内田樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学論・・・神戸女学院大学文学部教授の内田先生が、大学の存在意義、教養の必要性、いまどき大学生の考え方・知的劣化など昨今の大学事情を鋭く分析したエッセイをまとめた本。
内容によってはちょっと何を言いたいのかよくわからない部分があり難儀したが、文部科学省の「杉野剛」氏との対談場面は、すべての大学生・保護者・教育者に読んでいただきたい。
まなびの現状・本質を突いた明快でためになる話がとてもわかりやすくまとめられている。こういった方々が教育現場の第一線で試行錯誤しているという事実に少しは救われる思いがする。
大学施設の増・少子化の波で、大学が市場原理の淘汰圧にかかり生き残りをかけたサバイバル時代 -
Posted by ブクログ
タイトル通り、オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」の日本版。
当然様々な人が寄せた体験談が集まっているので、それぞれが短く、細切れの時間にパラパラっと読むのにピッタリ。
ハラを抱えて笑えるものあり、背筋がスーッと寒くなるものあり、ほのぼのとさせられるものあり、短い中に人間の本質が現れているような深い話あり、正直、どこかで聞いたような…という話もありですが、肩ひじ張らずに楽しめる。
最後の柴田氏と内田氏の対談の日本人論みたいなのが面白かった。
アメリカ人との精神性の違い、っていうのよくわかるな~。国民性というか、環境や文化が違う中で生きるってこういうことだよね。 -
Posted by ブクログ
書店で内田樹、高橋源一郎、という名前と題名をみて、「おお、オースターの日本版だね!」と思って購入。
読んだ感想としては、ううん、面白いんだけど、なんだかどこかで読んだことがあるような感触。よくある読者の体験談を集めた本の一つみたいな感じ?もちろんそこに、内田センセイの解説(?)や、柴田元幸との対談があったりするのはいいんだけど、、、
日本人の文章はとても均質だ、ということを内田先生はおっしゃっていて、その通りだろうとは思います。社会階級や地域による話し方の違いは、日本では例えばイギリスなどに比べるとすごく小さいし、とくに書き言葉になるとその差はさらに縮まるでしょう。でも、Web雑誌ではなく -
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Posted by ブクログ
内田樹の最初の単書らしい。最近のものに比べて若干わかりづらいのは、彼が今ほど多数の読者を想定していなかったからかもしれない。
ともあれ本書の中で彼自身がレヴィナスやデリダ、ラカンらのことを「非常に難解で、全て理解しているとは思えない」と示唆しているように、彼の中心にあるのは「自分が知らないということを知ることの大切さ」という事だと思う。だからこそ倫理という大層なことを語るのに「ためらい」があってしかるべきだと考えるのだろう。極論は目立つので大きく左右に振れがちなのだが、その間のどこかに真理があると信じているからこそ、弱々しく、ためらいがちな意見になってしまう。その事を恐れずに肯定することで世の