内田樹のレビュー一覧

  • 14歳の子を持つ親たちへ

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    「対談の主題は「14歳の子を持つ親たちへ」である。この主題を選んだのは、名越先生が思春期の子供たちを対象とするクリニックを開いていて、豊富な臨床事例をご存じであること、私もまた「子どもが日本社会の最弱の環であり、社会はそこからほころんでくる」という暗鬱な予見を有していることにもある」

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    2015年06月01日
  • 日本辺境論

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    日本は辺境であり、日本人固有の思考や行動はその辺境性により説明できる。
    中心でなくて、比較をベースに物事を捉える。著者の示唆は、ポジティブな辺境性が失われつつあること。

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    2021年08月21日
  • 街場の共同体論

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    ネタバレ

    本の途中に出てくる教育の話を読んでいて、個人の能力は上がってきているんだから、これからは「情報をキュレートしていく力」と「こじつける力」が大切になりそうというのをやっぱり考えた。
    最後の師弟の話もまぁまぁ面白かった。学び方を学ぶ姿勢を学ぶと。これから学ぶことは、自分の今の物差しではわからないことなので、新たな物差しを自分で作り出していくこと。そういうことをしていくこと。学びはまさにそうだなぁと思った。最近修士論文を書いているとまさにそう思う。勉強することの意味が新しい物差しの芽吹きに気づいて、トントンと作り出していくことであると思っていたところだ。

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    2015年05月11日
  • 邪悪なものの鎮め方

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    一部しか読んでいないが…「学ぶこと」について素敵な考え方があったので、紹介。

    「なぜ学ぶのか?」
    ▶「何の役に立つのか今は言えないが、いずれ役に立ちそうな気がするもの」に反応する能力の有無が生死にかかわることがある。
    ▶知的パフォーマンスが爆発的に向上するのは、「その有用性が理解できないものについて、これまで誰もが気づかなかった、それが蔵している潜在的な有用性」を見出そうとして作動するときである。学ぶことで自分が何を探しているかわからないときに、自分が要るものを探し当てる能力を養う。
    ▶「これはそのうち何かの役に立つかもしれない」というのは、「これ」の側の問題ではなく、実は「私」の側の問題だ

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    2015年05月11日
  • 女は何を欲望するか?

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    フェミニズムはマルクシズムと同様、「理論の過剰適用」によって人びとの支持を失うことになったと著者は考えます。「フェミニズム言語論」と題された本書の第1部では、ショシャナ・フェルマンというフェミニズム文学批評の研究者の仕事などを参照しながら、フェミニズムの観点からテクストを裁く態度は、テクストという場において他者との出会いを待ち受ける姿勢からは程遠いものだということを論じています。

    「フェミニズム映画論」と題された第2部は、著者の十八番ともいうべき『エイリアン』分析が展開されています。『エイリアン』の中に込められた性的メタファーを読み解きつつ、ジェンダーにまつわる人びとの無意識の反映を「発見」

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    2015年04月25日
  • 大人のいない国

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    ともに柔軟な哲学的思考の実践者として有名な、内田樹と鷲田清一の対談と、二人の論考を収録している本です。

    内田も鷲田も、身体感覚と他者感覚を重視する点では同じような立場に立っていると言えるでしょうが、内田に比べると鷲田の議論には制度論的な視角が目立たないような気がします。その意味では、「大人のいない国」という表題は、どちらかと言えば内田がこれまであつかってきたテーマに寄っている印象を受けます。

    ただそのことは、内田の立場の優れているところであると同時に、他者感覚の重視が共同体論へとスムーズにつながってしまう彼の議論の危うさを含んでいるのではないかという気がしないでもありません。

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    2015年04月22日
  • 街場のアメリカ論

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    日本のナショナル・アイデンティティは、「アメリカにとって自分は何者であるのか」という問いをめぐって構築されてきたという観点から、日米関係について考察をおこなっています。さらに、ファスト・フードや戦争、児童虐待、訴訟社会、キリスト教といったテーマを取り上げ、アメリカという国家のあり方を解き明かそうとしています。

    いつから内田樹は岸田秀になってしまったのか、と言いたくなるような、精神分析的な観点からのアメリカ社会の考察が展開されています。個々の議論ではおもしろいところも多々あったのですが、全体の枠組みについていけないところもあります。これまで著者に対して共感するところも多かっただけに、ちょっと残

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    2015年04月21日
  • 修業論

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    道場は楽屋であり、道場の外が舞台

    武道の目的は強くなることより、弱さを小さくすること

    日々の生活が稽古になる生き方

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    2015年03月22日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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     2014年6月、テロ組織ISILの指導者がイスラム教の指導者であるカリフに就任して、カリフ制を復活させることを宣言した。この事件より前からイスラム学者の中田考氏がカリフ制の再興を訴えていたと知り、本書を手に取ってみた。
     本書はユダヤ哲学の研究者でもある内田樹氏との対談をまとめたものであるが、前半は内田氏の視点からの比較文化論やグローバリゼーションへの警鐘が中心で、中田氏の視点からの中東情勢分析、イスラム的世界観は後半に述べられている。興味深いのはやはり後半の方で、現代にカリフ制を再興させる意義については、なるほどと考えさせられるところはある。しかし、この本の内容だけで何かを判断できるほどで

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    2015年03月14日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    イスラム教や現在取り巻いてる世界情勢に関して関心を持って理解していく事で少しは何か自分に出来ることの糸口が見つかるのではと思う。この本で今まで知らなかった基本的なイスラム教について理解できたので、更に知識を深めていきたい。

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    2015年02月22日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    下の弟に薦められ読んでみる。

    思想家、内田樹氏とイスラーム学者中田氏との対談。

    殆どイスラームの事を知らなかったので勉強になる。
    アメリカの世界戦略は、すでに国家を形成している非イスラーム圏に対してはグローバル化を進め、国民国家を解体する方向で圧力をかける、元々遊牧民で国、自分の領土と言う概念が薄いイスラーム圏に対しては逆に国民国家を強化し規制しやすい体制に持っていこうとしている。と言う意見は面白いが、イスラームの中でも利権に目が眩みまた宗派の違い、自己利益の為に資本主義に同調するものもいる。現在の混乱をアメリカのせいにしているように聞こえるが、イスラームの中でも団結して資本主義にNOと言

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    2015年02月19日
  • ぼくの住まい論

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    大学教授であり合気道の師範でもある著者が、パブリックな道場件住宅「凱風館」を建てるまでの経緯や設計や施工を進めていく中での思考、気づきなどや発見などを綴っている。
    人との繋がり、空間に対する考え方はとても楽しく共感できたけど、建築を学んできた者からすると、もう少し凱風館そのものの空間が詳しく紹介されているともっと面白かったと思う。設計した建築家も、凱風館について著書を出してるみたいなので、機会があったら読んでみたい。

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    2015年02月19日
  • ぼくの住まい論

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    ネタバレ

     内田樹が自宅を作るまで。
     もともと戸建住宅を建てる気はなかったが、合気道の道場を作りたいとの思いから、一階は道場、二階は住宅という変則的な自宅を建てる。

     美山で育った杉の木、左官職人に瓦職人、そして設計は新米設計士。

     人が集まる理想の家を作る。

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    2015年02月02日
  • 健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体

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    内田樹と春日武彦の対談です。おおむね内田のほうが春日の専門領域にアクセスを図りつつみずからの思想を語っているという印象です。

    精神の病に逃げ込むことで「低値安定」してしまう人びとが増えていることへの危惧が語られ、身体に基づく知の衰えを嘆くなど、かなり思いきった発言が飛び交っていて、刺激的な議論でした。

    春日の著書にはかなり「とんがった」言葉が散見されるのですが、本書ではむしろ内田のラディカルさがストレートに出ている印象です。内田にしてはややバランスを欠いているような気もするのですが、こういう思いきった言葉が聞けるのも、対談本の醍醐味かもしれません。

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    2017年12月23日
  • 呪いの時代

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    中盤までは、様々な社会的問題を取り上げ著者なりの切り口で解説しており非常に面白い。
    後半、思想本になってしまい残念。

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    2015年01月03日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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    二人が漫画の進化についてや今後について語る対談本。描き手側の話や熱心なファンの話が多いので、多数のリーダーにとってはなんとなくしか分からない部分があるかもしれません。
    マンガの凄さについて知るには作家さんに聞くのが正しいため,その点でいい本です。

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    2014年12月24日
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)

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     成績をつけるシーズンに、成績をつけ終わった解放感から、本屋に行き本を買ったんですが、


    なんでこの本を買ったかって、
    授業で漫画をやってるから。


    頭の中は学校のことでいっぱい。


    最近の漫画って、線がきれいすぎて、読みごたえのないものが多い気がする。
     それって、パソコンで描かれてるとかそういう理由からかなぁ、なんて思った。

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    2014年12月13日
  • 修業論

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    内田樹さんが修行・修練について哲学を述べています。
    自分は哲学のコトはよく分かりませんが、文章からは修行への心構えのような、また気休めのような印象を受けます。
    読みやすいのですが、分かりやすいか?と問われれば返答に困る一冊です。

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    2014年11月06日
  • 街場の共同体論

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    日本の教育予算の対GDP比でのOECD調査では、世界最低レベルにあることを知りました。子供たちが、大人を見るときに、無意識のうちになんとなく年収で値踏みするようになっていることを知りました。お金はたくさんあるに越したことはないのですが、お金だけあっても必ずしも幸せな人生が送れるわけではないことを子供たちに分かってもらう努力を大人の私たちが身をもって示さないと駄目なのでしょうね。とても難しいことですが。

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    2014年11月03日
  • ためらいの倫理学 戦争・性・物語

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    なるほどーと思う部分もあれば、よくわからん!っていう部分もあり。
    ぼやぼやしながら読んでました。
    もっと大人になったらもう一回読んでみようかな。

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    2014年11月01日