あらすじ
天才女子高生(ミミズ人間)が謎を解き明かす!
著者史上最強!
衝撃のスラッシャー小説×本格ミステリ!!
「読まないと損するレベルで優れている」
乾くるみ(小説家)絶賛!!!
こんな小説、はじめて!?
特殊設定×多重解決ミステリ
自殺した妹・リチウム(ミミズ人間)の仇を討つために、
刑事になったヒコボシ。事件を追いながら、
リチウムを自殺に追い込んだ連中の尻尾を掴み、
破滅させてやろうとたくらむ。
事件の謎を解くのは、
天才的な推理力を持つ女子高生探偵・マホマホ。
しかし、彼女はヒコボシに監禁されていて……。
文庫化に際し大幅改稿、著者渾身の本格ミステリ大作!
解説/乾くるみ
カバーイラスト/ふみふみこ
目次
ミミズ人間はタンクで共食い
アブラ人間は樹海で生け捕り
トカゲ人間は旅館で首無し
水腫れの猿は皆殺し
後始末
解説 乾くるみ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
もうタイトルだけで優勝。
冒頭1行目「ミミズのノエルは苛立っていた」で連覇。
キャラクターは、ミミズ人間やらトカゲ人間やらが出てきて、壁を這ったり脱皮したり。で、その特徴がしっかりと謎解きの大事な要素になり。
安定の、エログロゲロ、倫理観欠如の暴力まみれ、で、多重推理で世界をこねくり回して、キレイな着地。キレイな着地だが読後感はスッキリさせてなんて終わらせない。
今作の見事さは、
①トロッコ問題的な、さぁどっちに行くべきかが全ての章の多重推理のキーポイントで、トロッコのスイッチではなく、どっちをレ〇プするか問題。
②第一章「ミミズ人間はタンクで共食い」を見事な短編として単体で雑誌寄稿後に、長編としてあと3章を追加して、見事な着地。
白井智之唯一無二。最高。
Posted by ブクログ
生理的嫌悪感を煽りまくる特殊設定や暴力全開という邪道展開でいながら、それらをいかし切った端正なロジックが張り巡らされています
天才女子高生探偵マホマホの扱いに素晴らしさがありましたし、多重解決の推理が分岐するポイントについて非常にオリジナリティに富んだ工夫がなされていて、心底感服しました
Posted by ブクログ
グロと本格ミステリーの両方を味わえる面白い作品。最初から最後まで謎が詰まっていて余すことなく楽しめる。ミステリー好きであれば是非読んでほしい。
Posted by ブクログ
インスタで紹介されているのを見てどーしても気になって購入。
この著者の作品は初でした。
これは…なんというかすごい…としか言いようがない…
世界観も登場人物名も土地名も独特すぎて数ページごとにお腹がいっぱいになる感覚があります。
紹介ではグロ要素ばかり取り沙汰されてるようだったのですが当たり前のようにあっさり書いてあるからか覚悟していた程ではありませんでした。
グロを抜きにしても特殊な体質の人間や風習が頭に上手く入ってこなくて、読みやすくはなかった。
でも最終章からラストまでは一気読みしてしまいました。
読後の感想は私の頭では面白かったのかどうかもよく分からない…といったところでした。
よく分からなかったので多分再読したくなると思う(暫くはいいかなって感じだけど)。
私は名作だと感じてもなんとなーく星5はつけたくない天邪鬼なところがあるんですが
これはどうしても星5つにしたくなる謎の魅力がありました。なんでこんなに惹かれるんだろう…
これ平山夢明「他人事」読んだ時の感覚と似てるなー
人としてダメだろ!ってことが当たり前に起こる世界、何でもアリな世界を覗きたい人にオススメ♡
ヒコボシ刑事色んな意味でヤバいけどかっこよく想像できてしまうから不思議。
著者の他作品も読んでみたくなりました。
何故か映像化して欲しいと思いました。絶対無理だろうけど。
Posted by ブクログ
性欲爆発強姦魔のミミズ男がどの女をレ○プしたかによって犯人が変わる特殊設定ミステリ。
作者特有の圧倒的エログロ要素に、倫理観ゼロの登場人物たち(主人公含む)そして圧巻の多重解決と、色々な要素が闇鍋のようにごっちゃなって胸焼けしそうです...まぁそれが白井作品の良いところなんだけどね。
ギャグのように、グロ要素や下ネタをぶち込んでくるんだけど、それが推理に繋がってくるので侮れない。そして多重解決な上にどの推理も納得させられる。
描写の数々から人には全く薦められませんが、怪作かつ傑作だと思います。
Posted by ブクログ
こ、これは…。
とても斬新な作品ですね。
読んでて頭おかしくなりそうでした。
適当な固有名詞に奇抜な架空の病が盛り沢山で頭がパンクしそうになる…と思いきや案外すんなり入ってくるんですよねこれが。
作者様の文章力の高さがよく伝わりました。
初めて読みましたが間違いなく天才だと思いました。
万人にオススメは出来ませんが刺さる人には刺さる本です。
終始ぶっ飛んでいるようでトリック周りは案外かなりしっかりしているので本格ミステリファンなら読んでみることをお勧めします。
Posted by ブクログ
エレファントヘッドを読んで白井智之に貫かれてしまった自分にとっては、タイトルの引力が強すぎた。
登場人物たちは当然のように少女を監禁するわ毒は盛るわ火はつけるわで倫理観皆無かつ、描写としてもエログロ要素盛りだくさんのため人を選ぶことは間違いないが、エレファントヘッドにハマったなら読むべき。
白井智之といえば多重解決ミステリだが、本作も見事な多重解決を見せてくれた。
冒頭で描写される強姦魔が少女を襲う描写が多重解決のフリになっている構成は明らかにヤバすぎるのだが、2章3章と続くと、この異常な世界に感覚が麻痺してしまい、これがどう事件に繋がるのかというワクワク感を感じてしまう。
また、皮膚がミミズのようになったり全身の皮が剥がれたり性器から油が出てきたりといった、トンデモ奇病と事件が見事に融合しており、特殊設定物としても素晴らしかった。
Posted by ブクログ
他の人はどうであろうと私は好き
と言わなきゃ、そういう思いを抱かせる作品
推理もの好きです、でもこっそりグロいのも好きなの
飴村行「粘膜人間」とかよくわからんけどたまに読みたい、大好き
そんな稀有な人を拾い上げてくれる本著。
ミステリーは本当骨太な感じで、よく短編にこんなのいれたね、って思いながらもこの作品でしか描けない謎解きを味合わせてくれる
好きな人増えたらいいなぁ
Posted by ブクログ
ギットギトの脂臭い中華料理店で極上の本格中華を食べるようなイメージの小説。
エログロ描写は思わず目を背けたくなるし、世界観も独特ですが、描かれているミステリーはとてもロジカルで芯の通ったもの。
多重推理や仕掛けもたくさんあり各章の展開の予想がつかず、一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
推理の分岐点は"誰を○したのか?"
文庫版の表紙と内容の温度差で頭がおかしくなる
章の冒頭は強姦魔ノエル視点
その後は悪徳刑事ヒコボシ視点に移る
直接殺人事件と関わっていないノエルパートが鍵になるってのが良い
どの事件も情報量が多く、エログロ描写の中にまで伏線が捩じ込まれている
おまけに登場人物は癖強ネームばかり
人数が増えてくると誰が誰かよく分からなくなってくる(特に第2章)
おすすめは第3章
温泉旅館でのヒコボシ刑事の大立ち回りは最早笑えてくる
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみました。
タイトル回収も一応あります。
読者の視点になる人(?)は非道徳的で、眉を顰めたくなる蛮行ばかりなのに、物語はコミカルで変に明るい。
SF世界観なのでとんでも展開もありますが、なんかミステリーとして納得できる。
全ての人にオススメはできないけど、好きな人には刺さると思いました。
タイトルに惹かれるタイプの人は、そこそこ楽しめるのでは…?
同作家さんの他作品も読みたいと思います。
Posted by ブクログ
★3.9
倫理も常識も、すべて茹でて捨てた。
タイトルからして、「え、なんて?」と心をざわつかせてくる。その名に恥じぬ狂気の連作短編集。
これが、エログロナンセンスか…
異形の“ミミズ人間”が実在する世界。他にも、油染み出す”アブラ人間”、脱皮を繰り返す”トカゲ人間”など、むず痒くなるような設定のオンパレード。
主人公は刑事・ヒコボシ。
彼は“ミミズ人間”であった妹の不可解な死に復讐心を燃やし、女子高生探偵マホマホと協力して真相に迫っていく。
もちろん少女は自宅に監禁中だ。倫理観はすでに茹でて捨ててある。
舞台設定もキャラクターも、あまりにも振り切っていて、「もう全員どこか壊れているのが当たり前」な世界。
なのに、そこに仕掛けられる謎解きだけは、やけにガチだ。
エログロにスラップスティック、ナンセンス。
そのすべてが、ミステリという形式に“まとわりついで”くる。
どの話も、開始時点では「絶対ふざけた話だろ」と思うのに、終盤になると、思いがけず緻密なロジックが立ち上がってくる。
この落差こそが、中毒性の源。
真相に先回りしようとしても、こちら側の思考回路では到底不可能、無理難題。
中でも最終話「後始末」は、“ミミズ人間”という設定そのものに対する倫理的な問いかけすら含み、読者の気分をさらに悪くさせる(褒め言葉)。
異形への恐怖も、排除も、同情も、支配欲も。
全部まとめて茹でたのち、ぐつぐつ煮詰めたような一冊。
「少女椿」とか江戸川乱歩、平山夢明、伊藤潤二が好みならこの作品もぶっ刺さるのではないだろうか。
倫理観と胃袋の耐久テストを兼ねて。
あなたは何分で煮崩れるだろうか?
Posted by ブクログ
タイトルからして意味が分かりません。
設定も謎すぎる。
どうやったらこんなことが思いつくんだろ?
トリックもめちゃくちゃ特殊なのに、めちゃくちゃ説得力がある。
私は白井智之という天才の頭の中を覗いてみたい!凄すぎる!
Posted by ブクログ
グロ、下品、異常、変態。
ありがとう最高の褒め言葉だ!
いわゆる特殊設定ミステリであるのだが、この作者の作品はだいたい上記要素てんこ盛りなので、人によって受け付けないかもしれません。
しかし異常な状況であっても推理自体はロジカルで、ミステリとしてしっかり成立しております。
怖いもの見たさで挑戦してみては…?
Posted by ブクログ
奇書が読みたいアライさんのオススメ読み漁りシリーズその2
設定もキャラも世界観も何もかも狂っているんだけど、ミステリとしての誠実さは十分に果たされている。いや、そんなとこで正気に戻るな…。
ミミズ人間、アブラ、トカゲ病…そういったグロテスクな設定と異常な事件。ありえない異界の(つまりファンタジー)の話と思いきや、不可思議は一つずつ説明され私達の理解できるものになっていく。これらの可笑しな設定は、私達の世界と地続きなのだな。
だから、事件の解決はむしろ不安を呼び起こす。ああ、この小説がファンタジーであったらどれだけ良かったことか…。
こういった部分を含めての奇書であり、まぁ作品の魅力なんだろう。怖いもの見たさというか。
面白いけど、食事しながら読むもんじゃないな!耐性がある僕もちょっと避けるくらいには読む人を選ぶかもしれない…。
匿名
ぶっ飛んでる
エレファントヘッドがあまりにも面白く、そして誰も死ななかった、名探偵のいけにえ、と読んできました。
この3作ですらグロさや変な固有名詞に戸惑いながら読んだのに、「お前の彼女は〜」のエグさや珍妙さはそれらを上回ります。
現実味が一切なく、読みづらいと感じる固有名詞や、少しバカっぽく軽い口調は、
登場人物に血を通わせないことで、えげつない殺戮が行われても、
読者が同情や感情移入といった辛い思いをすることなく読める効果があるのかなと。
(この作品と同時進行で読んだ「正体」(染井為人)がとても辛かったので)
短編集かと思ったら、全て繋がっていて。
毎度のことながら、よくこんな話を書けるなぁと…本当にすごい。
感情タグにグロいを追加してほしいな。
Posted by ブクログ
嫌な感じのエログロ汚物ではなくて事件解決の鍵として普通に提出されているだけなのでいっそ清々しいです。最初の事件はこれが多重解決か〜という感じで納得しましたが、中華料理店の事件や温泉旅館の事件は説明が複雑でなんとなくしか理解できませんでした。最後は全ての要素がうまく回収されていて良かったです。
Posted by ブクログ
良い意味で非常に気分が悪くなるエログロ。
独特すぎるキャラたちだった
ミステリー要素もちゃんとあって面白い!
けどやっぱり良い意味で気分が悪くなる!
Posted by ブクログ
かなり変態性が高く、ゴアな内容、合わせて登場人物がネーミング含めてかなりキュートなので、何かいけないものを見てしまったような感覚に陥る。
しかし、ミステリーとしてはひたすらロジカル。Aでなければ…Bなければ…と理詰めで謎が解けていくのは非常に美しい。
Posted by ブクログ
びっくり人間が続々出てきて、特殊設定すぎるミステリ。皮膚が赤く爛れて粘液を出すミミズ人間、人間脂を出す青年とそれを食べる村、尻子玉を入れる新興宗教、脱皮するトカゲ人間…。そしてその特徴を上手く利用したグロテスクかつ悪趣味なトリック。そしてまさかの「どちらを犯したかで犯人が変わる」最悪すぎる2択。
ヒロインかと思われたオリヒメもマホマホもあっさりと死に、かつそれが見事に回収される。ヒコボシが大量殺戮し始めた時はどうしようかと思った。ノエルは最後きちんと成敗されてスッキリ。
Posted by ブクログ
白井智之さんの作品は何度か読ませてもらったが今回の設定は特にぶっ飛んでると思った。
この作品から読み始めていたら作者の事を嫌いになっていたかもしれない笑
それぐらいの問題作だと思う。
Posted by ブクログ
グロくて鬼畜な特殊設定ミステリ
以下、公式のあらすじ
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天才女子高生(ミミズ人間)が謎を解き明かす!
著者史上最強!
衝撃のスラッシャー小説×本格ミステリ!!
「読まないと損するレベルで優れている」
乾くるみ(小説家)絶賛!!!
こんな小説、はじめて!?
特殊設定×多重解決ミステリ
自殺した妹・リチウム(ミミズ人間)の仇を討つために、
刑事になったヒコボシ。事件を追いながら、
リチウムを自殺に追い込んだ連中の尻尾を?み、
破滅させてやろうとたくらむ。
事件の謎を解くのは、
天才的な推理力を持つ女子高生探偵・マホマホ。
しかし、彼女はヒコボシに監禁されていて……。
文庫化に際し大幅改稿、著者渾身の本格ミステリ大作!
解説/乾くるみ
カバーイラスト/ふみふみこ
目次
ミミズ人間はタンクで共食い
アブラ人間は樹海で生け捕り
トカゲ人間は旅館で首無し
水腫れの猿は皆殺し
後始末
解説 乾くるみ
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特殊設定ミステリであり、多重推理でもあり、そしてやはりグロ小説でもある
自殺した連続強姦殺人犯 ノエル
ノエルの自殺に至るまでの即席と現在の殺人事件が入り乱れて描かれる
ノエルが過去に起こした行動、誰をレイプしたかによって推理される犯人が変わる構造になっている
乳児溺死事件、田舎の会食での毒殺、旅館での連続密室殺人、サーカス団皆殺し
そして、自らの復讐のために意図的に事件を作り変える刑事のヒコボシ
複雑な構成だなぁ……
ミミズ人間やトカゲ人間が実在する世界
悪趣味ではあるけど、これが直接のグロの要因ではない
多分、汚物や吐瀉物が飛び散るのが平常運転なのに加え、探偵役は悪徳刑事のヒコボシに監禁虐待されているミミズ少女のマホマホというのが読んでいて気持ち悪い
監禁されている背景や推理力に優れている理由もまったく説明されないし終わってみても、そこに納得感はない
この倫理観の欠如した世界は平山夢明を彷彿させる
表紙のイラストは可愛らしさを感じるけど、実際に読んでみると内容はグロいという詐欺小説ですね
内容は色々と酷いので人にはオススメしにくいにもかかわらず、ミステリ要素に関しては、ずば抜けて高い評価をつけたい
何ともバランスの悪い小説だなぁ
Posted by ブクログ
「日没」を読んで、ブンリンに目をつけられそうな小説を読もうと思いました。
「東京結合人間」に比べて、ミステリとしての完成度は格段に高い。すごい。でももうしばらくはいいかな…