内田樹のレビュー一覧

  • 「おじさん」的思考

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    内容はちょっと難しいので、阿呆な私には理解不能な部分もあったが、四章は面白かった。漱石の小説をこんなふうに解釈する事が出来るのかと、内田樹氏の思考に舌を巻いた。読む方々にとって内田樹氏の存在は、「私」に対する「先生」そのものだと思った。
    またじっくり読みたい一冊。

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    2011年08月21日
  • 「おじさん」的思考

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    内田樹氏の本を読み終えると、不思議なことに『読まねばならない本』が増えている。

    日本人の多くが趣味欄に「読書」と書くが、その実、どのような本をどれくらい読んでいるのかは人によってまちまちだろう。
    僕が読む本の著者はだいたい生きている。
    著者が生きているのでいつのまにか新刊が出る。
    すでにこの世にいない作家の本はこれ以上出ることがない。
    しかし長い年月読まれた本はいろんな人の中を通り、それぞれの解釈が蓄積されていくように感じる。

    『読まねばならない本』が増えていくのは、僕にとって内田樹というフィルターを通して夏目漱石であったりレヴィナスを見ることが心地よいからだ。
    そういう存在を「先生」と呼

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    2011年08月11日
  • 嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト

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    内田センセイがいっていたように、「本文を読んでいる限り、性別も、年齢も、職業も、居住地も、よくわからない。」「共感を呼ぶ物語」が多かった。にナットク。短歌を読んでいるような、シンパシーとワンダーが同居します。アメリカ版(未読ですが)は私の人生に起こったことという印象が残るそうですが、日本版は誰にでも起こりうることと思わせる、みんな同じだねという話を投稿する傾向にあるということを読後に感じます。源一郎さんからは本当のお話をテクニカルに書くことをたしなめるようなコメントに受け取りました。活字にしても本当のお話自体にあるパワーをそのまま伝える!ことの難しさが読後に残ります。

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    2011年07月29日
  • 街場のアメリカ論

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    第一章の、歴史学と系譜学〜日米関係の歴史の読み解き方が面白い。それ以降もファストフード、アメコミ、統治システム、戦争、シリアルキラーなどのキーワードから、アメリカとは?を新しい切り口で見せてくれる。氏のアメリカ民主主義理解のベースとなっているトクヴィルは必読。さっそく探してみよう。

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    2011年06月17日
  • こんな日本でよかったね 構造主義的日本論

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    なんでこれが本棚にあったのかはわからないけど、読んでみたら面白かった。思考の感覚が似ているんだろうな、内田せんせと。
    ま、こちらは商売として、エッセイではなくて結果やデータをださなアカンのが辛いところや。

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    2011年06月03日
  • 武道的思考

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    書きちらし感があるのですが、ときどきなるほど!と即役立つ考え方に遭遇します。合気道の合宿の食べるか寝るか稽古しているかのシンプルな生活には発見が多い。単純な繰り返しの中に昨日との差異を見出す。日々仕事していてぐるぐるまわる頭には、及び腰の政策決定が効き目ありそうです。「何が最適解だかぜんぜんわからないので、とりあえず先送りして、もうちょっと様子を見ることにしました」即決即断=仕事ができたという結果ばかりではなさそうです。

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    2011年03月28日
  • 現代思想のパフォーマンス

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    案内編で紹介、解説編で思想を簡単に解説後、実践編でその思想が活きている作品を取り上げて読み解いている。実践編では例えばソシュールの思想を『不思議の国のアリス』、バルトを映画の『エイリアン』を用いて読み解いているが、この実践編の存在がユニークで成功している。弱冠軽い気もするが、それぞれの思想を一つのツールとして扱うならばこの本のレベルでも十分役に立つと思う。

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    2011年03月12日
  • 14歳の子を持つ親たちへ

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    タイトルからすると、「親」に向けた教育論ということになるのだが、実際にはもう少し話題は広く、家族のことだけでなく、教育やコミュニケーションについて考える、おもしろい対談だった。

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    2011年02月06日
  • 女は何を欲望するか?

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    フェミニズムについて、真面目に語っている。ちょっと難しく馬鹿の私はゆっくり読んだ。前半のフェミニズム言語論は、納得できる部分は少ない(馬鹿なので)が、深く納得できる。面白かった。後半は極めて読みやすくテーマが手頃でよい。論題も全然ちがう。

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    2011年12月31日
  • 身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる

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    うーん。バックラッシュととらえるか、身体を取り戻すと捕らえるかによって評価は分かれると思う。私の立ち位置は微妙。でも、女という生物はこうで、男という生物はこういう役割だから、それに逆らうと・・・・。みたいなことをいわれても、もう頭が困っちゃう。頭を捨てるしかないのか。。

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    2011年09月03日
  • 村上春樹にご用心

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    何よりもまず前書きが面白い。

    はじめに―――
    ノーベル文学賞受賞のヴァーチャル祝辞

    そういう表題の下で、ユニークな前書き文が始まっている。2006年の10月、ノーベル文学賞者発表の前日に、あるマスコミから依頼されて記したというコメントである。村上春樹党の党員としての凛とした筆致がとても印象的である。

    この書こそ世に云う「村上春樹心酔派」の筆頭とも目されている評論家による「村上春樹論」であり、何故に春樹さんは凄いのかということを手を変え品を変えて特異なる緩い筆致で読者を巻き込みながら啓蒙しようという魂胆を(たぶん)隠し持った1冊となっている。

    やはりと云うべきなのだろうか、最も興味を引い

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    2019年01月16日
  • 14歳の子を持つ親たちへ

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    「今の日本の学校教育の現場では、シャイネスはネガティブなものとしてしかみなされない」の発言にドキッ。終わりの方の音楽に関するギャップの話が面白かった。

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    2011年08月03日
  • 村上春樹にご用心

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    村上春樹は小説には「うなぎくん」が必要なのだという。
    作者と読者、そしてうなぎくんの三者協議。

    みんな読者と作家のあいだだけで、ある場合には批評家も入るかもしれないけど、やりとりが行われていて、それで煮詰まっちゃうんですよね。
    でも、3人いると、二人でわからなければ「じゃ、ちょっとうなぎに訊いてみようか」ということになります。するとうなぎが答えてくれるんだけど、おかげで謎がよけいに深まったりする。

    うなぎって、NLPでいうパートとかフォーカシングでいうフェルトセンスみたいなものなのだろうか。

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    2010年10月22日
  • ためらいの倫理学 戦争・性・物語

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    内田先生が戦争、性、物語について語る、初期のブログコンピレーション本。初期の本の方が文章が難しかった。内田先生はあえて苦手な分野のテーマでもこうして思考を巡らせている。やはり考えるって大切だ。
    そして、先生の言う知性というものがわたしも好きだ。「自分の正しさを雄弁に主張することのできる知性よりも、自分の愚かさを吟味できる知性のほうが、私は好きだ」

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    2010年10月01日
  • 態度が悪くてすみません ――内なる「他者」との出会い

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    内田先生が過去に書いたエッセイがいろいろとまとめ?られており、まさに内田樹独壇場。いろんなこと、内田節で文章化していて、自分とは角度が違うことや、へぇと思える思考が満載。
    哲学的な、思考にも触れることができる良本。

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    2010年08月22日
  • 14歳の子を持つ親たちへ

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    いやー、最近は内田樹関連の本しか読んでないな(汗。これからも当分そうかもしれない。

    対話集だし深く考えずさらっと読んだので、特に熱をもってレビューする気もわいてこない。普通に面白かった。大事なことは「距離感」と「肩を張らないこと」かな。別にそんなことを直接言ってるわけではないけど、内田樹はどの本でも一貫してそういう姿勢だから(おっと、何でも「大事なこと」という名のもとまとめてしまうの良くないな)。名越康文は最近流行りの精神科医なんだっけ?雑誌とかでたまに見かける。二人は仲の良い知り合いでした。

    対話集独特の、相手を肯定しあいながら対話が進む雰囲気(それが対話の基本的な文法なんだろうか)がイ

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    2010年08月02日
  • 14歳の子を持つ親たちへ

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    家族での対話の基本は生理的な快の提供と不快の除去にある。
    コミュニケーション受信感度の高い人は出世する。

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    2010年07月25日
  • 健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体

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    [ 内容 ]
    生きづらさを、晴れやかに解き放つヒント。
    「閉じられた心の世界」を打ち破る精神科医と、「身体からの信号」に耳を澄ます仏文学者の説教ライブ。

    [ 目次 ]
    第1章 世代論に逃げこむな
    第2章 「自分探し」はもうやめよう
    第3章 人間は、わかり合えっこない
    第4章 個性とこだわり幻想
    第5章 健全な肉体に狂気は宿る
    第6章 まずは身体に訊け

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    共感度(空振り三振・一部・参っ

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    2010年06月30日
  • 女は何を欲望するか?

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    極端なフェミニズムには論理的な矛盾があることを、言語論、読者論といった視点から指摘。映画のところはわかりやすかったが、言語の部分は少々難しかった。

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    2010年04月17日
  • こんな日本でよかったね 構造主義的日本論

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    読んでいて、思わずふむふむと納得してしまう論の進め方が見事だと思った。
    本当に気をつけてないと、本当にそうか?という視点を持てず、「読まれて」しまう。

    しかし、我が意を得たりと思った部分があった。
    みんな古典を読もうぜ。
    +++++
    (読書上のアドバイスを聞かれて)
    できるだけ今の自分と生きた時代も生きた場所も縁の遠い人間の書いた本を読むこと。
    世界観も宗教も感受性も身体感覚も、まるで違う人のものを読んで、それにぶるぶるっと共振するものが自分の中に見出せたら、その震えは「人間にとってかなり汎通性の高いもの」だということである。
    ある種の書物が歴史の風雪に耐えて何百年、何千年と生き残ってきたも

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    2010年03月07日