内田樹のレビュー一覧
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(以下引用)
このような条項が入っているのは独立戦争のときにアメリカには正規軍が整備されていなかったことが理由にあります。国家的独立を守るためには市民全員が武装しなければ間に合わないという状況的要請があって、市民の武装はむしろ国家の側から懇請されたのです。その結果、アメリカでは二億二千二百万の銃が民間に存在し、毎年二万人が銃で殺されるという銃大国になっていますが、それはまた別の話です。(P.156)
訴訟に至らないまでも、大学にクレームをつけてくる親の数は年々急増しています。これは大学人としての言い分ですが、それほどに大学の教育サービスの質が落ちたとは思いません。むしろ、トラブルが起きた時に -
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日本人の「嘘みたいな本当の話」を集めることで、日本とは何かを見出そうとした、日本版ナショナル・ストーリープロジェクト。
収録されているそれぞれのストーリーももちろん面白いのだけれども、それ以上に内田樹氏の解説と、最後の批評的対談が面白い。
ポール・オースターのナショナル・ストーリー・プロジェクトでは、その人独自の社会・文化的背景を持つ個人が、それぞれのストーリーの中から浮かび上がってきたのに対し、本書の中で紹介されている日本人たちのストーリーは、ほとんど同じ形式を持ち、他の人にも共感してもらえること=「あるある!」と共感を持って読んでもらえるようなストーリー。
このことは、本書に収録されてい -
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街場の中国論からアメリカ論を続けて読みました。数年前のアメリカ論ですが、今でも読んで損はない内容でした。
アメリカンドリーム
This is America
アメリカのイメージっていつも強気で夢が叶うようで、自由で・・・そんなイメージのアメリカと、その中に囚われたアメリカ病が凄く納得できました。
「アメリカは初めから夢の国である」という考えがまさに全てだと感じました。アメリカに対する期待はアメリカが出来てからずーーっと、(アメリカ人だってもそうじゃない人も)変わらないんだね。
現状、覇権国家として、先進国として今までのアメリカのイメージが崩れてきた今だからこそ、この本の内容がすっとはいり -
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キャリア教育の抱える問題点は、
著者がいろんなとこに書いているけれど、
教育現場は実学を教える場所ではない、
というのは一貫した主張であるし、わたしもそう思う。
キャリア教育や教育ビジネスが間違っているのは、
教育が本来担っている「社会の成員を育成する」
ということをまったく勘定に入れずに、
個人主義や市場原理主義のアポリアに陥っているところである。
そもそも市場原理は、
ある条件のもと個人の利益を最大化するように市場に参加する人々が振る舞えば、
結果的に公共の利益にもなる、
という考えである(たぶん)。
しかし現在は「長期的に見る」という点がすっぽり抜け落ちてい -
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例によって、なるほどと納得する快感を味わった。線を引いた箇所の抜き書きだけ読み返すと、普通のことしか言っていないみたいですが、そこにもっていく展開に説得力があり、エンタメ的サービス精神にもあふれています。以下、ページ数はすべてバジリコ刊の単行本のページ数。
「格差社会」というのは、格差が拡大し、固定化した社会というよりはむしろ、金の全能性が過大評価されたせいで人間を序列化する基準として金以外のものさしがなくなった社会のことではないのか。(111ページ)
法規と現実のあいだに齟齬があるときには、「事情のわかった大人」が弾力的に法規を解釈することは決して悪いことではない(中略)
だが、 -
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体はなんでも知っている、直感に従おう、頭でばかり考えないで直感を磨こう、というような本。
いいから黙って結婚しなさい、そして黙って子供を産みなさい、子育ての間は細々と仕事して、早く子育てを終えたらまたバリバリ働けばいい、というようなお話を、民話やらなんかで裏づけしながら話す対談集でした。
結婚は誰としたって結局同じだ、とか、批判を浴びそうなこともたくさん書いてあったけど、面白かった。私も割りとそう思う(夫よ、ごめん)。
内田先生は男性なのに、父子家庭で子育ての時期は仕事は細々とつないでいたそうな。こんな男性は珍しいよね。子育てガッツリしてたからこその感性というのもあるのだろうなーと思った。 -
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出産は得なのだそうだ。
子供を産むと、
母親自身の身体的・知的ポテンシャルは向上するし、
子育ての過程で人間的に成長できるし、
社会的パフォーマンスも上がる。
けれども実際の行政の出産育児を「支援する」という発想は、
「出産は苦痛で育児は苦役」というネガティブな前提でもって語られているため、
まったくインセンティブにはならない。
ふむ、納得できる。
たぶん結婚もそうなのだろう。
結婚は社会的にも人間的にも大きな効用がある。
うーん。
結婚とか恋愛について、
なんか色々考えがめぐるけれど言葉にならないなぁ。
また後で考えるか。
「知性は情緒の豊かさ」と -
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本書は、「国内文壇であれほどまでに憎まれ孤立している村上春樹が、なぜ世界中で読まれ絶賛されているか」について解明しようとするものである。
ただ、この本はその目的のために書き下ろしたのではなく、気がつけば溜まっていた「村上春樹に関する文章」を拾い集めてみたというものなのでまとまりはない。
いうなれば、村上春樹に関する雑文集のようなものだ。
村上春樹に関する疑問のその一は、「なぜ村上春樹が国内批評家や作家から憎まれるのか」である。純文学を気取る批評家たちに特に嫌われるのだ。かの大作家の強い反対で彼に芥川賞が与えられなかったのは、つとに有名な話だ。
この答えは簡単で単純だ。そりゃ嫉妬をおいて他にな -
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Posted by ブクログ
大学を取り巻く教育(研究も少し含めて)の問題の本質を示してくれている。
中にはわたしが学んだ大学のマーケティングと相容れない説も多く説かれている。マーケティングはアメリカ起源の概念であるのに対し、内田教授はヨーロッパの大学事情に親しいというところからくるものかもしれない。
「メディアで発言する人たちも、大学を企業と同一視して、マーケットに選択されなければ、大学は粛々と退場しなければならないと簡単に言い切ってしまっている。だが、一般の企業と大学は成立の歴史的経緯も違うし、担っている社会的機能も違う。それを企業と同じルールで律するところに無理がある。」(p.278)
社会的な役割とか、大学なら -