内田樹のレビュー一覧

  • 困難な結婚

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    内田樹さんが書く結婚論。
    あの年齢で、あの性別で、あのお顔で
    夫婦とは?を論じると、こうなるんだろうなという内容。

    これ、すごく大切なことがたくさん書いてるんだけど、独身で大恋愛中の女の子が読んでも、さっぱり頭に入っていかないだろうな。
    (若い頃のわたしがそうだった…)

    そしてこれを読んだ今も、
    大恋愛中の女の子たちには、内容は教えたくないなとも思う。
    身を持って体感するのが、結婚だと思うから。

    読んで良かった一冊です。
    共感も納得も反省もしました。

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    2019年08月08日
  • 「おじさん」的思考

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    『ためらいの倫理学』(角川文庫)につづく、著者の二冊目のエッセイ集です。比較的短いエッセイのほか、漱石の『虞美人草』と『こころ』を著者自身の観点から読み解いた論考「「大人」になること―漱石の場合」が収録されています。

    本書の「文庫版あとがき」には、伊丹十三のインタヴューにかんするエピソードに言及しながら、「「この稼業は一度なめられたらしまいやけ」というような鼻息の荒さが何となくこのタイトルにも、収録された文章にもにじんでいます」と述べているように、その後刊行された著者の多くの本にくらべると、かなりエッジの利いた議論の運びになっているのがめだちます。

    とくにブログでの著者の文章には、著者のフ

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    2019年08月07日
  • そのうちなんとかなるだろう

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    思想家にして武道家のウチダさんらしい半生。
    安田講堂事件直後の東大キャンパスの話など
    興味深い。

    いちばん、共感したのは、働き盛りのときに
    父子家庭生活をしていたところ。

    仕事できる時間をボーナスと捉える発想が
    学内行政に時間をとられるようになってからも
    生きたという話は、いろいろ考えさせられた。

    武道(人生)の極意は、「いるべき所にいて、なすべきことをなすこと」、直感(なんとなく)を信じることなど、
    お馴染みのウチダ哲学の原点がよくわかる。

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    2019年08月03日
  • 街場のメディア論

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    面白い考え方に出会える。
    メディア論というだけあり、マスコミのあり方、テレビの衰退、知的生産力の低下、教育と医療の消費活動化、本の電子化と本棚の有意義性など、今の社会の考え方の根幹を述べていく本。
    古い本だけど、メディア全体の違和感の正体をうまく言い当てていると思う。マスコミが自己のあり方を考えなかった、という点はあまり実感がわかなかったけど。

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    2019年07月22日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    結構難しい本。これを読む中高生はすごい。
    いじめはあるけど、いじめはない。
    本当に何でもそうなんだ。ちゃんと見ないと、
    何にも見えない。

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    2019年07月19日
  • 橋本治と内田樹

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    橋本治さんが亡くなり、内田先生が何度もその知性を褒めたたえるので、読んでみたくなったが、正直自分には対談本を読むだけでは知性のすばらしさがわからなかった。面白かったのは、官打・位打という言葉。これは初めて聞いた概念だが、とても面白かった。何かというと、武家が増長していった時代に、頭角を現すものをつぶす方法である。実力のある者に対して、明らかに不つり合いな大出世をさせる。しかし、不釣り合いな仕事をこなせるわけもなく、その人物は失墜するというエスタブリッシュを武器にした攻撃。後白河法皇の義経の猛プッシュは官打だったという。平安の貴族たち、和歌を詠んでるだけじゃなくて、なかなか手ごわい。。

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    2019年07月16日
  • 困難な結婚

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    めっちゃ面白かった!基本的な考え方にはとても共感できたし、励まされた。
    内田さんは、「街場の教育論」は個人的にはいまいちで、その後友達に借りた教育系の本が面白く、今回もハマった。
    そして彼の終始一貫した道理が、最近の私の気づきでもあった。
    「彼と結婚していることが世界平和への道だと本気で思っている」この私の最近の口癖が、まさに政治と結婚について論じているところとつながった。
    いまとなりにいるひとと、いかに婚姻関係を続けていくかということが多分、私の人生にも多くの示唆を与えてくれるのだろう。
    わけわからん、理解できない夫と、理解できないまま暮らしていくか。
    結婚生活、少し前向きになれました(笑)

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    2019年07月02日
  • 街場の平成論

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    それぞれの先生の平成論を読み、自分自身が個人的にあまりにも暗いので、なんだかますます暗くなった。
    そして、そんなつもりはなかったのに、私にとっての平成を振り返り、「なぜこんなことになってしまったのか」「30年前にはまさかこんなことになるとは思わなかった」と同じことを感じて暗くなった。
    救いは、鷲田清一さんが引用されている橋本治さんの、失われたものを数えるのではなく、失われてれていないもの、残されているものの数を数える、というところだろうか。同じことを別の本で内田先生がおっしゃっていたのも思い出す。
    私と日本と世界と…

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    2019年06月29日
  • 変調「日本の古典」講義――身体で読む伝統・教養・知性

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    買って読み始め、でもなぜか途中で置いたままだった。ふと本棚で目があって手に取り、読み始めると面白い。あちこち、開いてはパラパラ。ここまだ読んでなかったよなぁと思っていた章なのに、マーカーがすでに引いてある(笑)。でも、新鮮で刺激的に読める。こういう本は、何度も手に取って、その都度、開いたところを読むだけで頭が活性化するんだよな。『矛盾』の話とか、道徳と常識の話とか、あれこれ考えさせられた。この本は、そうやって開くごとに脳がわくわくするんだと思う。

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    2019年06月27日
  • 聖地巡礼 ライジング  熊野紀行

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    来月行くので、事前学習。

    熊野三山と言えば、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社。
    でも、過去に行った時に、なんとなく、熊野速玉大社に違和感を覚えた。
    後付けされたような感覚。
    それよりも、熊野速玉大社のそばにある神倉神社の方が、強い感じを受けた。
    本著で、神倉神社は、速玉大社よりも古く、速玉大社の本宮だと言われていると聞いて、納得。
    この本を借りたのも、そこらへんがきっかけ。
    他のガイドブックでは、さらっとしか書かれていない神倉神社を大々的に取り上げていたから。
    あの階段は、死ぬほど怖い(実際に落ちて亡くなられた方のニュースも何年か前にありましたが)のだが、なぜか、再び訪れたくなる地。

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    2019年06月22日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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     中学生、あるいは高校生ぐらいの読者を対象にしているシリーズの一冊。ほかの出版社の、ぼくは気に入っている「よりみちパンセ」のシリーズより少し年上の読者が想定読者か?
     内容は、あれこれあるのだけれど、高橋源一郎の、アメリカの大統領だった、オバマの広島訪問演説に対する解説(?)が俊逸、さすが「ゲンちゃん」という内容で、記憶に残った。
     内田樹の編集方針も悪くない。学校の先生方も通勤電車で、一つずつお読みになればいいのではないでしょうか。ここで、さまざまに指摘されている社会の変化の中で、教育が、それはあかんやろ、という方向を支えていることに、ギョッとなさるかもしれない。

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    2019年04月22日
  • 大人のいない国

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    鷲田清一と内田樹の大人のいない国を読みました。

    日本は、人が成熟せず、大人にならなくても生きていける国になってしまった。
    クレーマーやモンスターペアレントが横行する国になってしまった、ということが議論されています。

    面白いと思ったのは、内田樹の以下のような主張でした。
    SNSなどでの匿名のメッセージは本人が正しいと思っていてもそれは呪いのメッセージである。
    なぜなら、呪いはその発信源が特定されるとその効果を失うからである。

    表現の自由というのは、他の人が認めようと認めまいと自分は正しい、というメッセージを発信することではない。
    メッセージはその受信者に対して発せられるものであり、受信者に

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    2019年04月14日
  • 困難な結婚

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    よし、結婚しようという気持ちになる。相手おらんけど。
    相手のことがよくわからないと結婚できないって思ってたらいつまでも踏ん切りつかないもんなんですね、まさに勢いとタイミング。

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    2019年03月22日
  • 街場の五輪論

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    2014年に単行本として出されたときに
    読んでいて、
    そりゃあ そうだ
    と 何度も賛同しながら
    読んでいた

    そして
    それから五年経った
    今、
    本書で予測されていたことが
    そのまんま
    いたるところで噴き出していることに
    納得するよりも
    ますます唖然としてしまう

    いくら考えても
    やはり
    東京五輪は
    いらない!

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    2019年02月20日
  • 修業論

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    文化放送の武田鉄矢今朝の三枚おろしで、取り上げられていたのがきっかけで読んでみた。期待した程に良くなかったけれども、次の引用箇所がとても良い。

    p203「そもそも原理的に言えば、「無駄な稽古」というのはないのである。いくらやっても上達しないというのは、ある意味で得がたい経験である。「なぜ、これほど稽古してもうまくならないのか」という問いをまっすぐに受け止めて、稽古に創意工夫を凝らしたものは、出来のいいプログラムを丸呑みして無駄なく上達し、ついに悩んだことがないというものよりも、しばしば深い。」

    この部分があったからこの本は良いと言える。

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    2024年03月01日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    高橋源一郎の「方丈記」改め、「モバイル・ハウス・ダイアリーズ」に全て持って行かれた。やっぱり源一郎はすごい人だった。

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    2019年02月03日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    ニチユ同祖論と安保闘争のところがとても面白い。
    メンタリティは、敗戦国としてのルサンチマンだったのですね。

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    2019年01月24日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    内田:
     ユダヤ教、イスラム教、キリスト教は互を相互参照しながら体型を築いていったkという気がしますね。(略)進行の深さを魂の純良さを持って示すのか、学識の豊かさでし召すのかというあたりの力点の置き方がこの3つの宗教では微妙に違う気がします。
    キリスト教⇒人間の魂の清らかさ
    ユダヤ教⇒知性的な成熟
    イスラム教⇒両方

    イスラム教はもともと遊牧民の宗教。つまり、国境自体を意識しない。クロスボーダーな集団だった。これは国土、国民を絶対とし、国境を死守する、現在の「国民国家」とは折り合いが悪い。

     いま「グローバリズム」が叫ばれているが実態は「汎アメリカ化(アメリカン・グローバリズム)」。だが、そ

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    2018年12月22日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    3人の対談をまとめたもの。

    ・悪意は嫉妬からくるもの。嫉妬する人は「あいつは俺と条件は変わらないのにいい思いをしている」という風に相手と自分を同化していることがある。「似ている・近い」っていう感覚は危険。

    ・定型圧力の凄まじさ。あの中に自分の欲しいものがあるに違いない!よりは情報の中に欲しいものを見つけた方がまだ個性がある。

    ・愛と敬意は逆のもの。相手のことを知らないという前提であれば謙虚で寛容になる。完全に理解(同化)した気になるのは怖い。

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    2018年12月21日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    ネタバレ

    軽い語り口ながら深い内容だった。
    特に心に響いたことが3つ。

    言葉の攻撃性を自覚する。自分の生命力を低める呪詛を吐かない。韻文や美しい言葉で祝福する。

    ストーリー=筋立て。物語=物が語る。
    ストーリーは人と人だけのもの。物語には運気とか山神、座敷わらしや、そこにたまたまあった机、食べ物、天気なんかが絡んでくる。
    自分の中に物語を作ると言う事は、一見自己完結のように見えるけれども、実はそこに人以外のものが介入する、物が語りだすから、自己だけの解決ではないと言う。
    執着や怒りを手放すには、感情→ストーリー→物語の昇華が必要。

    わかったと思った瞬間に愛は歪む。わからないからわかろうとするのが敬

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    2018年12月21日