内田樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
現在の社会のあり様を、この様に解釈するとわかり良くなるという、視点をもらえる本。
個人的には、積読の効用が、無知の知を視覚化する所にあるという解釈が秀逸だと思った。
後は、コロナや、ここ数年のアメリカ、中国、日本の政治に対するもやもやとした違和感の正体を解説して提示されたことに感謝。
→中間層の弱体化、政治的無関心を助長することと市民の権利の無権利化で統治コストを下げるというのは、ジリ貧しか生み出さないということ。
→緊急事態への対応として、正常性バイアスを解除するためには、自分以外の視点からの情報の取り込みを一気に増大させないといけないということ。様々な視点から立体的に物事を見ないと、何が起 -
-
Posted by ブクログ
哲学者で武道家の内田樹と、「三軸修正法」という治療法の提唱者である池上六朗の対談です。
「文庫版のためのまえがき」で内田が、二人の著者たちの出会いが不思議な「ご縁」にみちびかれたものだったということを語っていますが、本編でも身体知にもとづく共感の重要性が指摘されるとともに、そうした原初的なコミュニケーションの回路がうしなわれてしまっている現代の状況に対する批判が展開されています。
内田の身体論・武道論にかんする本はこれまで何冊か読んだことがあるのですが、もはや言説のレヴェルで説得を試みることを放棄してしまっているように感じられて、どうしてもついていけないと感じてしまいます。フランス現代思想 -
Posted by ブクログ
ネタバレ問い
修行とは何か。
自分はどのように修業すべきか。
答え
修業は、「私の心身のパフォーマンスを低下させる要素」を最小化(できれば無化)することを目的として行う。それは、実はめざしていたものとは異なるものが得られる過程でもある。
「道場は楽屋であり、道場の外が舞台である」。舞台とは「真剣勝負の場」である。生業と稽古は表裏一体のものでなければならない
要するに、生業でのパフォーマンスを上げるために修業する場を自覚的にもつということ。
キーワード
修業、天下無敵、石火の機、卒啄の機、木偶坊・操り人形・案山子、弱さ・無知、居着き、科学的と科学主義的、鍛える発想、稽古、瞑想、額縁、狐疑・駝鳥、キ -
Posted by ブクログ
かつての大英帝国が縮退し、一島国「イギリス」としてその存在を再び確立したように、日本も「身の丈に合った中規模国」としてのあり方を模索すべき、という基本概念の下に、今日の激動する国際情勢を様々な角度から考察するとともに、日本の国家戦略のあり方を批判的に議論する対談書。
マスコミでは通り一遍の報道しかされない中国の内部事情や、建国まで遡る米国のイデオロギーの対立とそれがもたらす強み・弱み、さらには地政学的観点から見たトルコの存在感など、興味深い考察が複数示されるとともに、日本の国家戦略については、「国家理性」よりも「国民感情」が優先される結果、真に国益となる政策よりもポピュリズムが意思決定の源泉 -
-
-
-
Posted by ブクログ
そもそもなぜ結婚をするのか。メリットデメリットが記されている。
作者が東大卒というのもあり、非常にリアリストで読んでいて心地よい。
特に印象に残っているのは、
◎結婚式は私事の関係を公事の関係にシフトさせる宣言であること
→結婚式の意味が親への感謝という意見がしっくりこなかったが、この内容を知ると結婚式の有用性が理解出来た
◎結婚は誰としてもいいこと
→相手により自分が変わるが、本当の自分は存在しない。相手を変えてもこれは不可逆である。
◎結婚のセーフティネットとしての機能
→経済的にも。病気の時に支え合える。
◎家事への適切なマインドセット
→好きな家事を増やす。公に家事が好きと公言 -
-
Posted by ブクログ
著者がこれまでに刊行した著書や翻訳書をとりあげ、それについて著者自身があらためて振り返りながら解説をおこなっている本です。
もともとは著者の大学での講義にもとづく内容で、毎回著者の本のいずれかをとりあげ、それについての発表と、著者のコメントがまとめられています。ただし著者は「文庫版のためのあとがき」で、「僕は授業で話しているうちに、「全くそんな話をする気のなかった話」に果てしなく逸脱するという悪癖がありまして」と語っているように、たんなる著書の内容の要約ではなく、あらためてそれぞれのテーマにかんする著者の考えが述べられており、本書にとりあげられている著書をすでに読んでいるという読者にとっても