内田樹のレビュー一覧
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内田樹、平川克美、名越文康という気心の知れた三人が、「居場所」というテーマからはじめてさまざまな話題について自由に論じあっている本です。
平川は荏原中延に喫茶店を開き、名越はそこの常連客となっています。一方内田は、自宅を兼ねた道場「凱風館」で武道の指導をおこなってきました。本書では、彼らのこうした「居場所」がそこにいる人びとにとってどのような意味をもっているのかということが語られています。さらに議論が進むにつれて話題はひろがり、グローバリズムの問題やネトウヨの心理、師をもつことの意義など、多岐にわたります。
著者たちの議論にすべて同意することはできませんが、一見したところ極端な主張に見える -
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むかついて人を殺したり、売春やドラッグに走る者は、利己的なのではなく、自己がほとんどなくなっている。
中年のオヤジとは、不愉快な人間関係の中にとどまっているうちに、耐えることが自己目的化し、自己の存在証明が凝縮されてしまった人間のこと。
終戦直後に日本の政治や経済を牽引していたのは、明治20年代、30年代生まれの人々。これらの世代は、日清戦争から第二次世界大戦までを生き延びたリアリストだから、日本に根付かせようとしたのが民主主義だった。
都会で生活すると、視覚的にも聴覚的にも刺激が多すぎるので、自己防衛のために知覚の回路をオフにしている。その結果として、外部で起きていることに対して鈍感に -
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マルクス入門編として読んでみた。
感想としては、(かなり噛み砕いて書いて頂いていることは伝わったけれどもそれでも)難しいということ。
ただ、この本の目的はマルクスに興味を持つことにあるので、目的は達成された。
私が感じたマルクスの凄さは、論理的に正しいことだけを言わずに、倫理観も兼ね備えていたこと。裕福な家柄に育つも、貧困層の労働環境を想像し、フェアではないことに対して怒りの声を上げる情熱的な人物であることが非常に伝わった。
また、様々なものの考え方を伝えてくれることで人の心を軽くしてくれる要素もある。例えば、人は中身の人間性ではなく、「なにを生産し、いかに生産するか」が大事であることなど(心 -
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内田樹、白井聡による日本の政治社会についての対談。
前半は2016年当時の政治について、後半は日本社会の状況について語る。
日本は政治的には米国の属国であり、安部政権になって益々米国追従の立場が強くなった。そういう意味では、日本はまだ独立国とは言えない。また社会は幼稚化が進んで、物事を深く考えなくなっている。マネー信仰が強くなり、金軸で人を評価する風潮により階級意識が発生。マスコミやメディアのマネー情報に流されてしまう。金が全てなので、それが無いと精神的に参ってしまう。高齢者も若年層も考え方が幼稚化し、精神的な貧困化が進んでいる。今後の日本社会では、経済的な発展が期待できないのだから、経済発展 -
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ネタバレ2019.12.15
【感想】
なるほど、そんな考え方があるのかあ、となる本
結婚に対して「キラキラしたもの」「憧れ」という認識があったのだけれど、
「今よりも不幸にならないように結婚する」
「結婚は社会契約である」
の言葉たちが少し冷静にさせてくれた
そして自分がパートナーに多くを求めすぎていると反省
「よくわからない人」と共に生活していることは感動的なのかそうかそうか…
【印象に残った言葉】
目の前にいる人よりもっとましな相手がいるんじゃないか(略)というのは「自分はこの程度の人間じゃない」という自負の裏返しです。(P24)
→耳を塞ぎたくなる人多そうだなあ(笑)
配偶者が変わ -
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ネタバレ筆者の半生を綴ったエッセイ。
ウエブ マガジンのロング・インタビューを元に構成してあるそうだ。
学生運動について、時々モノクロ写真で見たり
フィクションのスパイスとして出てきたりして知っている程度だったので
当時の肌感覚で書かれているのが興味深かった。
師弟関係について、
弟子を伸ばすために言うことと潰すために言うことは表面上似ていて
識別が難しいという件もとても興味深い。
武道家は勝敗や強弱を競う境位を離脱し、
いるべき時に、いるべきところにいて、なすべきことをなす人間になることが修行の目標であり、
道場は楽屋、一歩外に出たところが本番の舞台というのは
共感するところだった。
実践する -
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さまざまな雑誌などに寄稿された著者の論考・エッセイを収録している本です。
著者のブログ記事をまとめた本とはちがい、字数制限のためか尻切れトンボの感のあるエッセイも多少見受けられるように思いますが、身近な話題から思いもかけない理路を通って見晴らしのきく場所へと読者を連れ出す著者らしい議論の運び方が随所に見られます。
個人的には、橋本治の思想、とくに身体論、他者論、歴史論にかんしては、内田樹の思想を通して読み解くことではるかに理解しやすいものになるのではないかという見通しをもっており、「速度と祝福 God speed you―書評『蝶のゆくえ』橋本治著」の橋本治論は興味をもって読みました。「速 -
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子供を育てるというのは、「世の中思いどおりにならない」ということを骨の髄まで味わうということですからね(内田)
ポルトガル語で「マオ・レゾルビーダ」という言葉があります。英語で無理やり言うと、badly resolvedとでもいうのでしょうか。ある地位を得て、ひとかどの人間のように思われているけれども、実際には、自分の個人的な生活とか人間的成長を大事にしていない人、自分ではそういうことを解決したと思っているけれども、本質的には何も解決してない人のことをさすんです。(三砂)
評価コストって、けっこう深刻なシステム問題なんですよ。精密な評価をするということが自己目的化すると組織の中の人間は活気 -
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ネタバレ天下の内田センセイとヨーガ行者成瀬師の対談本。
なるほどの犬の耳多数。二人そろってインプラントにしていてこれはいいと語り合っているのが怪しすぎて笑えたwただ最後の章は切れ味鈍り残念。身体性が至上、ゲームパチンコカジノはダメ、ひきこもりノンアクティブは問題、と頭から切り捨ててしまっていて、そこら辺のジジイと同じレベルとなってしまっている。
P5 どんな異能であっても、「そういうことができた人がいる」という話は受け入れる。だってそれによって失われるものなんか何もないんですから。自分の中に潜む可能性を信じようと信じまいと、日々の稽古そのものに割く時間と手間は変わらない。だったら「そういうことができ