内田樹のレビュー一覧
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本書の冒頭に書かれていますが、
現代は「ポスト構造主義」なんだそうです。
それは、構造主義の次に来た時代という意味ではありますが、
構造主義が終わった時代ではないと内田さんは言います。
構造主義の物の見方や考え方があまりに深く我々の生活に浸透した時代のことを
言っているんじゃないのか、と言います。
しかし、そう言われても、構造主義と聞いてピンときません。
というわけで、構造主義を平易な文章で説明してくれているのがこの本です。
まず、構造主義を支えた前史的なものとして、マルクス、フロイト、ニーチェについて。
それから、構造主義の始祖とも言われる、言語学者のソシュールについて。
最後に、構造主義 -
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内田樹さんの対談相手の光岡英稔氏が凄まじい人だということはよくわかった。単に殴ったり蹴ったりすることが強いというだけでなく、山伏や修行僧のような思想面での強さや、どんな状況であれとりあえず生き残るノールールサバイバル強者という印象。
ただし、私の方にその発信を受けとめるだけの強さがないようだ。スゴイ、もっと知りたいと思うより先に、ひぇっと身をすくめてしまう。
とはいえ、幾つかのメッセージは受け取ることができた。
「晴天モデルではなく荒天モデルで準備し行動しよう。」ふむ。
「メソッドに頼ればある程度のところまではいけるが、それより上や想定外には対応できない。」ふ〜む。 -
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ネタバレこの二人って本当に気が合っているのかなあ、という疑問が。
まあ終始穏やかで大人の対談なんだけど。
内田樹はあくまでフィジカルで、
且つ文学者、しかもフランス文学だから、
感覚的なものを信じている。
一方で春日武彦は闇を抱え、
冷静にロジカルに物事を捉えている、
といった印象。
全体的に推す内田樹に対し、
春日武彦は少し引いている。
職業柄そういう話の仕方が癖なのかもしれないけど。
『健全な肉体に狂気は宿る』というタイトルは実にアイキャッチで
私もタイトル買いをしたクチなのだが、
これには私が感じたような文学的意図はなく、
本当に読んだ字のままでした。
なので期待が裏切られたがっかり感も。
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内田樹氏は言う
『アメリカのような国は アメリカ以前には存在しなかった』
ウェルズは アメリカ以前を 『身分の社会』
アメリカ以後を 『契約の社会』と呼んだ。
たしかに アメリカの前に アメリカのような国はなかった。
歴史がない というのは 起源に戻るとしたら
独立宣言 しかないという アメリカの強みは
あらゆる形で 発揮される。
そのために アメリカは 権力の集中を 制度的に
許さない。人間の悪があることを認め それを刷り込んでいる。
日本は どうも 違った国のカタチを作り上げている。
そして 中国は いかに権力を 集中させるかで
国を統治しようとしている。
日本という国は 首相が -
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ブログやその他の既出の文書を集めたものなので、この本でなにか一つの読書についての論を展開しているわけではないです。
ただ書かれていることのいくつかについてはなるほどと思いました。
・学力について
学力とはテストの点のように測定できるものではなく、学ぶ力のこと。すなわち、①無知の自覚、②師を見つけるアンテナ、③師から学びとる開放性
・母語運用能力について
母語運用能力の高さとは、口から出る文章の分岐点の多さであるという話。
・著作権について
著作権によって著作料を得ることと、作品を読者に届けること、どちらが大事なのか?という話。
・論文について
論文の序文は二回、すなわち書く前後に書く。 -
Posted by ブクログ
内田先生のお話が好きなので手にとって見た一冊。
タイトルを見て仏教の入門書だと思うと騙されてしまうので注意が必要。
仏教というテーマを書簡のやり取りという形で語り合うという内容。書簡という体裁はやはり宗教ネタだからか。
中身は内田先生の本らしく放談っぽい形になっていて、あまり厳密に仏教の話にこだわっているわけではない様子。日本における宗教のあり方や世界哲学全般、レヴィナス老師、キリスト教、イスラム教など、話は多岐にわたる。
中々面白かったのだけど、どうも内容が散逸的だったり、実は上下巻でずいぶん中途半端なところで話が途切れていたりと、色々と残念な点が目についた。
下巻は気が向いたら買おうかな