内田樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ブログやその他の既出の文書を集めたものなので、この本でなにか一つの読書についての論を展開しているわけではないです。
ただ書かれていることのいくつかについてはなるほどと思いました。
・学力について
学力とはテストの点のように測定できるものではなく、学ぶ力のこと。すなわち、①無知の自覚、②師を見つけるアンテナ、③師から学びとる開放性
・母語運用能力について
母語運用能力の高さとは、口から出る文章の分岐点の多さであるという話。
・著作権について
著作権によって著作料を得ることと、作品を読者に届けること、どちらが大事なのか?という話。
・論文について
論文の序文は二回、すなわち書く前後に書く。 -
Posted by ブクログ
内田先生のお話が好きなので手にとって見た一冊。
タイトルを見て仏教の入門書だと思うと騙されてしまうので注意が必要。
仏教というテーマを書簡のやり取りという形で語り合うという内容。書簡という体裁はやはり宗教ネタだからか。
中身は内田先生の本らしく放談っぽい形になっていて、あまり厳密に仏教の話にこだわっているわけではない様子。日本における宗教のあり方や世界哲学全般、レヴィナス老師、キリスト教、イスラム教など、話は多岐にわたる。
中々面白かったのだけど、どうも内容が散逸的だったり、実は上下巻でずいぶん中途半端なところで話が途切れていたりと、色々と残念な点が目についた。
下巻は気が向いたら買おうかな -
Posted by ブクログ
(以下引用)
すべてのサラリーマンは自分の給料は不当に安いと思っているが、それは彼らが稼いだ「上前」をはねることで株式配当や設備投資が行われている以上当然のことである。「そんなのイヤだ、稼いだ分だけ稼いだ人間に戻せ」ということになると企業は資金も調達できずシステムの変化に対応できずテクノロジーの進化にも追いつけず、遠からず破産する。(P.32)
同じ食物を分け合うということは、食物が乏しいときには、全員が一様に空腹を感じ、腹をこわすときには全員下痢になるという、ある種の運命共同体を立ち上げることである。同じ元を食べているとそのうち解剖学的組成が似てきて、似たような体型、似たような顔つき、似た -
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Posted by ブクログ
(以下引用)
人生はミスマッチである。私たちは学校の選択を間違え、就職先を間違え、配偶者の選択を間違う。それでも結構幸福に生きることができる。チェーホフの『可愛い女』はどんな配偶者とでもそこそこ幸福になることができる「可愛い女」のキュートな生涯を描いている。チェーホフが看破したとおり、私たちは誰でもどのような環境でもけっこう楽しく暮らせる能力が備わっている。「自分のオリジナルにしてユニークな適性」や「その適性にジャストフィットした仕事」の探求に時間とエネルギーをすり減らす暇があったら「どんな仕事でも楽しくこなせて、どんな相手とでも楽しく暮らせる」汎用性の高い能力の開発に資源を投入する方がはるか