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現代思想の研究家であり、武道家である著者が「女子大生」を仮想相手とし、成熟した生き方をするために必要な知恵を伝授。自立の意味とは? 人が仕事をする理由とは? なぜ官僚は無責任なのか? 希望を失った若者の行方は? ……あらゆる社会問題を自らの身体感覚と知に基づき、一刀両断。話題書『「おじさん」的思考』に続く、大人になるための必読参考テキスト第2弾! 解説・小田嶋隆(コラムニスト)
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Posted by ブクログ
期間限定とうたわれているが、今でも十分にリーダブルです。 第1章 「ひとはなぜ仕事をするのか」「断定するひとをみたらバカと思え」など学生とのやり取りが、わかり易く、かつ論理的でふむふむと読んだ。 やっぱり内田樹は良い。
おじさん的思考のパート2。個人的にはこちらの方が、知的刺激ともに、論旨の納得度、エンターテイメント性ともに高いと感じた。相変わらずの内田節である。世にあるもの全ては多面的に観る事ができ、見方ひとつで様々な見解が生まれる。最近凝り固まってきていた自分の脳を耕すためにも、改めてこういったテキストを味わう...続きを読む必要があると感じた。
「自分の思考と言語を閉じ込めている檻」をはっきりと見せつけられる。そんな本。こういう経験ができる本って、なかなかないのではないかと思う。すごく面白かった。 ものごとを考える上で、視点の置き方という、考え方を考えてみることが大事なんだと思った。 p.155 同世代の人間と自分を比較するな。 これが...続きを読む若い諸君への年長世代からのご忠告である。 読みだすと止まらなくなるが、これは‐文庫版あとがき‐で内田さんが述べている「グルーヴ感」や「文体」が、この本の中に、たしかにあるからだと思う。
いやはや,鋭すぎる,この本は. 最近はやりの内田樹さんの本ではありますが,ほぼ10年前に雑誌などで掲載された文章をまとめたものです.これが,本当に鋭い.この本の中身があまりに鋭すぎて,電車の中で読んでいて,本当に卒倒しそうになるくらいでした.思いっきり頭を度疲れたような感覚.ものすごく考えさせられま...続きを読むす. この本を読むと,最近の内田樹さんは丸くなったような気がしてきます.切れ味の鋭さはこの頃の方があるのかもしれません. 特に,人間に関する洞察がすごすぎる.この本は名著だと思います.
内田せんせはどうしていつもわたしの思っていることを的確に表現してくださるのだろう、と思っていた。 それは内田せんせが「私の専門家」だったからか〜。 今回は「天風先生の七つの戒め」に唸る。
期間限定だなんて、たしかにトピックは古いけど、内容は古びていない。巻末のリーダビリティについてを読んで納得。これまで読んだ著作ではあまり注目してなかったけど恋愛についての考察が今回目立って良かった。
告白すると、10年ほど前まで自分は、たとえば「日本は世界に誇れる国になるべきだ」なんてことを考える人間だった。 保守とか革新とかイデオロギーといったものに深く興味を持ったことはないけれど、位置的にはかなり保守で、今もそれはさして変わらないのだけれど、ぐらぐらしたのは内田樹先生の本と出会ったから。 「...続きを読む『日本は世界に誇れる国になるべきだ』なんて偉そうに言うけれど、そもそも国って何かなんて考えたことある?」 内田先生はいつも物事を根本に立ち返って考える。だから容易に結論が出ないのだけれど、その思考の過程、有り体に言えば、「のらりくらり」とした感じが癖になる。 そこから、それまで考えもしなかった結論が顕現する。考えもしなかったことなのに、常識的に考えれば確かにそうだと納得してしまう。「目からウロコが落ちる」とはそういうことをいうのだろうと思う。 「日本は世界に誇れる国になるべきだ」などと軽々に口にすべきではないと反省させられる。 それは自分の頭であらゆる知識を総動員して思考した結果、言っているのですか?― 内田先生はいつもそう問うているような気がして、本を読むたびに粛然と襟を正すことになるのである。
(以下引用) ●男が女を「守る」には、2つの仕方がある。「女の成長を妨げる」守り方と「女の成長を待ち望む」守り方である。(中略)「女の成長を待ち望む」男は、彼女の自立を、つまり彼女がもう「支えなし」に生きていけるようになる日を、その男自身が不要になる日を逆説的に待ち望んでいる。この逆説的期待に有り金...続きを読むを張れるような男はレアである(P15-16) ●男が「君が何を望んでいるか、私はわかったよ」ということを女は決して許さない。(中略)彼女が愛する男性が「彼女が何を欲望しているのか」分からずに悩む姿を見ること、それは女性にとって尽きせぬ快楽の源泉である。(P70) ●恋愛の本質は「失敗することにある」。(P97) ●日本刀の斬りの場合、「右手は遠くへ刀を投げ、左手は引き寄せる」という相反する力を同時に使うことによって、非常に斬りに冴えが出る。(中略)相反する2つの力が1つのシステムの中で同時に作用するとき、そのシステムそのものがものすごいエネルギーを放出する。(中楽)複数のファクターを同時に容認しておいて、そこでバランスをとるのがいい。(P222)
内田樹さんは、哲学者、武道家。 最近、文庫になったこの本を購入。 先週は、今をつめる本が多かったので、休日の今日は軽い本から登場。 ①判断が誤りであることが事後的に明らかになったら、その責任をとって、粛然と制裁を受ける覚悟がある人間だけが、「マニュアルがない」状況で判断をくだすこと...続きを読むができる。(p138) ②少数派というのはつねに必要だと思うのです。政治的な機能としても、少数派は集団のバランスをとる役割を果たすものだと思います。 ③僕が毎日たくさんものを書くのは、基本的に理解したいからなんです。(中略)じつは書き出す前は何もわかっていなくて、最後まで書いてみてやっとわかる、そういうものってあるじゃないですか。(p251) これらのフレーズは自分の今の気持ちにぴったりです。 参考文献はデュルケーム『自殺論』、三島由紀夫『文化防衛論』。
「精神科を訪れる若い女性患者が激増している。30代の、先端的な仕事をしている、高学歴の独身女性にその傾向が強い。」 「それは彼女たち自身があれほど望んで手に入れた『自分の生き方のすべてを自分で決定できる』権利には、『自分の生き方のすべてを自分で決定しなくてはならない』重苦しい責務が伴ってもいたからで...続きを読むある。」 「そのストレスは、その人がまっとうに生き、まっすぐに問題と対峙し、おのれの責任を全うし、問題をみごとに解決しても、それでも変わらない。100パーセントのサクセスを収めても、それでもなお、それらの責務をすべて『一人で』果たさなければならなかったことの重圧感が、疲労の『澱』となって心身の深層に分厚く蓄積してゆき、それが弱い酸のようにその人の生きる意欲をゆっくり蝕んでゆくのである。」 別に若い女性に限らず、真理だと思う。恋愛結婚よりもお見合い結婚の方が離婚率が低い説なんかにも通じる気がする。 かつて内田先生がラジオで話していたのかなと思うけど、人生において正しい選択をするためには?と尋ねられて「選択しないことですよ」と答えていた。 選択するということは、右か左か、右すればアナコンダ、左すればクロコダイルという地点にすでに追い込まれているわけで、そうならないための方法が武道なわけでね。そんな追い込まれて暗い気持ちで選択した先に明るい未来があるわけがない。正しい選択ができる時というのは明るい気持ちで、なんなら選択していることにすら気付かない。 僕は結局、人生で一度も選択をしなかったな、というような人がいたら、それこそ人生の達人だと思う。 ・・・というようなことを言っていたのを思い出した。 それを聞いて以降、僕は何も選択せずに生きていこうと決めたのである。 そして、会って2度目でプロポーズしてきた女性と結婚し、彼女の選んだ土地に住み、彼女の申し出の通りに転職した。 彼女と出会ってからの人生は、薔薇色である。 というより、彼女と出会ってから、僕の人生は始まったのである。
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