内田樹のレビュー一覧

  • 荒天の武学

    Posted by ブクログ

    私の娘が虫を殺したときに「なぜか自分がいけないことをしている」とかんじた。私が教えてないのに彼女はそう感じた。…から続く234pあたりは最高に面白かった。

    0
    2013年10月31日
  • 街場の憂国論

    Posted by ブクログ

     内田センセイの、例によってあちこちのブログやネットや雑誌などに寄稿された文章から編まれた憂国論。政治、経済、教育、マスメディアなどあらゆるところでコンフリクトを起こしているように見える我が国を、どのように論じることができるのか。いったいその処方箋は存在するのか。

     

    0
    2013年10月31日
  • 「おじさん」的思考

    Posted by ブクログ

    「大人になること」漱石の場合、という章、すごくよかった。
    なんだか妙な小説だなぁと「こころ」を読んで思っていたんだけど(3回読んで3回ともなんかへんな小説と思っていた)、なるほどこういうとらえ方をすればすっきり理解できるのかと。
    先生は今でいう人たらしなのか、とも思っていたけど、「先生」は「先生」であるという一点に尽きたんだなあ。

    0
    2013年10月30日
  • 大人のいない国

    Posted by ブクログ

    内田樹さんの〝追っかけ〟になってから5年くらいは経つでしょうか。書棚にずらりと並んだ内田作品の背表紙を眺めて、「はて、初めて読んだのはどれだっけ?」と考え込みました。でも、他の書き手が書かないようなことを選択的に書きながら、読み手を説得してしまう手腕に舌を巻いたのを今でも覚えています。恐らく、これが内田さんの魅力でしょう。
    でも、それだけではありません。作品全体に流れる自由さというか、風通しの良さも内田さんならでは。読み手との距離が近いと言ってもいいかもしれません。
    学者さんの書いたものって、偉そうなのが多いじゃないですか。特に文系の学者さん。甚だしいのに至っては、読み手に学術的成果を伝えると

    0
    2013年10月29日
  • 街場の読書論

    Posted by ブクログ

    気になって数えてみたら、内田樹はこれで14冊目みたいです。これだけ読めば僕も「タツラー」を名乗ってもいいでしょうか?
    街場シリーズ『読書論』ですが、読書にとどまらず教育・文体・母語・情報・エネルギー・ネット社会・死など、さまざまな分野について語ってくださっています。
    情報システムがIBMモデルからアップルモデルに変わる過程で「情報」は「商品」ではなくなったという話には目からうろこでした。そこからエネルギー問題まで持って行っちゃっうんだからタツラーはやめられない。
    例によってブログコンピ本なので読んだことのある文章は少なからずあるのですが、なかでも『学ぶ力』という文章は大のお気に入りになりました

    0
    2014年08月06日
  • 街場の憂国論

    Posted by ブクログ

    「憂国論」なので、全体的に暗い話が多いのですが、その中で「こうしたらいいのかもしれない、ちょっとはよくなるかもしれない」という「希望のとっかかり」のようなものを掴むことはできます。

    ”事故を未然に防いだ人たちの功績は決して顕彰されることがありません。事故は起きていないのですから。そういう人たちのちょっとした警戒心とささやかな配慮のおかげで大きな災禍を回避できた場合があったということが日本にもあったはずです。…そういう顕彰されることのない英雄のことを「アンサング・ヒーロー」と呼びます。「歌われざる英雄」です。”(「あとがき」より)

    何か問題が発生してからそれを解決した方が、見た目には貢献した

    0
    2013年10月26日
  • 街場の大学論 ウチダ式教育再生

    Posted by ブクログ

    読みやすく、率直な意見がおもしろい。大学の危機的状況を感じたし、大学評価の在り方、教員の質、国が決める提言の裏の意図を読み取ることが必要など、勉強になる点が多かった。

    0
    2013年10月18日
  • 街場の憂国論

    Posted by ブクログ

    歴史が教えているように、競争的なマインドの人間は危機を生き抜くことができない。危機とは定義上「1人では生きてゆけない」状況のことだからである。だからそれを生き延びるためには、他の人々とある種の「共生体」を形成できる能力が必要である。p344

    0
    2013年10月15日
  • 現代霊性論

    Posted by ブクログ

    むらいさんにお借りしました。内田先生と浄土真宗のお坊さん・釈徹宗さんが大学で行った講義を本にしたもの。
    霊性、スピリチュアリティというのをキーワードに、現代の各宗教について、日常にある占いや「いただきます」といった行為が持つ宗教的(霊的?)意味について考察。靖国とか、オウムとか、話題が幅広。現代宗教の体系図も。おもしろいです。

    印象に残ったのは・・・
    ・「賢しらに」宗教性を否定することの憎たらしさ(「無宗教葬」の傲慢さ、六曜入りカレンダーと安息日としての日曜日、女人禁制の山と性同一性障害)
    ・「自分」「自己」が確立するほど幸せを感じづらくなる
    ・いったん自己を潰す方法
    ・イヤホンは都会で暮ら

    0
    2013年10月09日
  • 修業論

    Posted by ブクログ

    最近気に入っている著者(昔から読んでいましたが)が合気道・武道に
    関して、それから宗教と冥想に関して、最後に司馬遼太郎と坂本龍馬に
    ついて書いた本。
    面白かったです。
    無敵の解釈。敵の解釈として『私の心身のパフォーマンスを低下させるもの』
    という解釈とそこから見出された無敵の解釈。昔武道(剣道)をやっていた
    私としてもよく分かる部分が多い内容です。額縁をずらす。キマイラ的身体の完成。中島敦の名人伝。レヴィナスによる正義と悪について。等々。。
    日々の生活や仕事への態度として非常に役に立つというか
    根幹としてもっている感覚に合っているし基準となる考え方です。

    0
    2013年10月05日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    グローバリズムを疑う。成長し続けることを前提とした資本主義はいつか限界点に達する。資本主義は常に新たな市場、貧しい者、安価な労働力を求め続ける。つまるところ貧富の差があることを前提としている。もっとも裕福になったはずのアメリカや日本で、逆に貧富の差が増大しているということは、やはりそれを必要としている制度なのではないだろうか。高齢化と共に人口減少を避けられない日本がこの先どのような社会を築いていくのか。貨幣経済の外で助け合える共同体をどのように作っていくのか。興味深い。

    0
    2013年09月19日
  • 14歳の子を持つ親たちへ

    Posted by ブクログ

    結局親よ、しっかりしなさい、ということになるのだろうか。
    内田氏と名越氏による対談本ということもあり、話しはテンポよく進んでいく。タイトルがなぜ14歳としているのか?については内容をはっきり覚えていないので、なんともいえないが、これから子どもが中学生・高校生となる親はよんでおいて損はないと思う。

    0
    2013年09月17日
  • 橋本治と内田樹

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    天才橋本治について、内田センセイが尋常ならざる興味を持って切り込んでいく、という体の対談。したがってこのタイトルはちょっとヘンだな、と思う。内田樹ミーツ橋本治なのである。どちらも世の常識からすると相当ヘンな人なのだが、やはり橋本治という人はどこか超越してしまっているような風格がある。人を食ったような、でもこれ天然なのかな?とかよくわからない。それでいてその言葉がしばしば本質を鋭く突いているように感じるから始末が悪い。データで説得しない説得力の最たるものではないだろうか。

    0
    2013年08月28日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

    Posted by ブクログ

    グローバル化、新自由主義、何だか地に足が付いていないことがどんどん進んでいるような…。身体感覚のない言論が過激さを加速する。匿名のネット上での発言が問題になるのも納得です。

    ここのところの内田氏はグローバル化、グローバル企業と国民国家が相入れない関係であることを盛んに書いています。株式会社の平均寿命が10年未満なのにたいして人間の寿命は数十年。我々の身体感覚ではものごとを100年単位で捉えている。それを体現しようとするシステムが国民国家である。企業は100年後のことには興味ないのですぐに効果、結果を求める。この企業の論理が国民国家に浸透してきてしまっている。これが何を生み出すのか私たちは冷静

    0
    2013年08月25日
  • 狼少年のパラドクス ウチダ式教育再生論

    Posted by ブクログ

    学生時代に就職活動で、就職担当者を訪ねたことがありました。その担当者は終始、不遜な態度かつ高圧的な物言いで癇に障ったのを覚えていますが、怒り、というか落胆を禁じ得なかったのは次のような言葉でした。自己PRできるものは何かと問われ、「結構、本を読んでいます」と答えると、「そんなことして何になるの?」と嘲笑したのです。
    言うまでもなく、大学は学生に教養を身に付けさせるための教育機関であり、最高学府と呼ばれるように、あらゆる教育機関の最高位に位置する存在です。教養を身に付けるための最も基礎的かつ必須の方法である読書という営みを、卑しくも大学人(教官だけでなく大学運営に関わる全ての方たち)たる者がかく

    0
    2013年08月13日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

    Posted by ブクログ

    上から目線、揚げ足を取る、人を叩く
    そういう人が多い世の中で
    取るべきスタンスはどういものなのか

    3人での会話形式の文章がとても分かりやすく
    すっとお腹の中に落ちてきます。
    結果的に答えが出ない問題もありますが、
    じっくり自分の中で考える良い機会になるかと思います。


    上記のような 大人げない 人間にならないための
    内容ではありますが、
    そういう人たちに出会っても
    自分を見失わないようにするための
    応援-支援のような要素も感じました。


    人間関係に悩む人にも良い本だと思います。

    0
    2013年07月24日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

    Posted by ブクログ

    この本のもととなったシンポジウムは2012年の衆議院選挙の前後になされたもので、出版されたのが今回の参議院選挙の直前。
    丁度そういう時期に読んで、中々興味深かった。
    特に、20代の若者の率直な意見は面白かった。
    こういう多様性というのがどんどん広がってきて、色んな人が色んな事を言い、実践できる社会になればいいと思う。
    ただし、他人を排除して優越感に浸るようなのはダメだ、言うまでもないけど。

    0
    2013年07月22日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

    Posted by ブクログ

    国民政治とグローバル企業・資本主義は基本的に相いれないものだ、という内田氏の主張が何よりのキーワード。
    国に対して競争のし易い環境を!と要求する企業がいかに独善的か、、というのを考えさせられる。グローバリズムを標榜する企業・政治家にロクなものは無い、と改めて認識。

    0
    2013年07月15日
  • 脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

    Posted by ブクログ

    内田:この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄使い」で非効率だと謗るものでした。(P.5)

    中島:かつての70年代くらいの若者にとって、未来というのは輝けるものとして存在した。とすると、今ある自分の現実に対して「俺にはもっと幸福が先にあるんだ」と思えた。だから今の自分はまだまだ幸福ではない、と言っていた。しかし今の若者には先が見えない。輝ける未来や、今よりよい自分というビジョンが描けない。あるいは欠落している。だったら今の状態を幸せだと言っておかないと…と考えてしまう。(P.62)

    内田:今の公共政策の、まず税金を

    0
    2013年07月06日
  • 女は何を欲望するか?

    Posted by ブクログ

    俗っぽいタイトルとは裏腹に内容は学術的な雰囲気が漂っている。女として語ること、女として読むこと、特に日本語という言語の中ではこの二つ困難であることはフェミニズムだけでなく、日本人が日本人として生活してきた固有の眼差しが男性観と女性観に影響を及ぼしているのでないか、と思った。後半のフェミニズム映画論で紹介されているエイリアンの解説も面白く、自分の性を考えるのにもよい契機になった一冊。

    0
    2013年07月04日