内田樹のレビュー一覧
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「分からないことがあっても気にならない」
・分からないとこがあっても気にならない。若い人ほど分からないものをそのままにする傾向が増している。分からないものを分からないままに維持して、それによって知性を活性化させるという人間的な機能が低下しているような印象を受ける。例えば分からない言葉を調べずにそのままにするなど。そういった人々は世界の意味が分からず穴だらけで世界を見ているのではないかという不安を覚える。分からないことにストレスを感じない。
「等価交換が染み付いている」
・現代は子供も消費者として始まっており等価交換が染み付いている。昔の子供は労働者として家事手伝いから始めて家族に役に立つこ -
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“「登場人物に共感できるかどうか」を基準にして本の良否を決めていたら、ドストエフスキーなんか誰も読みませんよ。「共感ベース」というは言い換えれば、「自分にわかるもの、自分がすきなもの」には価値があり、そうでないものは無価値だという自己中心性のことだと思います。”(p.153)
“僕自身は「ほんとうの自分」などというものにぜんぜん興味がありません。そんなもの、どうだっていい。そもそも昨日の自分と今日の自分が同じ人間だったら、生きている甲斐がないじゃないですか。”(p.133)
“翻訳の本質は「憑依」だと思います。他者の思考や感情の流れに同調・同期してしまうこと。この「自分を手離す」という -
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時事問題に対する内田樹の見解を知りたいと思ったのが本書を読む動機。作品紹介で書かれる「パワークラシー」については、権力者が強者然としてふるまう、実生活では会社の役職とか体育会系、年齢、男女、お店へのカスハラなど、至る所にある現象。「サン付け、クン呼び」みたいにいちいち拘る事象というのは、人間が関係性を序列化せずにはいられない性質から発するもので、全てはその類型だという気がする。で、そんな中での「短期的利益志向」は相性が最悪。つまり、権力は換金しやすいので、その権力にすり寄る動機がさらに高まるという図式だ。このパワークラシー、短期志向などのトレンドを踏まえた上で、時事問題を斬る。
― エーリッ -
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この類の本を読んだのは初めて
時折、読みながらウトウト(笑)
「寝ながら読む」みたいになってた。
けど、読み切ったのは
「うわ、確かに、そうかも」ってこの語彙だけをもって、読めるくらい例え話をしてくれてるからかな。
尊敬する人とか、逆に苦手意識のある相手...世の中は自分とピッタリ合う人は居ないから、色んな感情になって人疲れすると思う。
でも、構造主義の中で捉えると、「そんなもんか」と広い視野で見ることができるなと思った。
だから印象に残ったところは↓
物事の考え方の幅を広げてくれたところだと思う。
そんな印象深いところは
① バルト
「語法」→「エクリチュール」
「教師のエクリチ -
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例えばなにか、くよくよと考えている事があったとき。
自分ではうまく言葉にできていない「こういうこと」を、とっくに昔の人は、言葉にして名前をつけて、うまく説明しているのだろうな、と思うことが、しばしばあるのですが。自分にとってこの本はその、とっくに昔の人は~ をだいぶんまとめて解説してくれる一冊でありました。
構造主義と言う現代思想について、その代表的な論者の説を、平易、と言うか、まるめておおらかに「だいたいこんなかんじ」と言うような語り口で説明していく一冊。この「だいたいこんなかんじ」感が大変な持ち味で、あとがきで三行くらいで全部まとめてたのにはひっくり返りそうになりました。
二十年くらい前に -
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動乱期!混迷でも混乱でもないこのタイトルからしてザワザワする感覚を覚えます。今思えば昭和の時代の、のほほんとした世界からと比べると明らかに異なる世界に居る感覚を覚えます。あの頃はよかった…なんてノスタルジーに浸っていることも今となっては許されない気がします。
内田先生と山崎雅弘さんの対話は、この「底の抜けた国」「三流腐敗国」に生きている私たちに現実を突きつけます。見ないふりをしてきても薄々わかっていて知らないふりをしても、これを読むとやっぱりそうか…と落ち込みます。
今の日本は、沈みかけている泥舟という指摘は、政治家などの支配層の劣化(良識がない者の増加)、民度の低下(思考停止になっている国民 -
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初めて読む人でも改めてとなることをあえて書いてくれてわかりやすいが、この本の趣旨は、主にアメリカと、中国の趨向性(戦略)の予測である。
情報の偏在によりアメリカの分析が手厚くなるのはいつものこと。
個人的には、アメリカの民主政ゆえのアドバンテージになるほどと思った。
これまでのところ科学的発見では圧倒的にアメリカが中国を凌いでおり、2021年までのノーベル賞受賞者国別ランキングでアメリカは394人で1位。中国は8人で23位。
科学は、イノベーティブなアイデアがあったとしてそれを中国において育てる環境がない。
科学者のコミュニティが生存に不可欠であり科学的客観性とも呼ばれるものである。
そ -
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今の日本に足りないものは『勇気』から始まる知的大喜利。勇気は孤立を耐える力がなぜ後退したのか?少年ジャンプのせい、少年ジャンプが物語の基本を『友情・努力・勝利』を流布させたせい。『勇気・正直・親切』から展開する九つ話を展開する。日本だけでなく、世界中で暴力が猖獗をきわめてるのは理解も共感もできない他者を前にした時の不快に耐えられない弱さが蔓延してある。それこそ他者の他者性に耐えられないとは孤立に耐えられないのと同じ。他者との断絶を初期設定としてコミュニケーションの橋を架ける、孤立に耐えられるのはいつか他者との連帯できると信じて行くこと。それが成就する日まで生き延びため『勇気』が必要だと言う事。