内田樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内田樹先生の本の読み方にはコツがある。
真面目に論を追わない
信じすぎない
楽しむ
である。
私が内田先生の本を数十年手に取っているのは、
いつも同じことを言っている
からである。
日本や世界でさまざまな出来事が起こっても新しいテクノロジーがでてきても
いつも同じことを言っている
のである。
さまざまな出来事に揺さぶられ、新しいテクノロジーを持て余してしまう自分には、変わらぬ内田先生を確認することで、自分の頭をマッサージしているのである。
もっと自由に考えて行動していいんだよ
本書のメッセージはまさにいつも内田先生が繰り返していること。
今回の内田節はウスビ•サコ先生ともうまくマッチ(時 -
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Posted by ブクログ
斎藤幸平さんの名前があったので読んでみた。
一番心に残ったのは平川克美さんの文章だろうか。会社勤めするようになって当たり前のように見聞きしてきた経済合理性。原価を絞り、無駄を排除して、より低価格の製品を提供する。お客様の要望に応え、お客様が期待する以上の価値を生み出すこと。製造業をはじめ、経済はそのようにして成長するものだと思っていた。
しかし、現在は総供給が総需要を上回っている状態。必要ないものを売るための広告やマーケティングなど、ブルシットジョブ(この本で言及してる人の多いこと!)が蔓延し、限られた利潤を確保するために「集中と選択」という言葉に現れるように、偏った資源配分をし、競争優位性の -
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撤退論 内田樹編 晶文社
歴史のパラダイム転換に向けて
題名に惹かれて手に取ってみたけれど
前書きを読んで学者の限界を感じた
まず仲間内で先生と呼び合うのをやめてからにしてほしい
少子化がいけないと決めつけてからの話では
答えが出ないだろう
問題は噂されている
権力を振りかざしている側の都合で
少子化を作り出して不安をばらまいていることの真偽を
確かめることが前提だろう
識者とされた多くの人が原稿を寄せた中で
唯一面白く読ませてもらったのは
『個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か』
というタイトル始まるお話だ
広い目線で現代文明が陥っている
物質至上主義の問題の急所を捉えている
いやも -
Posted by ブクログ
内田樹さんとえらいてんちょう(矢内氏)との対談。 矢内さんの生い立ちから社会まで。 矢口さんは全共闘マルクス主義の家庭に育ち、一般人とは全く違う人生を歩んできた。 社会への関心は子供の頃からあったらしい。 小さなビジネスを次々と立ち上げて、社会で暮らす人たちを応援している。対談内容は、ビジネス資本主義、共同体、教育や福祉、宗教、YouTube、将来の日本アジアのあり方など。 内田さんの対談集は、話があちこちに飛んで面白い話も多いけれど、読み終わるとあまり記憶に残っていない。この本もそんな感じ。タイトルと中身が合っていないように思う。
内容をざっくり知りたいなら、目次を見れば良い。 対談は面白い -
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お二人のマルクス本に対するスタンスの違いを、如実に感じるものでした。僕が最も違いを感じたのは誤解という言葉でした。石川先生はこの言葉を多く用いていた印象を持ちました。
歴史や社会などのコンテクストの中のマルクス理論に価値を置くのか、活動の背景としてのマルクス理論それ自体に価値を置くのかと単純化して理解しました。マルクス理論自体が行動の根拠となる場合に、理論を崩さないこと自体が大事な世界なのかなと、想像し興味深かったです。内田先生の返答はとても興味深いです。あと、先行はやりづらそうです。ユダヤ人関連の反論は成立してたのか、僕には難しかったです。
誰を相手として想定した文章なのかに最初に言及してい -
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東日本大震災前後の時事対談たが、あまりにも状況が変わってなくて驚く。
震災後は日本は変わる、変わらねばと言っていたが、その後の安倍政権の下、そのままの状況が続き、深化しただけだったのか。
この本で評価されているシールズなど影も形もなく、ローンウルフ型犯罪ばかりが目につく。父がいなくなったと盛んに言っているが、安倍氏はとても父というタイプではなかったが、その戯画化または代用だったのか。
維新の会も伸びは止まったが、維新と安倍は同根だし、トランプ型の大きなうねりの一つの流れ。明らかにグローバル化にストップはかかり、ローカルになってきたが、内田や高橋の予想や希望とは異なる方向と思う。 -
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1章 日本人は辺境人
・日本人には、世界標準の制定力がない。それは、自分の行動を裏付けする価値観を自分の中に持ち合わせておらず、外部にしか求めることだできないからである。これ自体は、国の誕生物語を持たないこと、そして古来から「中華」に対して「辺境」の立場として、相対的な価値観に準じて国を発展させてきたからである。よって、日本は何かを目標としてそれにキャッチアップすること、模倣することには類いまれなる才能を発揮するが、主体的に価値観を生み出し他国をリードしていくことはやったこともなく出来もしない。だからこそ、主体性を発揮する訓練をしよう!ではなく、特異的な「日本人の辺境性」を生かす方策を考えるべ -