内田樹のレビュー一覧

  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    今まで自分の中でモヤモヤしていたこと、わからなかったけれどほったらかしにしていたこと、そこに真っ直ぐに向き合って下さるお三方の会話が心地よい。テンポ良い文章はもちろんのこと、わかりやすいようでどこか不思議さを感じさせる例え話に引き込まれる。帯の何倍も価値のある中身に思えた。むしろ、帯はいくらかチープな印象を受けた。

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    2015年10月08日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    言葉にできない、単純な言葉で表したくないけど心から沸いてくる、高揚感に似た気持ちがとても心地よい本。

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    2015年09月14日
  • 呪いの時代

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    「呪い」の言葉に満ちたこの世界を、もっと幸福な世界に変えていくためのポイントは、「祝福を与えること」と「贈与を活性化すること」の二つだという。
    「私たちの意識を批判することから提言することへ、壊すことから創り出すことへ、排除することから受け容れることへ、傷つけることから癒すことへ、社会全体で、力を合わせて、ゆっくりと、しかし後戻りすることなくシフトして行くべき時期が来たと私は思っている。」(p285、あとがきより) という内田先生の主張は、シンプルで力強く、しかも温かい。それはとても難しいことだけど、単なる理想論や観念論ではなく、そうすることが一人一人を、そして世界をもっと幸福なものに変えて

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    2015年09月07日
  • いきなりはじめる仏教入門

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    「『寝ながら学べる浄土真宗』という過激なタイトル」(文庫版のためのあとがき)の企画から始まった、インターネット上での往復書簡を書籍化したもの。

    西洋思想を交え、「宗教」とは何かという方向に展開しつつ、ばっちり仏教の解説にもなっています。
    仏教の歴史(大乗メイン)や基本の教え、イスラームや日本人の宗教性についても間狂言で勉強できて、かなり盛りだくさんな内容。

    読み物として普通に読んで面白いのはもちろん、「宗教」や「仏教」が何かいま一度考えたいときにも読みたい一冊です。

    特に興味を引かれたのは、その9あたりからの、レヴィナスの「善性」について。
    往復書簡は『はじめたばかりの浄土真宗』に続きま

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    2015年08月21日
  • 日本戦後史論

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    家族や旧友や親戚。
    といった距離感の人間関係では、政治と宗教や思想の議論は避けるべきですね。
    「政治と宗教の話題を避けろ」というつもりはありません。
    ただ「議論」は避けるべきですね。

    「あ、好みと言うか信条というか、違うな…」
    と思ったときに。
    迎合する必要も無いし、嘘をつくのも不要でしょうが。
    「僕の方が正しいのではないか」
    という言葉のぶつけ合いは、止めた方がいいですよね。
    なんとなく話題をずらしてしまうのがいちばんです。
    どうしてかというと、色んな理由がありますが、

    ●政治や宗教や思想は、ある種の酒のようなもので、酔ってくると自制心が無くなる。

    ●結局相容れなかった場合に、食べ物の

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    2015年08月04日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    内田さんの教育論は、理想的に過ぎるとか抽象的だと言われかねないなぁ、今の社会では。でも、教育が人を育てる営みである以上は理想がなければいけないし、カタチのないものを作る営みである以上はそれを語る言葉も抽象的なものを選ばざるを得ない。
    いまの世の中、特に抽象的なものって嫌われがちな気がする。なんでも具体的でないと相手にされない。でも内田さんの話を読む時は、教育というものの性質に鑑みて、揚げ足取りせずに読んでほしいです。

    内田さんの主張することはいつも一貫していますが、この本は講演の書き起こしということで、話し言葉で語られているためとても分かりやすく読みやすいです。
    「教育に等価交換はいらない」

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    2015年07月16日
  • ぼくの住まい論

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     内田氏、とうとう道場も建てられた。もう3年になるとのこと。一度拝見したい。カラー写真があり、様子がよくわかる。小国というわけではないが、おもしろい世界が兵庫県の極一部に展開されている。

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    2015年07月05日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
    日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
    受験勉強しているわけではないのですが)
    そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
    塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
    くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
    なので割と気に入っています。そこで読み終わった
    今回のこの本。
    川崎の桐光学園高校に様々な
    論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
    らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
    こんな高校生はとても幸せだと思いますが
    多分自分が高校生だったときはあまり興味を
    覚えなかっただろうなあと思います。
    でも、それでもそういうことを言っていた

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    2015年06月28日
  • 身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる

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    内田先生と「オニババ化する女たち」の著書で何年か前に物議を巻き起こした⁉︎三砂ちづる先生の対談集です。
    内田先生は日本古来の武道の心得と主夫体験から、三砂先生はお産の体験の重要性を説く立場からお二人とも、身体を通して得られる知性、知恵を語ってくれます。これまでのお二人の意図する考えが随所に出てきます。
    その中でも‥人間関係で傷つくのは、生命力を奪ってしまうようなタイプの人がそばにいるからとか自分の人間的成長を大事にしていない人、自分を解決できていない人は地位があって仕事をしていても人間として尊敬されない。‥歳の取り方が下手になってきた。無惨な老人が増えている。「枯れ方」がわからない。‥など思い

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    2015年06月20日
  • 日本戦後史論

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    わかりやすい言葉で今の日本の抱えている基本的な問題を提示している。なるほどと思い危機感もすごくあるのだけれど何もできないし、また良くないと思う方向へ少しずつ進んでいく気がしている。内田氏、白井氏、頑張ってください。

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    2015年06月05日
  • 「おじさん」的思考

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    なるほど、これが2冊目なんですね。確かに、主義主張には一貫した哲学が込められているけど、ご自身であとがきにも書かれているように、筆致が熱いですね。よく似た内容でも、最近のものの方が読み易い気はしました。それでも、十分に示唆的で、自分的には色々考えさせられる部分が多かったですが。

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    2015年04月10日
  • 大人のいない国

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    私が好感をもっている二人の論客の共著だ。ちょっと考えてみれば、二人とも思想や哲学に造詣が深いし、拠点も関西だし、年もほぼ同じなんだから交流がないはずない。そんな二人が「大人のいない国」なんて、これまた(自分のことは棚に上げといて)私が常々、日本に対して思っていることに触れた本が出ているなんて。
    いろいろ話題が出ているけど、最も共感したというか身につまされたのは、終章の対談「身体感覚と言葉」で触れていた内田さんいうところの「大人の芸」ってやつ。
    内田さんは、これまで結婚式とかでスピーチするとき、気の利いた面白いことを言ってやろうとか思っていたけど、それが嫌になってきたと。葬式でそんなことをする人

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    2015年04月05日
  • 街場の共同体論

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    さらっと読めるし理解し易いから、内田さん好きだなー
    内容は結構興味深かったかも。自分の現状を当たり前と思いがち
    (なんていうか、その他の状況・関係が可能性として存在することを想像さえしない、かんじ)
    なんだけど、実はそうじゃないんだよ~って、現代の問題は仕方ないことじゃないんだよ~
    的な。目からうろこというかなんというか。

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    2015年03月11日
  • 日本霊性論

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    日本人が今取り戻さなければならない霊性というものについて。2部構成になっていて、第一部は、内田先生が相愛大学にての講義です。ここでは、なぜ霊性が必要なのか。それはどのようにして現れ、解されていったのか。それを取り戻すためには、なにをしなければならないのかについて、非常に身近に分かりやすく書かれています。ここだけでも読む価値あると思います。理解できることしか見ない姿勢が変わることを感じています。
    第二部は、釈先生が内田先生の寺子屋ゼミにてされた講義内容です。鈴木大拙の「日本的霊性」をテキストに霊性に迫っています。日本的とあるように、日本にはそういったものがすでにあって、そのため仏教やキリスト教も

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    2015年02月10日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    ネタバレ

    イスラム教、ユダヤ教、キリスト教が広まった土地の背景と考え方の違いなど、なるほどと思うことがたくさん。
    荒野の宗教であるイスラム教、ユダヤ教が他者への喜捨を重視するのは、そうしなければ、相手が死んでしまうから、一方でキリスト教は農耕と結びついたので、自分のテリトリーを守ろうとすること、など納得。グローバリズム=「アメリカスタンダード」であり、イスラムという他の文化背景を排除することが、資本主義には都合が良い、という件にはハッとしました。同時に読んでいるエーリッヒ・フロムの「愛するということ」にもこの資本主義的グローバリズムについては同じ観点があり、人間の思想は50年たっても変わっていないという

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    2016年06月28日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    明通寺読書会 今月の本 花木 信徹さん担当。私は2回目で読んでいると思っているが、真ん中あたりほんとに面白い。今 起きている人質事件後もこの中田さんの視点で見ないから間違いが起きているように 私には思えます

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    2015年01月22日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    相変わらずの内田節と、少女漫画大家の対談。オープンソースであることの重要性を始め、なるほどと思わされる内容でした。確かに漫画の界隈だと、カリパクがどうこうとかいう話、聞かないですもんね。だからこそというか、そこに参入する敷居も低くて、若手がどんどん台頭できる、ってのもこの世界の素敵なところですよね。それでふと思い浮かんだのが、日本と欧米の政治家の年齢層の違い。漫画の世界とは逆転してますよね~。もっと若手が参入していけるようになれば、低迷し続ける国家運営も上向くのでは、と思うんですがね。それはともかく、漫画がもっともっと読みたくなりました。

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    2015年01月21日
  • 街場の共同体論

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    忘れている人が多いようですので、確認しておきますけれども、社会集団は弱者ベースで制度設計されるべきものです。弱者が弱者でありながら、成員のフルメンバーとして認知され、十分に快適な生活を過ごせ、十分な自尊感情を維持できるように、集団は設計されなければならない。当たり前のことです。(p119)

    年齢は、発言内容の信頼性をチェックするために重要な情報なんです。(p124)

    コミュニケーション能力とは、コミュニケーションを円滑に進める力ではなく、コミュニケーションが不調に陥ったときに、そこから抜け出すための能力だということです。(p166)

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    2015年01月06日
  • 街場の共同体論

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    日本の「共同体」がどのように衰退し、今後どのような在り方が求められているかの提言書。現在の共同社会の衰退は、資本主義市場経済を推進する国策の結果として必然的に発生したという分析には納得。契約を越えた関係性を他者と構築できるか。

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    2015年01月01日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    私達には理解しにくいイスラム教の教え、考え方が良くわかる貴重な本だと思います。読みやすいわりには色々考えさせられる本でした。沢山の人が読んでイスラム教を理解し紛争のない世の中になったら良いと思います。

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    2014年12月17日