白井智之のレビュー一覧

  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    ホスト役・綾辻行人さんの人望の厚さが窺い知れる、まさに十人十色の対談集。過去の雑誌連載をまとめたものだが、最後のボーナストラックは最新の“語り下ろし”。その相手、熱烈綾辻ファンを公言する辻村深月さんとのやり取りがとても和んだ。

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    2021年01月16日
  • 平成ストライク

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    ネタバレ

    平成の出来事をテーマにした連作アンソロジー。好みだったのは、青崎有吾「加速してゆく」、千澤のり子「半分オトナ」でした。平成を通過した世代としては、いろいろあったなあ、としみじと思い返しながら読みました。当時のヒット曲や流行なんかも物語の中に登場して、面白かったです。

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    2021年01月14日
  • 東京結合人間

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    第一部の描写は気分が悪くなるような酷いものだけれど、どこにもない世界観を作り上げて、その中で事件が起こりそれが解決されるというお話の作り自体はとても面白い。解決編の運びも、頭を働かせずに読むのにちょうど良い。
    一番最後に新たに出てくる二人の素性がもう少し描写されてても良いんじゃないかと思ったのと、船橋…の解釈が自分にはできなかった。
    200907

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    2020年09月07日
  • 東京結合人間

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    ネタバレ

    【一言感想】
     読んでいて不快かつグロテスク。特殊世界にはつっこみどころ満載。しかし,多重解決や叙述トリックは見事。クセの強い作品だが,白井智之の作風は嫌いではない。
    【感想】
    生殖のために男女が身体を結合させて「結合人間」になるという特殊世界を舞台にしたミステリ。この世界では,結合による突然変異として,時折,うそがつけない「オネストマン」と呼ばれる存在が生まれる。当然,この特殊な設定を活かしたプロットで描かれている。白井智之の作品らしく,グロテスクな描写がある。また,ネズミ,ビデオ,オナコと呼ばれる登場人物は,かなり不快な人物として描かれている。
    人気モデル川崎千果と映像作家ヒロキによる結合とオネストマンが誕生するシーンが描かれたプロローグから始まる。このプロローグもちょっとした伏線になっており,
     この小説は,「少女を売る」と「正直者の島」の2つに分かれた構成になっている。「少女を売る」は,栞という少女が,なぜ,死の直前になって友達をほしがったのかというホワイダニットになっている。栞という少女は,学校では周囲を見下しているようなタイプの少女だった。それが何でも言うことを聞くようなスタンスでネズミ,ビデオ,オナコが運営する寺田ハウスという売春
    をしていたのか。真相は栞の復讐。性被害を受け「羊歯病」という病気になった栞は,殺害された弟の復讐のために寺田ハウスの3人に羊歯病を移そうとしていた。自分だけだと3人と性交渉できないので,別の少女を連れてこさせ,連鎖的に感染させようとしていたというもの
     グロテスクな設定ではあるが,ホワイダニットの謎としては驚かされる。読んでいて不快な点に目をつぶれば,ミステリとしてはそれなりの作品に仕上がっている。
     後半の「正直者の島」は一転してクローズドサークルモノになる。寺田ハウスの3人が映画を撮るために7人のオネストマンを集める。しかし,寺田ハウスの3人は今井イクオクルミという探偵により船から落とされる。オネストマン7人がたどり着いたのは狩々ダイキチモヨコとその子どもが住むというカリガリ島。カリガリ島で,狩々ダイキチモヨコとその子どもの麻美が殺害される。オネストマンの7人はいずれも犯行を否定。ほかの人物がいるのか,誰かがオネストマンではないのか。読者には2人,オネストマンではない人物が含まれていることが示されている(誰がオネストマンでないかは分からない。)。そのうちのどちらかが犯人なのか。
     続いて,神木トモチヨが殺害される。
     この物語でも,多重解決が示される。まずは今井イクオクルミの推理。狩々ダイキチモヨコを殺害したのは神木トモチヨ。決めては,狩々ダイキチモヨコが宿舎に怒鳴り込んできたことを知らなかった(そのとき神木トモチヨはいなかった。)こと。神木トモチヨを殺害したのは丘野ヒロキチカ。神木トモチヨが,狩々ダイキチモヨコを殺害した場面を見ることができ,脅迫できたのは丘野ヒロキチカしかいないという消去法での推理
     続いて犯人と指摘された丘野ヒロキチカの推理。犯人は浅海ミズキハルカ。狩々ダイキチモヨコは二重人格で,自分を殺そうとしていた。医者である浅海ミズキハルカは疑心暗鬼になるように嘘の検視をしたというもの。これは現場の状況に全く合わず破綻
     そこに今井イクオクルミの依頼者である茶織(栞の友達として拉致された少女)の妹と伯父が現れる。茶織の復讐に来ているが二人は死亡。定期船の乗組員は殺害される。今井イクオクルミも死亡。浅海ミズキハルカも死亡
     次に生き残った丘野,小奈川,杯が推理。包丁を利用したアリバイ工作ができたのはノーマルマンの二人組。7人の中からノーマルマンを探し出せば犯人が分かる。杯,丘野,小奈川,双里の4人に一人でもオネストマンがいれば全員オネストマンになる。そうすると犯人足り得るノーマルマンは浅海と今井の二人。犯人はこの二人う推理。丸一日眠らせる睡眠薬を使っていたというトリック
     エピローグで,ヒメコが現れ,オナコと再会。真相が明かされる。丘野ヒロキチカのふりをしていたのは,オナコ。オナコは丘野萌子という名前だった。丘野という表記を利用した叙述トリック。寺田ハウスの3人のうち,オナコは女で,オナコだけが生き残っていた。丘野ヒロキチカとは船で入れ替わった。物語の中で,オネストマンの1人,杯はヒメコの父親だった。最大のポイントはカリガリ島には,もう一人少年がいたこと。オナコであるとばれると今井に殺されると思ったオナコはその少年と結合した。オナコが犯人。神木トモチヨはオナコ丘野ヒロキチカのふりをしていることに気付き,ゆすったので殺害された。
     ボーナストラックの船橋結合人間は結合人間スーツを着ている自分が結合人間だと思った恋人を自殺させた男
    の話。おまけ程度
     なんというか不思議な魅力がある作品。グロテスクだし,不快な描写が多いし,特殊世界のミステリだけど,どういう世界なんだとつっこみたくなるような世界観。しかし,ミステリとしては多重解決となっており,叙述トリック(オナコ→丘野と丘野ヒロキチカを「丘野」と書いて誤信させる叙述トリック,そもそもオナコの性別がはっきりしない叙述トリック)も効果的。オナコが真犯人で,カリガリ島にはもう一人少年がいたという真相にも意外性が十分。寺田ハウスが解体されるきっかけになった中村大史が兄弟を監禁という前半部分のニュースがちょっとした伏線になっているのも見事
     白井智之の描く作品は,確実に読む人を選ぶけど,個人的にはクセの強いこの作風は嫌いではない。とても人には勧められないが。★4を付けたい。

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    2020年02月22日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

    購入済み

    恩田陸目当てで読みました。それだけを評価するならとても良かったし、知りたかった部分を読めて満足です。
    しかしそれ以外の作者はグロテスクなものもあり、ちょっと面白いとは言えませんでした。

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    2020年02月14日
  • 東京結合人間

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    設定がぶっ飛んでました。
    結合後の障害により嘘がつけない「オネストマン」となってしまった人達が小さな島で連続殺人事件に巻き込まれていく。
    最初は設定に置いていかれないように読み進めるのが大変でした。
    特異な設定のルールのようなものを巧みに利用し、推理が二転三転していくのも「いったいどこにたどり着くだろう」と楽しくなっていました。
    白井智之の小説を初めて読みましたが、精神的にエログロく、どこまで「アリ」かワクワクで、私はこの世界観が好きです。
    クローズドサークルも、伏線回収も、浮世離れした設定以外は本格ミステリーでとても楽しめました。

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    2020年02月12日
  • 平成ストライク

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    平成デビュー作家が平成の事件・事故・出来事を題材にしたアンソロジー。平成を懐かしむタイプの本でないのは、最初の福知山線脱線事故についての話を読んで嫌というほどわかった。全体的に辛いけれど読み応えがある作品揃い。避けては通れない東日本大震災や原発のテーマは、天祢さんのキョウカンカクのキャラが登場したのでシビアになりすぎずとても良かった。(白井作品だけはは早々に読むのを放棄。)

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    2019年06月27日
  • ラビットボールの切断 平成ストライク(分冊版)

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    平成デビュー作家が平成の事件・事故・出来事を題材にしたアンソロジー。平成を懐かしむタイプの本でないのは、最初の福知山線脱線事故についての話を読んで嫌というほどわかった。全体的に辛いけれど読み応えがある作品揃い。避けては通れない東日本大震災や原発のテーマは、天祢さんのキョウカンカクのキャラが登場したのでシビアになりすぎずとても良かった。(白井作品だけはは早々に読むのを放棄。)

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    2019年06月27日
  • 平成ストライク

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    福知山線脱線事故、児童虐待、新宗教、消費税、ネット冤罪、メルトダウン。平成って酷かったんだなと分かる。稀有な傑作アンソロジー。特に青崎有吾の短編は年間ベストもの。

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    2019年05月01日
  • ラビットボールの切断 平成ストライク(分冊版)

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    福知山線脱線事故、児童虐待、新宗教、消費税、ネット冤罪、メルトダウン。平成って酷かったんだなと分かる。稀有な傑作アンソロジー。特に青崎有吾の短編は年間ベストもの。

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    2019年05月01日
  • ベスト本格ミステリ2018

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    様々なアンソロジーで読んだものもあったが、改めて面白い。虚構推理は次から次へと推論が出てきた上で結局は、というのが楽しい。

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    2019年03月10日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    白井智之さんの「首無館の殺人」が、もう飴村行さんのグロミステリの感じで、発想にビックリ。
    全部がそれぞれ特徴のある館で面白かった。

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    2018年11月04日
  • ベスト本格ミステリ2018

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    昨年発表された本格ミステリ短編のベスト集。
    同じ趣旨の『ザ・ベストミステリーズ』(こちらは広義のミステリ短編)と比べられがちだが、ここ数年は後者の方がバランスが良くて面白かった。だけど、今作は数年の不振を一掃する位に傑作が揃った。本格好きとして大いに喜ばしい。
    特に大山誠一郎さんの作品は凄い。犯人が被害者の顔を潰す理由で、こんなに斬新なアイデアを考え付くとは! これだけでこの一冊を読んだ価値あり。

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    2018年07月12日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    ネタバレ

    アンソロ

    はやみね先生は懐かしのあの子が出てくるし、恩田先生はまさかの「麦の海に沈む果実」のあの方の話だし、高田先生は安定のQ.E.Dだし。

    昔のミステリ好きな人なら垂涎のシリーズに加えて
    綾崎先生、白井先生、井上先生と若手の野心的な作風の人たちも集まり短編集ながら本当に面白いも野ばかりだったのでお勧めです。

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    2017年12月27日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    予備知識なしに読みました。
    はやみねさん、恩田さん、高田さんの作品は前提となる本を読んだ方がよかったかもしれないですが、楽しめました。
    綾崎さんの作品は青春を感じさせる良い話でした。時と時計の作品も書かれているので読んでみたいです。
    白井さんの作品は好みが分かれるかも。かなり強烈な印象です。インパクトが強すぎて忘れられない作品となること間違いなし。
    井上さんの作品は少し前の事故をモチーフにしたのでしょうか。ちょっと怖い話でした。まさに館ミステリー。ラストが良かったと思いました。
    白編もあるので、そちらも読みたいです。

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    2017年12月26日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    新本格30周年アンソロジー。
    こちらも新しい作家さん探しのために購入。
    ちょっと好きな作家さん見つけたので満足。
    栞ガチャは綾辻先生

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    2017年12月04日
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー

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    初読みで、シリーズの雰囲気を掴めていないものがちらほらあったけれど、それを抜きにしてもなかなか楽しめた。高田さんは蘊蓄のハンパなさに圧倒された。白井さんは相変わらずヤバいくらいぶっ飛んでいたけど、オチが少しわかりづらかった。井上さんには完全に予想を外された。まさかあの流れからあんなラストに繋がるとは思いもよらなかった。

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    2017年11月07日
  • 七人怪談 第二夜

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    7人の作家によるホラーアンソロジー第二弾。
    編者の三津田信三が、それぞれのテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を書いて下さい」とお願いして出来上がった一冊。
    澤村伊智「メタ系怪談」
    川奈まり子「実話系怪談」
    芦花公園「子供の怪談」
    菊池秀行「不条理怪談」
    立原透耶「中華系怪談」
    白井智之「鬼畜系怪談」
    三津田信三「民俗学怪談」

    高波被害を受けた地域にあった母校の小学校から同窓会のお知らせが届く、芦花公園「またみんなで集まろうねという話」が不気味で好みでした。立原透耶「中華系怪談」は中国や台湾の人から聞いた実話系怪談でテーマかぶっててちょっと残念。白井智之「ロダエネケワルA」は怪談ではないけど、作者らしい胸糞強烈さで異彩を放ってました。
    「自分が最も怖いと思う怪談を書いて下さい」っていうテーマのハードルが高すぎるけど、編者リクエストテーマの書き下ろしアンソロは豪華で面白いので第三夜も期待してます。

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    2026年10月04日
  • 名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    事件の謎を解説するシーンが長かったのと最後の展開の動機が個人的にいまいち理解ができなかったです。
    どんでん返しという意味では、何回も驚く展開があり面白かったです。

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    2026年10月01日
  • エレファントヘッド

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    サイコキラーを主人公にした異様な設定だけでも十分惹かれるのに、時間遡行や複数の世界線などの要素が加わることで、物語が予想もしなかった方向へ広がっていくのが面白かった。途中で示される複数の仮説にまでそれぞれ伏線が用意されており驚かされたし、その後にさらに納得感のある真相が明かされる構成は強烈だった。複雑な設定を生かした犯人当ても独特で、終盤まで何度も驚かされた。細かな部分や人物の感情には引っかかりがあり、ラストも好みではなかったが、それでも伏線の置き方と回収の密度には圧倒され、なかなか印象に残る作品だった。

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    2026年09月24日