内田樹のレビュー一覧

  • 日本霊性論

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    禅は修行者に人間の世界が混沌から分離して成立するその生成の瞬間に立ち戻ることを要求する。人類が言葉によって世界を分節し世界が立ち上がる瞬間まで遡航することを要求する。無門慧開はその人間世界の極北での経験を啞子の夢を得るが如くと書き遺す。

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    2015年11月19日
  • 価値観再生道場 本当の大人の作法

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    雑誌「ダ・ヴィンチ」での対談を書籍化した第二弾。三者三様のキャラクターで語る「大人の知的作法」。名越さんが終始興奮気味なのが微笑ましい。「ウチダ先生、こうですよね!?」みたいに食いつくと橋口さんが「それは、こういうこともありますよね」と落ち着いて受け、内田先生が「それはつまりね」と締める。あたたかい関係性が心地よい。いつもの内田節をちょっと軽やかに薄めた、ドリンカブルなライトビールのような一冊。とはいえしっかりとしたボディも感じます。

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    2015年10月27日
  • 街場の憂国論

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    民主主義における意見の多様性を担保し,それぞれの考えを聞く力の大切さを実感した。
    自分から遠いことは理解も判断も難しく,大切な理解と判断は大きな流れに身を任せがちである。大きな流れも瞬間瞬間の判断と決定によって形成されていくことを考えると,自分の芯の部分に価値観の軸の確立は大切なことだなぁ。
    近視眼的,経済的な視点に陥りがちな世間や自分の目をメタレベルで認識し直すためにはメタレベルの意見に触れる,オルタナティブな意見に触れることが第一歩だろう。

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    2015年10月09日
  • 14歳の子を持つ親たちへ

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    かなり前に購入したものの放置していたが、シルバーウィークを前に積ん読本がなくなったので手に取った。やっぱり内田樹先生はいいわー。思いは言葉で表しきれないとか、子供を完全には理解できないとか、するする身体に入ってきます。対談本のためか本を閉じたあとも心に残ることはなかったけれど、たまにはこんな本もいいんじゃないでしょうか。

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    2015年09月20日
  • ぼくらの身体修行論

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    体つき体の動かし方に生活や考えが反映されている。
    考えずに動く体。考えていては遅くなる。数値化しにくいもの。

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    2015年09月15日
  • 街場のマンガ論

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    純粋にマンガ論の部分を読み、作者の思想漂う生臭い政治の話やアメリカ・中国論が出てきたら飛ばせば良し。

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    2015年09月03日
  • 街場の共同体論

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    家族や教育、コミュニケーションなど、日本社会や日本人について語った本。
    人が幼児化し、非常識になり、「当たり前のこと」が通じない世の中になりつつあって、ちょっと落ち着いて世の中についてゆっくり考えてみましょう的な本。
    これまでの著者の本を簡潔にまとめたような内容でした。
    著者の本をまだ読んだことがない人には、お薦めします。

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    2015年08月16日
  • こんな日本でよかったね 構造主義的日本論

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    著者がブログに掲載した文章をまとめた本です。

    著者のブログは、コピー・フリー、転載フリー、盗用フリーを謳っています。それは、ブログに発表された考えを一人の主体性を持ったパーソンに帰することはできないという立場を、著者が採っているためです。そしてこうした立場の基礎は、「人間が語るときにその中で語っているのは他者であり、人間が何かをしているときその行動を律しているのは主体性ではなく構造である」という、フランス現代思想の構造主義の考え方があります。

    本書で取り上げられているさまざまなテーマも、こうした構造主義の立場から現代の世相を見たとき、どのような光景が映るのか、というものになっています。とく

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    2015年06月09日
  • 14歳の子を持つ親たちへ

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    「対談の主題は「14歳の子を持つ親たちへ」である。この主題を選んだのは、名越先生が思春期の子供たちを対象とするクリニックを開いていて、豊富な臨床事例をご存じであること、私もまた「子どもが日本社会の最弱の環であり、社会はそこからほころんでくる」という暗鬱な予見を有していることにもある」

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    2015年06月01日
  • 日本辺境論

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    日本は辺境であり、日本人固有の思考や行動はその辺境性により説明できる。
    中心でなくて、比較をベースに物事を捉える。著者の示唆は、ポジティブな辺境性が失われつつあること。

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    2021年08月21日
  • 街場の共同体論

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    ネタバレ

    本の途中に出てくる教育の話を読んでいて、個人の能力は上がってきているんだから、これからは「情報をキュレートしていく力」と「こじつける力」が大切になりそうというのをやっぱり考えた。
    最後の師弟の話もまぁまぁ面白かった。学び方を学ぶ姿勢を学ぶと。これから学ぶことは、自分の今の物差しではわからないことなので、新たな物差しを自分で作り出していくこと。そういうことをしていくこと。学びはまさにそうだなぁと思った。最近修士論文を書いているとまさにそう思う。勉強することの意味が新しい物差しの芽吹きに気づいて、トントンと作り出していくことであると思っていたところだ。

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    2015年05月11日
  • 邪悪なものの鎮め方

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    一部しか読んでいないが…「学ぶこと」について素敵な考え方があったので、紹介。

    「なぜ学ぶのか?」
    ▶「何の役に立つのか今は言えないが、いずれ役に立ちそうな気がするもの」に反応する能力の有無が生死にかかわることがある。
    ▶知的パフォーマンスが爆発的に向上するのは、「その有用性が理解できないものについて、これまで誰もが気づかなかった、それが蔵している潜在的な有用性」を見出そうとして作動するときである。学ぶことで自分が何を探しているかわからないときに、自分が要るものを探し当てる能力を養う。
    ▶「これはそのうち何かの役に立つかもしれない」というのは、「これ」の側の問題ではなく、実は「私」の側の問題だ

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    2015年05月11日
  • 女は何を欲望するか?

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    フェミニズムはマルクシズムと同様、「理論の過剰適用」によって人びとの支持を失うことになったと著者は考えます。「フェミニズム言語論」と題された本書の第1部では、ショシャナ・フェルマンというフェミニズム文学批評の研究者の仕事などを参照しながら、フェミニズムの観点からテクストを裁く態度は、テクストという場において他者との出会いを待ち受ける姿勢からは程遠いものだということを論じています。

    「フェミニズム映画論」と題された第2部は、著者の十八番ともいうべき『エイリアン』分析が展開されています。『エイリアン』の中に込められた性的メタファーを読み解きつつ、ジェンダーにまつわる人びとの無意識の反映を「発見」

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    2015年04月25日
  • 大人のいない国

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    ともに柔軟な哲学的思考の実践者として有名な、内田樹と鷲田清一の対談と、二人の論考を収録している本です。

    内田も鷲田も、身体感覚と他者感覚を重視する点では同じような立場に立っていると言えるでしょうが、内田に比べると鷲田の議論には制度論的な視角が目立たないような気がします。その意味では、「大人のいない国」という表題は、どちらかと言えば内田がこれまであつかってきたテーマに寄っている印象を受けます。

    ただそのことは、内田の立場の優れているところであると同時に、他者感覚の重視が共同体論へとスムーズにつながってしまう彼の議論の危うさを含んでいるのではないかという気がしないでもありません。

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    2015年04月22日
  • 街場のアメリカ論

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    日本のナショナル・アイデンティティは、「アメリカにとって自分は何者であるのか」という問いをめぐって構築されてきたという観点から、日米関係について考察をおこなっています。さらに、ファスト・フードや戦争、児童虐待、訴訟社会、キリスト教といったテーマを取り上げ、アメリカという国家のあり方を解き明かそうとしています。

    いつから内田樹は岸田秀になってしまったのか、と言いたくなるような、精神分析的な観点からのアメリカ社会の考察が展開されています。個々の議論ではおもしろいところも多々あったのですが、全体の枠組みについていけないところもあります。これまで著者に対して共感するところも多かっただけに、ちょっと残

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    2015年04月21日
  • 修業論

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    道場は楽屋であり、道場の外が舞台

    武道の目的は強くなることより、弱さを小さくすること

    日々の生活が稽古になる生き方

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    2015年03月22日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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     2014年6月、テロ組織ISILの指導者がイスラム教の指導者であるカリフに就任して、カリフ制を復活させることを宣言した。この事件より前からイスラム学者の中田考氏がカリフ制の再興を訴えていたと知り、本書を手に取ってみた。
     本書はユダヤ哲学の研究者でもある内田樹氏との対談をまとめたものであるが、前半は内田氏の視点からの比較文化論やグローバリゼーションへの警鐘が中心で、中田氏の視点からの中東情勢分析、イスラム的世界観は後半に述べられている。興味深いのはやはり後半の方で、現代にカリフ制を再興させる意義については、なるほどと考えさせられるところはある。しかし、この本の内容だけで何かを判断できるほどで

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    2015年03月14日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    イスラム教や現在取り巻いてる世界情勢に関して関心を持って理解していく事で少しは何か自分に出来ることの糸口が見つかるのではと思う。この本で今まで知らなかった基本的なイスラム教について理解できたので、更に知識を深めていきたい。

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    2015年02月22日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    下の弟に薦められ読んでみる。

    思想家、内田樹氏とイスラーム学者中田氏との対談。

    殆どイスラームの事を知らなかったので勉強になる。
    アメリカの世界戦略は、すでに国家を形成している非イスラーム圏に対してはグローバル化を進め、国民国家を解体する方向で圧力をかける、元々遊牧民で国、自分の領土と言う概念が薄いイスラーム圏に対しては逆に国民国家を強化し規制しやすい体制に持っていこうとしている。と言う意見は面白いが、イスラームの中でも利権に目が眩みまた宗派の違い、自己利益の為に資本主義に同調するものもいる。現在の混乱をアメリカのせいにしているように聞こえるが、イスラームの中でも団結して資本主義にNOと言

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    2015年02月19日
  • ぼくの住まい論

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    大学教授であり合気道の師範でもある著者が、パブリックな道場件住宅「凱風館」を建てるまでの経緯や設計や施工を進めていく中での思考、気づきなどや発見などを綴っている。
    人との繋がり、空間に対する考え方はとても楽しく共感できたけど、建築を学んできた者からすると、もう少し凱風館そのものの空間が詳しく紹介されているともっと面白かったと思う。設計した建築家も、凱風館について著書を出してるみたいなので、機会があったら読んでみたい。

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    2015年02月19日