内田樹のレビュー一覧
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毎度お馴染み、内田樹先生の本
適切なメッセージのやりとりをすることを「仕事をする」という。コミュニュケーションが適切にできない人に仕事がテキパキとこなせるはずがない。仕事の90%くらいは他者とのコミュニュケーション。「耳を塞いでいる人」にはこれができない。頼んでいないことをやって、頼んだことをやってくれない。だからそういう生き方をしていると、どんどん「仕事ができないやつ」という評価が確定していく。すると職場はますます居心地の悪いところになる。大事なのはコミュニュケーション感度。
共同生活を営む上で1番大切なことは「機嫌がよいこと」高い目標を設定していると、みすぼらしい現場との落差を思い知らさ -
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能や論語などの古典をベースに、教養や知性についての対談を書籍化したもの。タイトルに変調とあるように、一般常識では見られない解釈や解説が非常に面白い。「不惑の惑は、本来は域であり、枠にとらわれるなという意味」「教養とは、外部に開かれた小さな窓枠。内部の言語のみで説明できるわけがない」「笑いは割らい。その場の雰囲気を割って変化させるもの」「自由とは不安定。四つ足から二足歩行となり、さらに飛ぼうとしている」「雨粒を感じようとする動作を制御して行うことはできない」「矛盾はあって当然。最強の矛があったら世界は終わる」「事象の背後に見えないパターンを見いだすことが戦略」
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2016年8月の天皇の「おことば」について内田さんの考えは新聞等で読んでいたので大枠はわかっていたけど、初めて読んだ内容もたくさんあった。
これは改憲を考え直すよう促したものだと諸外国では報じられていることとか。
後半の天皇論以外の文章が意外と(?)めっぽう面白かった。
吉本隆明の「大衆」についてとか、源平合戦は馬を操るのがうまかった源氏(陸)と、船を操るのに長けていた平氏(海)の戦いだったとか、能はもともと死者を鎮魂するために生まれたとか。
ほかにもいろいろと面白い視点がてんこもり。書ききれないのが残念。
(メモ)鎌倉仏教のことを知りたければ以下の本が良さそう。
・鈴木大拙「日本的霊性 -
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ネタバレ私は村上春樹はあまり好きじゃないです。
(アンチではないですよ?ただ、つかみきれないその文に
畏怖も感じるのですが、なんか、怖い)
著者は珍しいことに
冬ソナが好きなのです!!
しかも超真面目に語っているぜコノヤロー。
ここまでいろいろと思いを巡らせることができれば
幸せなんだろうなぁ。
村上春樹の魅力をこれでもかと
ぶつける、著者らしい(と言われる)作品。
翻訳しやすい文だということに
驚かされました。
現実にフランス語にかかわる彼が訳した分と
原文は近いのよね。
しかもハルキストらしく、
大体文脈予想をしてらっしゃる(笑)
文壇のかくかくしかじか話も
必見であります。 -
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私の好きな作家,内田樹さんと姜尚中さんの対談なんだから,面白くないわけがありません。
この二人は,いつも新しい視点を与えてくれます。
今回のテーマは,アジア。日本と韓国と台湾の連携で,新しい可能性が拓けていく…というのは,現実からみると無理そうに見えますが,そういう大風呂敷を広げないことには,いつまで経ってもアメリカの属国になっているだけです。
今回の安倍とトランプの外交を見ても,悲しくなってきます。
日本の右翼がどうして反トランプ,反安保にならないのか,不思議です。
韓国が植民地支配の反省から,漢字を廃止してハングルにしたために,若者たちが韓国の古典を読めなくなっている…という -
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文庫化されたのは02年ですが、内容は00年前後の著者のブログをまとめたものです。
今(17年)読んでも、著者の慧眼には、やはり脱帽します。時事ネタは、時の経過と共に、
大概は価値をなくしますが、著者の一部の内容は、経年劣化に耐えています。
第二章に「老人大国に向けてのロールモデル」という文章があります。01年に書かれた内容ですが、
日本は確実に衰退していくという内容に、17年の今の日本がダブります。
日本はここ10数年で、制度疲労を起こしています。
もはや過去の成功モデルでは、国を安定維持させることは、
できないにも関わらず、成長モデルを打ち出してします。
超高齢化、人口減少、少子化、労働 -
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現代霊性論
内田樹25冊目
霊性というものが科学的なものかどうかは一旦“判断を停止”して、人々に現象として与えている影響等を分析する現象学的なアプローチから、宗教や共同体の慣習について論議している。死に対する態度というものは往々にして世界でも普遍的な要素が多く、面白い。
・墓について:西洋では身心二元論が一般的であるが、アジアでも儒教では身心二元論的な考え方をしていて、死後も魂のよりどころとして位牌が作られる文化があった。それが日本に通じて、墓が作られる。場が持つエネルギーについても面白い。繁華街というものはもともと霊的なエネルギーが強すぎる為、人が住まないことを理由に市場としての役割を与え