内田樹のレビュー一覧

  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    ネタバレ

    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

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    2017年01月01日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    副題「中高生に伝えておきたいたいせつなこと」とあるように、中高生へのメッセージとして書かれた本。
    難しい内容でも平易な文章で書かれていて、著者が読者に伝えようという真摯な姿勢を感じた。
    高校生ごろに出会うととてもいい本のように思う。
    未来の日本を憂いて、どうにかしたいと真面目に思っている大人もいるんだよ。

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    2016年12月28日
  • 聖地巡礼リターンズ

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    今回の聖地巡礼はキリシタン。
    長崎・京都・茨木・高槻。
    最近、遠藤周作の『沈黙』がスコセッシ―監督で映画化
    されるそうで、予告編を見ましたが、本を読んだときの
    想いがよみがえってきて、震える感じがしました。
    本を読んだ時も、なんと説明していいのかわからない
    特殊な感情を持った覚えがあります。
    その”沈黙”の聖地である長崎の外海や、26聖人殉教の地。
    原爆。浦上天主堂。大浦天主堂と信徒発見(信徒告白)の地。
    茨木の隠れキリシタンの里。フランシスコザビエルの
    有名な絵(教科書に載っているやつ)が茨木から
    出てきたことを初めてしりました。昔茨木に住んでいた
    時はそういうことをあまり知らずにいたのです

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    2016年12月26日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    高校生が文章を読むに当たり、基本的な考え方をあたえてくれる、良本。
    平川克美「人口減少社会について根源的に考えてみる」ではグラフの見方とともに、当たり前のようにように言われている言説について批判的な見方を示唆する。
    仲野徹「科学者の考え方-生命科学からの私見」ではパラダイムシフト、疑う、シンプルに考えるなど科学を発展させている考えが書かれている。
    白井聡「消費社会とは何か-『お買い物』の論理を超えて」ではボードリヤールの考えを援用し、いわゆる「消費」的な感覚が政治や教育にも適用させようとする現在の社会のゆがみと弊害を述べる。
    山崎雅弘「『国を愛する』ってなんだろう」では、政治的無関心が生む危険

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    2016年12月15日
  • 枕草子/方丈記/徒然草

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    知人のおすすめ。

    冲方丁の「はなとゆめ」を読んだら、枕草子が読みたくなった。
    酒井順子ぴったりだなぁ。違和感なく読める。
    なんだか、ブログみたいですね。長さも内容もまちまちで。面白い。
    わかる!とか、言うねぇ、とか、にやにやしてしまう。
    教養。

    方丈記は、あとがきにもあったように自分たちの時代の言葉になっているのですごくわかりやすいし、それによって書かれた時代に読んだ人たちと同じような体験ができているのかなと思った。
    当時こういう発想や行動は、センセーショナルで、変人扱いされたんじゃなかろうか。
    横文字が出てくるような、一見ぶっとんだ訳が面白い。
    それにしても鴨長明さん、苦労人だったのです

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    2016年12月26日
  • 「戦後80年」はあるのか――「本と新聞の大学」講義録

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    本のタイトルにあるように、日本に今後戦後80年は
    くるのかという議題で、現政権を中心に批判する
    下記の講義集
    内田樹氏ー比較敗戦論
    東浩紀-本と新聞と大学は生き残れるか
    木村草太-集団的自衛権問題とはなんだったのか
    山室信一-戦後が戦前に転じるとき
    上野千鶴子-戦後日本の下半身
    河村小百合-この国の財政・経済のこれから
    姜尚中-総括講演
    このなかでも、山室信一氏、上野千鶴子氏、河村小百合氏の
    3本がとても興味を引きました。
    どれも、日本が破綻し、または戦争の道に進むのでは
    ないかという潜在的な恐れを感じる内容です。

    支持率は高いですが、本当に今の政権でいいのでしょうか?
    他人事ではないような

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    2016年11月26日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    【読書メモ】

    p185
    ・何のために勉強するのですか?
    自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を言う。ただそのためだけに勉強するのです。山本義隆

    p190
    ・同じことを、違った側面から考える視点を与えてもらうためにディスカッションをするのです。当たり前のことですが、自分は自分の考えに染まりきっています。そこへ、違う刺激を与えてもらって、自分の考えを方向転換させたり、バージョンアップさせたりすることが重要なのです。

    p103
    ・科学がグローバルである最大の理由は、真実をあつかうからということです。

    …科学的な視点は予測できない社会を生きるうえでの全員にとってマストなものの見方なのかもしれ

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    2016年11月23日
  • 若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱

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    誰の思想でも年月の経過による変遷があるのは当然で、それはわかってはいる。しかし、門外漢がマルクスの思想を理解しようとすると、どうしても様々な時代に展開された考え方をひっくるめて「これがマルクスの思想です」と言えるようなものを求めてしまい、結局よくわからなくなってしまう。その点、この本はマルクスの著作を年代順にとっつきやすく紹介していてくれるので、ありがたい。石川の強烈なマルクス愛にややひきそうになるが、そこに挟まれる内田の文章がよい箸休めとなって、最後までおもしろく読める。ちなみに、高校生が読めるような本にした、とのことだが、普通の高校生には無理な気がする。

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    2016年11月19日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    自動車で走っているより
    自転車で走っているより
    走っているより
    歩いているときが
    一番 よく 見える

    そして 何よりも
    いつでも 立ち止まって
    気の赴くままに
    じっと 気のすむまで
    見続けることができる

    今、世の中に起きていること
    これまでの こと
    そして
    これからのこと
    今、どんな風に
    見えているのだろう
    今、どんな風に
    考えていけばいいのたろう

    そんな 時間が持てる
    そんな 一冊です

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    2016年09月13日
  • 街場の共同体論

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    痛快で笑ってしまう。
    触れることがタブーとされているようなことや、それ言っちゃおしまい、みたいなことをがんがん明るみに出していて、面白かった。
    色々考えさせられる。ちょっと、怖さや痛さもある。

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    2016年09月07日
  • 態度が悪くてすみません ――内なる「他者」との出会い

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    態度が悪くてすみません

    内田樹15作目(?)
    相変わらずの内田本を読むと何か安心する。高校時代尊敬していた英語の教師の言葉であるが「初心者と玄人は気を付けるところが同じ、どちらも基礎を気を付ける」という言葉を、内田樹の文章を読むと思い出す。衒学的な本ばかり読んでいると忘れてしまうような、基礎的なことが繰り返されているこの本は、構造主義の話が多めだったが、十分に楽しめる。
    この本でも、本が読むという話があるが、まさしく大学生にならんとするときに手に取った「寝ながら学べる構造主義」が、僕を内田本の読める主体に変形させ、師とは、学びとはどういうことなのかを教えてくれた。
    この本はと言えば、排毒とい

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    2016年09月03日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    年代はあるにせよ転換期ということは認識しなければいけない。
    何でも吸収できる学生時代の脳は、なくした今になってほしくなるもの。無い物ねだりです。

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    2016年08月15日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    某グループの読書会の課題図書.内田さんの論はあちこちで読んでいるので,大まかな展開は予測できたが,姜さんもかなり波長があっていて,楽しく読めた.p121でイギリスが大帝国を持っていたが,短期間で島国へとシュリンクした点を評価していたが,大事な視点だと感じた.成長路線にこだわっている我が国の政府も大風呂敷的な視点で政治を進めて欲しいものだ.新たな戦争が身近な場所で勃発する可能性は益々高まっている感じだ.p218の嫌厭感の広がりは,議論を封鎖する感じのキーワードになっているという指摘も良い.

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    2016年08月14日
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて

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    心に刺さったフレーズ

    ・~(内田)イタリア人は原理原則ではなく、人というものは~というような緩い倫理規範に従う。僕はそういう人間のほうが成熟していると思うんです。~
    ・廃県置藩
    ・定常社会への移行

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    2016年07月03日
  • 大人のいない国

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    最近本当に「大人」が減ってしまったように思う。
    そんなことを考えていたら、本書に出会った。
    大人について考えるところから始まって、どんどん派生していく。
    本当に大人のいない国になってしまっては、困る。
    今の日本は、システムが優れているため大人でなくても上手く回ってしまうというような記述があったが、確かにハードがしっかりしている分、ソフトはいまいちでもやっていけるところがあるのかもしれない。
    社会環境に左右されないように、家庭や地域など小さなコミュニティで大人を育む必要があるのだろう。
    成熟するためには、どうしたらいいのだろうか。
    まず、自分が未成熟であることに気付くこと、そして成熟を目指して努

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    2016年06月30日
  • 僕たちの居場所論

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    内田樹氏と平川克己氏・名越康文氏3人の鼎談
    内田氏と平川氏の著作はよく読んでいますが
    その内容が会話として出てくるという感じ。
    内田氏と平川氏の関係や、大田区や荏原中延
    等々力、武蔵小山とか、私の今の生活圏内である
    場所の話がでてきて、いつもにも増して、
    内容のみならず面白く読めました。

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    2016年06月26日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    テーマごとに読んだ。なるほど、世の中をそんな風にも見ることができるのかという発見がある。3人のテンポが心地よい。

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    2016年05月18日
  • 最終講義 生き延びるための七講

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    著者が1990年から21年間勤めた神戸女学院大学における伝説の「最終講義」はじめ、7つの講演を収めたのが本書。
    私は割と熱心な内田樹ファンで著書もかなり持っていますが、調べると「ウチダ本」を読むのは実に1年2か月ぶりでした。
    しばらく追い掛けていましたが、発刊ペースが速すぎてついていけなくなったのですね笑。
    それだけ多作な方です。
    私がウチダ本を読む理由はただ一つ。
    知的に負荷をかけたいからです。
    自説を補強するような読書には興味がありません。
    どこかで聞いたような話をわざわざ本で読みたいとも思いません。
    極端なことを云うと、そこに書かれていることが正しいか正しくないかにも然したる関心はないの

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    2016年04月17日
  • 生存教室 ディストピアを生き抜くために

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    教育とは何か、身体とは、生きるとは何か、といった根源的な問いについて考えさせてくれる一冊。
    時代が変われば習慣や物事の判断基準など色んなことが変わるけど、一方で変わらないもの、変わってはいけないものもある。そのひとつは恐らく「あらゆる取り組みは生きていくため、生きる力を育み伸ばすために行われるべきこと」ではないかと思った。

    暗殺教室が読みたくなった。

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    2016年03月13日
  • 修業論

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    けれども、兵法者の仕事を妨害するものがいる。それを「反−兵法者」と呼ぶことにする。「勝負を争い、強弱に拘る」ことをつねとする人間のことである。
    彼は、キマイラ的身体というようなもののあることを知らないし、その機能も有用性も知らない。反−兵法者は自我に固執する。自分ひとりの五感や価値判断に居着き、自分ひとりの生存を優先し、他者との協働身体の校正を拒む。
    そのような利己的個体は、どのような危機的状況においても必ず出現する。そして、あらゆるハリウッド・パニック映画が教えるところでは、そのような人間が真っ先に死ぬのである。
    説話原型的にはそういである。だが、説話原型が「そう」であるということは、「ほん

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    2020年07月15日