内田樹のレビュー一覧
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日本戦後史論 内田樹×白井聡
白井氏の提唱する永続敗戦レジームなどの新しい概念があり、面白かった。日本は、歪な戦後史を辿っているという認識のもと、現代の諸問題を読み解いていく。戦後、アメリカの冷戦対応に伴い、日本は戦前の官僚体制を温存したまま、戦後を迎えた。そして、東条英機をはじめとする戦犯の首を挿げ替えただけで統治機構を温存させたまま戦後レジームが形成される。その際、白井氏が「敗戦の否認」と呼ぶような、敗戦へのごまかしを進めてきた。ごまかしとは何かと言えば、日本は米国に負けたという感覚を少しずつ減らしていくというもの。これはなるほどなとも思ったのであるが、普通、戦争に負ければ臥薪嘗胆として -
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手軽に読めるエッセイだけど噛めば噛むほど味がでる書物(あとがき)なのが、内田先生らしい良書です。
この方、物凄く頭の良い方だと思うので、権威ばって難しく書こうとすればいくらでもできるのでしょうけど、どうやら無知蒙昧なバカな子供(私も含め)を啓蒙することをご自身の天職とお考えのようです。本書のテーマの一つに、「修行や学びは成し遂げた後になって初めて回顧的に理解できるように構造化されている」ということで、本来は、「分かってる人たち」と「分かりようもない人たちたち」に分断されているばずなのですよね。低いレベルに居着いている我らには、文字通り想像もつかない世界があり、そこは本来隔絶されてるのだけど、そ -
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内田樹 最終講義 教育、大学、組織、日本が生き延びるための処方箋を語った講義録。良書だと思う
結論としては、共生原理による社会、直観の重要性とそれを引き出す組織づくり、ブリコラージュ(ありものの使い回しで急場をしのぐ)に生き延びる術を見出している。教育の市場原理を批判し、人文学の意味、教育者が負うリスク、子どもの成熟プロセスなどを論じている
一番強く否定していたのは 教育投資(教育にかかった費用より、その教育により得た賃金や地位が高ければ、教育は成功とする考え方)。教育を投資と考えるのは、教育の自殺であり、使用禁止用語にすべきという主張。その通りと思うが、親がお金を、子が時間を 投入し -
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大学時代に中世ヨーロッパ史を専門としていて、キリスト教の考え方や歴史はある程度勉強していた。その中で、現代日本においてイスラームを信仰する人というのはどのような感覚・価値観を持っているのか非常に興味を持っていた。そのため、本書を通してムスリムの考え方の一端を窺い知ることができて良い体験ができたと思う。内田氏中田氏の考え方や主張は極端だなと感じる部分もあったが、中東情勢を西洋的日本価値観で見ていた自分にとって、新たな知見を与えてくれた。中東情勢は非常にややこしく腑に落ちないな〜と言う人は読んでみると理解の助けになるかもしれない。自分がどの考えを選択するかは置いておいて、自分にない知見を得ると言う
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・現代思想のパフォーマンス
P326
フロイトの例によれば、「母親の不在」という幼児にとっては極めて根源的な喪失経験に動機づけられて、幼児は記号操作の習得のやむなきにいたる。
母親と想像的に癒合していた幼児にとって、母親との離別の苦痛は耐えがたい。幼児にとって想像的他者の不在が「名づけえぬもの」であるかぎり、それがもたらす喪失感は世界の崩壊に等しい。
しかし、「母の不在」を言い表す記号を幼児が獲得し、その記号が他者に認知され、理解されるようになると、「母の不在」という経験のもたらす苦痛は緩和される。苦痛は、苦痛そのものであることをやめて、苦痛の記号になるからである。「母が存在しない」と幼児が -
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修善寺の本屋で購入。「まぁまぁ、一度落ち着いて考えてみよう」全体的にそういったトーンの内容。概ね内容には同意である、人間は一人である事を知ってる人が他人を大切にできる、自分が生きている文脈(≒時代、家族、出身、学歴、職業…etc)を客観的に正しく捉えて相応しい場所に自分を位置づける事がディセントに生きる、という事なのだ。多分それは他人が迎合する事ではなくて、リスペクトする、自分を防御する為だ。他人との関係を理解する事なく「自分らしさ」を主張するのは利己的でさえない只の幼さでしかない、結局のところそれも自分は孤独であり誰も理解してくれない、という事実に気づかない未発達な状態だ。変化し続ける自らは