内田樹のレビュー一覧

  • 橋本治と内田樹

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    橋本治さんが亡くなり、内田先生が何度もその知性を褒めたたえるので、読んでみたくなったが、正直自分には対談本を読むだけでは知性のすばらしさがわからなかった。面白かったのは、官打・位打という言葉。これは初めて聞いた概念だが、とても面白かった。何かというと、武家が増長していった時代に、頭角を現すものをつぶす方法である。実力のある者に対して、明らかに不つり合いな大出世をさせる。しかし、不釣り合いな仕事をこなせるわけもなく、その人物は失墜するというエスタブリッシュを武器にした攻撃。後白河法皇の義経の猛プッシュは官打だったという。平安の貴族たち、和歌を詠んでるだけじゃなくて、なかなか手ごわい。。

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    2019年07月16日
  • 困難な結婚

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    めっちゃ面白かった!基本的な考え方にはとても共感できたし、励まされた。
    内田さんは、「街場の教育論」は個人的にはいまいちで、その後友達に借りた教育系の本が面白く、今回もハマった。
    そして彼の終始一貫した道理が、最近の私の気づきでもあった。
    「彼と結婚していることが世界平和への道だと本気で思っている」この私の最近の口癖が、まさに政治と結婚について論じているところとつながった。
    いまとなりにいるひとと、いかに婚姻関係を続けていくかということが多分、私の人生にも多くの示唆を与えてくれるのだろう。
    わけわからん、理解できない夫と、理解できないまま暮らしていくか。
    結婚生活、少し前向きになれました(笑)

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    2019年07月02日
  • 街場の平成論

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    それぞれの先生の平成論を読み、自分自身が個人的にあまりにも暗いので、なんだかますます暗くなった。
    そして、そんなつもりはなかったのに、私にとっての平成を振り返り、「なぜこんなことになってしまったのか」「30年前にはまさかこんなことになるとは思わなかった」と同じことを感じて暗くなった。
    救いは、鷲田清一さんが引用されている橋本治さんの、失われたものを数えるのではなく、失われてれていないもの、残されているものの数を数える、というところだろうか。同じことを別の本で内田先生がおっしゃっていたのも思い出す。
    私と日本と世界と…

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    2019年06月29日
  • 変調「日本の古典」講義――身体で読む伝統・教養・知性

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    買って読み始め、でもなぜか途中で置いたままだった。ふと本棚で目があって手に取り、読み始めると面白い。あちこち、開いてはパラパラ。ここまだ読んでなかったよなぁと思っていた章なのに、マーカーがすでに引いてある(笑)。でも、新鮮で刺激的に読める。こういう本は、何度も手に取って、その都度、開いたところを読むだけで頭が活性化するんだよな。『矛盾』の話とか、道徳と常識の話とか、あれこれ考えさせられた。この本は、そうやって開くごとに脳がわくわくするんだと思う。

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    2019年06月27日
  • 聖地巡礼 ライジング  熊野紀行

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    来月行くので、事前学習。

    熊野三山と言えば、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社。
    でも、過去に行った時に、なんとなく、熊野速玉大社に違和感を覚えた。
    後付けされたような感覚。
    それよりも、熊野速玉大社のそばにある神倉神社の方が、強い感じを受けた。
    本著で、神倉神社は、速玉大社よりも古く、速玉大社の本宮だと言われていると聞いて、納得。
    この本を借りたのも、そこらへんがきっかけ。
    他のガイドブックでは、さらっとしか書かれていない神倉神社を大々的に取り上げていたから。
    あの階段は、死ぬほど怖い(実際に落ちて亡くなられた方のニュースも何年か前にありましたが)のだが、なぜか、再び訪れたくなる地。

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    2019年06月22日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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     中学生、あるいは高校生ぐらいの読者を対象にしているシリーズの一冊。ほかの出版社の、ぼくは気に入っている「よりみちパンセ」のシリーズより少し年上の読者が想定読者か?
     内容は、あれこれあるのだけれど、高橋源一郎の、アメリカの大統領だった、オバマの広島訪問演説に対する解説(?)が俊逸、さすが「ゲンちゃん」という内容で、記憶に残った。
     内田樹の編集方針も悪くない。学校の先生方も通勤電車で、一つずつお読みになればいいのではないでしょうか。ここで、さまざまに指摘されている社会の変化の中で、教育が、それはあかんやろ、という方向を支えていることに、ギョッとなさるかもしれない。

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    2019年04月22日
  • 大人のいない国

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    鷲田清一と内田樹の大人のいない国を読みました。

    日本は、人が成熟せず、大人にならなくても生きていける国になってしまった。
    クレーマーやモンスターペアレントが横行する国になってしまった、ということが議論されています。

    面白いと思ったのは、内田樹の以下のような主張でした。
    SNSなどでの匿名のメッセージは本人が正しいと思っていてもそれは呪いのメッセージである。
    なぜなら、呪いはその発信源が特定されるとその効果を失うからである。

    表現の自由というのは、他の人が認めようと認めまいと自分は正しい、というメッセージを発信することではない。
    メッセージはその受信者に対して発せられるものであり、受信者に

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    2019年04月14日
  • 困難な結婚

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    よし、結婚しようという気持ちになる。相手おらんけど。
    相手のことがよくわからないと結婚できないって思ってたらいつまでも踏ん切りつかないもんなんですね、まさに勢いとタイミング。

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    2019年03月22日
  • 街場の五輪論

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    2014年に単行本として出されたときに
    読んでいて、
    そりゃあ そうだ
    と 何度も賛同しながら
    読んでいた

    そして
    それから五年経った
    今、
    本書で予測されていたことが
    そのまんま
    いたるところで噴き出していることに
    納得するよりも
    ますます唖然としてしまう

    いくら考えても
    やはり
    東京五輪は
    いらない!

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    2019年02月20日
  • 修業論

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    文化放送の武田鉄矢今朝の三枚おろしで、取り上げられていたのがきっかけで読んでみた。期待した程に良くなかったけれども、次の引用箇所がとても良い。

    p203「そもそも原理的に言えば、「無駄な稽古」というのはないのである。いくらやっても上達しないというのは、ある意味で得がたい経験である。「なぜ、これほど稽古してもうまくならないのか」という問いをまっすぐに受け止めて、稽古に創意工夫を凝らしたものは、出来のいいプログラムを丸呑みして無駄なく上達し、ついに悩んだことがないというものよりも、しばしば深い。」

    この部分があったからこの本は良いと言える。

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    2024年03月01日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    高橋源一郎の「方丈記」改め、「モバイル・ハウス・ダイアリーズ」に全て持って行かれた。やっぱり源一郎はすごい人だった。

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    2019年02月03日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    ニチユ同祖論と安保闘争のところがとても面白い。
    メンタリティは、敗戦国としてのルサンチマンだったのですね。

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    2019年01月24日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    内田:
     ユダヤ教、イスラム教、キリスト教は互を相互参照しながら体型を築いていったkという気がしますね。(略)進行の深さを魂の純良さを持って示すのか、学識の豊かさでし召すのかというあたりの力点の置き方がこの3つの宗教では微妙に違う気がします。
    キリスト教⇒人間の魂の清らかさ
    ユダヤ教⇒知性的な成熟
    イスラム教⇒両方

    イスラム教はもともと遊牧民の宗教。つまり、国境自体を意識しない。クロスボーダーな集団だった。これは国土、国民を絶対とし、国境を死守する、現在の「国民国家」とは折り合いが悪い。

     いま「グローバリズム」が叫ばれているが実態は「汎アメリカ化(アメリカン・グローバリズム)」。だが、そ

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    2018年12月22日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    3人の対談をまとめたもの。

    ・悪意は嫉妬からくるもの。嫉妬する人は「あいつは俺と条件は変わらないのにいい思いをしている」という風に相手と自分を同化していることがある。「似ている・近い」っていう感覚は危険。

    ・定型圧力の凄まじさ。あの中に自分の欲しいものがあるに違いない!よりは情報の中に欲しいものを見つけた方がまだ個性がある。

    ・愛と敬意は逆のもの。相手のことを知らないという前提であれば謙虚で寛容になる。完全に理解(同化)した気になるのは怖い。

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    2018年12月21日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    ネタバレ

    軽い語り口ながら深い内容だった。
    特に心に響いたことが3つ。

    言葉の攻撃性を自覚する。自分の生命力を低める呪詛を吐かない。韻文や美しい言葉で祝福する。

    ストーリー=筋立て。物語=物が語る。
    ストーリーは人と人だけのもの。物語には運気とか山神、座敷わらしや、そこにたまたまあった机、食べ物、天気なんかが絡んでくる。
    自分の中に物語を作ると言う事は、一見自己完結のように見えるけれども、実はそこに人以外のものが介入する、物が語りだすから、自己だけの解決ではないと言う。
    執着や怒りを手放すには、感情→ストーリー→物語の昇華が必要。

    わかったと思った瞬間に愛は歪む。わからないからわかろうとするのが敬

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    2018年12月21日
  • 僕たちの居場所論

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    まず内容ですが、
    第1章 いちばん自分らしい場所
    第2章 つながるということの本質
    第3章 好き嫌いと価値観の共有
    第4章 師匠の存在、家族が自己にもたらすもの

    自分の居場所を見つけられない人が増えてきているという時代、それぞれ違う立場で活躍してきた内田樹・平川克美・名越康文の朋友の3人が、自分らしさとは、つながりとは何かについて鼎談。
    昔話に花が咲いたと思ったら、話は思わぬ方向に……。
    叡智が詰まった言葉の数々にハッとさせられる一冊でした。

    内田さん平川さんは私とまったく同世代です。
    だから余計に発言内容に親近感が持てました。
    同世代が時代時代を共有してきた感覚にとっても親しみがもてるの

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    2018年12月21日
  • 街場の天皇論

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    40 街場の天皇論
    共同体にとって、広く死者を悼み、苦しむ人によりそう人間がいかに、求心力を持っているのかというところから、始まる。なぜ内田樹が天皇主義者になったのかということにも納得できる。内田樹も良く言っているが、動物と人間を隔てたのは、死者をそこにいるかのように扱い、その人を悼む、生物学的奇習であり、その中心人物として、あまたの宗教的な権威は存在してきた。天皇もまたその一人であり、日本という国を保つうえで、必須の存在であるとしている。
    宗教というものは原理主義者の排他的な行動によって批判される部分もあるが、人間が共同体として生きる上で必要な倫理的な示唆を多く与えてくれる。各々の宗教にとっ

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    2018年12月01日
  • 常識的で何か問題でも? 反文学的時代のマインドセット

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    41 常識的で何か問題でも?

    内田樹の新刊。ここ4年ぐらいの内田樹の研究室ブログで書かれたことのトリビュート(いつものスタイル)。情報の鮮度ということで、すぐに積読の最上段へ。
    ・師を持つということからスタート。源泉から流れ出るものに身を浸すためには、心と体を解放状態にしなければならない。おのれの狭隘な思考の枠組みを打ち破ってまっすぐに受け入れ、次世代に繋げる。それが師を持つということである。毎回読む話であるけど、人は決まった話を何度も繰り返し聞くのが好き(これも内田老師の教えではあるが)なので、いちいちうなずいてしまう。
    ・レバレッジを探す人たちという話が面白かった。レバレッジを探すことが

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    2018年12月01日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    古典の代表的な作品の3作品。
    これをこのようにならべてみると、日本の古典で
    誰もが知る作品。特に冒頭の部分はだれでも
    知っているけれど、内容として全部読んだのは
    あまりいないのではないかと思われる随筆。
    清少納言の枕草子”春はあけぼの・・”
    鴨長明の方丈記”行く川のながれは絶えずして・・”
    吉田兼好の徒然草”つれづれなるままにひぐらし・・”
    現代語訳を酒井順子氏・高橋源一郎氏・内田樹氏が
    行っているという非常にわくわくするような内容です。

    読みましたが。
    枕草子は、ちょっと正直難しくよくわからない部分が多く
    ありました。当時の風情や風習がきっちりわかっていないと
    くすっと笑えないというか感情

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    2018年11月24日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

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    前大阪市長の平松邦夫が立ち上げた「公共政策ラボ」主催のシンポジウムの模様をまとめた一冊。この本を手に取った理由は、ほかでもない内田樹が討論をリードしているから。早くから橋本徹の教育に関する施策に異議を唱えていた内田樹が、その橋本徹に選挙で敗れた平松邦夫とタッグを組んだわけだから、ちょっと見過ごすことができなかった。
    内容は、内田樹がかねてから唱えている(かつ、ワタシも賛同している)「贈与経済」という考え方を、国家規模、グローバル規模であてはめていったらどうなるか、という討論が中心になっている。そして、これをあてはめていくとグローバル社会から脱してゆくことになる、というのがこのシンポジウムのコア

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    2018年11月18日