内田樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
内田樹の大学教育論。いつものようにブログ等に記載された記事を集約した本。雑記帖のようなエッセイで、読み終わってみるとあまり記憶に残らない内容も多い。それでも共感できた部分があった。それは、著者が現代の大学教育がビジネスとして捉えられ、就職予備校化していることに危機感を感じていることだ。それは自分も時々感じることがある。大学の最終年は今と同じように就職のことばかり気にしていた。内定をもらうと、目標を達成した気分になり、卒業に必要な単位の取得と形だけの卒業論文を書いただけで、その後の人生に身になるような知識の習得がおろそかになった。大学時代の不勉強は、社会に出て永年勤めてみて身にしみることだ。大学
-
-
Posted by ブクログ
内田樹はブレないなあー。
先見的知についても、邪悪なものの鎮め方についても、今までに読んだ著作で書かれていることが多い。
けれど、そこに鷲田清一が加わって、より分かりよくなっている感じがする。
内田樹よりカタカナの羅列が多い鷲田清一。
上には上がいるのだな。。。
内容も面白かった!
価値観が画一化されることで、子供のままで社会人になることが可能なシステムが出来上がった日本。
間違いを許せなくなった社会だと評した言葉を思い出した。
クレーマーの多発、ネットの炎上。
自分ではなく、権利と匿名性に守られた者たちが放つのは「呪」だと内田樹は言う。
言葉に価値がないから、匿名でいられる。
その -
Posted by ブクログ
【マンガリテラシー】
子どもは葛藤の中においてのみ成長があるのだ、ということを、井上雄彦の作品を通じて主張する。そうだ、白黒はっきりさせてはいけないのだ。ハチクロやもやしもんのように、大学というのはわけのわからない人が跋扈し、そこでまた少年少女はおかしな成長を遂げていくのだ。内田本の御多分にもれず、概ねブログの抜き取りなので、自分語りも多いのだけど、それは織り込み済み、でいいだろう。
インプットよりアウトプットが多く、オタクにもマニアにもなれないという著者。インプットが圧倒的に多く、オタクとマニアの間を揺れ動く僕。少年漫画と少女漫画はそれぞれ真名と仮名であり、両方を読んでバランスをとる、少 -
Posted by ブクログ
毎度同じことを書いているような気がするが、内田本はまえがきをよく噛んで味わうのがよい。本書もまた、朝日新聞に二度と頼まれたくないと思って書いただとか、仕事を減らしたかったなどの説明がついているが、僕の気持ちを汲んだかのように、『では、また「あとがき」でお会いしましょう』とある。
さて、あとがきには、堤防の蟻の一穴に小石を詰めて塞いでいこう、ということが述べられています。本文中に繰り返し出てくる企業の恫喝による人件費低下へのプレッシャーと、互恵社会の形成のこと。マーケットから転落するのではなく、自発的で静かな「市場からの撤収」のこと。
世論じみたことは言わないほうがいい、それが「呪い」からの身の -
Posted by ブクログ
ネタバレ漫画という文化を至極真面目に論じる。
作者の内田樹さんのことを知らなかったので、もっと「このマンガのこのくだりが好き!」みたいなミーハー論調なのかと思ったら全然違いました笑
井上雄彦、手塚治虫、萩尾望都、羽海野チカ、鳥山明、赤塚不二夫、、、
数多もの漫画界のビッグネーム作品を取り上げながら、なぜ漫画が日本文化にこれほどまでに強く根付いたのか、日本語の持つ漫画への適応性などを大学の講義でも聞いているかのように学ぶことができました。
読めば読むほど日本人に生まれて良かったなー!と声を大にして叫びたくなります。日本語も日本のマンガも大好き!
養老先生との対談の中で語られる、漫画家の進化の話が印象 -
Posted by ブクログ
著者が日本の現状に思うところを、エッセイの形で論じていく。
明快な語り口で、滑らかに問題点を論じていくので楽しく読めた。
中身のない発言であったとしても、その発言をせざるを得ない背景から読み取れることはある、という考え方のアプローチは面白かった。
一方で、各論を行うときに、極論ではなく中庸を目指す必要性を訴えておきながら、橋本市長の行動や原発論を行うときには極端な事例を引き出し、それがさも全体全てに当てはまるような論じ方はずるいと思う。
TPPや脱グローバル論、「廃県置藩」といった具体論は納得できなかった。
小さい単位で経済を営み、コンテンツではなく贈与の過程こそに価値があるというが、その -
Posted by ブクログ
大部分が本のためにではなくネットのために書かれたせいか、
前半は読みやすいが文章が本当に軽く、
正直、うーん、と言う感じ。
基本的に内田樹の言う事は賛同することが多いんだが、
何故か好きと思えないのは、
彼の文章に自己顕示欲らしきみたいなものをどうしても感じてしまうから。
でも、
知性というものを「自分が誤り得ること」についての査定能力に基づいて判断する
というのは100%同意。
本当にそうよね。
最後のカミュ論が結構面白かった。
特に「首尾一貫した主張など存在しない」というところが。
ああそうか。
と思った。
腑に落ちた。
そうなんだよね.............。
そんな感じ。 -
Posted by ブクログ
このタイトルにふっと惹かれるものがあったら、それはウチダ流「先験的知」の持ち主なのかもしれない。(適当)
とにかく最初はやたらめったら登場する謎の「」と、カタカナ語にくらくらする。
「パセティック」って当たり前に登場するけど、一体何なんだー?と思ったら、数ページ先にもパセティックが登場する。(悲壮なさま、という意味らしい。)
でも、真ん中辺りから楽しくなってきて、ふむふむと頷いてしまうので、ぜひ真ん中まで頑張って読んでみてほしい。
私のアンテナに引っ掛かったのは、読書の「コールサイン」の話である。夏目漱石が具体例に挙げられているが、ちょうど『書楼弔堂』を読み終わったところだったので、なん -
Posted by ブクログ
内田先生と「巡礼部」のお弟子さん(?)たちが、釈先生の案内で「聖地」をめぐる企画。手始めは釈先生のホームグラウンドである大阪・京都・奈良。
よく知っていたり、行ったことがある土地ばかりなのだけど、へぇ~そうなの!というお話が次々出てきて面白かった。大阪では土地の「聖性」というものをまったく無視して都市が造られていったのに対し、京都は洗練された形でそれを取り込んでおり、奈良(の特に南部)にはプリミティブにそれが残っている、というくだりにはかなり納得。
少し前に「大阪の神さん仏さん」を読んで以来、「神さん」に対する見方が大きく変わったのだが、この本も「神さん」を考える上で示唆に富んでいると思っ