内田樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ内田樹の等身大の姿が垣間見える貴重な本だと思う。それもまた、みんながとりあえず信用することができるだけの情報を出しているだけだと内田樹は釘を刺してはいるけれど。それでも今までの内田樹が発する言葉から窺い知れる姿とはずいぶん違う像を見ることができた。
るんちゃんの洞察力もさすが。この人の言葉選びと視点は希有のものだと思うので、そのうち本を書くだろうな。
それにしても、内田樹が30代後半の娘をまるで10代の子どものように娘に語りかけるのは最後まで違和感ありました。どうなんでしょう、これ。
とはいえ、愉快に自由に過ごして欲しいという親心は共感できたし、カッコつけずに話そうという姿勢はやはり内 -
Posted by ブクログ
発刊から数年経ち、時事としてはちょっと古い話題ではあるものの内容に関しては全く遜色ないばかりか、今の政治や世事の状況を鑑みつつ読めば発見や自分では思いもつかない見識が満載です。
私には目からウロコの見識がたくさんありました。
先生の、「未来に対する仮説を立てて検分する」という世の中に対するあり方は私たちに、もっと広く物事を見よ、考えよ、本当のありかを見極め嘘や誤魔化しを見抜けよ、と訴えているかのようと感じました。
たとえ仮説が外れたとしてもそれは問題ではなくて、そういう風に物事を関心を持ってみる姿勢がなくてはならないという啓発だと。
流されてばかりではあかんですね。何が出来る出来ないの前にき -
Posted by ブクログ
中高生にとって必読の書であるのはもちろん、私たち大人も読んでおくべき1冊。
以下、印象に残ったフレーズを。
「この世に『最低の学校』というのがあるとすれば、それは教員全員が同じ教育理念を信じ、同じ教育方法で、同じ教育目標のために授業をしている学校だと思います(独裁者が支配している国の学校はたぶんそういうものになるでしょう)。でも、そういう学校からは『よきもの』は何も生まれません。これは断言できます。」(p10:内田樹)
「疑うというのは『排除する』とか『無視する』ということとは違います。『頭から信じる』でもなく、『頭から信じない』でもなく、信憑性をとりあえず『かっこに入れて』、ひとつひとつ -
Posted by ブクログ
本の帯には、著者の破天荒な半生のトピックが
キャッチコピーよろしく書かれている。
いじめが原因で小学校を登校拒否
受験勉強が嫌で日比谷高校中退
親の小言が聞きたくなくて家出
大検取って東大に入るも大学院3浪
8年間に32大学の教員試験に不合格
男として全否定された離婚、
仕事より家事を優先して父子家庭12年
本書はまもなく古稀を迎える内田 樹 版「私の履歴書」。 大学の教員職を得るまで、かなりの苦労をしたとは耳にしていたが、採用になった神戸女学院が33校目だったとは…。それに輪をかけて驚いたのは高校中退し、大検経由の東大合格⁈
数奇な半生記でありながら、本書には運命的な出会いとかついてな -
Posted by ブクログ
・情報を評価するときに最優先の基準は「その情報を得ることによって、世界の成り立ちについての理解が深まるかどうか」ということです。
この本の主題には直接関係ありませんが、私は、第一講「キャリアは他人のためのもの」が好きです。
《人間がその才能を開花させるのは、「他人のため」に働くときだからです。人の役に立ちたいと願うときにこそ、人間の能力は伸びる。とにかく「これ、やってください」と懇願されて、他にやってくれそうな人がいないという状態で、「しかたないなあ、私がやるしかないのか」という立場に立ち至ったときに、人間の能力は向上する。ピンポイントで、他ならぬ私が、余人を以ては代え難いものとして、召 -
Posted by ブクログ
死者とか敗者、忘れされれようとしている者、なかったことにされている者への想いを持つことが、今、自分が生きるために必要なのだ、と言われた気がした。
読んでいて、気持ちが軽くなった。気持ちが軽くなったことで、俺は自分を死者、敗者の側に置いていたのだと気づいた。
誰かから、負けや死を宣告されていたわけでもない。自分で自分をそういうふうに勘定していたのだな、と。
今の社会情勢がそういう気持ちを喚起していたのかもしれないし、ひょっとしたら誰でもそういう気持ちをもつものなのかもしれない。だからこそ、死者をおもうことは、自分をおもうこと、救うことになるのかもしれないな。
多くの友、同志を失う -
Posted by ブクログ
僕は内田樹という知性を信頼している。
膨大な知識・鋭い感性・身体性に裏打ちされた独自の視点を持ちつつ、さらに自分より若い世代や異なる分野の専門家に対してオープンマインドな姿勢を保ち続けている人だからだ。
自分はもうすぐ40歳を迎える人間(内田樹氏から見ればまだまだ若造)だが、既に自分より遥かに若い人たちの感性やスピードについていけず、徐々の頭が徐々に柔軟性を失いつつように感じ始めている。
そういう自分の老化のようなものを自覚し始めた今だからこそ、内田樹氏の開放性というか、しなやかさに尊敬の念を禁じ得ない。
本書「しょぼい生活革命」は、そんな敬愛する内田樹氏が、自身の娘よりも若い30歳 -
Posted by ブクログ
ノルマに責められる会社勤めに限界を感じて、
3/11をきっかけにして、
人混みの中の都会での暮らしに嫌気が指して、
さまざまな理由はあれど
とにかく
他者に追われる「暮らし」を辞めて
自分の力で、
自分の頭と、
自分の足と、
自分の手と、
自分のリズムで、
田舎で「暮らし」始めた
若者たち(30代~40代)と
知り合うことが
ここ数年多くなった
夫婦で、子供たちは
まだ幼いけれども
空の下で
土に向き合った
暮らしをしている人が多い
彼らと
話をしていると
本書で話されている
さまざまなことが
暮らしの中で
もうすでに
実践しているのだなぁ
と感じてしまうことに
結構気付かされる
日本に -
Posted by ブクログ
対談の面子がすごい
最初あたりの全共闘のところはあんまり面白くないなあとおもったけど、ポツポツと気になるところが出てくる。2人の思想のポイントが垣間見えるところが面白い。体系的にはわからないのが対談の限度か。2人の本を読みたくなる。
以下面白いと思ったところ
●どんなことがあっても「こういう人いるよね」と思ったほうがいい
「床族」の結婚の話も面白かった
●貧困をゼロにしようとすることが社会として不健康
リスクをゼロにするのはコストがすごい
●貨幣を呼び込むコツは贈与すること
貨幣は予想外の使い方を喜ぶ、とか目からウロコ
●合意形成は全員が同じくらい不満なところに持って行く
三方1両