内田樹のレビュー一覧
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内田樹の読書に関するブログエッセイ集。前半部分は書評、後半は読書環境をめぐる時評、言語論など。
子供の英語熱に関する著者の意見に共感した。最近、幼い子供に英語を習わせることが流行っているが、言葉はあくまで自分の考えを発信する手段である。自国語も満足に話せない子供に、外国語を先に覚えさせることがあってはいけない。自然にネイティブとして自国語を自由に操れるようにしておかないと、自分の考えを発信するのに苦労することになる。実際、バイリンガルの中には、どちらが自国語なのか判らなくなる人もいるらしい。まず自国語を学ぶことが必須で、外国語はその後でも良いという。
でもこういう意見を書くと、英語にコンプレッ -
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『狼少年のパラドクス』(朝日新聞社 2007)の単行本に
文科省の杉野剛さんとの再会対談記が加えられて文庫化されたもの。
さすがです。内田さん。
本を最初から読んでいくと最後の方で「あれ?」と矛盾に思うところが
あって、あとがきを読むとちゃんと断り書きもある。
「大学教育についての自分の意見がこの十年間でずいぶん変わった」と。
内容が濃いすぎてまだ頭のなかで整理がつかないけれど
内田さんの仰る「読む人への愛」をたっぷりと受け取りました。
内田さんのように物事をしっかり考えて意見が言えるように
せめてご著書を読破する気合いはあるんだけど、追いつかないなぁ。
自分的にヒットしたキーワード
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著者名だけを見て、対談集だと思い込み内容を知らずに
手に取ったのですが、これが存外面白かった。
「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」は知っていたけど、日本でも
内田先生がこのような企画をされていたんですね。知らなかった。
文章のうまい下手ではなくて、とにかく書かれている内容そのものに
力があるなと感じますね。だから川柳以下の文字数で綴られたような
極短の文章であってもグッと迫るものがある。
選者である内田樹先生と高橋源一郎先生の、それぞれ選んだ作品に
印を押しているのですが、お二人の選ぶ傾向が全く違っていることが
わかるのもまた面白い。
巻末に内田先生と、本家の「ナショナル・ストーリー・ -
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ネタバレ「目からウロコ」という言葉がある。内田樹を読んでいると、文字通り目からウロコが落ちる。しかも、その頻度が高い。試みに下の文章を読んでみてほしい。
「合理的な人」は結婚に向いていない。/それは、「合理的な人」が人間関係を「等価交換」のルールで律しようとするからである。/「私はこれだけ君に財貨およびサービスを提供した。その対価として、しかるべき財貨およびサービスのリターンを求める」という考え方を社会関係に当てはめる人は、残念ながら結婚生活には向いていない(そして、ビジネスにも向いていない)。/というのは、人間の社会は一人一人が「対価以上のことをしてしまう」ことによって成り立っているからである。/ -
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ネタバレ読む人を選ぶ本である。五十歳代の男性なら、共感できるところが多いだろう。対談集だが、どちらかと言えば、橋本治が主で、内田樹が控えに回っているところが面白い。内田樹といえば、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで、次々と本を出しまくっている超売れっ子である。
一方、橋本治はといえば、「背中の銀杏が泣いている。止めてくれるなおっかさん。」のポスターで売り出したことを知っている人が今どれだけいるだろうか。それよりも、『桃尻娘』や、その桃尻語で訳した『枕草子』に始まる日本の古典の現代語訳シリーズのほうが今では有名かも知れない。美術、歌舞伎にも造詣が深いマルチ・タレントとして異彩を放つ。
ではあるが、橋本の本はま -
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ネタバレ光岡英稔さんというのはハワイで韓氏意拳を教えていた武術家だそうです。それがどんなものか全く想像もつかないのですが、中国拳法の一派で人間個人のあり方を探求するもののようです。合気道の師範である内田先生とは一部噛み合わない部分もありながら、なかなか奥深い武道論が展開されています。頭でっかちになってしまったもう少し身体の感覚を大切にした方が良い、というのが共通点ですね。知識というのは常に後智恵になってしまうので武道的にはもう遅れている状態なのです。そこに拘泥するよりもまずは自分の身体から来る警告を感じ取って行動する大切さは分かるような気がします。
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本屋さんを探してついに発見。
表紙の星を区切ったようなデザインが好みのセンスです。
・日米関係の考察
・ファーストフードとスローフード
・アメリカの戦争に関する考察
・児童虐待とその背景
・キリスト教のアメリカにおける在り方
に関しての、著者なりの考察が述べられています。
内田さんの本の素敵なところは、その問題について基礎知識のない人間にも分かりやすく、背景や推移を明示してくれるところです。
基礎なくして応用なしなので、根本を(たとえそれが一意見だったとしても)〇〇で~と示してくれるのは助かります。
個人的に、アメリカ憲法の構造に対する自説や、訴訟大国としてのアメリカの内情への批判について -
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告白すると、10年ほど前まで自分は、たとえば「日本は世界に誇れる国になるべきだ」なんてことを考える人間だった。
保守とか革新とかイデオロギーといったものに深く興味を持ったことはないけれど、位置的にはかなり保守で、今もそれはさして変わらないのだけれど、ぐらぐらしたのは内田樹先生の本と出会ったから。
「『日本は世界に誇れる国になるべきだ』なんて偉そうに言うけれど、そもそも国って何かなんて考えたことある?」
内田先生はいつも物事を根本に立ち返って考える。だから容易に結論が出ないのだけれど、その思考の過程、有り体に言えば、「のらりくらり」とした感じが癖になる。
そこから、それまで考えもしなかった結論が -
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数ある(著者の)著作の中でも、わりに好きな主題(「呪詛」と「贈与」)であったため、面白く読めた。ものすごく大雑把になるが、他者や外部に対する敬意がそこに底流しているからこそ、なかなか気持ちよく読めるのだと思う。最近普通に生活をしていて、どのように他者に対して敬意を払えるかということが、自分の中で自覚的になっている。敬意を払うというのは、何も相手の言うことを何でも尊重するとか、争いごとを避けるためのマナーとして(だけ)の行為の話ではない。お互いの”知的パフォーマンスを活性化"させたいがために、敬意を払いたいのだと思う。それは最終的に「正解」を求めたいからとか言うよりも、単純にお互いのパ