あらすじ
物価上昇にステルス増税、政財界の癒着、そしてマスメディアの機能不全……
激動の国際社会の中で、沈みゆく「祖国」に未来はあるか!?
ウチダ流「救国論」最新刊!!
ここ数年で、加速度的に「冷たい国」になってしまった日本。
混迷を極める永田町、拡大する経済格差、税の不均衡、レベルが落ちた教育界など問題が山積となっている。
また、アメリカの新大統領がトランプに決まり、国際情勢も先行きが不安定である。
生活苦しい国民に手を差し伸べることのない冷たい国で、生き抜いていくためにはどうしたらいいのか……。
この「沈みゆく国」で、どう自分らしく生きるかを模索する一冊!
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Posted by ブクログ
最終学歴のアウトソーシング化。総理大臣候補者の最終学歴がほとんど海外の教育機関。しかし、その様な留学ができるのは資産のあるものだけ。いや、その格差を維持するためには国内の教育期間に資金をつぎ込み、彼らの立場を脅かす者が出てこない方が良い。日本の教育予算が貧困なのも頷ける。
この組織は何のためにできたのか。この事が忘れられて、組織の運営・維持のみが優先される。そうすると「組織マネジメント原理主義」に陥るが、この場合、最も組織を効率よく動かせるのはトップダウン方式。しかし、このトップダウンが上手く行きのはトップに「賢い人」が立つのが必要条件だが、「組織マネジメント原理主義」ではそうはならない。権力を欲し、意のままに組織を動かし、指示に異を唱えるものは排除する独裁者がトップに立つのである。
社会資本を豊かにする事。コモンの充実。その為には?
日本の人口問題は減少問題にあらず、配分の偏向が問題、つまり東京一極集中、過疎過密の問題。そして、これはこれからの日本人が豊かに暮らしていくためには最優先で取り組んで行かなければならない事。
一極集中のなんとリスクの大きな事か。特に地震などの大きな自然災害のリスクを抱える日本に於いては。人口が5000万人に減少した日本は社会が成り立たないのか。いや、江戸時代の人口規模は3000万人であったが、なんとさまざまな地方独特の特色を持つ色合いの豊かな社会であった事か。
資本主義は過疎過密を人為的に作り上げてくる事で成功したのは歴史的事実。つまり、資本主義的な視点でしか社会の成り立ち、再生を考える事ができないのであれば未来の日本はディストピアにならざるを得ないが、この道は必然性のある客観的なものではない。違う道を作り上げる事が出来るかは今の自分たちの立ち位置を過去と未来に広げて俯瞰的に眺める事ができる様になれるかどうか。未来を築いていく子どもたちの教育はこの様な視点を持つべきである(目先の社会の変化にいかに対応出来る人間を育てるかという、狭小的な視点では無く)。
Posted by ブクログ
audible 。人口減少問題は人口一極集中問題であるとの指摘には納得がいった。韓国の例を挙げるまでもなく日本はそういう道をひた走っていると思う。
内田樹さんの鋭さには感服する。佐高さんが悪くいうので少し離れていようと思っていたのだが。
Posted by ブクログ
いつも内田先生の本を読むと「ああ、そういことなんだ」と思わされることがあります。
歴史の見方、政治のあり方、人口のことから死にいたるまで広い視野で様々なことを学ばせてもらいました。これからも興味深い本を期待しています。
Posted by ブクログ
もしかして、そうかな、と思ってたけど、やっぱりそうだったのか。
「今私たちが直面しているのは『近代の限界』というより、『前近代への退行』である、ということは、論理的に言えば、今必要なのは『近代の復興』、『近代への回帰』だということになる」
「『近代市民社会』などというものはまだ歴史上一度も実現したことのなかった幻想なのかもしれない」
じゃないかと私でも感じていたのだけど、そんなことを言うと、歴史家からバカにされそうだったから、口に出したことはなかったのだけど。
内田さんがキッパリ言うので、これからは胸を張って言える。ポストモダンなんてまだ早い!まずは近代化だ!
最後の講演が、少子化社会をどう乗り越えるか、明快でよい。
以前から一極集中には反対し、少ない人口で地方のコモンを大事にして生きていくことを提唱していた著者だが、ここでもその論を若い人たちに向けて、わかりやすく述べている。フランスはあの国土で6500万人。日本が5000万人に減っても都市に集中しなければやっていけるなと思う。
資本主義の要求に飲まれずに地方分散のビジョンを作る政治家を増やしていかなくてはね。(見当たらない…)
Posted by ブクログ
現代社会の閉塞感、違和感の正体を鮮やかに敷衍してくれて、自分が何に気をつけて、何を日々のできる範囲で護り育てなくてはならないのか、気づかせて頂いた。
成熟するには、良識を持つには。
同質性を基準とするのではなく、広い視野を持って、長いタイムスパンの中で物事を観察すること。
自分自身を含む光景を上空から俯瞰する。
そんな視点を持って生きていくことが、大事なことだと学ぶ。
そして、そうした態度で示される氏の数々の見解から、多くの金言が得られる。
読んでいて思ったことは、次の三つ。
1.自由と教育について
自得するものこそが、真に自分のものとなる
だからこそ、教えるのではなく、自得できる環境を作ることこそが重要だ
この考え方は、学生時代に学んだ、エヒメアヤメの保全や、木村秋則さんの自然農にもつながる思想だと思った。
2.自由と平等を実現するには
私有財産は世代を超えて引き継げないとしては?
その上で、医療、教育、生活保障は、社会全体で見るとすれば良い。
3.社会共通資本を守るということ
自然や、文化、宗教、伝統という社会共通資本を護り、そのために、地方から小規模分散の社会を実現することが、持続的な日本をつくることになるということ。
自分の関心事項、夢と繋がる。私は、華厳的な世界の見方で、小規模分散の世界を作り、社会共通資本を守りたいと思っているということを自覚した。
役職定年まで残り10年弱。次のステージは、本当に目指しているそこ、自然と人の共存に向けていける様に、しっかり頑張ろう。
Posted by ブクログ
何かとモヤモヤする物事に対して、普段の自分だけでは思いつかないような、ちょっと視点の異なる考え方に気付かさせてくれます。
そこから更に考えを深めたり、他の物事でも違った側面から考えられるようになったりと、筆者の本は考え方の勉強になることが多いです。
普段の仕事やお金の事に追われ、ついつい何にでも同じ物差しを当てている自分を反省しました。
沈む祖国から少しでも多く持ち逃げするような人間にはならず、沈む祖国を救うために自分なら何が出来るか?を諦めずに考えていきたいと思います。
Posted by ブクログ
『第二期トランプ大統領誕生の最悪のシナリオ』より 日米安保条約をアメリカが破棄した時、日本国内で安全保障について実際的な知識と意見を持っているのは自衛隊しかない。だから自衛隊が「日本独自の安全保障戦略」の構想を丸投げされることになる。自衛隊としてはとりあえず憲法九条二項の廃棄を求め、つづけて国家予算の半分ほどを国防費に計上することを要求するだろう。恒常的な定員割れを補うためには徴兵制の復活も当然議論の俎上に上る。主を失った米軍基地はもちろんすべて自衛隊基地になる。国防上の配慮からスパイ防止法が制定され、スパイ摘発のために秘密警察が設置され、反戦平和を訴える政党、団体は禁止。仕方がない。何しろ「日米同盟」以外の国防構想と言われても、日本人が知ってるのは80年前の大日本帝国戦争指導部のそれしかないからである。
Posted by ブクログ
かつて日本は、災害や困難のたびに支え合い、共同体の力で危機を乗り越えてき。その温もりが失われつつある現状に警鐘を鳴らす。
効率や競争が重視されるなかで、人は互いを助けるよりも自己責任を求めるようになった。弱者へのまなざしは薄れ、社会には見えない分断が広がる。
冷たさの原因を誰か一人の責任には求めない。失われた信頼と連帯を取り戻すことこそ、沈みゆく祖国を支える道だと説く。
国を救うとは大きな理念ではない。隣人を思いやる小さな行為の積み重ねこそが、日本再生への第一歩である。
Posted by ブクログ
久しぶりに社会的公共財という言葉にであった
45年ほど前に北海道出身の青年と語る会に呼ばれた(北海道開発庁主催:当時の長官は稲村左近四郎)事を思い出した
その際に札幌圏への一極集中が問題、大学や医療機関などの分散にあよる特色ある拠点化と、拠点都市間を結ぶネットワーク化(高速道路、空港など)などを提言
その当時は、排ガスのひどい東京の方が自然豊かな北海道より平均寿命は高かった〜これは医療機関へのアクセスの問題
北海道の高速道路は熊が走ると揶揄されていた
Posted by ブクログ
面白かった章は、
「共感」に価値を置くことへの警告
「最終学歴がアメリカ」を誇る、残念な人々
「虚無感」に苛まれている有権者たち
「民主制」の終わり
第二期トランプ大統領誕生の「最悪のシナリオ」
「自民一強」時代の終焉
大学存続の秘策
今、中高生に伝えたいこと
第2部 冷たい国からの脱却
この本を読んでいるときに、「怪しい本」を読んでいると友人から小馬鹿にされた。彼女には、彼女自身の「怪しくない」イデオロギーとはどういうものなのかを聞いてみたい。さすがに内田樹を知らないのは庇えない(知ってて言ってるのかも)。タイトルと装丁は怪しく見えるかもしれないけども。
Posted by ブクログ
タイトルがバタくさいのであまり期待してなかったが、とても参考になった。特に人口問題の捉え方については新鮮だった。今から100年後に日本の人口は5000万人になってしまうようだが、5000万人というのは明治時代の終期と同じであり、江戸時代の日本の人口は3000万人だったのだ。その人口で江戸時代には200以上の藩がそれなりに存続し、日本全国の隅々にあったそれぞれの藩に文化や名産品があったのだ。
人口減少が問題なのではなく、一局に人口が集中して地方が切り捨てられていくことこそ問題なのだ。資本主義は効率性を追求し、お金儲けのためには儲からない地方ではなく、都心に人口を集め効率的に稼ぐことを狙う。藩の中でしか生きられなかった江戸時代はどんなに貧しい藩であっても、その存続のために必死になり、他藩より良くなろうと努力したのだ。そして明治政府は、学問と医療を偏らせることなく地方に分散した。帝国大学や旧制高校を全国どころか台湾や朝鮮にも張り巡らしたのだ。ところが現在は経済効率性を優先して、全て市場任せで政治家は何の戦略も展望も持たないのだ。このまま日本が沈没し続けるしかないのか?と考えさせられる本である。
Posted by ブクログ
内田樹さんの本を定点観測的に読むようになってから随分経ちます。今回も「いつも通り」なのかな、と思いつつ読み進めたのですが、いつもよりも「なんかやばいな」と思わされてしまいました。それは最近読んだサンデルとピケティの対談本と通底するところがあるからかも知れないし、別々のスーパーで立て続けに感じたマンパワーの低下があるのかもしれません。でもこのまま拝金教の資本主義「だけ」でいくのは世界にとっては良くないことでしょう。打ち手が見えないのが辛いところですが、それでもほんの少しの希望を持たせてくれる内田さんは、やさしい。