内田樹のレビュー一覧
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内田樹著「修行論」
「修行」について書かれた内容ですが、武道のような身体的なことだけでなく、内田先生らしい思想的な面も多く書かれています。
●努力と成果の相関
「努力と成果の相関」を信じて修行すると、人間の身体をシンプルなメカニズムとしてとらえてしまう。
そして「強化」ということを優先的に考えると、どうしても努力と成果の相関を数値的に現認したいという欲望に取り憑かれてしまう。
その例が「ダイエット」である。
「私は私の身体を支配している」という全能感は、きわめて強烈である。
●他者の成長を阻害する理由
相手の成長を阻害したくなる理由として、勝負において「私が強い」ということと「相手が弱い -
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神戸女学院大学を退官した内田樹教授の講演録である。
なかなか面白い評論をする人なので本屋で見かけた際に購入した。
7つの講演録が載っておりどれも独特な視点で興味深い内容だった。
教育の考え方についてはとくに考えさせられる。教える方はいつも与えているように思えるが、実は受け身で、教えを請いに来る人がいなければ教育は成り立たない。
そして学ぶ側が求めなければ知識を得る以外の何も起こらず、本当の教育にはならないというわけで、教育とは決して知識の商品ではないと言うことがよくわかる。
また、北方領土の問題でアメリカがロシアに干渉しないのは、北方領土をロシアが返せばロシアはアメリカが沖縄から撤退するように -
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内田先生の舌鋒鋭いのには慣れているが、白井さんも「はじめに」から鋭く、ワクワクしながら読み始めた。
”上は内閣総理大臣から下はヘイトスピーチの市民活動家に至るまで、郷土への愛着は何ら感じられない一方、幼稚な戦争趣味と他国民への攻撃性だけが突出した悪性のナショナリストたちが、愛国主義の旗印を独占しています。” 7ページ
”シェイクスピアの『リヤ王』の中の台詞に「今は末世だ、キチガイが目くらの手を引く」(福田恒存訳)という言葉があります。” 9ページ
『リヤ王』にこんなセリフあったんだ。
『永続敗戦論』は衝撃的だった。白井さんの今後のお仕事、研究に注目していきたい。きっと、目を開か -
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ネタバレ内田樹という人物を知らずに読んだ。
ビジネス本ばかり読んでいたので、すごく新鮮。
国という大きな視点で見たとき、ビジネスのロジックを
あてはめるのはあまりに短期的、局所的になってしまう
のだなと感じた。
マーケットからの退場というのは、リンダクラットンの
ワークシフトにも繋がる気がする。そこでは仕事に
押しつぶされるのではなく積極的に社会と関わる選択肢
が描かれていた
今の自分の仕事をより広く、長期に見たときに
どういった意味を持つか。考えてみたくなった
◆メモ
・普通は様子見するが、人々はその時間を蛇蝎のように忌み嫌う
・企業の長期はすごく短い。短期的な視点で判断してしまう
・国が滅び