうちに、読者自身が、なんかすごい大事なことに気づいてしまう、という図式です。敷居が低く、出口が高くなっている。

第二次安倍内閣あたりから、政治への怒りが閾値を超えてしまい、...続きを読む最近は面白おかしく読ませてくれる文章が減っていて残念なのですが、この頃の内田先生は最高です。特にこの本は、(ちくまプリマー新書シリーズ全般そうですが)言葉が平易で、長すぎず、非常に読みやすいです。ヤングにもアダルトにもオススメ。

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Posted by ブクログ 2021年12月09日

ー 私たちが会話においていちばんうれしく感じるのは、「もっと話を聞かせて。あなたのことが知りたいから」という促しです。でも、これって要するに、「あなたが何を言っているのか、まだよくわからない」ということでしょう?

私たちが話をしている相手からいちばん聞きたいことばは「もうわかった(から黙っていいよ...続きを読む)」じゃなくて、「まだわからない(からもっと言って)」なんですね。恋人に向かって「キミのことをもっと理解したい」というのは愛の始まりを告げることばですけれど、「あなたって人が、よーくわかったわ」というのはたいてい別れのときに言うことばです。

ごらんの通り、コミュニケーションを駆動しているのは、たしかに「理解し合いたい」という欲望なのです。でも、対話は理解に達すると終わってしまう。だから、「理解し合いたいけれど、理解に達するのはできるだけ先延ばしにしたい」という矛盾した欲望を私たちは抱いているのです。

対話へと私たちを駆り立てるのはその欲望です。理解を望みながら、理解に達することができないという宙づり状態をできるだけ延長すること、それを私たちは望んでいるのです。 ー

簡単に読めるけれど、書かれていることは非常に奥深いコミュニケーションについての話。本題は、“自己の学び”と“先生”と自分が思う人は本質的に“偉い”という話。

コミュニケーションがなぜ難しいのか、という本質を突く論考。

だって、ロジカルかつ極めて明確に自分が相手に伝えたいことを伝えようと努力して、相手にも同等の努力を求めかつ期待した方が、圧倒的にコミュニケーションにかける労力は減るはずなのに、どうしてそうしないのか、あるいは出来ないのか。って永遠の疑問じゃん?

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Posted by ブクログ 2020年09月22日

一読しただけではすっきりと掴みきれないものの、「ここには何かとても重要なことがある」と思わせてくれる一冊です。

凝り固まったものの見方を、軽やかな文体で説きほぐしてくれる感じは、外山滋比古さんの「思考の整理学」に近いものを感じました。

読み返すたびに新しい発見がありそう。

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Posted by ブクログ 2020年05月04日

売れっ子作家が中高生向けに書いた学習論。最近学生に聞いたら「内田樹は入試頻出作家なんですよ」とのこと。オススメ!

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Posted by ブクログ 2020年01月27日

内田さんらしい一冊です。タイトルの意味が読み終わるまでわかりません。いやきっと私は誤解していると思いますが...。コミュニケーションと言うもの、学ぶと言うこと、それらについて考えることができます。「誤解の幅」「訂正の扉」、これらは自動車のハンドルの遊びとかで例える場合もありますが、確かに必要です。な...続きを読むぜ必要かと言うと、コミュニケーション継続のため、そしてなぜコミュニケーションが必要かと言うと?この辺は書くと長くなるので、ぜひお読みください。

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Posted by ブクログ 2019年12月22日

自分が先入観にとらわれている事に気付かせられた。一冊かけて筆者は「先生」「コミュニケーション」についての凝り固まった考え方を解いてくれた気がする。
謎に対する考え方は十人十色で皆違っていいと思えた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年11月30日

よかった。多くの人に向けて文章を書きたいと思っていたので、見事にささった。

おもしろい、読みたいと思われる文や物語には、解釈がないのだと思った。今さらなのかもしれないけども。そこを混同していた。解釈は読む人がくわえるもの、書く人は描写をするか、誤解を生むような解釈の文章を書かなければいけない。

...続きを読む文章だけでなく、ビジネスやマーケティングへの示唆にも富んでると感じた。買いたいと思ってもらえるものは、きっぱりと分かるものではなく「なんかよくわからないもの」である。

そのわからなさに人は惹かれる。さらに話は広がって「経済」や「貨幣」についても言及。貨幣の価値や役割を学びたかったので勉強になった。物事のそのいちばん最初はどういう気持ちで始まったのか?を考えるという方法も面白い。

先生や教育論という切り口だが、「わくわくする」ことについて書かれた本のように感じた。

人によってまさに読みとることや胸にささるところのが違う本だと思う。

なるべく多くの人がいろいろ学べるように、方向や角度を変えて語っている。それぞれの「引っかかりポイント」が具体的で学術的で面白い。

子ども向けの語り口だけど、内容は大人向け。というか、内容が難しいのに無理に子ども向けに口当たりだけ直してるのがもったいない。そこだけ気持ち悪かった。最初は苦しかったが、我慢して読んでよかったと感じた。満点。

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Posted by ブクログ 2018年12月08日

本の題名に興味を持って読んでみた。
教育論とはあるが想像していた以上の話で、中高生向けにしてはかなり奥の深い話。

恋愛も師弟関係も誤解に基づくもの、自分だけが素晴らしさを知っているという誤解、先生が私の唯一無二性の保証人であるなどの思い込みで、学びが起動すると説明。
学ぶと話し合うの違い、コミュニ...続きを読むケーションの解説は、実際の場面でのあるある体験を思い出してすごい!と思った。

面接官や学生指導の時の内田氏が困惑する場面とそこから解放されて愉しい救われるという場面は個人的には少し興味深い。

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Posted by ブクログ 2018年10月18日

タイトルと内容はイメージが違う。
先生とは何か、すごい先生ってどんなだ、など書いてある話と思いきや。タイトルはキャッチフレーズで。
もっと深い話でした。

人間のコミュニケーションの根源の話であり、文学の話でもあり、発展すると芸術の話だとも思う。

この本で書かれているのは
ファーストフードのように...続きを読むあらかじめ決められたものをお金で買うようなコミュニケーションには人は退屈してしまい、何も発展しないということ。

だから、「すごい先生」というのはあらかじめ存在するのではなく、生徒が見つけるということ。

お互い何かわからない、誤解が発生するような部分が含まれたコミュニケーションの方が、お互いの興味が湧き、本当のことに近付くという。
哲学的な話が容易に書かれている。

小説でいえば、筆者と読者そして何らかの第三者(それを村上春樹は「うなぎ」と呼んでいる)がいて、そこから小説が立ち上がる。というところが非常に面白かった。

語り口が口述筆記のよう(講演なのですかね?)で、話がどんどん膨らんでいて、センセイの話していない方が多いけれど、飛んだ話がたとえ話含めて全て面白い。
これは内田さんの知識が豊富なのと、一つのテーマ(人と人がコミュニケーションすること誤解が興味を、新しい何かを生み出すこと)に即した上での話が飛んでいるので、安心して、それでいてドキドキして読めるのだろう。

自分が高校生の頃に読んだら、かなり理解できない部分も多かったと思うが、なんだか変なこといってるけど面白いなと断片的な印象が残るのだと思う。
その後の人生で、何かのきっかけでこの断片の印象が思い出され、あ、このことだったのか!となる。
そんな感じの本です。

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Posted by ブクログ 2018年10月09日

非常に平易な文章で書かれているが,ジャック・ラカンの引きながら「学び」や「コミュニケーション」の本質を説いている.

・「これが出来れば大丈夫」ということを教える先生と,「学ぶ事には終わりがない」ということを教える先生は雲泥の差
・「学びの主体性」とは?人間は自分が学ぶことの出来ることしか,学ぶこと...続きを読むはできない.学ぶことを欲望するものしか学ぶことはできない.
・コミュニケーションは,常に誤解の余地があるように構造化されている.
・「わかる」ことは,コミュニケーションを閉じる危険性と常に隣り合わせ
・人は知っている者の立場に立たされている間は常に十分知っている.

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Posted by ブクログ 2024年03月08日

 中高生向けということでしたが、私にはちょうど良く腑に落ちました。
まさしく「先生運が悪い!」と思っており、自分が尊敬する先生(人)は、誰もが尊敬できる先生なんだと思っていました。こんなに様々な人がいて、感じ方が同じわけないのに。
分かりやすく伝えて相手に理解してもらうこと、それも大事なことだけど、...続きを読む(少なくとも自分は理解したことを)何度も言われると退屈だし、その時点でシャットアウトして終わってしまう。誤解の余地が残っている方がコミュニケーションが続くって面白い。
何でも謎があった方が惹かれるもんね。

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Posted by ブクログ 2023年09月26日

「学び」は「教わる」ものだと、つい考えがちであるけれども、学ぶ者に視点を置いてみると、結局は「教わったつもり」になったものなのだ。学ぶ側には、解釈の自由がある。だからこそ「学び」が成立するのだ。

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Posted by ブクログ 2022年03月14日

そこには無い何かを感じ、抽出し、意味付けをする力こそが学ぶ力である。
意味のある(数値化でき、効用が明確である)ものを選択的に受容することに骨の髄まで浸ってしまうと意味のない(と思えるもの)は無きものとなる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月10日

尊敬できるような先生に出会えないのは、先生が悪いのではなく、漫然とえらい先生の出現を待っている自分が悪いのだと内田センセイはおっしゃる。
それはまあ、そうかもしれない。
どんなに先生が素晴らしいことをおっしゃっても、聞く気のない人の耳にその言葉は届かない。
逆に先生が何の気なしに言ったことが、人生を...続きを読む変えることだってある(かもしれない)。

そもそも、万人向けの言葉の中に大切な言葉はない。
たった一人の自分のために言われた言葉だから価値があるのだ。
わかりやすくある必要はない。
この人の言う言葉がわかるのは自分だけだ!くらいの勘違いが、尊敬できる先生との出会いのきっかけになるのだそうだ。

恋愛しかり。
「わかりやすい=誰にでもわかる」よりも「自分にしかわからない良さ」が、ポイントなんだって。

”わからないけれど、何か心に響く。「たしかに、そうだ」と腑に落ちるのだけれど、どこがどう腑に落ちたのかをはっきりと言うことができない。
だから、繰り返し読む。
そういう文章が読者の中に強く深く浸透する文章なのです。”

この文章を読んだとき、なぜ村上春樹が人気あるのかわかった気がしました。
私はわからないうえに腑に落ちないから、村上春樹にハマれないんだということも。

ところで「反面教師」ってことば、中国の文化大革命の頃の用語なんですって。
「資本主義に毒された反革命的な先生」という意味だったそうです。
単純に「ああいう人になってはいけない」ような人ってことではないんですね。
勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2021年03月14日

内田樹の教育論。と言っても、「学ぶこと」とはどのような状況で起こるのか、ということを平易な言葉で中高生向けに書かれている。学ぶことを学習に限定していないところがとても良い。
ちょっと回り道が長いので、ついてこれる子どもはどれくらいいるかわからないが、最後までたどり着くと実に面白い例が出ていて、納得す...続きを読むる。教員にも読んでほしい本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月08日

全体としてはなんだかよく分からないような気がするけど、それさえも術中のようで誤解できたんじゃないかと思います。

内容は面白いの一言でこれ以上言うことはないのですが、個人的にはこんなに話しかけるような書き方(悪く言うとものすごく内容に関係ない文が多い)さえも狙っているのではないかと思わずにいられませ...続きを読むんでした。(本の中でトイレ休憩とかコーヒー休憩入れる人見たことないです!)

それも含めてこの本で言いたい事が表れているのは素直にすごいと思います。(少なくとも自分はそう誤読させてもらいました。)

感想は書けるけど、自分で読んだ方が早い気がします。

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Posted by ブクログ 2020年08月01日

初内田樹だけど面白かった

大学生もっと早くに読めば良かったなあ

学びは学びたいと思うものにしか現れない。
よくわかる気がする

よく分からん難しい教科書に、あれこれ考えて無理やり解釈つけてわかった気になって、先生にボコボコにされてあーそういうことかってなることよくある。

謎があって、誤解の余地...続きを読むがあるから人は想像するようになってるって、あーいいなって思う
突っ込み所のないパッケージトークつまんないしね。
逆に誤解するようにできてるから、人には想像力があるんだろう。

突っ込み所が適度にあるよう会話って、考える前に自然にそこに突っ込んでて、突っ込まれた方もあーそれはこうだからって自然に展開して、
考えてないから確かに第三者が操ってるような、会話がうまくドライブしていく感覚になる

そういう会話ができたときはすげー気持ちいい
会話のゾーンなんじゃね??

好きな人と喋ってるとうまくんできんのはなんでなんですかね。知って欲しい欲とか知りたい欲とかが勝って変なただの思い出とかをポーンと言っちゃうからなのかね

わかりたいんだよなあ。わかりきったらつまらんくなるのよなあ。人間めんどくせえなあ

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Posted by ブクログ 2019年12月27日

「先生はえらい」? タイトルが意図するものがわからなかった。はじめにを読んで、要約すると・・・

『先生はえらい』と題したこの本では、「どういう条件を満たす先生がえらいか」ではなく、「人間が誰かを『えらい』と思うのはどういう場合か?」ということについて論じているらしい。ちょっとこの意図はタイトルでは...続きを読む伝わりにくいは、まあ本のタイトルとしては”つかみ”はOKなのだろう。

要は学びの主体性ということが重要だと言っている。
人間は自分が学ぶことのできることしか学ぶことができない、学ぶことを欲望するものしか学べないという自明の事実なのだ。

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Posted by ブクログ 2018年06月21日

「先生はえらい」
内田先生は本当に素敵な文章を書く。
また、中高生向けにかかれたため、内田先生の他の本より平易にかかれているのもとっつきやすい。オススメ!

# 心に残った話1: プロとは
プロとは、技術には無限の段階があり、完璧な技術には到達することができないことを知っている人。
ex. 自動車教...続きを読む習所の先生とF1プロドライバーの教え方の違い
教習所の先生は、「これでいい」を教える。
F1プロドライバーは、「先には先があることを」教える。

# 心に残った話2: 学びの極意「張良の話」
張良は、師匠の黄石公が、靴を落としたことから「兵法の極意」を学んだ。
師が語る以上を弟子は勝手に誤解して学ぶことができる。

# まとめ
「先生はえらい」と感じるところから学びは始まる。
教えてもらうのではなく、学ぶ。

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Posted by ブクログ 2018年03月20日

教えることを、知識や技能を伝えることではなく、コミュニケーションの問題に帰結して語る本です。
コミュニケーションの本質を誤解に見ていて面白い。
素晴らしい先生と言えるのは、生徒側が勝手に妄想を逞しくして、勝手になんらかのことを学んで行く誤解が生じたときだという結論だけど、はてさて、これもやはり誤の上...続きを読むで学んだことなのでしょうか。

完全に哲学的なお話で、先生は偉いんだよ!と子供達を諭す内容ではありません。
一応、子供向けに話はしているんですが。

なにかを学ぶ、会得するためには誤解が生じる必要がある。文学や哲学がわかりにくいのは、あえて誤解を与え、解釈の余地を作るため、というのは面白い。
わかりやすいことがいいことのように言われていますが、教えることをしていると、わかった瞬間思考停止になり、じつは大したことが身についていないのではないかと思っていたので、納得できる話だった。
わかりにくいと、個々の人で解釈が生まれる、だからわかりやすいものはすぐに忘れられてしまうが、わかりにくいものはしこりのように残って、新しい解釈を人の数だけうんでいく。
なるほど。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月03日

中高生向けに書かれた本という体裁ですが、内容はかなり難解に思えました…
えらい!という先生に出会うのは偶然なんかではなく必然で、受け手の感覚次第ということなんでしょうか…?
こんな考察も、最後の章を読むと学びに内包されていて勝手に私が誤解してるだけなのかしら…?
色々と考えるきっかけになる本でした。

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Posted by ブクログ 2023年09月16日

くだけた感じで語っていますが、語っている内容はけっこう難しいことをいっています。
分類的には教育論なんでしょうが、完全に思想、哲学です。

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Posted by ブクログ 2023年03月17日

万人にとっていい先生は存在しない。師を恋人で例えているのは面白かった。

学ぶことを欲望するものしか学ぶことができない。そして私たちは「わからない」から、満たされないから知りたいと思う。
私たちは自分のこともわからない。自分が考えていることが上手に言葉になっていかない。言い淀んで言い直してジタバタし...続きを読むて、だからコミュニケーションは終わらない。全部わかったら対話はいらない。
今現在も目下教育界で課題の主体的対話的な学びって、子どもたちの上手くいかないなーわかんないなーこの人のこと知りたいなってところから出発してるんだよね。

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Posted by ブクログ 2022年07月03日

「先生はえらい」というタイトルから、先生を肯定するような内容かな?と思っていたが、コミュニケーションや学ぶことの条件について、かなり論理的に、そして、内田樹さん的に解説してあった。

その人がいったい何を知っているのか私たちには想像が及ばない先生、それが「謎の先生」=「学べる先生」「尊敬できる先生」

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Posted by ブクログ 2020年08月24日

先生はえらいというのは自分も成る程と思いました。こう思えるのは読み終わってからだと思います。読んでみてください。

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Posted by ブクログ 2019年09月29日

「正確に何かを伝える」
「自分には伝えたいことが明確にある」
などの考えが間違っていることに気付かされた。

特に、オチのない話=まだ自分の中でどんな価値があるのかわからない話 をしてしまう相手こそ親友であり、恋人である、という話には大変驚いた。
この感覚を現代の子ども達はどれくらい持つことができる...続きを読むのだろう。

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Posted by ブクログ 2019年09月17日

心に響くフレーズ
① 漱石が先生の条件として挙げているのは、二つだけです。一つは、なんだかよくわからない人であること。一つは、ある種の満たされなさに取り憑かれた人であること、この二つです。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

師を得るというのはどういうことか?ということが分かる本。先生礼賛の本かと思って読んだが全く違った。
師と出会うというのは、本人の勘違いであり、恋と似たようなもの。そうでなければならないとこの本は主張する。夏目漱石の著書も例に引き、どんな人でも、自分の師になる可能性があり、他人を師として学べるかどうか...続きを読むは、まったく自分次第であるということを説明してくれている。すばらしい師に巡りあえなくて、自分の不運を呪っているそこのあなた、その原因は自分自身にあるかもしれないことをこの本を読んで確認してみませんか?

以下注目点
・オチのない話は、恋人と親友にしかしない。
・謎の価格設定
・貨幣は商品

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Posted by ブクログ 2020年07月15日

タイトルからは、どんな内容なのか想像がつかない本。
結論としてはたしかに、「先生は、その定義からしてどんな場合でも必ずえらい」というところに持っていくのだけれど、それは話題のきっかけに過ぎず、「人から学ぶ」というのはどういう現象なのか、ということについて主に語られている。

面白いと思ったのは、コミ...続きを読むュニケーションは誤解の余地が残されているからこそ質の高いコミュニケーションになる、ということだった。これは経済活動においても、何かを教えるということとも関わっていて、一見すると効率からはかけはなれた「無駄」や「曖昧な部分」があるからこそ上手く機能することが多くある、という。

たとえば、著者が「あべこべ言葉」という用語で表現した、「適当」や「いい加減」のようにまったく真逆の二つの意味を同時に持つ単語というのは、どの言語にもあり、それはコミュニケーションに曖昧性を持たせようとする、本能的な性質であるらしい。

その、完全じゃない部分を補う想像力を人は持っていて、そこにこそ豊かさが生まれるというのは、言われてみればその通りのことだ。ちょっと変わった視点からの話しの展開ばかりなので、どんな人が読んでも、新しい気づきを与えられる本であることは間違いないと思う。

私たちが「この先生から私はこのことを教わった」と思っていることは、実は私が「教わったと思い込んでいること」であって、先生の方にはそんなことを教える気がぜんぜんなかった、ということがあります。
というか、教育というのは本来そういうものなんです。(p.41)

対話において語っているのは「第三者」です。
対話において第三者が語り出したとき、それが対話がいちばん白熱しているときです。
言う気がなかったことばが、どんどんわき出るように口からあふれてくる。自分のものではないようだけれど、はじめてかたちをとった「自分の思い」であるような、そんな奇妙な味わいのことばがあふれてくる。
見知らぬ、しかし、懐かしいことば。
そういうことばが口をついて出てくるとき、私たちは「自分はいまほんとうに言いたいことを言っている」という気分になります。(p.62)

ここで、たいせつなことをみなさんに一つ教えておきます。それは、人間はほんとうに重要なことについては、ほとんど必ず原因と結果を取り違える、ということです。
コミュニケーションはその典型的な事例です。
私たちに深い達成感をもたらす対話というのは、「言いたいこと」や「聴きたいこと」が先にあって、それがことばになって二人の間を行き来したというものではありません。そうではなく、ことばが行き交った後になって、はじめて「言いたかったこと」と「聴きたかったこと」を二人が知った。そういう経験なんです。(p.72)

古典といわれるほどの書物は、小説であれ哲学書であれ、読者に「すみからすみまで理解できた」と決して言わせないような謎めいたパッセージを含んでいます。これはもう必ずそうです。構造的にそうなんです。(p.135)

教えるというのは非常に問題の多いことで、私は今教卓のこちら側に立っていますが、この場所に連れてこられると、すくなくとも見掛け上は、誰でも一応それなりの役割は果たせます。無知ゆえに不適格である教授はいたためしがありません。人は知っている者の立場に立たされている間はつねに十分に知っているのです。(ジャック・ラカン「教える者への問い」)(p.170)

子どもは彼が生まれる以前に成立した言語に絶対的に遅れて生まれます。言い換えれば、子どもは「すでにゲームが始まっており、そのゲームの規則を知らないままに、プレイヤーとしてゲームに参加させられている」という仕方でことばに出会うわけです。(p.172)

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