内田樹のレビュー一覧

  • 一神教と帝国

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    どの国にも「恥ずべき過去」はある。それを認めるか認めないかで、それから後の国民たちの倫理的緊張感は変わる。「疾しさ」を抱えて生きることは辛い。けれども、それが民族差別や拝外主義の暴発を抑制している。歴史修正主義者は、国民の「疾しさ」から解き放つことで、民族差別や拝外主義といった暴力を解き放つ。

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    2024年06月03日
  • コモンの再生

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     コモン”共有”とは何か。
     いつのまにか日本人が失っている感覚を再生するには。

     2016年から2020年にかけての批評集。
     数年後のことを予想するのは難しい。

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    2024年05月26日
  • 生きづらさについて考える【毎日文庫】

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     内田さんの書かれたものを読むと、どこかで同じようなことを言われていたなあと思うことが多いのだが、でも読んでいて面白い。

     本書では時事ネタが多く取り上げられているが、それらについて書かれた文章は、ともすると後になって読むと古いと感じることも多いのだが、そんなことはない。ある出来事や事象の奥にある真の問題点にまで内田さんの考えが届いている上に、それを納得させる文章術の妙があるからこそ、今でも興味深く読ませるのだと思う。
     また、これは不幸なことではあるのだが、本書のタイトルの「生きづらさ」が、今も大きくは変わっていないことにも拠るのだろう。例えば、本書では安倍政治への批判的文章がある。その安

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    2024年05月23日
  • コモンの再生

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    雑誌連載を書籍化したものだから、よく言えば気軽に読める、悪く言えば予定調和で想定の範囲内。タイトルは大袈裟過ぎるかな、「内田樹の人生相談室」でもいいと思うがそれじゃ売れないか。

    それにしても著者は大分リベラル色が強くなった様に感じる。「東京ファイティングキッズ」の頃はもっとバランスを取っていた気もするが。世の中が右(右が革新、左が保守という考えもあるが)に偏り過ぎたからそう錯覚しているだけかも知れない。

    江崎書店袋井店にて購入。

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    2024年05月12日
  • 大人のいない国

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    ⚫︎対談形式が多いからサクッと読めるね
    ⚫︎内田さんは日本辺境論は面白かったし、わかりやすくて読みやすい。ゆっくり読めば咀嚼できる丁度いい内容。あ、これ以上いくと無理だなってとこで止まる絶妙な文体。
    ⚫︎成熟した大人がいないのは、まあしょうがないのかもなあとか、そもそも自分だってなあとか…政治家は国民のレベルを写す鏡だから、結局日本人が成熟していないってこと?でもそれもなんだか安易な自虐論理みたいで嫌だなあ。
    ⚫︎内田さん、ネットだとよく炎上しているイメージだけど、本はしっかりしているよね。大学の教授だったこともあり、話が分かりやすい。
    ⚫︎なんというか、ちょっと神霊的な話も出てくるけど、それ

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    2024年05月12日
  • 日本辺境論

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    日出る処の・・。聖徳太子は、中国は属国から朝貢を受け、それに恩賞を渡す形でしか周辺国と交流しないことを熟知した上で、知らないふりをした。相手のルールは無視した上で、実だけ取る。かなり高度な外交術。p.61

    憲法9条。アメリカの属国である事実を回避し、アメリカの同盟国として出兵もせず、利益(安全)だけを得る。面従腹背のしたたかさ。p.68, p.248

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    2024年04月30日
  • コモンの再生

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    人類は遥か昔、土地を所有するのではなく、コモン(共有地)で生活していた。筆者はコモンの再生を新たな共産主義になぞらえる。それはソ連といった社会主義国家によるトップダウンではなく、国民主導のボトムアップを新しい共産主義を次世代の国のあり方と説いている。
    様々な読書からのざっくばらんな質問に対し、筆者の知見をまじえなごら答えていく内容で、読み応えはある。特に反抗期の娘の接し方と、家族に対する金の使い方が印象に残った。

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    2024年04月17日
  • 街場の成熟論

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    内田さんが、雑誌等に寄稿した文章を集めたもの。
    求められたテーマを内田流に考察した文章は、主観に基づいた記述であることから、大いに納得するものから、なかなか理解が追いつかないものまで多岐にわたる。

    ロシアのウクライナ侵攻についても書かれている。以前のクリミア半島の時と異なり、ゼレンスキー大統領が政治的な正しさを打ち出したことが、世界の共感をもたらしたという。単にウクライナが攻め込まれたという事ではなく、上位の観念に持っていくことで、我々のため、我々の自由のために戦っているというストーリーに持って行ったことで各国の支援を受けられたとの主張だ。

    他の事柄も、いくつかの論点で書かれているので、自

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    2024年03月29日
  • 街場の米中論

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    ネタバレ

    国民国家という概念は中くらいの現実。太鼓から存在したモノではない。
    グリーバル企業は国民国家に帰属意識はないことが要件。
    ウクライナの戦争がどうなっても、ロシアは没落する。勢力圏はなくなる。
    『フェデラリスト』の中に合衆国憲法の制定の議論がわかる。連邦派と独立国派の争いがあった。連邦と州の自由とのせめぎあい。軍隊は、同胞に向けられるべきではなく、国外に向けられるべき、という論法で連邦の下に常備軍を置くことになった。一方で、民衆の武装権も保障した。
    アメリカでは19誠意に公教育の導入の反対があった。
    合衆国憲法は、常備軍の保持を禁止している。軍は時の権力者の私兵になる。議会が招集して編成するもの

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    2024年03月05日
  • 若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱

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    中高生向けに書いただとう!?原文抜きに解説だけ読んでも…御三家諸氏じゃないと難しいのでは。
    大人には、まあまあ分かりやすい、レベル。

    2人の学者が奮い立たせられるほど天才、とマルクスを賞賛されているのだが、それは将棋の棋士の攻防の凄さがまるで素人にわからないのと同じかな感じた。

    20代でこんな文章書いてるのは、純粋に凄い。

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    2024年02月22日
  • 善く死ぬための身体論

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    なかなか難しい。そして本題に入るまでが長いというか、タイトルあってるか?となる。
    中身は凄く深いのだが、目次等よく見て選著した方が良い。良本であることは間違いないのだが、学のない私には合わなかった。

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    2024年02月12日
  • ぼくの住まい論

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    著者が、神戸市東灘区に約80坪の土地を得て、合気道の道場「凱風館」を建てるまでのてんまつをえがいたエッセイです。

    著者は、若き建築家の光嶋裕介との縁に感じるものがあり、彼に道場の設計を依頼します。その後、光嶋とともに理想の道場を実現するために職人たちと交渉しつつ、理想の道場をめざします。彼らの「アンチ効率主義」と形容されるスタンスは、著者の思想に通じるものがあり、道場の建築から運営まで一貫しておなじ精神がつらぬかれていることが語られています。

    また著者は、道場は「アジール」(避難所)としての役割を担うべきだと主張します。人びとがその場所につどい、彼らのあゆみを測定するための定点となることが

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    2024年01月24日
  • 疲れすぎて眠れぬ夜のために

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    タイトルだけで購入してしまい、想像していた内容とは異なった。

    少し強引な部分もあり、正直好みではない。
    ただ、礼節は、今の時代消えつつあり、家庭不和の原因にもなっているように思う。

    そもそも、バックグラウンドが異なるのだから、何でも「欧米化」するのが正解ではない。

    外から見た日本、外から見た自分も時々は意識しよう。

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    2024年01月21日
  • 先生はえらい

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    ネタバレ

    中高生向けに書かれた本という体裁ですが、内容はかなり難解に思えました…
    えらい!という先生に出会うのは偶然なんかではなく必然で、受け手の感覚次第ということなんでしょうか…?
    こんな考察も、最後の章を読むと学びに内包されていて勝手に私が誤解してるだけなのかしら…?
    色々と考えるきっかけになる本でした。

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    2024年01月03日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    いつも通りの内田・白井節。物おじせずに真っ当なことを言っている。中国とは軍事力で対抗できないからアメリカ一辺倒にならずに付き合うべきとか、やっぱり時流に流されずにちゃんと考えることの重要性に気がつかされる。
    しかし、彼らも自覚しているだろうけど、このように主張しているだけではジリ貧なので、別の戦略・戦術も必要なんだと思う。

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    2023年11月21日
  • 呪いの時代

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    ー 私たちが共同体として生きてゆくために必須の資源を「社会的共通資本」と呼ぶ。大気、海洋、森林、河川といった「自然資源」、交通・通信・上下水道・電力といった「社会的インフラストラクチャー」、司法、医療、教育といった「制度資本」がそれに当たる。これらはどのようなものであれ、政治イデオロギーやマーケットに委ねてはならない。専門家が専門的知見に基づいて、管理運営しなければならない。「森林をこうした方が金が儲かる」とか「医療はこうする方が政治的に正しい」というようなことを言わせてはならない。政治的正しさや市場的価値は所詮「脳内」の現象である。平和で安全な場所でなら、いくらでも論じるがいいし、人々がそれ

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    2023年10月28日
  • 街場の成熟論

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    安定の内田節、という感じ。
    特にフェミニズム批判の論考における切れ味の鋭さと、先に逝った友人を悼む論考の切実さが印象的だった。
    前者は以前からのもので、最終的な着地点が「体のいうことを聞きましょう」なのが非常に胡散臭いものの、その他の理屈は鮮やか。特にセックスワーク論では廃娼論への違和感を鮮やかに言語化していた。体の所有権を確認するためにこれを傷つけることが必要なタイプの人のメンタルのあり方に一切思いを致すことがないのが、この人の鈍感な部分。
    後者は、特に小田嶋隆に向けられたものが好きだった。小田島のコラムの語りの構造を分析することがほぼそのまま哀切な追悼の意思の表明になっている。誰かのことを

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    2023年09月30日
  • 先生はえらい

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    くだけた感じで語っていますが、語っている内容はけっこう難しいことをいっています。
    分類的には教育論なんでしょうが、完全に思想、哲学です。

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    2023年09月16日
  • 新しい戦前 この国の“いま”を読み解く

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    今回まとめて読んだ新書群は、ほとんど自分が書店で選んで入手したってこともあるんだろうけど、驚くほど似た主旨のものばかりになってしまった。興味の対象だから仕方ないとはいえ、もっと多方面的に選書しないとって、ちょっと反省。それはさておき、本書も内田印の安心の一冊。新たな戦前よろしく、もはや新たな戦中って主張にはドキッとしたけど、言われてみれば…ってところ。何を言ってもどうしようもないなら、いっそ行き着くところまでっていう、加速主義も確かに分からんこともないんだけど、やっぱり自分としては、あくまで内田さんの言うような、ソフトランディングを期待してしまいます。中高一貫でキャラが固定、体育座りは自分を縛

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    2023年09月07日
  • 呪いの時代

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    女性へ告白する際に「今付き合ってる人いる?」と聞くのが卑怯だという話があったが、個人的には「それくらい許してやれよ」と思った。相手に彼氏がいるかどうかは素朴に気になるのが当たり前だし、質問する男性は別にそこまで深く考えてないのでは?「女性が強くなった」現代では告白したことをネタにされ周囲に言いふらされて自分の身が危うくなるリスクもある。
    お見合い婚を肯定するくらいなら、交際の始まりがその程度の優柔不断であることくらい目を瞑ればいいのにと思う。「男女平等」が正しいとされているのに、世の中の殆どの女性はそのような優柔不断なアプローチ「すら」自分からはしようとしないのだから。
    またこれは筆者ではなく

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    2023年08月20日