内田樹のレビュー一覧
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内田樹と春日武彦の健全な肉体に狂気は宿るを読みました。
生きづらさの正体、という副題のついた、生き方についての対談集でした。
章毎のテーマは、世代論に逃げ込むな、「自分探し」はもうやめよう、人間はわかりあえっこない、個性とこだわり幻想、健全な肉体に狂気は宿る、まずは身体に聞け、と現在喧伝されている生き方の解説やコミュニケーションについての解説に真っ向から対立する主張が述べられています。
春日武彦の精神病の臨床医療の現場からの意見と内田樹の身体の発する信号を聞いて行動しようという主張とがかみ合って面白い読み物になっています。
アメリカの契約社会で育ったコミュニケーションの方法は、日本の以心 -
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街やメディアにあふれる情報から、アメリカの深層心理を探り出す刺激的な本です。どの章を読んでも、漠然と感じていた理由をクッキリと描き出してくれる。扱う内容は、スローフードとファシズム、アメコミ・ヒーローが象徴するもの、アメリカの統治システム=「多数の愚者による支配」=建国時の理念をより維持できるシステム、アメリカが対外戦争を好む理由〜内的戦争による没落、子供嫌いの文化、連続殺人〜「子供嫌い」と「うちのママは世界一」の間、身体と性〜メッセージとしての下層階級の肥満、福音主義〜「人民の人民による・・」宣言は「under God」、訴訟社会〜「他責」が政治的に正しい国、等々。著者は、170年前のフラ
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ネタバレ「アメリカという国の構造」と「日本がアメリカをどうみるか」について論じてある。
「アメリカという国の構造」については、歴史的背景や宗教に基づくアメリカ人の考え方をベースに語ってあるので、全体像が掴める。
興味深いのが、アメリカは理想国家として既に存在しているというところからはじまったということ。ということは最初が100で後は下がっていくしかないということになると思うのだけど、確かに現在のアメリカはそんな状況になってきてる。そんな落ちていくアメリカなしに国のあり方について語れない日本はどーすればいいのか?
それを考えるために筆者が提案しているのが、アメリカという国をまっすぐに見つめるということ。 -
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第1−3章は、自身のHPに発表されたエッセイや日記から編集したテクスト、そして第4章「『大人』になることー漱石の場合」は晶文社のwebに連載されたもの。
わたし自身の思考のデフォルトがおじさんなのか、違和感なく共感できる内容多し。時事的話題が多いけれど、一昔ふた昔ぐらいでは古びていないものばかり。
江戸と断絶して新しいロールモデルを必要とした明治において、漱石が近代日本最初の大人となったという第四章、小説に登場する青年たちの分析から、「内面のない青年」こそ漱石が明治の青年に文学的虚構を通じて示そうとした理想の青年像だというのも、なるほどな、と楽しい視点だった。 -
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内田樹の「おじさん」的思考を読みました。10年前に内田樹が自分の意見をまとめたエッセイ集でした。学校で学ぶべきことは、知識ではなく、学ぶためのみちすじである。自分の中にピュアな自分自身が存在するというのは幻想であり、いろいろな弊害をもたらしている。破局が起きている中では、平常心の人を信じるな。学校に信頼や畏敬を持っていない親たちがイタい子供達を生み出している。というような主張が述べられています。マスコミや政府が主張していることで、何となく変だなあ、おかしいような気がするなあ、と感じていることを一刀両断で解説しているので、読んでいてすっきりします。後半は夏目漱石の小説の解釈になっていますが、漱石
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ネタバレコリン・ウィルソン著、福田恆在(つねあり)訳、『アウトサイダー』。
私の小さな勉強部屋で払暁にこの本を読み終える頃には、バイロンやシャトーブリオンやオスカー・ワイルドがどれほど偉大な作家であり、フロイトやフッサールやヘーゲルが思想史上に占める位置の重要さについての入門的な知識をほぼ習得し終えていた。
人間は必ずその人が必要とするときに必要とする本と出会う、というのは、このときに私が体得した確信である。(P130-P131)
内田樹さんが、『アウトサイダー』に出会ったように、私も内田樹さんの『先生はえらい』に出会った。そして、内田樹さんの著書たちは、私にとって、必要とするときに出会った必 -
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少しでも武道をかじったことのある身でありながら、今まで如何に浅薄な知識しか持っていなかったかということを思い知らされたということと同時に、先人達がつくってきた武道がどれほど奥深いかということが改めて思い知らされました。
武道の目的は「生き延びる」ことであると語られていますが、脳科学、生物学等あらゆるものを使って解説していただいていることに本当に感謝です。このような解説がなければ先人の知恵は、戦国時代には通用したものであり、現代には現代風にアレンジしないと行けないものなんだろう程度にしか認識し得なかったです。
今一度武道の奥深さに触れ、再度武道を始めたい気持ちになりました。
[目次]
第1章