内田樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レジェンド少女漫画家と、それを読んで育った武道家・哲学者の対談。
僕自身が少女漫画読者でなく、かつ時代が違うので、なかなかグッと話に入っていけなかったけど、その時代を想像して楽しめるだけの話の濃さとリアリティとユーモアでした。
内田「音楽についてトリビアルな知識を持っている人間が『これはこれとこれのパクリだ』と言うと、その知識自体が何か批評性を持っているかのように見なされる。でも、マンガの場合は、そういう話はしませんよね。この人のこの絵柄とかコマ割りは誰それのパクリだと言っても、誰も反応しないでしょ(笑)。」
竹宮「誰が何をやっても構わない。ただただ、マンガはオープンソースなだけです。」
やはりここがハイライトですね。
オープンソースが1番生産性が高いと。
内田「クリエーターがみんなそれぞれの技術やアイディアをパブリックドメインで使い回しすることによってジャンルが栄えるんですから。『オレの真似をするな』とか、そういう「せこい」ことを言うなよ(笑)。前衛性だとか、オリジナリティーだとか、そんなことばかり言ってるとジャンルそのものが衰退してくる。」 -
Posted by ブクログ
編者の内田樹をはじめ11人の執筆者が、現代の日本社会において喫緊の課題である人口減少・少子化の問題について論じている本です。
それぞれの執筆者たちの展開する議論の中身に踏み込むことは避けますが、編者である内田の議論については、それが果たしている役割を明確に理解しておくことが必要ではないかと考えます。
内田は、少子化が深刻化することはとうにわかっていたにもかかわらず、われわれが手をこまねいてきたことに注目して、「日本人は「最悪の事態」に備えてリスクヘッジする習慣がなく、そういう予測をすること自体を「敗北主義」として忌避する」という伝統があると指摘します。そのうえで、「日本人というリスクファクターを勘定に入れておかないと適切なリスク管理はできない」と主張しています。
これだけ見ると自己論駁的な主張に感じられるかもしれませんが、丸山眞男の超国家主義についての議論を参照していることからも明らかなように、そうしたわれわれの思考のクセを眼前に引き据え、自覚することでそこから脱却することをめざさなければならないというのが本意だと思われます。「少子化」に対する提言ではなく、少子化「問題」に対する人びとの注意を喚起することを意図した文章なのですが、ひろく議論が交わされるステージを設置するという、編者のなすべき役割を果たしていると評するべきでしょう。 -
Posted by ブクログ
#疲れすぎて眠れぬ夜のために #内田樹 #読書記録
内田樹先生の2003年の作品。古い。そのため、むむむ、と思うところもある。
が、やはり内田樹。
強い。自分の足を地につけて、ただ一人で立つことができる人。内田樹。
いやー、私はそこまで強くない、けど、そうありたいよなー、と思う。だから、ほんと、その通りですよね、と思う言葉でいっぱい。(一部を除く)
我慢しすぎるな、『ワンランク下の自分に』(第一章)とかいう言葉は書かれているけども、その実は、自分で考え自分で責任持って行動しなさいよ。人に合わせて、嫌なことするような、そんな生き方やめなよ、ということを言っているので、結構厳しい。
そうありたいっす。先生!。。。
『Ⅲ 体の感覚を蘇らせる』は、武道を本気でやってる内田樹先生の真骨頂。
ほんとそうだな、人間で確かに、気配を感じられるよな。それに対する評価低すぎよね、とも思った。
気配を感じる、からこそ、オフラインじゃなきゃわからんことがあり、感覚がある人こそ、いろんなことに気づくんだな。
でも現代は、いらん情報が多すぎて、シャットダウンする能力が上がりすぎてる人もいるんやな。
がんばらなくていいんだよ、と言って欲しくて持ってきた本は、自律して生きよ、バカになんな、と、はっきりと突きつけてくる本でした。(まさに、内田樹らしく、本当に『そういう奴は頭が悪い』とか、はっきり書いてもあるのです。。)
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ビジネスとレイバーの差は、ですから、常雇いか臨時雇いの違いでも、時給やポストの格差でも、資本金の規模でもありません。その人が「リスクを取る」と言う決断できるかどうか、その1点にかかっています。
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秘書や身内が収賄をしたのが発覚した時に、政治家が「私は預かり知らぬことだ」と言って、身の潔白を言い立てる様を見て、僕たちは「卑しい」と言う印象を受けます。これは僕たちの印象が正しいのです。
その政治家はリスクを取ることを拒否することで、自分は秘書も家族もコントロールできないほど、無能な人間である、と言うことを満天下に告知したわけです。僕たちの社会では、当事者能力のない人間については、その責任を求めないと言う取り決めがあります。
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若干の性的サービスの代償に毎月数十万円もらっている、と言うようなことをしていると、人間の根本が歪んできます。「お得だった」なんて言う人もいるかもしれませんが、本当はすごくそんな取引なのです。価値観が狂うと言うのは、一生癒えない傷ですから。
売春と言うのは、厳密には「身体」を売るのではなく、「体を売るような人間である」という社会的評価を受ける代償に金を受け取るということです。
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「はしたない」と言うのは、審美的な問題ではありません。節度なく振る舞う人の「生存戦略」の危うさに、はたがドキドキさせられる不快さのことなのです。 -
Posted by ブクログ
少し古い結婚観かなと思うところもありつつ、得心したり旨にせねばと思うところも多々あり。
以下覚書
●結婚は貧困ベース、病気ベースで考える
●ピンチはうまくいかないことが束になって手が回らなくなる状態。
ひとつひとつのうまくいかないことは大したことじゃない。その数がある閾値を超えると人はパニックになる。だからうまくいかないことの数を一つ一つ減らしていく以外に手立てはない。
そうすることで、些細な事でコップの水が溢れてブチンと切れることがなくなる。
●配偶者との関係を健全に保とうと思ったらまず自分はどうすれば機嫌が良くなるかを考える
●自分の人生が充実していると倦怠期が来ても問題にならない。倦怠期の人たちは自己倦怠も孕んでいるから。 -
Posted by ブクログ
内田さんの書かれたものを読むと、どこかで同じようなことを言われていたなあと思うことが多いのだが、でも読んでいて面白い。
本書では時事ネタが多く取り上げられているが、それらについて書かれた文章は、ともすると後になって読むと古いと感じることも多いのだが、そんなことはない。ある出来事や事象の奥にある真の問題点にまで内田さんの考えが届いている上に、それを納得させる文章術の妙があるからこそ、今でも興味深く読ませるのだと思う。
また、これは不幸なことではあるのだが、本書のタイトルの「生きづらさ」が、今も大きくは変わっていないことにも拠るのだろう。例えば、本書では安倍政治への批判的文章がある。その安倍さんは亡くなった。しかし、いわゆる安倍政治的な政治は、今の自民党政権下変わらず続いている。それが問題だ、変えようという動きも、政界からも国民からも大きくは出てきていない、例えばそんな状況。
あるいは、公共的なものがどんどん減って、至るところどれだけ儲かるで考えるようになってしまっている状況(都市の再開発はもとより、教育、医療の分野まで)。
グチばかり言っていても仕方がない。自分のできることを、少しずつでもやっていくしかない。.