あらすじ
【人間への深い洞察から導いた、初の「老い論」】
少子化・人口減する日本、カオス化する世界、長寿化による生き方の変化――
先行きの見えない現代において、心穏やかに生きるための12のレッスン
もくじ
まえがき
1「老い」を忌み嫌う時代に
Q.老いることは悪いことなのでしょうか……?
老いて、「あまりよけいなことをしない人間」になった
など
2 長持ちする身体のつかい方
Q.老いると体はどう変化するのでしょうか……?
死んだはずがまだ生きている
など
3 親の老いとの向き合い方
Q.老いる祖母に対して、後ろめたさがあります……
親の死に方を想像する
など
4 死について考えることは生を豊かにする
Q.「供養」とは何なのか、よく分かりません……
なぜ墓参りをするのか
など
5 人生は思い通りにいかないけれど
Q.人生に行き詰まった時、どうしたらよいのでしょうか……
「疑似的老人になる」という教養
など
6 人を育てる、たった一つの大切なこと
Q.年下への接し方が分かりません……
答えはシンプル「親切にする」
など
7 「ほんとうの友だち」とはなにか
Q.友だちと疎遠になり、さみしいです……
友情が語られない時代
など
8 いい人間関係のつくり方
Q.どうすれば、長く続く人間関係を築けるのでしょうか……?
大人になっても友だちはつくれる
など
9 「天職」の見つけ方
Q.いまの仕事を続けていてよいかわかりません……
内定をもらって迷う学生
など
10 いまの時代に「結婚」は必要か
Q.「結婚」に意味を見出せません……
結婚は幸福になるためにするものではない
など
11 子育て困難な時代で、子を持つこと
Q.子を持つことが不安です……
人類が経験したことのない、少子化・人口減
など
12 「死」という難問
Q.いずれ死ぬという現実にむなしくなります……
いずれ死ぬけれど、今ではない
など
あとがき
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Posted by ブクログ
死に始めている、と言われてそこまでぎょっとしないのは、案外老いのレッスンができてた?
死に始めていることは自覚できるようになっているので、
そのことをしょっちゅう思い出すようにすれば、感謝したり、しみじみしたりする回数やその深さがかわるのでは。
Posted by ブクログ
これもまた読んでよかった。
30代の刑部さんという編集者の質問に答えるという形で書かれた「老い」ということにまつわる12のエッセイ。
内田さんの話は、内田流の「こじつけ」(褒めてる)が特徴だと思うのだけど、その「こじつけ」がオリジナルで、そして、とてもいい。
もっとこじつけてください!と、説得される心地よさに身を委ねる読書(褒めてる)。
寝る前に少しずつ読んだせいで、納得できる〜という感慨だけ残って、あまり記憶に残ってないのだけど笑、11章の少子化については、記憶に新しいだけでなく、内田さんがよく書かれていることなので、ここに書き残しておこうかな。
「2022年のデータ(WBGによる)によると、出生率のV字回復に成功したと言われるフランスでさえ1.8。以下、アメリカ1.7、イギリス1.6、ドイツ1.5、イタリア1.2、日本1.3、多産の国でかつては5を超えていたインドでも、今や2.0急激な人口減に苦しむ。中国は1.2、韓国に至っては0.8と言う驚くべき数値になってい」る。
2024年のデータでは、さらにどの国も少子化は進み、日本は1.2、韓国は0.7だ。
「1つの考え方は、地球のキャリング・キャパシティ(環境保持能力)がもう限界を超えて、これ以上の人類の増殖が不可能になったからと言うものです。現在の世界人口は81億6000万人です。この後はアフリカを中心に人口が増え続け、今世紀末には100億を超えると予想されています。100億は地球環境に対して明らかに大すぎる数字だと思います。
19世紀末(1900年)の世界人口は16億5000万人でした。今のインド14億5000万人、中国14億2000万人とそれほど変わりません。」
この人口爆発に対する人類的課題の解決法が今の人口減だという。巨視的に見るといいことなのだと。
そして、この人口減がどうなるのかは、人類初めての出来事なので経験的な知識がなく、予想できないという。
そんな文明史的なスケールの出来事の中で、自分がどう生きるかは、別の時間の流れに属することなので、腹を括って生きるしかないと。
主語の大きいスケールでものを考えて硬直状態になるよりは、自分は自分で個人主義で生きるしかない。(夏目漱石もそう言ってたし、この前講演会で朝日新聞のアロハ記者も同じことを言ってたな)
この話の中で書かれた、子ども嫌いの内田さんが、娘が生まれた時のエピソードが素敵すぎる。
子どもがうまれて、「子ども好きのふりをする長い旅路が始まるのか」とゲンナリした3週間あとに、電撃に打たれるような圧倒的な「父性愛」に全身が満たされた経験。
こういうエピソードは、おそらく誰にでもあるのだろうけど、これを分節して取り出して自分の主張のエビデンスにすることができるのが、内田樹的「こじつけ」なのだなと思った。
若い世代へのエールとしてもとてもいい本でした。
Posted by ブクログ
結構久しぶりに内田さんは読んだように思うけど、そっか、もう75になるんだな。
今回の話もやっぱり面白いし、まだ買ったけど読めてない本も買いたいなって本も結構あるけど、
死にはじめてるなんて言わないで、まだまだ面白い本を書いて欲しい。
死に始めて13年、そこで死んで死に切るまでにそこからまた13年あるんだそうだ。
それを考えるならもう死にはじめてるんだな、俺も。
Posted by ブクログ
それほど老いに特化している訳でなく、基本的にはいつもの内田節。いわゆる終活というより、老いていくにあたり、また死に際し、獲得しておきたい人間関係についての言及が大勢を占める。一部の作品にしか触れられていないから大きなことは言えないんだけど、”街場の~論”の集大成、みたいな印象も受けたのでした。
Posted by ブクログ
31歳の若き編集者が、75歳の文学者・武道家に、「老い」を訊ねる。
テーマは身体、親、供養、人生、年下との接し方、親友、天職、結婚、子育て、死
内田さんが徒然なるままに?回答する。
人生に必要なのは
どんな人と結婚しても、そこそこ幸せになれる能力
なるほどねえ。
ずっと続く友は「何を考えているかよくわからない」友
おお思い当たる。すでに他界した、仲の良かった友が2人いたが、
2人とも、それぞれ、よくわからなかった。
ラーメンとか山歩きやラグビー観戦でつながっていたけど、
確かに、何を考えているのか、よくわからなかった。
もっとつきあっていたかったなあ、、、
結婚は「人間的に成長するためにする」
この言い回しは微妙だけど、納得している自分がいるのも確か。
ひとりだったらわからないこと、たくさんある。
子育ても同じ。
もってみないとわからない。
持った瞬間に一人の自分ではなくなるけど。
でも20年もたてば子育ては終わり、
さらに時間がたてば夫婦どちらかもいなくなり、
ひとりに戻る。
だったら結婚や子育て、する価値はあるんじゃないかな。
内田さんに賛成だ。
1「老い」を忌み嫌う時代に
Q.老いることは悪いことなのでしょうか……?
老いて、「あまりよけいなことをしない人間」になった
子どもは「老い」を想像できない
老人になったつもりで考える
老人は「どうでもいい話」をする
雅号という自己分析
鴎外が描いた『じいさんばあさん』
2 長持ちする身体のつかい方
Q.老いると体はどう変化するのでしょうか……?
死んだはずがまだ生きている
回復しない身体と付き合う
身体は壊れやすい
3 親の老いとの向き合い方
Q.老いる祖母に対して、後ろめたさがあります……
親の死に方を想像する
向き合わず、同じ方向を見る
「どんな人だったか」は分からなくてもいい
「気づかいをすることができる」喜び
4 死について考えることは生を豊かにする
Q.「供養」とは何なのか、よく分かりません……
なぜ墓参りをするのか
人は死んでも、なかなか死に切らない
「供養」とは双方向的な営みである
自分の墓にお参りする
5 人生は思い通りにいかないけれど
Q.人生に行き詰まった時、どうしたらよいのでしょうか……
「疑似的老人になる」という教養
隠居の書法
老いは病ではない
「老い」も「老いたくない自分」も認める
「ほんとうの自分」はない方が生きやすい
41歳で倒れて分かったこと
6 人を育てる、たった一つの大切なこと
Q.年下への接し方が分かりません……
答えはシンプル「親切にする」
人がついていきたいメンターとは
気分がよい場をつくる
7 「ほんとうの友だち」とはなにか
Q.友だちと疎遠になり、さみしいです……
友情が語られない時代
「友情」は宿命か?
相性だけでは続かない
何を考えているのかわからない「親友」
謎によって結びつく
8 いい人間関係のつくり方
Q.どうすれば、長く続く人間関係を築けるのでしょうか……?
大人になっても友だちはつくれる
屈辱によって、絆を確認する人たち
伴侶は選び取るものではない
9 「天職」の見つけ方
Q.いまの仕事を続けていてよいかわかりません……
内定をもらって迷う学生
最初から「よい勤め先」は存在しない
助けを呼ぶ声に耳を澄ませる
10 いまの時代に「結婚」は必要か
Q.「結婚」に意味を見出せません……
結婚は幸福になるためにするものではない
あまり期待しない方が夫婦は長続きする
感情ではなく契約で縛られる意味
離別を先送りにして暮らしていく
11 子育て困難な時代で、子を持つこと
Q.子を持つことが不安です……
人類が経験したことのない、少子化・人口減
やってみないとわからない
たった一つ確信のもてること
12 「死」という難問
Q.いずれ死ぬという現実にむなしくなります……
いずれ死ぬけれど、今ではない
26年かけて死ぬ
100年後まで冬眠したいか?
死を迎えることの「つらさ」とは何か
親切にすることで心穏やかに死を迎えられる
あとがき
Posted by ブクログ
私たちの先を行く達観した視点での人生に対する整理なので、納得する反面、なんとなく暗くなった。なんで暗くなったかは自分でもまだよくわからない。現実的すぎるからか。
Posted by ブクログ
それぞれの章には、含蓄ありまくりのいつものウチダ節が書かれていて、たくさんアンダーラインも引いたのだが、せっかくの往復書簡なのにその良さが台無し。編集者からの人生の質問に答える、という形なのだが、普通なありきたりな質問で途中からこの質問の部分を飛ばし読みするようになった。
往復書簡の良さとはお互いに自分の批評的な考えを述べ合って本としての論考があらぬ方向に進んでいく、というものだが、この本だと往復書簡の体をなす意味がない。ただただ内田樹が人生についてのエッセイを書いている、という感じ。そしてそれは彼の多くの他の本にある。あまり読んだことがなかったのは友情論とか結婚論かな?