【感想・ネタバレ】「おじさん」的思考のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

なるほど、これが2冊目なんですね。確かに、主義主張には一貫した哲学が込められているけど、ご自身であとがきにも書かれているように、筆致が熱いですね。よく似た内容でも、最近のものの方が読み易い気はしました。それでも、十分に示唆的で、自分的には色々考えさせられる部分が多かったですが。

0
2015年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Webに書き溜めたものを編集した、いつもの内田先生スタイル。憲法9条、教育論、倫理的生き方…等々、「おじさん」的には溜飲下がる切れ味のよいエッセイ。(切れ味のよさに惑わされ、自分で理解できた思っているだけかもしれませんが)。
その中で特に印象に残った言葉は、sauve qui peut 「生き延びることができるものは、生き延びよ」。船が沈没したり、最前線が崩壊したりしたときに、最後に指揮官が兵士たちに告げる言葉で、内田先生が娘さんの旅立ちに送った言葉。集団として生き延びることが困難な局面では、一人ひとりが自分の才覚で生き延びる他ないと。厳しい時代ではありますね。

0
2013年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

教師のセクハラの話が面白い。

学校とはもともと「エロティックな場」であることを
人間は他者の欲望に欲望する、
というコジェーヴのヘーゲル解釈やソクラテスを引用し解説している。
「隣の芝は青く見える」というやつだな。

「性愛の局面において私が快感を得るのは、
相手が私から快感を得ていると感じるからであり、
相手が私から快感を得るのは、
私が相手から快感を得ていると感じるからである。」
というのと同じように、
教師が持つ「知への欲望」を生徒が「欲望する」ことによって、
学びが賦活されているのである。

そういう前提が教師にないから、
セクハラを個人の欲望や嗜好に回収しようとしまうのである。

BLという現象が生まれた理由も、
こうした男性間の教育的な構造がエロスの構造と似ているからかもしれない。

ファミレスの店長はバイトの女の子にモテる、
という話を聞いたことがあるが、
これもまたこの話に通じているような気がする。

それから、
夏目漱石の話が面白かった。

わたしはてっきり漱石は「こころ」の先生のような、
どうしようもない子供っぽい人物なのだと思っていたけれど、
これを読んで180度見方が変わった。

「こころ」は師弟の話だけれど、
まさに「学ぶ仕方を学ぶ」という教化的な物語だったのだなぁ。
明治初めての「大人」ねえ。
なるへそ。

そういえば、
もう何冊目になるだらうか。
内田先生の本。

なんつうかわたしの中で、
行きつけの店(ないけど)で「いつものアレ」を楽しむ、
「そうそうコレ」感のために読んでいる気がする。

各本毎に、
旬なモノや変わり種を出してくれる感じも、
行きつけの店(ないけど)的である。

たぶん好きな作家ってそういうもんだと思うよ。

0
2012年05月02日

Posted by ブクログ

内田さんの本。個人的に、著者の本はハズレがない。
どんなことを語る時でも、自分にはできない視点で物事を見てくれるし、こんなに「むずかしそうなこと」を「平易に」語れる人はなかなかいない。
ページ数は少ないわけではないのにもかかわらず、すらすら読めて、かなり早く読み終わりました。知的刺激の宝箱みたいな本
まぁ、あえて言うと内田さんは同じような話を何度もするところが、ちょっとだけ、難点かな。それでもおもしろいけども。
あとは、最後の第四章の漱石論はちょっと読みづらい。エッセイの方が好きだ。
んー、感想を書こうとしても、なかなか簡単に語りつくせない。もっともっと著者の本を読みたい。

0
2012年05月18日

Posted by ブクログ

内田さんの二冊目のエッセイ集。

タイトルにしても内容にしても、初期のものだけあって、とにかく書きたいものを書きまくりましたって感じ。
良くも悪くも、内田さんらしさがすごく出てる。

p.168より
一七歳のある日私はいきなり「世界」を一望できるような包括的な視座に立ちたいという強烈な欲望に襲われたのである。

0
2012年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

購読
在日コリアンが日本で戸籍名(日本人的な名前じゃないほうですね)を名乗ることを「誇り高いこと」と称える新聞記事が、「多様性」を尊重しているように見えて、実は骨の髄まで「均質化」されている論理的矛盾をつく小論の他、「教育とエロス」、「大学全入時代に向けて」など、教育業(「業」?)に関わる方々に読んでほしい「知的訓練参考テキスト」です。

0
2013年02月10日

Posted by ブクログ

第1−3章は、自身のHPに発表されたエッセイや日記から編集したテクスト、そして第4章「『大人』になることー漱石の場合」は晶文社のwebに連載されたもの。
わたし自身の思考のデフォルトがおじさんなのか、違和感なく共感できる内容多し。時事的話題が多いけれど、一昔ふた昔ぐらいでは古びていないものばかり。
江戸と断絶して新しいロールモデルを必要とした明治において、漱石が近代日本最初の大人となったという第四章、小説に登場する青年たちの分析から、「内面のない青年」こそ漱石が明治の青年に文学的虚構を通じて示そうとした理想の青年像だというのも、なるほどな、と楽しい視点だった。

0
2011年08月21日

Posted by ブクログ

内田樹の「おじさん」的思考を読みました。10年前に内田樹が自分の意見をまとめたエッセイ集でした。学校で学ぶべきことは、知識ではなく、学ぶためのみちすじである。自分の中にピュアな自分自身が存在するというのは幻想であり、いろいろな弊害をもたらしている。破局が起きている中では、平常心の人を信じるな。学校に信頼や畏敬を持っていない親たちがイタい子供達を生み出している。というような主張が述べられています。マスコミや政府が主張していることで、何となく変だなあ、おかしいような気がするなあ、と感じていることを一刀両断で解説しているので、読んでいてすっきりします。後半は夏目漱石の小説の解釈になっていますが、漱石の小説を読んだのはずいぶん昔なので、もう一度読み直してみようかなあ、と思いました

0
2011年08月14日

Posted by ブクログ

私が読んだのは単行本です。内田樹(たつる)著「おじさん的思考」、2002.4発行。軽い読み物と思いきや、何とも理屈っぽい作品、哲学の書でしたw。こういう見方もあるのかなという感想です。①大義名分を立てて戦争するより、大義名分のない平和にしがみつく方がずっとむずかしい。憲法九条と自衛隊、歴史上、もっとも巧妙な歴史的妥協。②フリーターの社会的機能は失業者の隠蔽。主体的なフリーター、勉強をしない大学生、家事をしない専業主婦(日本だけに存在する社会集団)が失業率の緩衝材。③教育では学ぶためのマナーを学ぶことから。

0
2020年05月02日

Posted by ブクログ

『ためらいの倫理学』(角川文庫)につづく、著者の二冊目のエッセイ集です。比較的短いエッセイのほか、漱石の『虞美人草』と『こころ』を著者自身の観点から読み解いた論考「「大人」になること―漱石の場合」が収録されています。

本書の「文庫版あとがき」には、伊丹十三のインタヴューにかんするエピソードに言及しながら、「「この稼業は一度なめられたらしまいやけ」というような鼻息の荒さが何となくこのタイトルにも、収録された文章にもにじんでいます」と述べているように、その後刊行された著者の多くの本にくらべると、かなりエッジの利いた議論の運びになっているのがめだちます。

とくにブログでの著者の文章には、著者のファンと呼べるような気ごころの知れた人びとに向けて語りかけているような雰囲気が感じられ、議論の内容そのものは相当に切れ味のするどいものではあるものの、著者の温厚な人柄が伝わってくるような印象がありますが、本書の文章には、著者の研ぎ澄まされた思考を抜き身のままで見せられているようにも感じられました。

0
2019年08月07日

Posted by ブクログ

文庫化されたのは02年ですが、内容は00年前後の著者のブログをまとめたものです。
今(17年)読んでも、著者の慧眼には、やはり脱帽します。時事ネタは、時の経過と共に、
大概は価値をなくしますが、著者の一部の内容は、経年劣化に耐えています。

第二章に「老人大国に向けてのロールモデル」という文章があります。01年に書かれた内容ですが、
日本は確実に衰退していくという内容に、17年の今の日本がダブります。
日本はここ10数年で、制度疲労を起こしています。
もはや過去の成功モデルでは、国を安定維持させることは、
できないにも関わらず、成長モデルを打ち出してします。

超高齢化、人口減少、少子化、労働人口の減少と、
経済を活気づける上での最もキーとなる要素が減少していく過程で、
成長モデルを打ち出すのは、やはり無理があると思います。
もちろん経済成長は大事です。
それは、成長の条件が、拡大生産であり、純投資と貯蓄だからです。
これなくして、成長の好循環を生み出せないというのは、経済学のセオリーです。

しかし、個人的には、この理論は、もうすでに日本には適用できないと思っています。
政府主導で行った経済政策で、この10年で、日本人の所得が上がったでしょうか?
逆に94年ベースで、世帯所得は25%減りました。

内田氏の言葉を借りれば、日本の国そのものが、「お疲れさん」状態です。
国の屋台骨である財政は既に瀕死状態、社会保障制度もしかりです。これから、
10年近くで労働人口が1000万は確実に減ります。
その中で、今までの、生活水準を維持していくのは、多くの人は、かなり難しいでしょう。

2割ほどが、豊かで、残りは、かなり厳しい生活を強いられるというのが、
日本の今後10年の変化になると思います。中には、日本を変えてやるんだ!と、
抜本の改革を気取る人や、甘い言葉とわかりやすい言葉で、大衆を扇動する人が出てくると思いますが、
問題は、それほど単純ではありません。単純化する方が、よほど問題です。

ある面では、ここ20年、そういう言動に、なびいた自分達の国民性が、やはり、問題ありです。
今の時代に、はっきりとした「答え」は、ありません。
内田氏も、いろんな問題に対して、答えていません。
ただ、考えています。それが、ある意味、答えなのかもしれません。

くれぐれも、答えを安易にいう輩には、気をつけたいと思います。

0
2017年10月01日

Posted by ブクログ

漱石は『虞美人草』で明治に於ける日本人はどう生きるか、という問いをもち、国民としてのロールモデルを示した。それが宗近君。

0
2015年06月26日

Posted by ブクログ

永江朗『おじさんの哲学』の感想を聞いて、読みたいなぁと思い書店に行くと、こっちのほうが目について購入。
ダイジェストよりそりゃまるごと「おじさん的」なほうがいいよな、ということで。

内田せんせの2冊目のエッセイ。「るんちゃんの旅立ち」で不意打ちを食らい思わず泣いてしまった。

0
2014年05月04日

Posted by ブクログ

「大人になること」漱石の場合、という章、すごくよかった。
なんだか妙な小説だなぁと「こころ」を読んで思っていたんだけど(3回読んで3回ともなんかへんな小説と思っていた)、なるほどこういうとらえ方をすればすっきり理解できるのかと。
先生は今でいう人たらしなのか、とも思っていたけど、「先生」は「先生」であるという一点に尽きたんだなあ。

0
2013年10月30日

Posted by ブクログ

タイトルを真正直に受け取るようなおじさん向けの本ではない。女性の社会進出に伴い内面がおじさん化している女性は増えているはずだから、性を問わず大人になる前にこそ読んだ方が良い本。大人とはどういう状態か、どういう思考かを投げかけてくれる。また子を育てる視点についても重要な示唆がある。
個人的には、第4章の夏目漱石の著書に登場する近代青年に関する分析が非常に興味深い。現代に生きる青年は果たしてどのような存在なのか。

0
2013年02月05日

Posted by ブクログ

『別姓夫婦の「先進性」に異議あり』の終わりがきれいにまとまっていて好き。他の話も好き!ただ4章は微妙…私の好みからしたらなしでいい、と言うか書き方が好みでないので。

とても面白い内容だった!

0
2013年01月10日

Posted by ブクログ

初内田先生。
普段からtwitterで拝見していたけれど、やっぱりパワフルなちょい悪おじさんでした。

色々思った事はあるけれど、一番思ったのは一周回って「文学」読まねぇとなってことかな。

今のところ僕のロールモデルは『ダンス・ダンス・ダンス』の主人公なわけだけれども。

0
2012年08月22日

Posted by ブクログ

初めての内田樹さんの本。
大人、とは。他にも、教育のこととか色々なことにも触れていて興味深かったです。この本に収まっている文章は2000年前後に書かれたものなのですが、今でも当てはまることが多いと思います。

ただ、カタカナ(どういえばいいのでしょうか。外国語の言葉をその音で表す)が多すぎると私は思いました。それがちょっと苦手です。

0
2012年06月19日

Posted by ブクログ

「おじさん」という単語から俗世間のおやじの愚痴みたいなのを無意識の内に想像していたが、人生の先輩と言う意味での「おじさん」でした.さすが内田樹.

0
2012年05月27日

Posted by ブクログ

内田樹の本は、いつも自分に新たな視点を与えてくれる。会社の後輩に何か面白い本はないですか?と聞かれて紹介したのだが、読んでないと様にならないので、すぐに買ってみた。自分としては紹介して正解だったと思う。世の中で、常識・当たり前・一般論と言われているものに切り込んでいき、全く違う世界を示す。知的刺激を求めるのに格好のテキストだ。

0
2012年04月12日

Posted by ブクログ

大好きな内田樹先生の一冊。
10年程前のブログからの抜粋+α。
その+αの「夏目漱石」話が秀逸です。
欲望の無い(かのような)人に欲望する。
「これだったのかっ」っと、思いました。
夏目漱石を読んでない無知者なので、
読まねば・・・と焦りました。

0
2012年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

MBSラジオ「朝からてんコモリ」に季節ごとに登場される内田 樹氏。
いつもとてもいい話が聞ける。
その内田氏の本を本屋さんで見つけたので即購入。
その「「おじさん」的思考」を読みました。
内田氏の生き方、考え方について書かれたとても面白い本でした。
特に第一章の「「おじさん」の正しい思想的態度」では教育やエロスについて、第4章の「「大人」になることー漱石の場合」では人間として大人とは?について、とても興味深く書かれていました。

この本は一つの生き方のテキストとして、手元において何度も読みた本です。
内田氏の他の本と夏目漱石の「虞美人草」、「こころ」も見つけて読みたいと思います。

0
2011年09月30日

Posted by ブクログ

「インテリジェンスとは「おのれの不能を言語化する力」の別名であり、「礼節」と「敬意」の別名でもある。それが学校教育において習得すべき基本である」、「師とは弟子のポジションに身を置いたものだけがリアルに感知できるような種類の幻想」。
という事を踏まえた上で教師としてどうあるべきか。生徒に「何か自分にはよくわからない世界がある」と感じさせるような存在でいる。そのためには、やはり知的であろうと努力することでしょうな。

0
2011年08月20日

Posted by ブクログ

均質化や普通を好み、多様性を もてない日本の問題をズバっと切った 骨太エッセイ→国際社会との協調、自衛隊、憲法9条、在日韓国人、学校教育、学校でのセクハラ、性風俗


外国人を戦争で殺せば、ずっと 犯罪者呼ばわりされ続ける。国際社会と協調して 戦争へ行くより、国際社会から 蔑まれても 戦争には 行かない方がいい


小さくても ほっこりした国を目指せばいい というメッセージに共感した

0
2016年12月11日

Posted by ブクログ

以下の言い回しが最高に心に残った。自分の子供にも伝えたい。

必要なのは「知識」ではなく「知性」である。
「知性」というのは、簡単にいえば「マッピング」する能力である。「自分が何を知らないのか」を言うことができ、必要なデータとスキルが「どこへいって、どのような手順をふめば手に入るか」を知っていること
〜中略〜 自分が何を知らず、何ができないかを言うためには、自分自身を含むシステム全体についての概括的な「見取り図」を持っていることが必要である。

0
2013年10月14日

Posted by ブクログ

(以下引用)
生物学者が種の多様性の根拠を「生命システムでは、似たような機能を果たすファクターや性質や行動にはある程度なばらつきがあったほうが、システムダウンのリスクを回避する可能性が高い」という事実のうちに見ている。同じ話を国際社会に当てはめてみよう。なぜ、全世界的な規模のグローバリゼーションの圧力にもかかわらず、これほど多くの国民国家や種族や宗教共同体が地球上にはあふれかえり、それぞれの差異を言い立てているのか。それは「エコロジカル・ニッチの多様性」が人類の存続に必須である、ということを人々がどこか身体の深いところで直観しているからである。(P.10)

どれほど合理的で厳密な規定であろうとも、「戦争をするためのクリアーすべき条件」を定めた法律は「戦争をしないための法律」ではなく「戦争をするための法律」である。たとえば刑法199条は「殺人罪」を「人を殺したる者は死刑または無期もしくは5年以上の懲役に処す」と規定しているが「人を殺してもよい条件」は規定していない。改憲論者のロジックは「自衛のため又は公共の福祉に適する場合を除き」という限定条件を刑法199条に書き加えろと言っているのと同じである。(P.24)

憲法九条と自衛隊が矛盾した存在であるのは、「矛盾していること」こそがそもそもはじめから両者に託された政治的機能だからである。平和憲法と軍隊を同時に日本に与えることによって、日本が国際政治的に固有の機能を果たすことをアメリカに期待した。(P.30)

従属はしたくないが、孤独ではいたくない、というのは「腹一杯にご飯を食べたいが、やせたい」というのと同類の不可能な願望である。「自由に暮らすこと」」と「他人と暮らすこと」は両立しない。自由に暮らしたいものは一人で暮らすべきだし、他人と暮らすことを選んだものは、しばしば自由を断念しなければならない。それが世の常識というものである。(P.107)

明治の世に江戸の「異物」が豊かに混在していたことを物語の水準で活写したのは、おそらく山田風太郎をもって嚆矢とする。(P.194)

0
2012年05月08日

Posted by ブクログ

ウェブサイトに書いたものを中心に編集者が選出した合作本的な体裁!?個人的な感想として、全体的には☆☆☆だが、100%同意できる☆☆☆☆☆のエッセイもあった。人それぞれ一編くらいは同意し、楽しめるものが見つかるかもかもしれませんね。

0
2011年10月26日

Posted by ブクログ

久しぶりに内田樹を読んだけど、やはり同じことを言っている。同じことを言っているのに読んでしまうのは、同じことを言っているからである。僕は大人になりたいんだと思う。

0
2011年09月28日

Posted by ブクログ

内容はちょっと難しいので、阿呆な私には理解不能な部分もあったが、四章は面白かった。漱石の小説をこんなふうに解釈する事が出来るのかと、内田樹氏の思考に舌を巻いた。読む方々にとって内田樹氏の存在は、「私」に対する「先生」そのものだと思った。
またじっくり読みたい一冊。

0
2011年08月21日

Posted by ブクログ

内田樹氏の本を読み終えると、不思議なことに『読まねばならない本』が増えている。

日本人の多くが趣味欄に「読書」と書くが、その実、どのような本をどれくらい読んでいるのかは人によってまちまちだろう。
僕が読む本の著者はだいたい生きている。
著者が生きているのでいつのまにか新刊が出る。
すでにこの世にいない作家の本はこれ以上出ることがない。
しかし長い年月読まれた本はいろんな人の中を通り、それぞれの解釈が蓄積されていくように感じる。

『読まねばならない本』が増えていくのは、僕にとって内田樹というフィルターを通して夏目漱石であったりレヴィナスを見ることが心地よいからだ。
そういう存在を「先生」と呼ぶ。
そしてその先生は「先生」であるのと同時に「おじさん」である。
・・・と無理やりタイトルにつなげてみたものの、全然レビューになってないですね。すみません。

0
2011年08月11日

「エッセイ・紀行」ランキング