三浦しをんのレビュー一覧
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社史編纂室という会社でも地味な部署。そこに集まる人々も左遷(?)されたような個性的な面々。
主人公は同人誌でBLの小説を書いている川田幸代29才。仕事は真面目に取り組んでいるので社史の完成遅れを気にしている。会社の歴史を掘り起こしているうちに会社の暗部に触れる。そして進めて行くうちに、幸代に脅迫状が届くなどミステリーの様相。
テンポ良く進むはずが、途中で差し込まれる幸代のBLの小説、課長の訳のわからない自伝、元常務と幸代の南国の小説など混乱させてくる。暗部の筋に関係あるような無いような展開。一度も出てこない部長が最後に現れたり、ウルトラCで暗部を曝け出した編纂室メンバーへの処分も不思議な結果。最後までよくわからない内容だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ往復書簡の形式で進むお話というのがとても新鮮でおもしろかった。本当にこれだけで長編小説が成り立ってしまうのね…
一方からの手紙が続く様だけでここまで「語れる」とは、小説家って本当にすごいなと思った。
登場人物は二人ともお嬢様って感じ。
ののは一般家庭ではあるものの、通ってる学校がお嬢様学校だからだろうか。
小説全体を通して、二人の学生時代から大人になるまでが描かれており、物語の壮大さとしては、『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』(ガブリエル・セヴィン)にも似ている。人間の人生をまるっと読んだような感覚。
特に学生時代の、友達以上恋人未満のような秘密を含んだ甘い雰囲気は、とてもキュートでかわいらしい。また、大人になってからのやり取りにも二人らしさが詰まっていて、年上の二人にも関わらず「大人になったねぇ」と感慨深くなってしまう。
一方で終わり方はちょっとあっさりめで、やや消化不良感あり。恋愛小説とはこういうものなのか?
どこかでまた巡り合い、素敵な関係を続けていってほしいなぁ、と未来に思いを馳せてしまった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ軽快で明るく、ひたむきな作品の印象がある三浦しをんさんが、こういう小説も書くのかと少し驚いた。けれども確かに、小説やエッセイにおいて、心情の核のようなものを常にまっすぐ捉えているしをんさん
だから、われわれ人間の裡にぽっかり空いた空虚な闇も、こうして静かな視線で見つめているのかとも思う。
正直言って、この作品の登場人物すべてが嫌いだ。私が言えた義理じゃないけど、どの愛もすべて身勝手で歪んでいる。信之の美花への、輔の信之への、偏執的なそれは、かつて津波という「暴力」で大切なものを損なわれた代償なのか。
いや、一番気持ちの悪いのは信之の妻の、津波とは何の関わりもない南海子だ。夫からかけらほども愛されていなかったことに気づいた後も、世間的な体裁を取り繕うことに腐心し、夫の罪に気づきながらも、なにごともなかったかのように元通りの毎日を送ることを選ぶ。彼女を歪めたのは何だろう。日常という、圧倒的な現実だろうか。だとしたら、日常も時に暴力に匹敵する理不尽な現象なのだろうか。自然災害や犯罪行為、果ては家庭内で振るわれる暴力をすべて内包して、日常は存在する。私たちはその日常をどうにか生きていかなければならないのだ。
「美浜島は、暴力の痕跡を内包したまま、禍々しいまでの生命力で海のうえに再生していた。〜暴力はやってくるのではなく、帰ってくるのだ。自らを生みだした場所―日常のなかへ。」p362
タイトルの「光」の意味を考える。
解説の中で吉田篤弘氏が「光」を「神」と解釈している。
希望、とは読めない。
何らかの審判やメッセージなどなく、ただ照らし出すもの、というイメージがある。光を受けた分だけ、その暗さを深めていく場所もある気がして不安になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうーんなんとなくで終わってしまった。
特にこれといった感想は浮かばないけどまあそういうのがあってもいいかなとは思う。
エレジーって平井堅の歌であったような哀歌ってことだよな?と思いながら開いた本だけど、ずっともちもち流れてたな。たしかに生い立ちの複雑さに比してエレジーのエの字もなさそうだったけどひとえにお母さんたちのおかげだろうなぁよかったね〜という感想だった。
父親はよく分からない程度の存在感しかなかったけどなんだあいつって感想しかないな。
なんで登場してきたんだろうか謎すぎる。
物語の都合とか考えず物語の世界が実在していると考えるとより一層塵芥じゃんと思う。