内田樹のレビュー一覧

  • 動乱期を生きる

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    動乱期!混迷でも混乱でもないこのタイトルからしてザワザワする感覚を覚えます。今思えば昭和の時代の、のほほんとした世界からと比べると明らかに異なる世界に居る感覚を覚えます。あの頃はよかった…なんてノスタルジーに浸っていることも今となっては許されない気がします。
    内田先生と山崎雅弘さんの対話は、この「底の抜けた国」「三流腐敗国」に生きている私たちに現実を突きつけます。見ないふりをしてきても薄々わかっていて知らないふりをしても、これを読むとやっぱりそうか…と落ち込みます。
    今の日本は、沈みかけている泥舟という指摘は、政治家などの支配層の劣化(良識がない者の増加)、民度の低下(思考停止になっている国民

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    2025年06月06日
  • 君たちのための自由論 ゲリラ的な学びのすすめ

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    丁々発止 ではなく
    まったり のんびり ともちがう
    なんと申しましょうか

    (関西言葉での)ええ かげん
    が ちょうど当てはまる気がします
    お二人の対談

    肩の力の抜け方
    腹の座り方
    とても 心地よい座談に感じました

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    2025年06月06日
  • 街場の米中論

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    初めて読む人でも改めてとなることをあえて書いてくれてわかりやすいが、この本の趣旨は、主にアメリカと、中国の趨向性(戦略)の予測である。
    情報の偏在によりアメリカの分析が手厚くなるのはいつものこと。
    個人的には、アメリカの民主政ゆえのアドバンテージになるほどと思った。
    これまでのところ科学的発見では圧倒的にアメリカが中国を凌いでおり、2021年までのノーベル賞受賞者国別ランキングでアメリカは394人で1位。中国は8人で23位。

    科学は、イノベーティブなアイデアがあったとしてそれを中国において育てる環境がない。

    科学者のコミュニティが生存に不可欠であり科学的客観性とも呼ばれるものである。

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    2025年05月19日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    かつて「戦前」は過ぎ去った時代の記憶にすぎなかった。だが近年その言葉がひそかに現実味を帯びはじめている。内田樹、白井聡は時代の曲がり角に立つ私たちの姿を浮き彫りにする。
     政治の劣化、分断する社会、言論の空洞化――それらは静かにだが確実に積み重なっている。私たちは「平和」という言葉に安住しすぎていないか。
     ふと目を凝らせばこの国の風景にひびが入っていることに気づく。
     今こそ見よ、この悲惨な現実を。未来の「戦後」を悔やむ前に声を上げる時だ。


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    2025年05月11日
  • 沈む祖国を救うには(マガジンハウス新書)

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    内田樹さんの本を定点観測的に読むようになってから随分経ちます。今回も「いつも通り」なのかな、と思いつつ読み進めたのですが、いつもよりも「なんかやばいな」と思わされてしまいました。それは最近読んだサンデルとピケティの対談本と通底するところがあるからかも知れないし、別々のスーパーで立て続けに感じたマンパワーの低下があるのかもしれません。でもこのまま拝金教の資本主義「だけ」でいくのは世界にとっては良くないことでしょう。打ち手が見えないのが辛いところですが、それでもほんの少しの希望を持たせてくれる内田さんは、やさしい。

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    2025年05月08日
  • 先生はえらい

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    コミュニケーションについて、今までとは違う角度で知り得ることができた。分かり合うことばかりを考えていたけど、そうでなくても良いんだなと心が楽になりました。「謎の先生」の教育的効果も目から鱗でした!

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    2025年04月06日
  • 勇気論

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    今の日本に足りないものは『勇気』から始まる知的大喜利。勇気は孤立を耐える力がなぜ後退したのか?少年ジャンプのせい、少年ジャンプが物語の基本を『友情・努力・勝利』を流布させたせい。『勇気・正直・親切』から展開する九つ話を展開する。日本だけでなく、世界中で暴力が猖獗をきわめてるのは理解も共感もできない他者を前にした時の不快に耐えられない弱さが蔓延してある。それこそ他者の他者性に耐えられないとは孤立に耐えられないのと同じ。他者との断絶を初期設定としてコミュニケーションの橋を架ける、孤立に耐えられるのはいつか他者との連帯できると信じて行くこと。それが成就する日まで生き延びため『勇気』が必要だと言う事。

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    2025年03月25日
  • 動乱期を生きる

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    この2人の対話とあらば、興味深く読めない訳がない。それにしても、政治家以外の国民が、政治に無関心でいられる状況が好もしいって、ホントまさにその通りですわな。

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    2025年03月24日
  • アジア辺境論 これが日本の生きる道

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    ビジョンを創る能力がある国家にどうやったらなれるのか、独裁にならず非効率でも民主主義が保てるのか、課題は大きい

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    2025年03月13日
  • 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

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    P151~の「雪かき仕事」の内容にハッとさせられる。経済的な合理性だけを求めていると、こういう視点に立てない。
    消費行動は本質的に無時間的な行為という一節にしびれた。
    コスパやタイパという言葉があらわすように、本書が出版された当時よりも更にその傾向は強まっている気がする。
    学びという概念について改めて考えさせられた。

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    2025年03月10日
  • 勇気論

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    ネタバレ

    勇気論!

    勇気に関して、はじめに定義してから話し始めるのではなく、

    思いつくことを内田さんに共有するスタイル。

    子どもの頃のことでなぜか思い出したこととか、

    最近ふと気になったこととか。

    私も参加したーい!と思いながら、

    回収の仕方がすばらしかったです。

    これに関連して、

    内田樹さんは、

    人類は誕生してからずっと「どうやったら知性の活動はもっとも活性化するか」ということを生存戦略上の最優先課題にしてきた、と思う、とおっしゃられています。

    「どうしていいかわからない時にもどうしていいかわかる」「答えを知らない問いについてもだいたいの当たりをつけられる」のパフォーマンスを高めて

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    2025年03月08日
  • 日本辺境論

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    近頃はコロナも明けて、訪日外国人数が再び鰻登りである。さて、訪日で言えば、文化も左様であろう。元々日本という国は中国に属する国であった。この本によれば、「日本人の特性」により、メキメキ成長を遂げ、今では世界に名だたるトップ7(G7)の一員でもある。日本人は努力気質の国だと言われるが、それも引っくるめたぼんやりとした日本人の「辺境性」、隅っこ暮らしのテクニックたるものを、本当にぼんやりであるが(後半は殆ど見えない程にぼんやりで)、理解できたと思う。

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    2025年04月04日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    人間はどのように欲望を覚えるのか、どうやって絶望するのか、どうやってそこから立ち直り、どうやって愛し合うのか…。自身の最後に行われた授業をはじめとする講演を収録した内田樹氏による、初めての講演集です。




    僕は内田氏の著作をあまり読んだことはないのですが、本書は著者初の講演集だそうです。

    古今東西、大学教授の最終講義といえば、印象的な授業が多く、僕は不幸にして、そういった授業にはナマで出会ったことはないのですが、インターネットが発達した昨今、言語的な障害さえクリアーできればそういう授業には簡単にアクセスできるので、そういったところにはとても感謝しております。

    ここに収録されているのは内

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    2025年01月24日
  • 寝ながら学べる構造主義

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    構造主義というものをネット検索しても
    「私たちの思考や行動は、所属している社会や文化によって決められている」という文言に肌感覚的にピンとくるものがなく、初心者でもわかりやすい書籍は無いかなと探してたら、これを見つけたので購読。

    読み進めていくうちになんとなーく構造主義というものが見えてくるし、
    現代思想に疎い私でもわかりやすく書かれていると思う。

    私の理解では、人間が生きているうちに獲得した概念や言語、習慣により身に着けた文化や想いにはカテゴライズされた名前(記号)が付けられていて、人間はその「構造」に左右されて考えさせられているため、その「構造」から外れて物事を考えることができないという

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    2025年01月09日
  • 困難な結婚

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    結婚とは安全保障
    自分が大丈夫じゃなかったとき、パートナーが大丈夫じゃなかったときに助け合うための制度

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    2025年01月07日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    歯に衣着せぬ話とは、この事かと思う講演! 脱線あり、個人史ありで彼らしい話でした。神戸女学院だった人たちが羨ましい。

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    2024年12月29日
  • 勇気論

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    勇気とは孤立を恐れないことである。
    それは自らに理がない時には敗けを認めることである。
    まごまごしながらもテンプレに頼らずに自分の思考と言葉で表現し、平場の会話をしながらもそれをどう解釈すべきかの本音を見せることである。
    そして、勇気を持つために、つまり、孤立に耐えて事を進める土台となるべき自分の本性や天職を見つけるために、自分を呼ぶ僅かな声を聞き取る感性を磨かなければならない。それは全身で、五感をひとつなぎの情報とみなして受け入れることで磨かれる。それが磨かれれば、自分がいるべきでない時と場所を感じ、そこを避けることができるようになり、天下無敵の存在となれる。その結果、自分のいるべき時と場所

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    2024年12月21日
  • 善く死ぬための身体論

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    某所読書会課題図書:内田さんの本はかなり読んでおりいつも楽しんでいたが、ヨーガの大家 成瀬さんと絶妙な対話が素晴らしいと感じた.成瀬さんがしきりに「瞑想」と発言されており、これがヨーガの根本だなと予想している.教育に関して「学び合い、教え合う」が基本だとの提言、その通りだと思う.楽しい走馬灯が見られるように、機嫌よく過ごすことをモットーに生きていく所存だ.

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    2024年12月12日
  • 凱風館日乗

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    様々な媒体で書いた文章がより集まった内田節だらけの本。
    2024年の選挙が終わったところであるので、2022年の少し古い選挙の話とのずれもまた興味深い。相変わらずのキレの良い話ばかりなので、気持ちよく読むことができた。

    いくつか印象に残ったところ。

    論争上手の人が「憲法23条をご存知ですか」とか、「ロシアのGDPを知ってますか」とか、「資本主義の定義ってなんですか」とか、自分が採点する側で相手が受験生であるという非対称的関係のうちに一気に持ち込むための技巧的な問いをする。
    (いわゆる「ひろゆき論法」「石丸論法」と言うものだと、入院される直前の講演会で内田さんが話していた。感じが悪いから真似

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    2024年11月06日
  • 君たちのための自由論 ゲリラ的な学びのすすめ

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    自由とは何か、自ら問いを立てるところから始まるという話だった。目から鱗だった。「国際共通性のある話をする」というのは、コロナ禍のオンライン授業では必要になるコミュニケーションスキルかなと思う。自分ごととして、これからの日本社会の在り方をはじめとした未来のことや物事をとらえることが大事だと思った。

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    2024年11月04日