内田樹のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
そもそもなぜ結婚をするのか。メリットデメリットが記されている。
作者が東大卒というのもあり、非常にリアリストで読んでいて心地よい。
特に印象に残っているのは、
◎結婚式は私事の関係を公事の関係にシフトさせる宣言であること
→結婚式の意味が親への感謝という意見がしっくりこなかったが、この内容を知ると結婚式の有用性が理解出来た
◎結婚は誰としてもいいこと
→相手により自分が変わるが、本当の自分は存在しない。相手を変えてもこれは不可逆である。
◎結婚のセーフティネットとしての機能
→経済的にも。病気の時に支え合える。
◎家事への適切なマインドセット
→好きな家事を増やす。公に家事が好きと公言 -
-
Posted by ブクログ
著者がこれまでに刊行した著書や翻訳書をとりあげ、それについて著者自身があらためて振り返りながら解説をおこなっている本です。
もともとは著者の大学での講義にもとづく内容で、毎回著者の本のいずれかをとりあげ、それについての発表と、著者のコメントがまとめられています。ただし著者は「文庫版のためのあとがき」で、「僕は授業で話しているうちに、「全くそんな話をする気のなかった話」に果てしなく逸脱するという悪癖がありまして」と語っているように、たんなる著書の内容の要約ではなく、あらためてそれぞれのテーマにかんする著者の考えが述べられており、本書にとりあげられている著書をすでに読んでいるという読者にとっても -
Posted by ブクログ
大学は勉強するところではない。大学とは、知識を商品のように学生に売るところではありません。知とはデジタルデータではなく、身体と感情を持った人間一人一人が身につけ、実践し、対話し、試行錯誤する中でしか役立たない。
あらかじめ用意された正解をたくさん覚えることが優秀だというのは、いわば知識ベースの勉強です。しかし、非常事態に対処するには、そんな勉強だけでは限界があります。そこで力を発揮するのが、物事をいろいろな角度から観察し、今までに知った事実と組み合わせて、全体の構造を考えるという知性ベースの学びです。
まだ答えがない問題への対処については、先生と生徒の立場は対等です。