人物作品一覧
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-2011年10月5日、スティーブ・ジョブズ氏逝去。米アップル社の創業者のひとりでありながら一度は同社から追放され、その後'96年に非常勤顧問として復活。'97年に暫定CEO(iCEO)、'00年以降はCEOとしてアップルを率い、MacやMac OS Xはもちろん、iPodやiPhone、iPad、iTunes Storeといった革新的プロダクトで同社を世界有数のIT企業に押し上げたその手腕は、経営者として非常に高い評価を得ていました。本誌編集部ではスティーブ・ジョブズ氏に敬意を払い、追悼の意味を込めて同氏の業績やビジネスの哲学、伝説的とさえ評された基調講演の模様などを豊富な写真とともに緊急出版。アップルファンだけでなく、さまざまな方に読んでほしい完全保存版の一冊です。※本書は「MacPeople 2011年12月号増刊」の電子書籍版です。
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3.0「すみれほどな 小さき人に 生まれたし」。この夏目漱石の俳句を故・司馬遼太郎は大好きだったという。エッセイや講演などでよく引用しては、「この句に漱石の基本的な悲しみが読めるんです」と語ったという。漱石は苦悩の人生を歩んだと言えるだろう。日本人や日本社会への憤り、英国留学で味わった劣等感、慢性的なうつ症状、我が子の病死……。華やかな作家生活を送ったと見られがちな漱石だが、その内面は実に深刻だった。その漱石が最後にたどりついた境地が「則天去私」だった。“天に則って私を去る”まさに己れのエゴを捨て、天の命ずるままに生きるのが悩みを解脱する道である、と漱石は悟ったのであろう。本書は、そんな漱石が自ら語ったメッセージを小説、書簡、日記、講演などから選んで解説を加えたものである。自分自身が悩める人だっただけに、その言葉は慈愛にあふれ、説得力がある。日本人にとってなつかしく、また心強い人生の書である。
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-11月生まれの人物論。1日1話。ハーシェル、ヴェーゲナー、マーガレット・ミッチェル、マルティン・ルター、カーネギー、ブルース・リー、手塚治虫、泉鏡花、野口英世など、11月誕生の30人の人物評論。人気ブログの元となった、より深く詳しいオリジナル原稿版。11月生まれの人生の秘密がいま明らかに。シリーズ完結。全巻目次、総索引付き。
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-10月生まれの人物論。1日1話。ガンディー、ディドロ、ヴァイニング夫人、ボーア、ジョン・レノン、ニーチェ、ワイルド、リタ・ヘイワース、ベルクソン、ランボー、ピカソ、リキテンスタイン、ビル・ゲイツ、ハレー、ルルーシュ、川久保玲、三浦雄一郎、会田誠、織田作之助など、10月生まれが勢ぞろい。人気ブログの元になった、より詳しく深いオリジナル原稿版。10月生まれの生きる意味を問う。
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3.5「私の価格は最低5万円、最高25万円」。わずか1年半の間で100人近い男性とホテルに行き、500万円以上を手にする。彼女が援助交際を始めたのは、ただ、お金をもらう代わりに自分の存在を認めてもらいたかっただけだった―。両親とのすれ違い、幼い頃のレイプ、拒食症に苛まれる日々。10年経って綴った元名門女子高生の胸の内とは。
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4.3
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-スティーブ・ジョブズと彼が創業したアップルの成功は、誰にとっても明らかです。ジョブズは革新的なビジネスリーダーであり、アップルはコンピューター業界を超えて、人の生活を変える革新的な企業となりました。しかし、彼らの単純明快な成功に比較して、ジョブズとアップルの関係は紆余曲折を経て、複雑なものでした。 本書は、ジョブズの素顔を25年あまりに渡って追い続けた「フォーチュン」誌の記事から17本を再編したアンソロジーです。同誌は、世界120カ国、約 500万人の読者を持つ世界最大のビジネス誌であり、彼らの多角的な取材の集積である本書は、その時々のジョブズの素顔とアップルの成長をコンパクトに理解できる1冊となっています。 「フォーチュン」誌は、パーソナルコンピューターの黎明期である1983年からジョブズに注目し、25年余りにわたって取材を続けてきました。長時間にわたる取材によってジョブズの思考の奥深くまで踏み込んで、ひとつひとつの記事を形にしてきています。そして2009年には「この10年で最高のCEO」にジョブズを選定するに至りました。 ジョブズへの取材をもとに書きおこした記事には、壮大なビジョンと情熱を胸に、コンピューター・電話・映画・音楽・小売・プロダクトデザインの分野で革命を起こしたジョブズのエピソードがつまっています。 ジョブズ本人への取材とともに、周辺への取材も数多く行っています。ビル・ゲイツとの対談や、ビジネス界の大御所たちのジョブズ評は、本書ならでは読みどころです。 「フォーチュン」編集長のアンディ・サーワーは、本書の刊行にあたり、以下のように述べています。 「最終的に彼のやり方は正しかったと証明された。彼が創立したアップル社は、地球上で最も成功した企業のひとつとなったのだから」
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3.0
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3.8今年最高の感動超大作映画を完全ノベライズ。 杉原千畝は1900年、岐阜に生まれた。父親からは医者になるよう命じられていたが、語学への志高く、家出同然で上京する。外務省の留学生募集に見事合格、杉原は満洲の地ハルピンでロシア語を学ぶことになる。そのまま彼の地で外交官としてのキャリアをスタートさせた杉原だが、堪能な語学力と独自の情報収集能力でソ連との北満鉄道譲渡の交渉を成功させる。しかしソ連からは「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」とされ、杉原はリトアニア行き命じられる。 リトアニアでも日本政府のために重要な情報収集を続けていた杉原だったが、1939年、ドイツがポーランドへ侵攻を開始し第二次世界大戦が始まると、ナチスの迫害を受けたユタヤ人の人々が、彼のもとへと日本の通過ビザを求めて集まってくる。政府に了承を得ようとする杉原だったが、もはや一刻の猶予もならず、自らの判断でビザを発給することを決意するのだった。 第二次世界大戦開戦直後、、軍靴の響き高鳴るヨーロッパ・リトアニアの地で、ユダヤ難民の人々にビザを発給し続け、6000人の命を救ったとされる日本人外交官、杉原千畝。彼の真実に迫る感動の超大作映画を完全ノベライズ。
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-本書は,2010年ノーベル化学賞受賞の鈴木章北大名誉教授の研究と社会へのインパクトを,貴重な写真や図も豊富に使って中学生でもわかるように解説しています。鈴木先生ご自身や共同研究であった宮浦憲夫特任教授など関係者へのインタビューをもとに,発見にまつわるエピソードや,生い立ちなども紹介しています。「クロスカップリング」と鈴木名誉教授については,この一冊を読めば大満足という内容です。
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3.6
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-2011年8月、アップルのスティーブ・ジョブズCEOがその職を辞して取締役会の会長に就任すると発表された。本書は、カリスマ的経営者として異彩を放った同氏がアップルと歩んできた道やその経営哲学を、初代Macintoshが発表された1984年からiCloudを発表した2011年までの主要なキーノートスピーチの内容とともにまとめた一冊です。※本書は「MacPeople 2011年11月号」付録の電子書籍版です。
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3.2常に世界を驚かせ続ける男、スティーブ・ジョブズ。その華麗な経歴の裏には、成功と同じくらい派手で徹底的な失敗があった!アップルをクビになるという屈辱、傲慢さゆえに次々と離れてゆく仲間たち、大きな交渉をふいにする失言……。では彼は、いかにしてそれらの挫折を乗り越え、成功へ転換していったのか? 本書では、ピンチの時ほど力を発揮するジョブズの成功法則を紹介する。 ≪本書の内容≫ 第1章 アップルをクビになったことは人生最高の出来事 第2章 策士が策に溺れてどうする――戦略の失敗 第3章 感情が先走れば理は消える――人間関係の失敗 第4章 豪華絢爛な商談の果てに――交渉の失敗 第5章 全員の賛成なんか期待するな
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3.4
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-私はずっと寂しかった―。十六歳の時に援助交際を始めた著者が、その後の苦しみの果てに出会った若者たち。「かわいい」と言われたくて風俗嬢になったユリコ。中三で人を刺し少年院に入ったゴウキ。リストカットがやめられないショウコ。かつての自分の姿と重ね合わせながら、彼らの苦悩に寄り添い追い続けた、切なさ溢れるノンフィクション。
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4.0「マクロ」は大きいを、「ビオス」は生命を意味し、「マクロビオティック」とは日本古来の食の知恵を活かした食養法のことである。米国では、このマクロビオティックに関する資料がスミソニアンの博物館に殿堂入りしているほど普及したものとなっている。そもそもこの食養法は、明治のある陸軍薬剤監が編み出した独自の食事療法が元だった。明治・大正・昭和を生きた三人の破天荒な人物を追い、世界の食を変えた日本の知恵を探る。
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3.6多くの無名の人たちによって、歴史は創られる。しかし時に、極めて個性的で力のある人物が、その行く先を大きく変えることがある。本書では、まさに現代史の主要登場人物とでもいうべき6人の政治家を取り上げた。ロシアのプーチン、ドイツのメルケル、アメリカのヒラリー、中国の習近平、トルコのエルドアン、イランのハメネイ。彼らの思想と行動を理解することなく、今を語ることは不可能である。超人気ジャーナリストによる待望の新シリーズ第1弾。世界を動かす巨大な「個人」に肉薄する!【目次】はじめに/第一章 東西対立を再燃させる男 ウラジーミル・プーチン/第二章 第二の「鉄の女」 アンゲラ・メルケル/第三章 アメリカ初の女性大統領をめざす ヒラリー・クリントン/第四章 第二の「毛沢東」か 習近平/第五章 独裁者化するレジェップ・タイイップ・エルドアン/第六章 イランの「最高指導者」 アリー・ハメネイ/権力に魅入られた実力者たち――あとがきに代えて/主要参考文献/関連年表
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4.0ジョブズから子どもたちへの熱いメッセージ パソコンやラップトップ、MP3プレーヤーやスマートフォンは、いまや私たちの生活には欠かせないものとなっていますが、どれもわずか30年前には存在しませんでした。すべては、スティーブ・ジョブズが21歳の時に、親友とアップルコンピュータという会社を創設したことから始まります。このときジョブズは、コンピュータはいずれ一般家庭にまで広まると考えていました。1980年代当時、それは、誰にも想像もできないことでした。 本書は、そんな誰も考えなかったようなことを実現し、いとも簡単にやってのけた天才ジョブズの伝記の決定版です。 ジョブズは、何にインスパイアされたのか? どうやってこの仕事をしてきたのか? また、何が彼を突き動かしていたのか? この本の中に、革新者であり、反逆児であり、天才児のジョブズのすべてがあります。 彼の残した言葉の一つ一つは、子どもたちに生きる勇気を、未知の世界を開拓する勇気を与えてくれるでしょう。そして「芸術と科学の交差点」で、それまで誰も想像したことがなかった全く新しい製品を生み出し、世界を変えるために挑戦を続けてきた、ジョブズのすごさに感動を覚えるでしょう。
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4.1
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3.4徳川譜代の大名・井伊家に仕える大場家は、代々世田谷の地で代官職を務める家柄だ。代官として、井伊家の無理難題には応えなければならないし、それに対し領民からは突き上げられるし、その姿は、まるで現代の中間管理職である。井伊家の財政破たんの危機に際しては、世田谷の領民が供出金を出しあって支えたり、銃が足りないといえば、世田谷領民が最新式の銃を井伊家に寄付したり。まさに、世田谷領なくしては成り立たないほど、井伊家の江戸での生活を支えていた。そのまとめ役が、代官である大場家。幕末といえば、京都での志士たちの活躍が取り上げられることが多いが、江戸でも時代の荒波に翻弄されながら、毎日を必死に生きる人々がいたのだ。歴史上、無名の人々の視点から見た、もう一つの幕末維新史である。
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-1958年に日本人で初のノーベル文学賞候補となった谷崎潤一郎。スウェーデン・アカデミーへの情報公開請求で、実は60年に最終候補5人の中に入っていたことがわかった。谷崎はなぜ初の受賞にいたらなかったのか。谷崎を推薦したドナルド・キーンらの証言や資料をもとに日本文学とノーベル文学賞の関係を検証する。
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-激動の戦国時代。 名将と呼ばれた戦国大名の下には必ず知謀奇略に優れた軍師がいた。個性あふれる軍師たちが綾なしたドラマ、生き様は、現代においても色あせることなくロマンと感動を与えてくれる。目覚しい活躍をした彼らの特筆すべき半生、エピソード満載の1冊。
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4.0戦国時代の特徴的な合戦を10取り上げ、武将たちがどのように深謀遠慮をめぐらせ、どのように決断したのかを描き出す。さらに、従来の通説の誤りを、史料をもとに指摘する。例えば、有名な「桶狭間の戦い」では、上洛を目指す今川義元が谷底で休憩しているところを、織田信長が急襲したとされている。しかし、義元が上洛しようとしていたことを示す史料はないし、谷底で休憩したというのも桶狭間という名前に引きずられた史料の誤読による。「大坂の陣」は徳川家康が豊臣家を滅亡させる戦いだったとされているが、実は、家康は豊臣家存続の道を残していた。その他、興味深い事実が満載。武将たちの真の姿が浮き上がってくる。
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3.0
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3.0乱世に勇名を馳せた戦国武将たち。彼らが一角の人物であったことは史実が物語るとおりである。だが、女性から見て魅力的かどうかはまた別だ。たとえば、尾張の小領主から天下人へと昇りつめた織田信長と、その寵臣でありながら「本能寺の変」で謀叛を企てた明智光秀だが、信長はダメ男で、光秀はいい男と著者は評する。「天下布武」「鉄砲の実戦導入」など、明確な将来図と斬新な戦略で覇望達成の目前まで迫った信長だが、頂点に立つ者としての人徳はというとどうだろうか。一方、光秀は「逆臣」の汚名を背負ってきたものの、今日でも菩提が連綿と弔われるなど、「善政の智将」であったことが裏づけられる。本書は、信長・秀吉・家康をはじめ、人気の武田信玄や伊達政宗など、代表的な戦国武将20人を厳選。ベテラン女流歴史作家が、各々の事跡・逸話をふまえ、「いい男」「ダメ男」の理由をズバリ指摘するユニークな歴史読み物である。
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4.0大転換期を迎えた現代の日本。今こそ、リーダーには先を読む先見力と的確な決断力が求められている。乱世の戦国時代、国を治める主君には主君の、主君を支える重臣には重臣の、そして後継者には後継者の「覚悟」と「心構え」があった。それぞれの「責任の在処」があった。織田信長、武田信玄、豊臣秀吉・朝倉敏影ら名武将、黒田如水、明智光秀、石田三成、直江兼続ら名参謀、徳川秀忠をはじめとする二代目を中心に、危機を突破するために、各々の立場で何を考え、いかに動いたのか。組織を活かし、生き残るための処世術は、まさに現代社会にも通じる。歴史に学ぶ「童門流・人間学」決定版の1冊。
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5.0昭和史を飾った女性たちとの交友写真記録。 戦後の赤線地帯に入り込んだ著者が進駐軍相手の娼婦、遊郭の女など27人との文字通り“裸の付き合い”を描いた交友記録。最初は仕事としてだが、やがてその世界の女性たちに「内側」の人間として認められ、普通なら許されない6万カットの写真も撮った! 厳選された213枚は貴重な戦後性風俗の資料である。50年以上、体験的レポートを世に送り続けた著者は、その間にめぐり会った女性たちを女神と呼ぶ。本書はそうした女神たちへの鎮魂歌である。
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3.0秩父宮、高松宮、赤尾敏、安岡正篤、伊藤律、坂口弘、田中角栄、藤山愛一郎、武見太郎など、もし、この人物がいなかったら戦後の日本の政治・経済・社会状況は別の局面を迎えていたかもしれないようなキーパーソン十五人を取り上げ、彼らの足跡を検証することにより、戦後日本の栄光と挫折に迫る意欲作。
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3.0「人の命」を奪うのが当然の戦時下で、彼は命を懸けて「人の命」を守った――。本国外務省の方針に背き、ナチスに追われてリトアニアに逃れてきたユダヤ人のために、日本通過ビザを発給し、6000人もの命を救った杉原千畝。そして託されたその命のバトンを受け継いだ建川美次、根井三郎、小辻節三、松岡洋介ら4人のサムライたちの勇気ある行動……。本書は、ヨーロッパと西太平洋で勃発した「戦争」という非常の事態を織り交ぜながら、のちに「日本のシンドラー」と呼ばれる杉原とその家族が、戦時下のヨーロッパに赴任してからの軌跡と、外交官としての杉原千畝がとった行動にスポットをあて、小説にしたものである。また、日米開戦を避けるためにアメリカの地で命を削った齋藤博駐米大使、真珠湾攻撃を立案、最後は南太平洋に散った山本五十六連合艦隊司令長官ら、それぞれの立場で自らの信念を貫き通した男たちの生きざまをドラマチックに描く。
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3.0「知の巨人」、はじめての戦争本。 「長崎という街に自分が生まれ、そこが世界で二番目に原爆を落とされた という事実は、僕の人生に大きな影響をもたらしました」 被爆の記憶を後世に残すために、日本人は何をすべきか? 北京からの引揚体験、原水禁運動に打ち込んだ若き日・・・。 ヒロシマ、ナガサキ、アウシュビッツを通して、いま伝えておきたいこと。 【目次】 <第一章 少年・立花隆の記憶> 焼け跡の残骸が遊び場だった/DDTと給食の脱脂粉乳/あのころのリアルな日本 など <第二章 「戦争」を語る、「戦争」を聞く> カンパを募ってイギリスへ/なぜ「運動」をやめたのか/戦争体験を語り継ぐ/ 戦争非体験者とのギャップをどう埋めるか など <第三章 おばあちゃん引き揚げ体験記> <第四章 敗戦・私たちはこうして中国を脱出した> いま戦争を語ることについて/母、太平洋戦争開戦の報を聞く/ 玉音放送を聞いた日/窓から見た広島は焼け野原 など
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-さっと読めるミニ書籍です(文章量15,000文字以上 20,000文字未満(20分で読めるシリーズ)=紙の書籍の30ページ程度) 「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」をコンセプトに個性あふれる作家陣が執筆しております。 自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。 是非、お試しください。 【書籍説明】 空想討論の世界へようこそおいでくださいました。 古今東西の哲学者が時空を超えて語り合う架空の世界、このたびのテーマは「近代哲学の父」デカルトです。 哲学の歴史は批判の歴史でもあります。すべての哲学者たちは先人に学び、やがて自分の学説で先人を乗り越えるために批判を行ってきました。 それにしても、デカルトほど後世に多大な影響を与え、そして大量の批判を浴びた哲学者はほかにいないのではないでしょうか。 デカルト批判はかなり広範囲に及んでいます。ほぼ同時代人のホッブスやガッサンディ、スピノザといった人たちから、 ごく最近ではラッセルやヴィトゲンシュタインまで及んでいるのです。 これほど多くの人たちに批判されたということは、裏を返せばそれだけ多くの哲学者たちに読まれ、愛されたということで、 やはりデカルトは偉大だったと思わざるをえなくなるわけです。 哲学を学ぶ学生が必ず最初に読むというデカルト。 その真価を、批判者たちと一緒に考えていきたいと思います。 【目次】 プロローグ デカルト思想の概要 「われ」の存在証明の否定 信仰の問題 カントによる神の存在証明の分類 幕間劇 私と世界をつなぐもの 超越論的現象学 強引な大団円 【著者紹介】 大畠美紀(オオハタミキ) 猫とドイツ観念論をこよなく愛する40代。 自分の家の猫に隠れて猫カフェ通いの毎日。
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3.5三国志の英雄、曹操孟徳。彼が生きた乱世は、現代の先の見えない時代に似ている。当時の戦争を、現代のビジネスに当てはめれば、先の見えなさという意味ではそっくりである。しかも、三国志の時代は、現代日本と同じく極端な人口減少と二極化の時代だった。曹操は、家柄が悪く、特に背の高さが求められた時代にあって背も低かった。手のつけられない悪童として知られ、チーマーのように振る舞った。親友に裏切られ、死にかけた。失敗も数知れず……。それでも、中国統一の基盤となる「魏」という国をつくることができたのはなぜか。また曹操は軍人、政治家としてだけでなく、詩人、書道家、音楽家、建築家、博物学者、調理法発明者、囲碁の名人、戦略家(『孫子』に注釈を添えて現代にまで残した)としても後世に大きな影響を与えたが、一人の人物がこれほど多岐にわたって活躍できたのはなぜか。曹操の生き方の中に、乱世となるであろう、これからの時代を生き抜くヒントを探る。『はじめての課長の教科書』などで知られる著者が、長年あたためてきたテーマに挑んだ、渾身の1冊。
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-「この男を総理大臣にしたい」政治家からこう言われる男がいる。その男に会うと、器の大きさ、教養、行動力によって多くの人は心底惚れ込んでしまうという。衆議院議員の北神圭朗である。嘘がない、筋を曲げない、武器は誇りと信念。バカ正直に“正心誠意”などという看板を掲げ、日本という国家のために身を捧げて働く生き様。それが、会う人すべての心になじみ、浸透し、離れ難い唯一無二の人となってしまう。本書は、近い将来、日本を変える男、人が惚れ込んでしまう男のすべてを、いきいきと書いたノンフィクションである。
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3.5国際政治学者でもある著者が、混乱を極める時代にあるべきリーダーの姿を解説。度重なる失敗にひるむことなく、遂に中華民国を作り上げたその思想と人脈術を、現役の政治家の立場から解説。
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-良心や道徳について、ふだんの生活で強く意識されることはあまり多くはないかもしれません。正しいと思われる行為をする場合にも、良心や道徳に基づいてというよりも、「それが義務だから」という理由が勝っていることのほうが日常的でしょう。あるいは振り返ってみると、さまざまな場面で、良心や道徳、義務とは無関係に、損得勘定や経済の問題に左右されて判断をおこなっていることも少なくないのかもしれません。 ただ一方で、私たちは、「良心が痛む」「良心に照らして」と語り、どう行為するのがいちばんよいのかと迷い、考えることがあります。日常の中でその気配があまり感じられなくなってしまったこれらについて、その本質や由来を考えていくのは簡単ではありませんが、かつて、この問題が真剣に議論された時代がありました。17世紀イギリス――、ホッブズ、ヒューム、アダム・スミス、J・S・ミル、ダーウィンなどの思想家たちは良心についての議論を発展させ、継承していきます。本書ではその流れを一望します。 そもそも、良心や道徳がたんなる義務感だとするならば、ある規則に与えられた規則に従い、定められた義務を守るだけの人のことを道徳的だと私たちは考えるでしょうか。おそらくこの問いに、イエスと答える人は少ないのではないかと思います。しかし、義務感でないとするならば、良心や道徳とはいったい何なのでしょうか。本書では、良心の議論に必ずつきまとう「自己愛」「利己心」について論じる補論を加え、問題の本質に迫ります。
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4.0一日五百件もの事件が発生する犯罪都市・東京で、地域警察官が見た犯罪──余罪数百件の大泥棒の手口、老女を強姦した男、手下に代理出頭させたヤクザの親分、留置場に覚せい剤を持ち込む中毒者、女児を連れ去ったホームレス……。ごく身近なところで今も犯罪は起きている! 「職務質問のプロ」と呼ばれた元警察官が激白する、平和な街の裏の顔。
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3.0【電子オリジナル編集版】石原裕次郎の下で育ち、青春を過ごした“チャー坊”が、裕次郎へのオマージュと映画製作に賭けた青春。本作は、そんな著者が裕次郎の死直後より、裕次郎へ宛てて書き始めた手紙形式のエッセイである。大学生時代に、裕次郎に誘われるがままに飛び込んだ石原プロ。しかし、やむをえぬ離脱。不安を抱えながらも、勝新太郎、阿久悠、矢沢永吉など輝く才能たちとの出会いを通して映画プロデューサーとして成長していく。そして、いつでも青年を支えていたのは、ほかならぬ裕次郎の存在であった……。スクリーンの向こう側の裕次郎との初めての出会いから、別れまでをつづりつつ裕次郎への思いを込めた一冊。映画にとりつかれた男たちの人生哀歓が、読む人すべての心を熱くする感動作。 ※本作は『太平洋の果実 石原裕次郎の遺したもの』(小学館文庫)を改題・再編集したものです
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3.7
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4.4
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3.5運命の扉は重いほど中が明るい……。音を失った苦悩のピアニスト、フジコ・へミングが今、あなたに伝えたいこと。 『これから正直に私の人生を綴りたいと思います』。 貧しさ、いじめ、そして聴力の喪失……。数々の苦難と絶望を突き抜け、如何にして世界を感動させるピアニストとなったのか。 苦悩のピアニスト、フジコ・へミングが人生を通してあなたに伝える、運命の扉を開く生き方。 もくじ 第一章 運命を開く 第二章 自分らしいピアノ、自分らしい生き方 第三章 魂は不滅だと、音楽が教えてくれた 第四章 ピアノの奥深い楽しみ、そして底力
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5.0「ジャーナリスト湛山の真価を知るようになったのは1990年代以降の日本のいわゆる『失われた時代』を経て、日本のガバナンスの不具合を痛感してからのことである。バブルが崩壊し、不良債権処理につまづき、経済停滞が慢性化する。財政が危機的状況に立ち至り、金融が十分に機能せず、デフレが深まる。中国の台頭と挑戦で国民が動揺する。少子高 齢化と人口減少が社会と企業にのしかかり、世代間公正が揺らぎ、所得格差が拡大する。ネット革命に伴うメディアの変質も手伝ってポピュリズムとナショナリズムが激化する。3・11大震災と福島原発危機。民主党政権メルトダウンと政党デモクラシーの揺らぎ。そして、安倍政権とアベノミクスの登場……。湛山が私たちの同時代に生きていたとしたら、それらのテーマをどう考えただろうか。私は、湛山の言葉にもう一度、しっかりと耳を傾け、そして語りかけたくなった。 『石橋湛山全集』のページをめくって、声を上げて原文を読む。ジャーナリスト湛山の肉声に耳を澄まし、その奥にさわだつ思想の息吹に触れてみる。そして、平成の『失われた時代』と第一次世界大戦と第二次世界大戦の『両大戦間』の『失われた時代』の2つの同時代の状況と課題を照らし合わせつつ、湛山の問題提起を切り口にして、私たちの時代の課題を考えてみる。」──本書「はじめに」より。 石橋湛山(1884-1973)は大正・昭和期に東洋経済新報社主幹として活躍したジャーナリスト。自由主義的論説で知られ、戦後は政治家に転じ、首相も務めた。本書は、近代日本を代表するジャーナリストである湛山の論説から珠玉の70編を選び、現代日本を代表するジャーナリストである船橋洋一氏が、その時代背景、現代的意義を説く。
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3.8「明治維新のもう一方の担い手である薩摩はどうなのか?」「吉田松陰や木戸孝允がテロリストなら西郷はどうなのか?」「大西郷は明治新政府にとって好都合な虚像ではないのか」等々。『明治維新という過ち』(毎日ワンズ刊)を拝読して感動した私たちは、原田伊織先生にこんな疑問を投げかけ、執筆を依頼しました。原田先生は「実はそこを書かねば明治維新のまやかしをハッキリすることは出来ないと思っていました。しかし、これで長州に次いで薩摩にも行けなくなるなぁ(笑)。でも 書きましょう」と快諾をいただき、1年に及ぶ執筆期間を経て完成したのが本書です。「歴史の検証にタブーと例外があってはならない。たとえ“大西郷”であっても虚像は剥がさねばならない」。『明治維新の過ち』『官賊と幕臣たち』(ともに毎日ワンズ刊)を読んだ人も、読んでいない人も、維新の実相を明らかにする“原田ワールド”にたっぷりと浸ってください。
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4.0
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-「江戸」と「現代」は地下鉄でつながっていた! 本書は、「地下鉄路線」から江戸・東京を読み解いたもので、著者はこう記します。○○門、○○坂、○○見附、○○町、○○谷、○○橋といった地名は、江戸の仕組みと深い関わりがあります。そして実は、その地名が、そのまま地下鉄の駅名となっているものが多いのです。そうしたことを踏まえて地下鉄の路線に注目すると、江戸時代の地勢がそのまま封印されて地下に保存されているかのように感じられるでしょう。(本文より抜粋)さてさて、地下鉄から、どんな江戸と東京が見えるのでしょうか。【目次より】前編 江戸の街づくりと歴史を地下鉄とともに探る ・幕府の組織と、大名屋敷の位置の秘密 ・地下鉄に残る明暦の大火の影響 後編 地下鉄全路線の駅名の由来と史跡 ・「盗賊」が由来となった渋谷のあの坂……銀座線 ・スカイツリーを映す川は江戸時代にできた……半蔵門線 ほか
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3.5日本の近代文学史上、稀代の私小説作家として知られ、数々のベストセラーを生み出した水上勉の生涯を、実子である無言館館主が書き下ろす、注目の力作。戦前、小説家になることを志し、福井から上京した水上は、食うや食わずの状態で転職を重ねながら、やがてある女性と同棲、彼女は一子を設ける。いろいろな事情で父母は幼な子を他家に養子に出すことになるのだが、その子が著者だったことは、これまで水上の『冬の光景』などに詳しい。一方戦後三十余年を経て、著者は「父」と奇跡の再会を果たす。二十年もかけて実父を捜し歩いた記録はNHKの連続テレビドラマで放映されたこともあり、感動的な物語としてよく知られるところとなっている。早い話、父母から捨てられた形ではあったが、その後著者は「父」を許すどころか、敬意をもって接することとなる。本書は〈わたしは父親の真実を知りたいという欲求におそわれる。その「人」に惹かれる。何とかして、その「人」を知りたいと思う〉という著者の強い意欲がもたらしたもので、丹念な資料収集や作品の精読はもとより、何よりも「父」との対話を通じて、評伝を超えた評伝としての姿を見せている。
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-「チャーチルの言葉には、生身の人間が満身創痍になりながらも戦い抜いた、20世紀の人生の記録、その魂の叫びが込められている」 (「はじめに」より) 第二次世界大戦時に劣勢の英国を勝利に導いた名宰相、チャーチル。第61代、第63代首相を歴任し、1953年にはノーベル文学賞を受賞。90歳で没した葬儀の際は、英国王室以外の民間人として初の国葬が行われた。BBC(イギリス国営放送)が2002年に行った全国投票「偉大な英国人」では1位に選ばれた。こうした事実が物語るように、今なお、多くのイギリス人に愛されている。 しかし、その輝かしい経歴とは裏腹に、彼の実人生は、度重なる困難と苦渋に満ちたものだった。 「絶望することは罪である。そこからは何も生まれない。どんな逆境においても絶望してはならない。むしろ絶望という名の不運から、希望ある将来へと導く強さを学ぼう」と語るチャーチルの人生は、栄光と挫折が、背中合わせに、繰り返し登場する。 果たして彼は、いかにして、幾度となく繰り返された挑戦と失敗から大いなる成功を導き出し、今もなおイギリス国民に敬愛されてやまない、偉大なる政治家になったのか。どんな危機に直面しても揺るがない、確固たる信念はどこから生まれたのか。 本書は、名言の達人とされるチャーチルの言葉から150を厳選。あらゆる人生の危機を乗りきり、困難な局面を逆転する術、そこから成功に満ちた豊かな人生へと転換する術、人生を慈しみ味わう術を学ぶことができる一冊。
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-定年後や第二の人生の過ごし方など、人生の後半生の生き方への関心が高まっている。ところで現代の日本人にとって、後半生とは単に人生八十年の折り返し地点である四十歳以降ではない。むしろ人生の転機を迎えたその時からだというのが著者の見解である。一度きりの人生を悔いなく送るために、我々は後半生をいかに生きるべきか。中国の英傑二十四人それぞれの後半生の考察を通し、そのヒントを提示しようというのが本書の試みだ。例えばお家騒動で国を追われ、十九年に及ぶ亡命生活の後、転機を逃さず六十二歳で見事王位に就いた重耳という人物。現代の感覚でいえば、八十過ぎの年齢にあたるそうだ。重耳の生涯を思えば、四十、五十など洟垂れ小僧であり、定年だリストラだと嘆くのはやめ、勝負はこれからだと新たな目標を持って人生に挑戦してほしいとエールを送る。他にも劉邦や司馬遷など、人生を諦めなかった男たちに読者も勇気づけられることだろう。
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4.5悠久なる中国の歴史は王朝交替の物語であり、そこには実に多くの皇帝たちが登場する。それら名君、暴君、天才、凡才たちの中から、歴史に大きな足跡を残し、存在感の際だっている12人の皇帝について書かれたのが本書である。あの広大な中国の国土を一つにまとめるには並々でない手腕がいる。だが時として、そのような人物が現われて国をまとめ、新しい王朝を興した。しかし、せっかく創業には成功しても二代か三代ですぐに滅びた王朝も多く、もちろん何百年と続いた王朝もある。その違いはいったい、どこにあるのだろうか? その答えは、本書に登場する12人の皇帝たちの事績の中にある。彼らは果たして、どういう考えのもとに政治を行ない、どのような生涯を歩み、どのような歴史を創ったのか。広大な舞台で繰り広げられた12の波瀾万丈の人間ドラマを活き活きと描くと同時に、人が生きていくうえで何が大切かということも教えてくれる一書である。
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-中国史上、朝廷人士たちの世界=官界に対して、無位無官の庶民の世界を「江湖の世界」という。この世界で尊ばれたのは、義や侠の精神である。そして、その精神を身をもって示した者――これらを任侠の徒、義侠の士などと呼ぶ。任侠の徒はしばしば無法者と同義に扱われ、朝廷からは好ましからざる存在として忌避された。しかし、彼らにはしばしば庶民からの多大な人望が集まったのである。なぜか?本書は、中国史上で今なお名を残す「江湖の世界」の英雄たちの生き様を生き生きと描こうとするものである。戦国時代の刺客、遊侠、新興宗教の教祖、塩賊、海賊、秘密結社、匪賊、青幇など、正史から見ればアウトサイダーにすぎない彼らの生き方をたどることによって、中国の歴史がより厚みをまし、面白く感じられるにちがいない。
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-中国の長い歴史には、数限りない英雄や豪傑たちが出現した。そんな彼らの中から、歴史に確かな足跡を残し、その時代を代表した14人の武将を取り上げたのが本書である。漢帝国を興した劉邦との戦いに敗れた「項羽」、漢の天下統一に貢献した張良と韓信、異民族との戦いに活躍した後漢の馬援、『三国志』の英雄・関羽、文武兼備の理想の武人・岳飛、倭寇退治に成果をあげた明の戚継光などである。中国は伝統的に文官が優位の社会であり、武将といえども官僚機構の一員にすぎない。平和の時代には名をとどめることなく生涯を終えることになる武将の人生が最も輝くのは、なんといっても戦乱の時代が到来した時である。そんな乱世に、彼らは国という組織の中でいかに生き、また、どのように戦って歴史に名を刻んだのか?――その一人一人の事績を丹念にたどって人間像を浮き彫りにするとともに、彼らの成功と失敗の記録から「人生いかに生きるか」を学ぶものである。
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3.5戦国時代、四国を席巻した長宗我部氏。鎌倉時代以降、土佐の岡豊城に拠って連綿と続いたが、戦国乱世の渦の中で十九代・兼序が周囲の有力大名に攻められて討ち死にし、滅亡寸前まで追い詰められた。このとき、幼児だった国親は落ちのびて国司の一条家を頼り、その助けを借りて岡豊城を回復、長宗我部家の再興へと邁進する。国親の跡を継いだのが元親である。子供の頃、「姫若子」と呼ばれて弱々しい印象を与えたが、長じてからは武力と謀を駆使し、土佐のみならず四国の覇者へと駆け上がった。しかし、元親は天下人・豊臣秀吉に屈し、野望は絶たれた。また、島津攻めの際、嫡子・信親を失う悲劇にも見舞われた。元親の跡を継いだのは四男の盛親である。関ヶ原合戦で西軍について土佐を奪われた盛親だが、寺子屋の師匠をしながら時機を待ち、大坂の陣では豊臣方の主力として奮戦した。国親、元親、盛親――波乱に満ちた長宗我部三代の興亡を描く力作長編小説。
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4.5「振興銀・SFCG事件」は何を物語るのか 破綻した日本振興銀行の木村剛と、SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸の人生を辿り、「振興銀・SFCG事件」が意味するものをえぐりだすノンフィクション。金融史上かつてない特異な事件の全容を描く。 日本振興銀行は木村の超個人主義的な独自の思考によって破綻し、わずか6年ちょっとというその浅い業歴に比べればあまりに巨額の損失をあとに残した。日本振興銀行の経営破綻から3カ月後、無惨な廃墟の後片付けに入った預金保険機構が取りまとめた数字によれば、同行の債務超過は6700億円という途方もない金額であった。 大島が一代で築き上げたSFCG(旧商工ファンド)が経営破綻したのは2009年2月のことである。当時の公表額だけでも負債は3380億円に上った。SFCGの資金繰りが綱渡りの状態に陥っていた最中、大島は自らの報酬を月額2000万円から9700万円へと大幅に引き上げている。混乱するばかりだった現場で呻吟する従業員を尻目に、倒産間際の会社からひと月に1億円近い報酬を受け取ることができる神経は並大抵の図太さではない。 2010年に逮捕・起訴されたこの二人の成功と転落を通じて、日本の戦後経済社会史を透視する。東大卒・日銀出身でバブル崩壊後の不良債権処理に強い影響力を持っていた金融エリートの木村と、在日・帰化人で商工ローンという金融の辺境から世界的な富豪にのし上がった大島という二人の人間の異なった人生が一瞬だが交錯し、ともに奈落の底に落ちていく様を描写する。
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4.0
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4.5項羽との覇権争いに勝った劉邦の下には、名軍師張良と並び称されるもう一人の「知謀の士」がいた――その名は陳平。貧しい家の生まれながら、天下に志を立てようと考えた彼は、初め項羽に仕えていた。しかし、ふとしたことで怒りを買い、誅殺されそうになる。そこで項羽を見限る決意をし、故郷から連れてきた若者とともに劉邦の下へ身を寄せる。劉邦との対面で策略を進言した陳平は、実力を高く評価され、やがてめきめきと頭角を表わすようになる。項羽と軍師の范増を離間させたり、項羽軍に包囲された城からの脱出劇を演じたり、まともに戦えば勝ち目のない韓信を、巡幸を装って捕えたりするなど、見事な「奇策」を展開し続けた。そして、結果的に劉邦の命を六度救う、劉邦軍になくてはならない軍師になるのだった。本書は、劉邦亡き後も、右丞相に昇って国家の重鎮となった陳平の波瀾に満ちた生涯を余すところなく活写した評伝小説である。
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3.3
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-今年7月に急逝した、元ラグビー日本代表であり、元慶應義塾大学ラグビー部監督・上田昭夫さんの半生を描いた1冊。 上田さんといえば、母校の慶應大学ラグビー部を二度日本一に導いた名監督(86年、2000年)として多くの人に知られている。 86年に日本一に輝くも、その後は東大にも負け、どん底にあえぐ時間が長く続いた。94年に再就任した際には母校の惨状に驚いたものの、学生を意識変革し、人材確保、育成にも情熱をもってあたり、ついに2000年、創部100周年という節目に日本一に! 慶應ラグビー部を再生させた熱血監督者としてラグビー関係者・ファンだけではなく、組織論としても人気を集め、経営者、管理職からも人気を得た。 その後、上田さんが最も力を入れていたのは「女子ラグビーの活性化」「少年院でのラグビーを通して人を育てる」「秩父宮FMのDJで、スポーツの楽しさを伝える」の3つ。スポーツを通して、人を育てる、楽しませる、ということに情熱を注ぎ続けた上田さんからの、最後のメッセージ。 はじめに──思いを託され 第1章 上田昭夫の原型 第2章 第1次慶應義塾體育會蹴球部監督時代 第3章 第2次慶應義塾體育會蹴球部監督時代 第4章 「勝負」から「楽しむ」ことへ 第5章 女子ラグビーへの挑戦 第6章 友の遺志を継いだ少年院でのラグビー指導 第7章 勝てる組織を作る 第8章 組織を育てるリーダー像 おわりに <著者プロフィール> 大元よしき(たいげん・よしき) スポーツライター。1962年生まれ。東洋大学卒業。保善高校時代からラグビーをはじめ、2~3年時に全国大会に出場。卒業後も東急ストア、ミノルタを通じ17年間プレーを続けた。現在パッションキッズ代表取締役。弓道三段。著書に『1万回の体当たり──タックルマン石塚武生 炎のメッセージ』『あの負けがあってこそ──再起を懸けたアスリート25の軌跡』(ウェッジ)等がある。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『強い組織をつくる 上田昭夫のプライド』(2015年11月30日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 釣られたら恥ずかしいネットのデマ150 ふなっしーの正体が流出! 小保方さんの実験ノートがヒドい! ツノの生えたゴキブリが出現! おっぱいを3つにした女! インターネットには、毎日のように目を疑うような写真や噂が流れ、 SNSをとおして広く拡散されていきます。 その9割はたんにコラージュ画像だったり、 根も葉もないデタラメですが、いったん流れたデマは、 その後も修正されずにネットに広まっていき、 信じこんでしまう人を生み出し続けます。 本書は、そんなネットのデマを集めて、 真相やネタ元をかたっぱしから明かしていきます。 その数は全部で150本以上。 もしかして、あなたもすでにダマされているのかも? ・ふなっしーの中の人の写真が流出 ・本田がレーシック失敗で目に異常が ・アヒルちゃんと温泉に入る鶴竜 ・急激に老けたNHKアナウンサー ・小保方さんの実験ノートが凄い ・修道女たちが「SEXしたい!」とおっぱい全開で抗議 ・FNS歌謡祭でAKB48が口パク疑惑 ・世界一豪快な自撮り画像 ・美しすぎて怖い女装男子たち ・ソフトバンクのお父さんが犬が死亡 ・超巨大ネコ ・おっぱいを3つに増やした女 ・関東にツノの生えたゴキブリが ・おにぎりを握りちょいと詰めて♪ ■ 目次 巻頭カラー Part1 あの有名人もデモの標的に! Part2 日本の衝撃事件 Part3 世界仰天ニュース Part4 歴史をイジったデマ Part5 古くから伝わる定番デマ Part6 自然・生物系のデマ Part7 昔からよく聞くあの雑学もデモ
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5.0
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4.5本書は、本田美奈子.さんの生涯のメモリアルでもあり、美奈子さんの生き方を尊び、読者に生きることの大切さを教えてくれます。また同じ病と戦う人たちに生きる希望を与え勇気づける、熱い応援のメッセージでもあります。母親の肉声や、親しい交流のあった芸能界の友人たちの証言はもちろんのこと、これまで決して表に出ることのなかった主治医の貴重な証言を収録しました。その生い立ちから永眠までの38年間の軌跡を追った、渾身のドキュメンタリーです。
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4.0日本民俗学の先駆者として知られ、各地の風俗・民俗などを日記体で詳細に書き記し、200冊以上の書物を残した菅江真澄。三河・吉田宿の御師の次男に生まれ、国学者で藩の御用商人でもあった植田義方のもとで勉学に勤しんだ彼は、岡崎へ出て和歌を、名古屋では絵画と本草学を身につけた後、30歳で古里を後にして長い旅に出る。当時は、天明の大飢饉や浅間山の大噴火などの天変地異、賄賂にまみれ、幕府を意のままに動かす老中・田沼意次と松平定信ら譜代衆の対立、松前藩問題と北方ロシアの脅威など、幕藩体制が大きく揺らいだ激動の時代だった。そんな中、彼は何を求めて、信濃、出羽、陸奥、そして蝦夷地へと旅をしたのか――。彼を蝦夷地へと駆り立てたものは何だったのか――。本書は、立身出世を願うも叶わず、生涯を旅に生きざるをえなかった菅江真澄の虚実入り交じった人生をミステリーの手法で掘り起こしながら、彼の秘密に迫った傑作歴史小説である。
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-幼いころの夢をずっと抱き続け、ついにハリウッド映画『47RONIN』に出演することになるまでの長い道のり!「英語版」も収録! 幼いころから「英語を勉強して外国の人としゃべってみたい。芝居もやりたい!」というフツーの女の子の夢を持ち続け、語学留学をし、さらに国内の英会話教室でアルバイトをしながら英語を学び、父の死など、なんども挫折を繰り返しながらもついにその夢を実現。オーディションに受かり、キアヌ・リーブス主演ハリウッド映画『47RONIN』に出演するまでの自叙伝エッセイ。真田広之演じる大石内蔵助の妻・リク役で約半年にわたる撮影に参加しながら見たハリウッド映画制作の現場風景もリアルに描かれ、また、著者自ら翻訳した「英語版」も同時収録! これを読めばあなたも、夢は叶えられるかも知れません! 【ご注意】※この作品はカラー写真が含まれます。
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-緊急出版。デヴィッド・ボウイ総論。至上のロックスター、デヴィッド・ボウイの人生、音楽、詞、方法論など、その全貌を明らかにする人物評論。遺作に込められたボウイのラストメッセージとは何か?
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1.0【電子書籍限定】初の著書、PHP新書『どんな球を投げたら打たれないか』発刊記念企画。電子書籍限定の特別手記! 2014年、沢村賞受賞投手・金子千尋。最多勝、最優秀防御率の投手二冠。誰もが認める球界のエースである。 日本球界ナンバー1投手、オリックス・バファローズの金子千尋への賛辞の声は止まない。 “投げられない変化球がない”“全ての球種が超一流”“しかし、一番の武器はストレート”など、選手、解説者、記者の賛辞は無数にある。 そんな絶賛の声の中で、金子ならではの特徴的なものがある。 頭の良い投手――。 金子は何を考え、どう打者と対峙しているのか。 そんな金子の「思考」が垣間見える手記である。
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