内田樹のレビュー一覧

  • 僕たちの居場所論

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    まず内容ですが、
    第1章 いちばん自分らしい場所
    第2章 つながるということの本質
    第3章 好き嫌いと価値観の共有
    第4章 師匠の存在、家族が自己にもたらすもの

    自分の居場所を見つけられない人が増えてきているという時代、それぞれ違う立場で活躍してきた内田樹・平川克美・名越康文の朋友の3人が、自分らしさとは、つながりとは何かについて鼎談。
    昔話に花が咲いたと思ったら、話は思わぬ方向に……。
    叡智が詰まった言葉の数々にハッとさせられる一冊でした。

    内田さん平川さんは私とまったく同世代です。
    だから余計に発言内容に親近感が持てました。
    同世代が時代時代を共有してきた感覚にとっても親しみがもてるの

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    2018年12月21日
  • 街場の天皇論

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    40 街場の天皇論
    共同体にとって、広く死者を悼み、苦しむ人によりそう人間がいかに、求心力を持っているのかというところから、始まる。なぜ内田樹が天皇主義者になったのかということにも納得できる。内田樹も良く言っているが、動物と人間を隔てたのは、死者をそこにいるかのように扱い、その人を悼む、生物学的奇習であり、その中心人物として、あまたの宗教的な権威は存在してきた。天皇もまたその一人であり、日本という国を保つうえで、必須の存在であるとしている。
    宗教というものは原理主義者の排他的な行動によって批判される部分もあるが、人間が共同体として生きる上で必要な倫理的な示唆を多く与えてくれる。各々の宗教にとっ

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    2018年12月01日
  • 常識的で何か問題でも? 反文学的時代のマインドセット

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    41 常識的で何か問題でも?

    内田樹の新刊。ここ4年ぐらいの内田樹の研究室ブログで書かれたことのトリビュート(いつものスタイル)。情報の鮮度ということで、すぐに積読の最上段へ。
    ・師を持つということからスタート。源泉から流れ出るものに身を浸すためには、心と体を解放状態にしなければならない。おのれの狭隘な思考の枠組みを打ち破ってまっすぐに受け入れ、次世代に繋げる。それが師を持つということである。毎回読む話であるけど、人は決まった話を何度も繰り返し聞くのが好き(これも内田老師の教えではあるが)なので、いちいちうなずいてしまう。
    ・レバレッジを探す人たちという話が面白かった。レバレッジを探すことが

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    2018年12月01日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    古典の代表的な作品の3作品。
    これをこのようにならべてみると、日本の古典で
    誰もが知る作品。特に冒頭の部分はだれでも
    知っているけれど、内容として全部読んだのは
    あまりいないのではないかと思われる随筆。
    清少納言の枕草子”春はあけぼの・・”
    鴨長明の方丈記”行く川のながれは絶えずして・・”
    吉田兼好の徒然草”つれづれなるままにひぐらし・・”
    現代語訳を酒井順子氏・高橋源一郎氏・内田樹氏が
    行っているという非常にわくわくするような内容です。

    読みましたが。
    枕草子は、ちょっと正直難しくよくわからない部分が多く
    ありました。当時の風情や風習がきっちりわかっていないと
    くすっと笑えないというか感情

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    2018年11月24日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    前大阪市長の平松邦夫が立ち上げた「公共政策ラボ」主催のシンポジウムの模様をまとめた一冊。この本を手に取った理由は、ほかでもない内田樹が討論をリードしているから。早くから橋本徹の教育に関する施策に異議を唱えていた内田樹が、その橋本徹に選挙で敗れた平松邦夫とタッグを組んだわけだから、ちょっと見過ごすことができなかった。
    内容は、内田樹がかねてから唱えている(かつ、ワタシも賛同している)「贈与経済」という考え方を、国家規模、グローバル規模であてはめていったらどうなるか、という討論が中心になっている。そして、これをあてはめていくとグローバル社会から脱してゆくことになる、というのがこのシンポジウムのコア

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    2018年11月18日
  • 呪いの時代

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    久々のウチダ本は相変わらずの切れ味。
    ワタシは内田センセイが以前から唱えている「贈与論」には強く共感している。考えてみると、先輩から「お前が先輩や上司の立場になったらおごってやれ。金はそうやって回る。」と言われていつもおごってもらったり、アントニオ猪木が「笑顔は施しだ」と言っていたり、先日読んだ『モリー先生との火曜日』でモリーが「ほんとうの満足は『自分が人にあげられるものを提供すること』によって得られる。」と言っていたのも、実は根っこは贈与論なんだと思う。贈与万歳。これからも贈与できるものは贈与しよう。

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    2018年11月18日
  • 街場の大学論 ウチダ式教育再生

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    2000年から2006年にかけてブログに書かれた
    内容を採録したというだけあって、ウチダ節が冴え
    わたった一冊。

    “学校というのは子どもに「自分が何を知らないか」を
    学ばせる場である。一方、受験勉強は「自分が何を
    知っているか」を誇示することである。”

    “定期的に「頭の中身」を満天下に明かして、批判の
    矢玉に身をさらすのは、学者の責務であると私は思う。”

    縦横無尽の炸裂ぶりに、いつもの通り胸がすく。

    でも、この本を読んでいていつものウチダ本と少し
    趣が違うなと感じたのが、母校・日比谷高校と全共闘
    について描かれた第8章と第9章。

    正直、全共闘と言われてもピンとこないワタシには、
    この

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    2018年11月18日
  • 街場のメディア論

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    「メディア論」とあるけれど、内田センセイの
    ことだから、ただの「メディア論」ではない
    だろう…と想像はしていたけれど、果たして
    その内容は想像以上!

    こんな切り口があったのかと驚愕しながらも、
    言われてみればその通り!というご指摘の
    オンパレード。
    例えば、電子書籍で「本棚」について論じられて
    いる部分。自分が毎日本棚を眺めている事実に
    改めて気づかされ、眺めることを力いっぱい肯定
    された。驚愕、納得、歓喜!

    そんな中でも圧巻だったのは「第六講 読者は
    どこにいるのか」と「第七講 贈与経済と読書」
    のニ講。
    贈与経済については、最近のネット本やツイッター
    本で

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    2018年11月18日
  • 街場のアメリカ論

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    久しぶりに内田本を。

    アレクシス・ド・トクヴィルに献呈するという
    記載から始まっているので、いつもの内田節
    と違うのかな?と思ったけれど、そんなものは
    杞憂に過ぎなかった(笑)。
    ページをめくるそばから、いつもの内田節が
    さく裂!

    のっけから、この本を書くに至った経緯の中で、
    こうおっしゃる。

    “私はもともと仏文学者であって(今ではその
    名乗りもかなり怪しいが)、アメリカ史にも
    アメリカ政治にもアメリカ文化にもまったくの
    門外漢である。非専門家であるがゆえに、どの
    ような法外な仮説をたてて検証しようとも、誰
    からも「学者としていかがなものか」という
    隠微な(

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    2018年12月08日
  • 疲れすぎて眠れぬ夜のために

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    あまりに面白くて読むのが止まらず、「眠れぬ夜」になって
    しまった一冊。

    こういう見方もあるのか、という新たな気づきをずいぶん
    もらった。なんだぁこいつぁ、とお怒りになる御仁もいるん
    でしょうが、最後には、なるほど、と思わず納得してしまう
    ような話が満載。

    中でも、アメリカは女性嫌悪の国であり、その国で生まれた
    西部劇というのは、フロンティアの男たちのトラウマを癒す
    ための物語だという指摘は、面白かった。
    ワタシの中でスッと落ちた。


    人気が高いというこの内田さんのブログ、これからはマメに
    チェックだ。

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    2018年11月18日
  • 呪いの時代

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    日本のことを捉え直すに役に立つ好著。エッセイ的に色々な角度から日本という国を見つめ直すことができる。オバマの章にあった、アメリカを覇権国家たらしめている、根底の話が面白かった。アメリカにあって、ヨーロッパにないもの。こういうことも踏まえていかないと、日本という自分の国を理解するにあたっても、誤った理解をしてしまうと思った。英語が要らない日本という国の章も必読と思う。

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    2018年11月12日
  • 街場のメディア論

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    ・「しかたないなあ、私がやるしかないのか」という立場に立ち至ったときに、人間の能力は向上する
    ・「自分が言わなくても誰かが代わりに言いそうなこと」よりも、「自分がここで言わないと、多分誰も言わない」ことを選んで語る
    ・「命があやうくなると知るやたちまちそれを否認する」ような言葉が自分にどれくらい含まれているか点検する
    ・「変える必要がないもの」「惰性が効いているほうがよいもの」−医療、教育などの社会的共通資本
    ・本棚−「ほんとうはなにものであるか」よりもむしろその人が「どんな人間であると思われたがっているか」

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    2018年11月04日
  • 聖地巡礼 ライジング  熊野紀行

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    なまじのガイドブック読むより熊野を堪能できる。

    熊野って何か大事を果たす前にエネルギーを充填するような土地なんですかね。
    大きな困難と向き合う前に行っておくべき地
    そこに行くことで生命力が高まる、戦闘力が高まる、そういうことが実感としてあったんだと思うんですよね。

    神社仏閣や祭は人間が一定数以上いる場所には絶対に必要。土地にこもっていたり人間が持ち込んでくる邪気を「リリース」「放電」する装置が必要。

    子供の頃から自分の死に方のイメージをはっきり持っていて、そこに向かって次第に収斂していくように老いていく、そういう文化があったんじゃないでしょうか。
    むしろ、「生と死をつなぐ強烈な通路」を持

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    2018年10月18日
  • 街場のメディア論

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    オーディオブックにて視聴完了。
    面白すぎて3回聴き直した。

    内田樹の他の街場シリーズ、はよ。

    のっけのキャリア論の話が本当に秀逸で、自分の才能に適した職業があるのではなくて、社会からの要請が才能を開花させるって話はほんとそうだと100回は頷いた。

    紙の本も買ったので、改めて読書メモを書こう!

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    2018年10月14日
  • 日本辺境論

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    「ここではないどころか、外部のどこかに、世界の中心たる「絶対的価値」がある。それにどうすれば近づけるか、どうすれば遠のくのか、専らその距離の意識に基づいて思考と行動が決定されている。そのような人間のことを私は本書ではこれ以後「辺境人」と呼ぼうと思います。」

    本書を読んでいて、自分が、著者の言う辺境人の思考方法になっているのだと度々思い返された。

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    2021年08月08日
  • 街場のメディア論

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    よく「ポストが人を作る」といいますけれど、ほんとうにそうなんです。…「自分が何をしたいか」「自分には何ができると思っているか」には副次的な意味しかありません。

    →自分探し若者に対して、日ごろから思っていることで、全く同感。

    社会的共通資本というのは、原理的に言えば、個人の恣意にも政治イデオロギーにも市場の需給関係にもかかわりなく保全されなければならないものです。

    →医療や教育は社会的共通資本であり、メディアによる正義の暴走がそれを危機にさらしていると言う主張であったと思うが、個人的には、それは医療・教育にかかわらず、すべての産業に当てはまる事項ではないかと思う。社会的共通資本そのものが重

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    2021年08月08日
  • 街場の天皇論

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    「おことば」から展開する天皇制のみかた。その視点ははなかった。源平合戦や日本書紀に遡り梅原猛とつながってるのが面白い。

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    2018年08月18日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    このレベルの本が一番わかりやすい。厭世的な世の中で、誰も意思決定をしない状態が続いている。日本を正常な形に戻すべきだね。その方法論は今国会で審議されている改憲論ではないことだけはわかってる。頑張れるかな、戦争も安保も知らない世代が。問われてるね。この世代の役割が。

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    2018年07月25日
  • 直感はわりと正しい 内田樹の大市民講座

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    内田氏がAERAに寄稿していたコラムを文庫本化したもの。約10年前のもので当時の政治や経済、社会、文化など様々なテーマが取り上げられており、内田氏の指摘が短くまとまっていて読みやすく、理解しやすい。この人の指摘は鋭さというより噛んで言い含めるような浸透力にあるのだと実感。「貧しい人にもっとお金を配分せよというのは、金さえあれば問題は解決するという拝金主義の裏返し」「同じ仕事ができるなら賃金が一番安い労働者が良い労働者」「自分は知らないけどなんだか面白そうな話を排除しないセンス」

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    2018年07月19日
  • こんな日本でよかったね 構造主義的日本論

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    買い置きしていたが、濡れかかっていたので急きょ読み通す。この人の本、やはり面白い。 2000年代の空気感がよくわかる。

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    2018年07月12日