内田樹のレビュー一覧
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ネタバレ3人の対談として読むので軽くていい。
会話の中で流れついていくいろいろな話題が面白い。
以下印象に残ったことなど。
・グローバルという視点の元に、均一の基準で比べられる大学。
個性や理念は問題にされず、
数値化できるもので誰にでもわかるようにならされる。
結果、ランクの低い大学を淘汰し、補助金を分配する対象を減らしていく。
教えることがこんなに見下されているってなんだろうか。
・先生と言うのは誰にでもできるもの、という内田さんの言葉が印象的。
能力のある人にしかできないものだったら、
該当者がいないときに、子供は生きていくすべを学ぶことができず
その集団は一代で滅んでしまう。
・自分の中の演算 -
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自著について著者自身によるブックガイド。
というより、「あとがき」のようなもの。
いろんな書評本はあるけれど、こういう形を取るのもアリだな、と思う。
レヴィナス絡みの本はやや苦しい。
レヴィナスがホロコーストを体験(経験)した結果、自分が存在することそのものに懐疑を抱き(という言葉は相応しいのか分からない)揺れたのだ、ということはとてもよく「分かる」。
そして、レヴィナスのその揺れが内田樹を惹きつけたのだろうとも。
「人がほんとうに哲学を必要とするのは、哲学書の行間に自分自身が今日生きる支えとなり、導きとなるようなたしかな叡智を求めるときです。テクストにすがりつくように知恵を求める者にだけ -
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ネタバレまず驚いたのは、著者の内田樹氏は合気道6段だということ。
ずっと社会学系の教授だと思っていたのでかなりびっくりしました。
著者の考える武道の目的は、「生き延びること」だといいます。
それは単に戦場でだけという話ではなく、生活全般の話としてとらえられております。
例えば、江戸時代の武士は、余計なリスクを負わないために用事のないところへは出かけなかったそうです。
また、歴戦の戦士であった東郷平八郎は、「わずかな兆候から次に起こりそうなことを予見する能力」に秀でていたそうで、目の前の道に荷馬がいるのを見て道の反対側によけて通ったといいます。
それを見とがめた同僚が、「武人が馬を恐れて道を避 -
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大人のいない国
内田樹22冊目(鷲田清一との共著)
・教養についての考察が面白かった。なぜ自分はこのことを知らずにきたのか、知ることを拒んできたのかという、自分の無知の構造に目を向けられた瞬間に教養が起動するということや、教養とは自分のわかっていないことについてわかるということということがうなずけた。自分の経験から照らしてみても、さらに、この人ならこのことについて知っているかもしれないという風なセンサーが働いて、お願いできれば、たいていのことは何とかなるとも思う。
・人がそのかけがえのなさに気づかず、ないがしろにしているものに対して注意を促して、その隠された価値を再認識させる言葉の働きを「祝 -
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2020年のオリンピックが東京で開催されることが決定されて以降、反対意見がほとんど聞かれなくなったという言論状況そのものについて問題提起をおこなった鼎談です。
元来近い立場にある三人の座談会なので、おたがいの意見を戦わせるような場面もなく、緊張感に欠けるのはいたしかたないのかもしれませんが、語られている内容そのものには賛同できることが多く、著者たちの発言に膝を打ちながら読みました。
もっとも、いくつか違和感をおぼえるところがあったのも事実です。私自身は、内田がさまざまな著作で展開している身体論や、『日本辺境論』(新潮選書)で語られているこの国についての言説には、すこし危ういところがあるので -
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ネタバレその中から気になった箇所を無作為に…
★武道は伝統文化であるという人は、明治以降私達が本来の武道というものをどのように破壊してきたのかの歴程を確認するという恥辱的な作業からまず始めなければならないだろう。
★日本の武道史上最大の失敗は、生き残るための政治的工作をしたことではなく、政治的工作をしたことを隠蔽したことである。
★本来、先人達が発明工夫した身体技法というのは、「他者との共生」を「生き延びるための必至の技術」として骨肉化することで向上するように構造化されている。
ゲーム性の強いスポーツの場合はそれが前景化しにくいだけだ。
★あらゆる人間的営為を悉く数値化・定量化し、それを格付け