内田樹のレビュー一覧
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内田さんの書かれたものを読むと、どこかで同じようなことを言われていたなあと思うことが多いのだが、でも読んでいて面白い。
本書では時事ネタが多く取り上げられているが、それらについて書かれた文章は、ともすると後になって読むと古いと感じることも多いのだが、そんなことはない。ある出来事や事象の奥にある真の問題点にまで内田さんの考えが届いている上に、それを納得させる文章術の妙があるからこそ、今でも興味深く読ませるのだと思う。
また、これは不幸なことではあるのだが、本書のタイトルの「生きづらさ」が、今も大きくは変わっていないことにも拠るのだろう。例えば、本書では安倍政治への批判的文章がある。その安 -
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⚫︎対談形式が多いからサクッと読めるね
⚫︎内田さんは日本辺境論は面白かったし、わかりやすくて読みやすい。ゆっくり読めば咀嚼できる丁度いい内容。あ、これ以上いくと無理だなってとこで止まる絶妙な文体。
⚫︎成熟した大人がいないのは、まあしょうがないのかもなあとか、そもそも自分だってなあとか…政治家は国民のレベルを写す鏡だから、結局日本人が成熟していないってこと?でもそれもなんだか安易な自虐論理みたいで嫌だなあ。
⚫︎内田さん、ネットだとよく炎上しているイメージだけど、本はしっかりしているよね。大学の教授だったこともあり、話が分かりやすい。
⚫︎なんというか、ちょっと神霊的な話も出てくるけど、それ -
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内田さんが、雑誌等に寄稿した文章を集めたもの。
求められたテーマを内田流に考察した文章は、主観に基づいた記述であることから、大いに納得するものから、なかなか理解が追いつかないものまで多岐にわたる。
ロシアのウクライナ侵攻についても書かれている。以前のクリミア半島の時と異なり、ゼレンスキー大統領が政治的な正しさを打ち出したことが、世界の共感をもたらしたという。単にウクライナが攻め込まれたという事ではなく、上位の観念に持っていくことで、我々のため、我々の自由のために戦っているというストーリーに持って行ったことで各国の支援を受けられたとの主張だ。
他の事柄も、いくつかの論点で書かれているので、自 -
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ネタバレ国民国家という概念は中くらいの現実。太鼓から存在したモノではない。
グリーバル企業は国民国家に帰属意識はないことが要件。
ウクライナの戦争がどうなっても、ロシアは没落する。勢力圏はなくなる。
『フェデラリスト』の中に合衆国憲法の制定の議論がわかる。連邦派と独立国派の争いがあった。連邦と州の自由とのせめぎあい。軍隊は、同胞に向けられるべきではなく、国外に向けられるべき、という論法で連邦の下に常備軍を置くことになった。一方で、民衆の武装権も保障した。
アメリカでは19誠意に公教育の導入の反対があった。
合衆国憲法は、常備軍の保持を禁止している。軍は時の権力者の私兵になる。議会が招集して編成するもの -
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著者が、神戸市東灘区に約80坪の土地を得て、合気道の道場「凱風館」を建てるまでのてんまつをえがいたエッセイです。
著者は、若き建築家の光嶋裕介との縁に感じるものがあり、彼に道場の設計を依頼します。その後、光嶋とともに理想の道場を実現するために職人たちと交渉しつつ、理想の道場をめざします。彼らの「アンチ効率主義」と形容されるスタンスは、著者の思想に通じるものがあり、道場の建築から運営まで一貫しておなじ精神がつらぬかれていることが語られています。
また著者は、道場は「アジール」(避難所)としての役割を担うべきだと主張します。人びとがその場所につどい、彼らのあゆみを測定するための定点となることが -
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ー 私たちが共同体として生きてゆくために必須の資源を「社会的共通資本」と呼ぶ。大気、海洋、森林、河川といった「自然資源」、交通・通信・上下水道・電力といった「社会的インフラストラクチャー」、司法、医療、教育といった「制度資本」がそれに当たる。これらはどのようなものであれ、政治イデオロギーやマーケットに委ねてはならない。専門家が専門的知見に基づいて、管理運営しなければならない。「森林をこうした方が金が儲かる」とか「医療はこうする方が政治的に正しい」というようなことを言わせてはならない。政治的正しさや市場的価値は所詮「脳内」の現象である。平和で安全な場所でなら、いくらでも論じるがいいし、人々がそれ
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安定の内田節、という感じ。
特にフェミニズム批判の論考における切れ味の鋭さと、先に逝った友人を悼む論考の切実さが印象的だった。
前者は以前からのもので、最終的な着地点が「体のいうことを聞きましょう」なのが非常に胡散臭いものの、その他の理屈は鮮やか。特にセックスワーク論では廃娼論への違和感を鮮やかに言語化していた。体の所有権を確認するためにこれを傷つけることが必要なタイプの人のメンタルのあり方に一切思いを致すことがないのが、この人の鈍感な部分。
後者は、特に小田嶋隆に向けられたものが好きだった。小田島のコラムの語りの構造を分析することがほぼそのまま哀切な追悼の意思の表明になっている。誰かのことを -
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今回まとめて読んだ新書群は、ほとんど自分が書店で選んで入手したってこともあるんだろうけど、驚くほど似た主旨のものばかりになってしまった。興味の対象だから仕方ないとはいえ、もっと多方面的に選書しないとって、ちょっと反省。それはさておき、本書も内田印の安心の一冊。新たな戦前よろしく、もはや新たな戦中って主張にはドキッとしたけど、言われてみれば…ってところ。何を言ってもどうしようもないなら、いっそ行き着くところまでっていう、加速主義も確かに分からんこともないんだけど、やっぱり自分としては、あくまで内田さんの言うような、ソフトランディングを期待してしまいます。中高一貫でキャラが固定、体育座りは自分を縛
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女性へ告白する際に「今付き合ってる人いる?」と聞くのが卑怯だという話があったが、個人的には「それくらい許してやれよ」と思った。相手に彼氏がいるかどうかは素朴に気になるのが当たり前だし、質問する男性は別にそこまで深く考えてないのでは?「女性が強くなった」現代では告白したことをネタにされ周囲に言いふらされて自分の身が危うくなるリスクもある。
お見合い婚を肯定するくらいなら、交際の始まりがその程度の優柔不断であることくらい目を瞑ればいいのにと思う。「男女平等」が正しいとされているのに、世の中の殆どの女性はそのような優柔不断なアプローチ「すら」自分からはしようとしないのだから。
またこれは筆者ではなく