内田樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカという国は独特だなあ。どう考えても礼讃できるような国ではないよなあ…と疑問を抱いて久しい。でもそういうことあんまり言えない。
その上、わたしは日本でその国の言語を教える人になろうとしている不思議。英語=アメリカでは決してないのだけれど。
もっと事実を反映した、クールなアメリカ観を持たなくてはいけないなと思う。
「第6章 子供嫌いの文化―児童虐待の話」は最近読んだ中で1番怖いと思う文章だった。「子どもはかわいい」と思えない文化ってどうなっているの。ぞっとする。弱者にやさしくなれない社会は破綻するのが目に見えている。
「第4章 上が変でも大丈夫―アメリカの統治システム」はすごく腑に落ち -
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Posted by ブクログ
ネタバレこのところ結構ヘビーローテーションで読んでいる内田教授のエッセイ(というのだろうか?)集。
ブログや、あちこちの雑誌などからのオファーに応えて書いた文章、書評などを一冊の書籍にしたもの。全体にテーマらしきものは、見当たらず、あえて言えば「内田樹の書いた様々なもの」というまとまり。
それでも売りものになってしまうのだから、「内田樹」に相当の価値がある、という他ない感じです。ある種アイドルと同じ扱いですね。ニッポン現代思想界のアイドル、ってw。
それはさておき、内田先生の文章は、集中力を高めて読まないと頭に入ってきません。それでも、集中力を切らさずに読み解けば、そこに表現されている内容は、と -
Posted by ブクログ
正直に言うと、内容はよく分からなかった。
内田樹が出した最初の単行本という体だったが、「やはり学者だったのか」という感想。笑
彼のガチな評論というものを初めて読んだ気さえする。
普段の至極わかりやすい文章に比べ、難しい引用や術語が多く難解だが、それでも部分的に分かる箇所を拾えば十分に楽しめる。
なぜか彼の文章は、分からなくてもストレスなく読み続けられてしまう。不思議である。
そして、何か頭がよくなった気がしてしまう。非常に不思議である。
最後のカミュ論のところで、殺人の是非について書いてあったのが少し面白かったかな。
あとは難しかったけど、内田樹ファンとしてその処女作を読む経験はしてお -
Posted by ブクログ
ネタバレ筆者はアメリカの専門家ではない。
しかし、だからなのか非常に興味深い視点で書かれている。
また、この書をトクヴィルに向けて書いたと主張し、
アメリカの本質、すなわち不変なものを直視しようとする。
特に興味深かったのは、アメリカが反知性主義に基づくという
もの。筆者によるとアメリカは建国時=「完成系」として
理想のままに生まれたので、
いかに理想を崩さないかが焦点だと言います。
そのため、アホな指導者によってその理想が崩れないように、
政治システムは、権力の集中を防ぐものになっており、
当初は少数の宗教指導者に導かれる事を想定していたが、
西漸運動の過程の大覚醒運動で、
政治参加者が拡大した -
Posted by ブクログ
教育に関することいろいろ。しかし教育に限ったものでもないし、14歳の子を持つ親に限ったものでもない。誰が読んでも、胸がざわつくところがあるだろうと思う。
うちの長女は公立中に行く予定。子も親も多様な方がいいと思って(&他にもいろいろ思って)の選択である。だから「均質性の高い集団は非常にストレスフル」というくだりを読んだときは、「やっぱり公立、公立。」と思った。が、そんな風に思うこと自体、少し気が弱くなっているのではないかという気がする。自信を持って選択しているはずなのだが。「へえ、受験しないの?まあ女の子だからね。」などと言われて、ちょっと動揺しているようだ。いろいろな意味で不本意…。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
最も「態度の悪い」哲学者が贈る知のエクササイズ!!
知的興奮のありかを探る。
[ 目次 ]
第1章 コミュニケーションの作法
第2章 身体は知っている
第3章 社会システムの盲点
第4章 出会いとご縁
第5章 作品からの「呼び声」
第6章 メメント・モリ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
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Posted by ブクログ
大学人が運営や学生の質についてこんな風に発信するのは珍しいのではないか。とても興味深く、おもしろく読んだ。学術論文に関するあたりは、できれば学生の頃に読んでおきたかったと思う(当時はまだ書かれていなかったが)。でも、読んでもわからなかったかも。自分がどれほど漫然と大学に通っていたかを思い出して、ちょっと(かなり)がっかりしてしまう。
著者の持論である大学ダウンサイジング論には、全面的に賛成だ。定員を減らすだけでなく、たとえ定員内でも、一定のレベルに達しない受験生は足切りしちゃえばいいのに、とも思う。
が、これもムスメたちがまだまだ受験年齢ではないから抱ける感想なのかもしれない。長女が高3くらい -
Posted by ブクログ
名越康文さんは面白い先生だと思っていたけれど、それよりタイトルにぐっときました。14歳近い思春期まっさかりの娘たちのことを、もっとわかりたいと思って読み始めたけれど、彼女たちの理解というより自分自身を振り返ることになりました。
そのするどい洞察にはうなるばかり。
曰く、経済的な意味での二極化より深刻なのは知的な「利口組」「バカ組」の二極化。
曰く、オバサンの真実は情緒が小学校5、6年生か中学2年生で止まっている女性たちのこと。だから情緒の使い方が非常に粗雑で、「むかつく」と「かわいい」しかいえない。
親というのは役割である。ルーティンというのは植木鉢の土。
子育ては個(自分)育てと、改めて考え