小説 - 光文社文庫作品一覧

  • 十津川警部 千曲川に犯人を追う
    -
    都内で発生した幼女連続殺人。容疑者として捜査線上に上ったのは、プロ棋士・宗方功だった。長野県上山田温泉で名人と対局中、謎の手紙を受け取った彼は、信じられない悪手を指し敗北する。執拗に彼を追い、犯人だと告発する週刊誌記者が握る秘密とは? さらに上山田では、宗方の愛人が行方不明となり、また一人幼女が犠牲に! 十津川警部が驚くべき真相を暴く。
  • 東京・山形殺人ルート
    2.0
    東京・荒川で発見された身元不明の女性のバラバラ死体。胃の中からは、結ばれたサクランボのくきが見つかった。一方、神奈川でも同様の殺人事件が。連続猟奇殺人なのか!? わずかな手がかりを元に、十津川と亀井は山形へ向かう。目撃者の証言から浮上した容疑者は、怖ろしいほど狡猾な男だった。捜査陣を嘲笑うように翻弄する犯人を、十津川の執念が追いつめる!
  • びわ湖環状線に死す
    3.0
    東京都荒川区。行き倒れなど、帰る家のない重病患者を収容する施設で、末期ガンだった森本が死亡した。職員の柴田は、遺品を手がかりに、遺族を捜しに滋賀へ。ところが、調査初日の夜から謎の脅迫電話を受ける。すぐに帰らなければ死ぬことになるぞというのだ。やがて起こる殺人の連鎖! 森本の過去に何があったのか? 琵琶湖周辺に渦巻く闇に、十津川警部が迫る!
  • ポリス猫DCの事件簿
    3.7
    三十人ほどの人間と百匹以上の猫がのん気に暮らす通称「猫島」。島の臨時派出所の巡査・七瀬晃の相棒は、丸顔で目つきの悪いでっかいドラ猫、DCだ。個性的すぎる島民や困った観光客が引き起こす騒動にてんてこまいの毎日。そんな中には、大きな事件も隠されていて……。お気楽だけど真面目な青年警官とポリス猫が、意外な(?)活躍を見せる傑作コージー・ミステリ。
  • 死んでも治らない~大道寺圭の事件簿~
    3.7
    元警察官・大道寺圭(だいどうじけい)は、一冊の本を書いた。警官時代に出会ったおバカな犯罪者たちのエピソードを綴(つづ)ったもので、題して『死んでも治らない』。それが呼び水になり、さらなるまぬけな犯罪者たちからつきまとわれて……。大道寺は数々の珍事件・怪事件に巻き込まれてゆく。ブラックな笑いとほろ苦い後味。深い余韻(よいん)を残す、コージー・ハードボイルドの逸品!
  • 名探偵は密航中
    3.2
    昭和5年7月、豪華客船・箱根丸(はこねまる)は横濱(よこはま)港を出港、倫敦(ロンドン)へ向かった。出港早々、殺人事件の容疑者が乗船していることがわかり、大騒動に。その後も、男爵令嬢(だんしゃくれいじょう)の逃亡騒ぎ、幽霊船の出現など、奇妙な事件ばかりが起こって……。じゃじゃ馬令嬢から意外な名探偵まで、魅力的な登場人物たちが大活躍。ミステリーの楽しみがギュッと詰まった、傑作オムニバス・ストーリー!
  • 三毛猫ホームズは階段を上る
    4.2
    直井みすずは、義母宅に向かう途中に立ち寄った雑貨店で事件に遭遇する。強盗に抵抗した店主が拳銃で撃ち殺されたのだ。その数日後、義母が何者かに呼び出され、命を奪われてしまう。2つの事件をきっかけに、みすずの日常が一変する。言いなりだった夫との関係、目撃した強盗殺人の犯人との再会……。そして、さらなる殺人事件が! 大人気シリーズ第47弾。
  • カササギたちの四季
    3.3
    リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。理屈屋の店長・華沙々木と、いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、店に入り浸る中学生の菜美。そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ……。心がほっと温まる連作ミステリー。
  • 伊豆海岸殺人ルート
    -
    OL殺しの容疑で逮捕された男が自殺した。無実を訴える男は、アリバイを主張したが、その証人である写真家夫妻も失踪していた。死の直前に容疑者が明かした写真にまつわる謎を追う十津川警部を嘲笑うかのように、手がかりを握る人物が次々と殺されていく。一枚の写真が招いた殺人の連鎖と、その驚愕の真相! 「殺人ルート」シリーズに燦然と輝く傑作長編推理!
  • 指哭(しこく)~強行犯刑事部屋~
    3.3
    1~2巻605円 (税込)
    西浅草署の刑事・高杉順平(たかすぎじゅんぺい)の自宅に送られてきた身元不明の人差し指。数日後、人差し指の欠けた遺体が発見され、ズボンのポケットには猿の絵が描かれた紙が。その後も続く殺人。そして、「容疑者」は次々に殺されてしまう。真犯人は誰か。そして、「指が語る」もうひとつの事件とはいったい――。当代屈指の人気時代作家の名作警察小説シリーズ第1弾、待望の文庫化!(『指が哭く』改題)
  • 夜蝉(よぜみ)に乱れて
    -
    水泳選手として将来を嘱望(しょくぼう)される青年・憲一(けんいち)は、隣家に住む同級生の美少女・愛由子(あゆこ)に恋心を抱いていた。ある日、愛由子の父が再婚する。清楚さと妖艶さを併(あわ)せ持つその若妻・博美(ひろみ)に魅了される憲一。そして大人の女へと成熟した愛由子との思いがけない一夜……。夏の濃密な空気のなか、汗ばむ肌と蝉の鳴き声が、青年と二人の美女を性の坩堝へと追い立てる傑作官能小説。
  • 赤死病の館の殺人
    3.0
    素人探偵・森江春策の助手・新島ともかは、旅先で奇怪な屋敷に迷い込んだ。七色に塗り分けられ、ジグザグに繋がった7つの部屋。深夜に謎の怪人が現れた翌朝、主の老資産家と孫娘が失踪し、あとには使用人の無惨な死体が残されていた……。(表題作) その他、衆人環視下の二重密室での殺人を描いた「密室の鬼」など、本格推理の魅力が横溢した、驚嘆必至の傑作4編を収録!
  • ぼくたちはきっとすごい大人になる
    -
    大きらいな幼なじみに、なぜだかときめくカンナ。教室で浮いた存在の不良にあこがれる和馬(かずま)。親友の家庭事情を知った千里(ちさと)。音楽教師に心を寄せる哲平(てっぺい)。母の愛人に恋する愛(アモ)。クラスメートの死を受け止める3人の男の子。さまざまな状況に、真っ直ぐ本音でぶつかっていく子供たち。大人になって失ってしまった感覚を、鋭く冷静な視点で浮かび上がらせる6編。
  • ねむい幸福
    3.0
    橋場淳夫は妻・君香と理想的な家庭生活を送っている……と思い込んでいた。だが、些細な口論をきっかけに、妻が突然、家を出て行ってしまった。男性と暮らし始める一方で、淳夫に毎日のように電話をかけてくる。そんな妻の行動がさっぱり理解できない淳夫は、ある日、スポーツクラブで、インストラクターの祥子と出会う――。男女の心の深奥を描き出した傑作長編小説。
  • ねずみ石
    3.8
    真ん中にひと文字「子」という漢字が入った灰色のすべすべとした楕円形の石。神支村の子どもたちが祭りの夜に探す「ねずみ石」は、願いをひとつだけ叶えてくれる――。中学1年生のサトは4年前の祭りの日、一時行方不明になった。その夜、村で起きた母娘殺人の犯人は未だに判明していない。親友セイとともに、祭りを調べていくうち、サトは事件の真相へと迫っていく。
  • 片耳うさぎ
    3.7
    小学6年生の奈都は、父の実家で暮らすことになった、とんでもなく大きくて古い屋敷に両親と離れて。気むずかしい祖父に口うるさい大伯母。しかも「片耳うさぎ」をめぐる不吉な言い伝えがあるらしいのだ。頼りの中学3年生さゆりは、隠し階段に隠し部屋と聞いて、張り切るばかり――二人の少女の冒険が“お屋敷ミステリー”に、さわやかな新風を吹き込む。
  • はやく名探偵になりたい
    3.8
    人の神経を逆撫でする無神経な言動と、いいかげんに展開する華麗な(?)推理。鵜飼杜夫(うかいもりお)は、烏賊川市でも知る人ぞ知る自称「街いちばんの探偵」だ。身体だけは丈夫な助手の戸村流平(とむらりゅうへい)とともに、奇妙奇天烈な事件解決へと、愛車ルノーを走らせる。ふんだんに詰め込まれたギャグと、あっと驚く謎解きの数々。読めば読むほどクセになる「烏賊川市シリーズ」初の短編集。
  • マナは海に向かう
    3.3
    門倉マナは漁師の祖父と2人、葉山に暮らす高校3年生。学業の傍ら、海に繰り出す日々。夏の終りのある日、1人で漁に出た祖父は戻らず、発見された船には、巨大魚との格闘の痕跡が残されていた。祖父の誇りを守るため、マナは青春を賭けた闘いに挑む! 海辺の町に暮らす人々のそれぞれの人生、ダイナミックな洋上の闘い……。いくつもの魅力に溢れた海洋青春小説。
  • きみは心にジーンズをはいて
    3.7
    中川凛、29歳。葉山で気ままなヨット暮らしを送る敏腕広告ディレクターだ。新たな仕事で対決することになったのは、米大統領選キャンペーンを陰で仕切ったと噂される大物だった。勝負は、女性100人の投票で決める「公開プレゼン」。凛がヒントにしたのは、結婚に悩む友人のひと言だった――。迷いながらも真っすぐに生きるすべての人たちにエールを送る、大人の青春小説。
  • きみがハイヒールをぬいだ日
    4.0
    数々の賞を射止めた若き女性広告ディレクター・中川凛。ある事情から広告業界に嫌気がさし、東京を脱出。葉山でヨット暮らしを送っていた。クルージングと読書、そして海に抱かれて眠る日々……。そこに新たな仕事の依頼が飛び込む。気乗りのしない彼女だったが、ある少女との出会いが、心の奥に眠る想いに火をつけた――。海風のように爽やかな、大人のための青春小説。
  • She Is Wind~彼女は風のように~
    3.0
    戦後の混乱期を爽やかな風のように駆け抜けた少女がいた。岩倉可奈。18歳。アメリカ軍将校用のゴルフ場で働き、家族を支える日々。スコットランドで幼い頃から身につけたゴルフで、米軍将校たちをきりきり舞いさせる生きのいいヤマトナデシコだ。時代の大波のなかで、凛として自分を貫き、今このときを精いっぱいに生きる――そんな姿が勇気をくれる、感動作!
  • 美しき敗者たち
    4.0
    流葉爽太郎の相棒、熊沢が急病で倒れた。代わりにやってきたのは、仕事はできるが、どこか謎めいた面を持つ美女だった。彼女との初仕事は、自動車会社の新車CF。流葉が起用を決めたのは、47歳の現役Jリーガーだった。一度夢をあきらめた男は、娘のため、そして自分自身の誇りをかけ、ピッチに戻ってきたのだ。男たちの夢が、女たちの想いが、いま疾走し始める!
  • バンカーなんか怖くない
    3.0
    たった3本のクラブで連戦連勝。ハワイのゴルフ界ではちょっと有名な、わたしはユウ、16歳。向かうところ敵なしって言いたいとこだけど、SWを壊してしまってからスランプなんだ。倉庫の隅にあったその古いクラブは、実は幻の名品だったみたい。なんとか同じものを手に入れたくて……。1人の少女がゴルフを通じて成長する姿を爽やかに描く、超人気シリーズ第2弾!
  • 灰色の動機~ベストミステリー短編集~
    3.5
    森三郎という男性が陸橋の下で死体で発見された。しの子は、警察に過失死とされた恋人の死を不審に思い、事件として調べ始めた。しかし、容疑者は――(「灰色の動機」)。表題作をはじめ、珠玉のミステリーはもちろん、最初の小説である「ポロさん」、唯一のSFで文庫初収録の「結婚」など鮎川作品の中で異色テイストの作品を満載した贅沢な一冊。オリジナル短編集第3弾。
  • 積木の塔~鬼面警部事件簿~
    3.0
    東京・目黒の喫茶店で中年セールスマンが毒殺された。前の会社が倒産し、ようやく再就職が決まり、勤め始めた矢先の出来事だった。白昼、しかも入手困難な青酸カリを使った犯罪に、解決も時間の問題と思われた。しかし、毒を仕込んだ犯人と思われた女は、数日後、無惨な死体で発見された。仕組まれた完全犯罪、鉄壁のアリバイ……。鬼貫警部がまたも難事件に挑む。
  • 宛先不明~鬼貫警部事件簿~
    -
    秋田市内の公園で男性の絞殺死体が発見された。被害者は東京の印刷会社勤務のサラリーマン。東北旅行の最中、何者かに電話で呼び出され殺害されたと判明した。捜査線上に浮かんだ容疑者には、しかし、鉄壁のアリバイがあった。行き詰まった捜査に難事件を解決して来た鬼貫警部が乗り出した。鬼貫警部シリーズ復刻第2弾。なかなか手に入らなかった傑作がいま甦る。
  • 消えた奇術師~星影龍三シリーズ~
    4.0
    奇術師・旭日斎天馬一座の目玉の出し物は「トランク抜け」だが、抜け出すはずの一員が死体となっていた。二人目の犠牲者はピストルで撃たれ階段を転げ落ちた。マジック・コンテスト優勝賞金の独り占めを目論む天馬。しかし、その姿は、密室空間から忽然と消えていた。(表題作) 赤、白、青、三つの「密室」傑作を含む中短編集。消失トリックの白眉を天才・星影が斬る!
  • 墓苑とノーベル賞~岩中女史の生活記録~
    3.0
    岩中妙子は56歳の専業主婦。転居先の自治会で防犯部長を押しつけられる。だが、持ち前の好奇心から、次々と謎を追いかけていくことに……。墓苑のセールス電話が引き起こす脅迫騒動(「墓苑とノーベル賞」)、生垣に貼られた犬の糞尿への過激な警告文(「警告と署長感謝状」)など、日常の些細な出来事から広がる事件を鮮やかな推理で解明する連作ミステリー。
  • 純平、考え直せ
    3.4
    坂本純平は気のいい下っ端やくざ。喧嘩っ早いが、女に甘くて男前。歌舞伎町ではちょっとした人気者だ。そんな彼が、対立する組の幹部の命(タマ)を獲ってこいと命じられた。気負い立つ純平だが、それを女に洩らしたことから、ネット上には忠告や冷やかし、声援が飛び交って……。決行まで三日。様々な出会いと別れの末に、純平が選ぶ運命は? 一気読み必至の青春小説!
  • ZOKURANGER
    3.5
    民間企業から転職し、大学の准教授に赴任したロミ・品川。研究環境改善委員会なる組織の委員に任命されたが、その実態について、まるで把握できない。ある日、委員の一人が「サイズを測らせて」と尋ねてきた。それぞれが色違いのユニフォームを着て活動するらしい。困惑が増すばかりの彼女に、メンバの「妄想」が絡み合う! 大学で繰り広げられる不可思議な物語。
  • ZOKUDAM
    3.2
    「この赤い方が、ゾクダム・一号機、通称、赤い稲妻だ」黒古葉博士が指さした先には全長12メートルの巨大ロボットが! 遊園地の地下にあるZOKUDAMに配属されたロミ・品川とケン・十河の任務は、このロボットに乗り込み戦士として怪獣と戦うことらしいのだが……。この様子を密かに窺う男女の姿が。対抗組織TAIGONの揖斐純弥と永良野乃の二人だった。
  • ZOKU
    3.4
    犯罪未満の壮大な悪戯を目的とする非営利団体〈ZOKU〉と、彼らの悪行を阻止せんとする科学技術禁欲研究所〈TAI〉。その秘密基地は真っ黒なジェット機と真っ白な機関車! 謎の振動、謎の笑い声、ばらまかれる芸術作品……。一体何のために? 被害者が気づかないほどのささやかな迷惑行為をめぐり、繰り広げられる悪と正義(?)の暗闘。痛快無比の物語。
  • 京都駅殺人事件~駅シリーズ~
    -
    東京の浪人生・橋本眞人の部屋で、同級生の撲殺死体が見つかった。部屋に残された痕跡から、逃亡した橋本が時限爆弾を作っていたらしいことが判明する。やがて京都駅長室に届いた駅爆破を予告する脅迫状。京都へと急行する十津川警部だったが、厳戒空しく、駅3番ホームで爆発が! 果たして橋本の仕業なのか? また、脅迫犯の真の目的とは? 緊迫のサスペンス。
  • 仙台駅殺人事件~駅シリーズ~
    -
    毎年十二月一日正午に、仙台駅ホームに佇む和服姿の美女がいた。彼女は、銀座の高級クラブのママ・早坂みゆき。原宿で起きた殺人事件の容疑者となった彼女は、毎年一千万円もの大金をゆすられ続けていたのだった。姿を消したみゆきを追う十津川警部は仙台駅に網を張るが、何者かの妨害に遭い、失敗。そして新たな殺人が! 複雑に絡み合う事件の意外な真相とは!?
  • 長崎駅(ナガサキ・レディ)殺人事件~駅シリーズ~
    4.3
    イギリスの流行作家V・ヘイズが、日本人妻を伴い来日することになった。ところが、ある国際的テロ組織が警視庁に脅迫状を送りつけてきた。「来日したら夫妻を殺す」というのだ。警告を無視するヘイズのため、十津川警部は英国人刑事とともに必死の警護に当たる。だが、長崎へ向かう特急「さくら」車中で、夫人が誘拐されてしまった! 圧巻の傑作推理サスペンス。
  • 西鹿児島駅殺人事件~駅シリーズ~
    4.0
    西鹿児島行の寝台特急「明星51号」の車中で殺された男のポケットには、不思議なラブレターがあった。そして、同じ手紙を謎の女から受け取った田中刑事も刺殺された。接近する台風、降り注ぐ桜島の火山灰、さらに殺人の刑期を終えて復讐を狙う男・小西を迎え、混乱する西鹿児島駅。部下を失った十津川警部の活躍を描く、旅情と、息づまるサスペンスの傑作長編推理!
  • 函館駅殺人事件~駅シリーズ~
    -
    冤罪の罠に落ちたカメラマンの金井は、自分を陥れた後輩を刺殺して、故郷の函館に向かった。金井を慕う美人モデルのマリ子、そして、コルトを使う謎の男・瀬沼――。金井を追って、函館駅に張り込む十津川と亀井の眼前で、射殺事件が発生し、その背後には覚醒剤密売事件の影があった。復讐は正義か。愛にすがる逃亡犯の宿命をサスペンスフルに描いた傑作長編推理!
  • 巻きぞえ
    3.2
    夫、息子と幸せに暮らす宏美(ひろみ)は9年前に恋人を飛び降り自殺の巻きぞえで失っていた。しかし、時を経て浮かんできたのは、その自殺の裏に隠れていた衝撃の真相だった。(表題作「巻きぞえ」) 書下ろし「解剖実習」を含みすべて死体から始まる珠玉の短編ミステリー7編を収録。なにげない日常にこそ潜んでいる恐怖を描く「デイリーサスペンスの女王」渾身(こんしん)の短編集。
  • ママの友達
    3.1
    主婦の典子(のりこ)のもとに、差出人不明のまま突然届いた中学時代の「交換日記」。その直後、メンバー4人の中でリーダー格だった長谷川淳子(はせがわじゅんこ)が殺されたというニュースが入る。彼女に何があったのか。音信不通だった残りのメンバーの人生も、事件をきっかけに大きく動き出す。40代女性の人生に起こるさまざまな事件をサスペンスタッチで描き出した感動の長編推理小説。
  • 白い雨
    4.3
    N大ワンダーフォーゲル部、秋のキャンプ。奥多摩(おくたま)の山中に白い雨が降った。雨はミルクのように白く、かすかに光っていた。その雨滴(うてき)に打たれた男子部員、今井(いまい)に異変が! 日頃の鬱憤(うっぷん)が凶気にまで昇りつめ、二人の部員を殺害する。山麓の町でも雨に濡れた人々が次々と事件を引き起こしていた。白い雨が心の奥底に潜む憎悪を呼び覚まし、殺戮(さつりく)を導く。戦慄のホラー作品。
  • 旧家の女
    4.0
    農村にある小学校へ新任教諭として赴任してきた都会育ちの糸村菊乃。そこで出会った旧家の当主で40代の三刀谷勇一に見染められスピード結婚。初夜の感動もまだ冷めやらぬうち、夫の浮気が発覚した。家庭内別居をするなかで次第に分かってきた三刀谷家の「異常な性生活」。禁断の関係が奔放な快感を呼び覚ます。これぞ小玉二三しか書けない官能ミステリーの傑作!
  • 花酔い
    5.0
    フリーのメイクアップ・アーティスト黒地渉。彼にメイクを施された女たちは、厚く身に纏った心の鎧を脱ぎ捨て、本当の自分をさらけ出す。雑誌編集者、新進女優、主婦、美術館学芸員、祇園の女将……その肌に渉のしなやかな指が触れるとき、彼女たちは今まで経験したことのない官能の悦びに目覚めていき……。女の肉体の深奥に潜む欲望を濃密に描き出す官能連作集。
  • 降臨
    3.2
    ある朝、勤勉な主婦・文枝は何もしない女になっていた。家事一切はもちろん、パート仕事にも行かず、一日、家にいるだけ。文枝は、何もしなくてもいいという、神のお告げを受けたらしい。困った家族は、叔母の花枝に依頼し、文枝を預かってもらうのだが……。(表題作) 心の隙間に宿る闇が、人びとの日常を次第に蝕む恐怖を描く、連作小説!(『痛いひと』改題)
  • 赤道
    4.7
    アパートの一室。男は、全身を切り刻まれ、鮮血に染まっていた――。きっかけは、バブル崩壊後のバンコク赴任だった。炎熱の街で、美しい妻は精神が崩壊し、去った。会社を辞め、男の中に堅く封印していた「心の闇」が暴れ出す。売春斡旋、転生ビジネス。堕ちていく男の魂は行き場を求めて彷徨する。松本清張賞受賞作家が生きる意味を真正面から問う衝撃作!
  • そっと覗いてみてごらん
    3.1
    石屈日和は文具メーカで働く30歳。創業者の孫ということもあり、職場では恵まれた立場だ。親戚から格安で借りた高級マンションに住み、好意を寄せてくれる男性もいる。秘かな楽しみは、刺激を求めて始めた毒舌ブログの更新だ。そんな彼女の運命が、俄に狂い始める。次々と起こるトラブル。こじれてゆく人間関係。誰かが私を陥れようとしてる? 傑作サスペンス!
  • エクスワイフ
    4.0
    「この三百万で、亜里紗を買いたいんだ」。自分を捨てた美しく高慢な妻。男の望みは、その身体を鞭で打ち据え、泣き叫び許しを乞う姿を見ることだった。憎しみに狂う男の胸に去来する思いとは?(表題作) 若さと美貌を失い、出張売春婦へと堕ちた銀座の女を襲う地獄のような夜、そして小さな希望。(「オカメインコ」) 異形の愛と欲望を鮮烈に綴る全8編を収録。
  • 処刑のライセンス
    -
    独房から一人の男が連れ出された。段英二郎、32歳。大阪府警の敏腕刑事だったが、2年前、3人の命を奪い11年の刑を受け服役した。暴力団幹部・西垣の罠にはめられたのだ。段は刑務所長から、「殺人も許される」処刑執行人としての特命を下された。アジアマフィアと暴力団を壊滅するため標的を追うと、西垣の存在が浮上する。段の復讐心に火がつく!(表題作)
  • セシルのもくろみ
    3.5
    平凡な生活を送る専業主婦・宮地奈央(みやじなお)の生活は一変した。友人に誘われ軽い気持ちで応募した女性誌『ヴァニティ』の読者モデル募集で思いがけず採用されたのだ。華やかなファッションの世界に渦巻くモデルたちの様々な思惑に困惑しながらも、奈央は“負けたくない”という自分の中の「女(セシル)」に気付く――。人気女性誌『STORY』の大好評連載、待望の電子化!

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  • 白光
    3.6
    ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常――のはずだった。しかし、ある暑い夏の日、まだ幼い姪が自宅で何者かに殺害され庭に埋められてしまう。この殺人事件をきっかけに、次々に明らかになっていく家族の崩壊、衝撃の事実。殺害動機は家族全員に存在していた。真犯人はいったい誰なのか? 連城ミステリーの最高傑作がここに。

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  • 愛情の限界
    -
    結婚式を12時間後に控えた杏子は、過去と訣別するために男とベッドにいた。男――佐上は、杏子の胸に爪でSの字を刻んだ。挙式直後から杏子を翻弄する異常な出来事。そして「理想の夫」構一の不可解な言動に罠の匂いを感じ取った杏子は、「幸せ」を守るために決然と立ち向かっていったが、逆に……。彼女が最後に信じたものは何か? サスペンスフルな恋愛小説!

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  • 黒魔館の惨劇
    -
    ロンドンの閑静(かんせい)な住宅街にその屋敷はあった。ビクトリア朝様式の外観、美しい庭、見事な家具。しかし、そこには「何か」がいた。商社駐在員の妻と子、作家志望の青年……屋敷を借りた日本人はみな、次々と心を病むか、凄絶(せいぜつ)な死を遂げるのだった。血みどろの地獄絵図を繰り広げる邪悪な存在の正体とは? 「館ものホラー」の伝説的傑作が、いまここに甦(よみがえ)る!
  • シンデレラ・ティース
    4.0
    大学2年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトをすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって……。サキの忘れられない夏が始まった!

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  • 世界でいちばん長い写真
    3.8
    人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!? その日から、宏伸の日常がきらめき始める。ワクワクして胸にジンとくる、青春小説の新たな傑作!

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  • 痺れる
    3.8
    12年前、敬愛していた姑が失踪した。その日、何があったのか。老年を迎えつつある女性が、心の奥底にしまい続けてきた瞑い秘密を独白する「林檎曼荼羅」。別荘地で1人暮らす中年女性の家に、ある日迷い込んできた、息子のような歳の青年。彼女の心の中で次第に育ってゆく不穏な衝動を描く「ヤモリ」。いつまでも心に取り憑いて離れない、悪夢のような9編を収録。

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  • 哲学探偵
    3.0
    大富豪の若い妻が、興奮剤による心臓麻痺で死亡した。自殺なのか殺人なのか。難事件を専門に扱う特捜班に所属する高島(たかしま)警視と久保(くぼ)主任の意見は対立する。行き詰まった2人がたまたま訪れた競馬場で出会ったのは、哲学好きで短歌趣味の馬券師。哲学的視点を三十一文字(みそひともじ)にこめて馬券師が披露する驚愕の推理とは!?(「世界は水からできている」)。鯨ミステリーの真骨頂!

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  • 浦島太郎の真相~恐ろしい八つの昔話~
    3.3
    母一人子一人で暮らしてきた45歳の娘は75歳の母親をなぜ殺害したのか? 不明だった事件の動機を、美人大学院生・桜川東子(さくらがわはるこ)が昔話・浦島太郎の大胆な新解釈で解き明かす!(表題作) 日本酒バーで益体(やくたい)もない話を繰り広げる常連2人とマスターのヤクドシトリオ。彼らが解けない事件の謎を昔話になぞらえて次々と解決する東子の名推理。鯨ミステリーの妙技が冴える!

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  • ミステリアス学園
    3.5
    ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」。ミステリは松本清張(まつもとせいちょう)の『砂の器』しか読んだことがない、新入部員・湾田乱人(わんだらんど)が巻き込まれる怪事件の数々。なぜか人が死んでいく。「密室」「アリバイ」「嵐の山荘」……。仲間からのミステリ講義で知識を得て、湾田が辿り着く前代未聞の結末とは!? この一冊で本格ミステリがよくわかる――鯨流超絶ミステリ!

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  • ふたりのシンデレラ
    3.3
    「ふたりのシンデレラ」を上演するため、合宿中の劇団を襲う惨劇。主役を巡り、女優や演出家が対立する中、一人は殺され、一人は失踪、一人は重傷を負い記憶を……。シンデレラが仕掛けた罠とは何か? 事件の証人であり、犯人であり、犠牲者で、探偵役で、ワトソン役で、記録者で、容疑者で、そして共犯者でもある――一人八役の「わたし」が語る驚愕の真相とは!?

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  • うつむいた人形
    3.0
    「雪江(ゆきえ)!」――男は、倉本千明(くらもとちあき)にそう呼びかけて来た。人違いなどではない。千明は、その男・室田照男(むろたてるお)を会社で失脚させるために偽名(ぎめい)を名乗り彼の愛人となったのだ。千明に素っ気なくされた室田は赤信号の横断歩道に歩を進め……。女子大生でありながら、千明は「壊し屋稼業」で多くの男を惑わし、その人生を狂わせてきた。その報いなのか!? 何者かが彼女の命を狙う!

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  • 柿色のベビーベッド~杉原爽香三十六歳の秋~
    3.6
    爽香に待望の赤ちゃん誕生! 長女・珠実(たまみ)ちゃんを産んでからも、相変わらず仕事に事件に大忙し。勤め先の〈G興産〉では、新事業としてカルチャー・スクールの経営引継ぎを検討。その調査にあたる一方で、爽香はバス旅行にも添乗する。旅行先では、台風による土砂崩れで、生命の危機が! 主人公・杉原爽香が読者とともに年齢を重ねる人気シリーズ第22弾。

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  • ガーディアン
    -
    幼時に父を亡くした勅使河原冴(てしがわらさえ)は、ずっと不思議な力に護(まも)られていた。冴が「ガーディアン」と呼ぶその力は、彼女の危険を回避するためだけに発動する。突発的な事故ならバリアーとして。悪意を持った攻撃にはより激しく。では、彼女に殺意を抱いた相手には? きっと、誰かに勧めたくなる。本格のイリュージョニスト・石持浅海の魅力が炸裂する奇想ミステリーの傑作!

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  • 十津川警部 西伊豆変死事件
    5.0
    西新宿のホテルで、女性の刺殺体が発見された。免許証から北千住のクラブのママ「中川真由美」と分かる。ところが静岡県警から、中川真由美は5年前に西伊豆の堂ヶ島沖合で溺死しているとの報告が! いったい、どちらが本物なのか? そして、ニセ者の狙いは? 十津川は事件の鍵を握る地、金沢へ――。やがて浮上してきたのは、意外な組織の関与だった。
  • 天鵞絨(びろうど)物語
    3.5
    裕福な家庭で育ち、初恋の相手・泰治(たいじ)と婚約した品子(しなこ)は幸せの絶頂にあった。だが結婚後も夫の心は気高く美しい大使令嬢の真津子(まつこ)に向いていた。妻にも祝福される恋をしたい。そんな泰治の理不尽な求めにも素直に従い、品子はひたむきに愛を貫く――。昭和初期の華やかな上流社会を舞台に、男性に翻弄されつつも、逞(たくま)しく成長する一人の女性の生き様を描いた長編小説。
  • 鮫島の貌(かお) 新宿鮫短編集
    3.7
    新宿署に異動直後、上司となる桃井と鮫島との出会い。飛び降り自殺を図ろうとした少年と関わる晶。鮫島の宿敵・仙田、鑑識官の藪……。シリーズに登場する個性的な人物たちの意外なエピソードから、人気コミックの主人公である両津勘吉や冴羽との共演まで。孤高の刑事・鮫島の知られざる一面が垣間見える短編が勢揃い。「新宿鮫」にしかない魅力が凝縮された全10作品。
  • 風水火那子の冒険
    3.0
    7軒がひしめくラーメン横町で、料理評論家の田岡が殺害された。その日、全店を取材する予定だった彼は、奇妙なダイイング・メッセージを残していた……。死の間際、ある店ではトッピングのみを口にし、ある店では一口も食べなかったりと、不可解な行動をとっていたというが……。(「麺とスープと殺人と」)新聞配達員にして名探偵。美少女探偵の華麗なる推理4編。
  • 蜃気楼・13の殺人
    3.3
    栗谷村の村おこしマラソン大会の最中、忽然とランナー13人が消えた! 戦国時代の山城・十三曲坂を使った10キロのコースは、途中で抜け出ることのできない、いわば大密室……。後日、消えたランナーの一人が、木に突き刺さった無惨な姿で発見された。奇妙なことに、この一連の出来事が、150年前の古文書に書かれていた!? 奇才が挑んだ空前のトリック!
  • 緑衣の牙
    3.3
    深い森に囲まれた北海道函館近郊の美しい学園・星辰女子学園で惨劇が起きた! 2年生の朝倉麻耶が水死体で発見されたのだ。さらに、麻耶の死んだ沼の岩に『罪ハ血デ贖ヘ』の血文字が……。学園のマドンナ的存在だった彼女に何が!? 悪魔と戯れる少女たちの密儀とは? 連続殺人に挑む天才少年・牧場智久と女子高生・武藤類子。鬼才・竹本健治の意欲作!(『眠れる森の惨劇』改題)
  • 凶区の爪
    3.0
    会津地方一の名家・四条家で惨劇が起きた! ――17歳で史上最年少の囲碁・本因坊となった牧場智久たちが、四条家に招かれた翌朝だった。蔵の白壁に首なしのバラバラ死体が埋め込まれていたのだ。さらに翌日、蔵の中に、狂女の面をかぶった長女・石蕗の惨殺死体が! 村に伝わる陰惨な言い伝えどおりに起きた連続殺人 ――鬼才が放つ、本格推理の力作!
  • リインカーネイション~恋愛輪廻~
    3.0
    もう一度「あの人」に巡り逢ったとき、二人の間には何が芽生えるのか。初恋の人、別れてしまった最愛の恋人……。時を経て、二人が再び出逢って思いもかけないドラマが始まる。『ブラッディ・マンデイ』『金田一少年の事件簿』『神の雫』をはじめ、ヒット作多数の漫画原作者が、初めて本名で発表した恋愛小説集。『女性自身』で連載された3編を含む「4つの愛の物語」。
  • 目嚢―めぶくろ―
    3.4
    怪談作家の鹿角南は、従妹の嫁ぎ先、菊池家の古い土蔵で見つかった『目嚢』という古文書を預かる。そこに記された怪談に興味をひかれ、菊池家の歴史を調べようとする南だが、まるで誰かが邪魔するように、指が切れ、虫が湧き、一人暮らしの部屋に異変が起こり始める。迫りくる怪異は、止まることなく続いていく……。名手が描く、背筋が凍る傑作長編ホラー小説。
  • ぶたぶたのお引っ越し
    3.7
    リタイア後、田舎に移住したいという夫と考えが合わず悩む成実の前に、移住アドバイザーとして登場したのは――(「あこがれの人」)。家賃の安い「告知事項あり物件」に引っ越すことになった詠斗は、挨拶に訪れた隣の部屋で、衝撃の出会いを果たす――(「告知事項あり」)。お引っ越しによる、出会いと別れ。その節目に、不思議なぬいぐるみと出会ったら。心震える3編を収録。
  • 道具侍隠密帳~四つ巴の御用~
    -
    1~4巻550~660円 (税込)
    小普請組旗本・能登川清兵衛は、義母と妻に頭が上がらない毎日だが、彼には探索・暗殺者という裏の顔があった。御側衆・上野久唯から持ち込まれたのは、権勢を誇る小納戸頭取・大原石堂の殺害依頼。石堂の周囲を探るうち、清兵衛は幾重にも巡らされた陰謀の匂いを嗅ぐ。小者の峰介が作った、珍妙で抜群に使える道具の数々を懐に潜ませ、清兵衛は敵陣に乗り込む!
  • 孤高の若君~鳥見役京四郎裏御用(一)~
    -
    1~5巻550~660円 (税込)
    将軍の鷹の餌となる雀の捕獲と鷹場の巡検を表の仕事とする鳥見役・諏訪京四郎。その裏では、鳥見役組頭である兄の命を受けての隠密働きもする。飛鳥山へ雀捕りに出かけた京四郎は豊後国東藩の若君・鶴千代と知り合い、好意を持つ。ところが国東藩では鶴千代とその弟を巡り御家騒動が勃発していた。国東藩の探索を命じられた京四郎が、抜け荷事件も絡む血肉の争いに挑む!
  • 猫は引っ越しで顔あらう~猫探偵 正太郎の冒険4~
    4.1
    同居人のミステリー作家・桜川ひとみの転居にともない、東京で暮らし始めた正太郎。早速仲よくなった隣猫、フルフル(アメショー系シルバータビーもどきの大きな去勢雄)とニンニン(茶虎と白の混じった小柄な避妊雌)のコンビと一緒に、新しい街で、新しい冒険に大忙し!? 下町の情緒に馴染み、正太郎が活躍する四つの事件。好評シリーズ、第4弾!
  • 猫はこたつで丸くなる~猫探偵 正太郎の冒険3~
    3.9
    人間顔負けの推理力で難事件を解決する猫探偵・正太郎。親友犬・サスケや、近所の猫仲間とまたまた大活躍。そんな正太郎が恋い焦がれる永遠のマドンナ、美しきシャム猫・トーマ。去勢猫・ゴンタと雑種の正太郎、それぞれへの愛情に揺れる彼女の物語も収録。人間も猫も恋する女は悩むものなのだ。殺人事件、恋のさやあて……好評、猫探偵の七つの事件簿!
  • 猫は聖夜に推理する~猫探偵 正太郎の冒険2~
    4.0
    クリスマス・イヴに、推理作家・桜川ひとみは、リビングで膝の上の猫・正太郎に語りかける。イヴの失恋の思い出。彼に渡せなかったプレゼント。「プレゼントは、いったい何だったでしょうか。推理してください」正太郎は小首を傾げ、「答」を示した……(「賢者の贈り物」)。本格推理、ラブ・ストーリー、宇宙を駆ける「番外編」など、好評、猫探偵の六つの事件簿!
  • 猫は密室でジャンプする~猫探偵 正太郎の冒険1~
    3.8
    名前・正太郎(雄猫)、毛色・八割黒に二割白(長めの毛足)、飼い主・桜川ひとみ(ミステリー作家)、住まい・琵琶湖近郊、友犬・サスケ(チャウチャウ系の雑種)、特技・推理――。飼い主を“同居人”と呼び、明快な推理で事件を解決してしまう正太郎。謎解きには、こだわりや、仕掛け、いたずらが満載。猫好き、ミステリー好き絶対満足。猫探偵の六つの事件簿!
  • 猫と魚、あたしと恋
    3.4
    「猫は水が嫌いなのに、どうして魚が好きなんでしょう? 女の子は辛いこと、苦しいこと、めんどくさいことなんかみんな嫌いなはずなのに、なぜ、いつも恋を追い掛けているのでしょう?」(「あとがき」より)不倫、万引き、覗き、睡眠障害……。日常を生きるために、恋をまっとうするために、普通に“壊れて”しまう“あたし”たちをストレートに描く9編。
  • いま、殺りにゆきます RE-DUX
    3.6
    深夜、見知らぬ男から、携帯に殺害予告を受けた女性の恐怖を描く表題作。マンションのポストに仕掛けられた恐るべき罠「集合ポスト」。ストーカーに部屋に侵入された元AV女優が、身の毛もよだつ責め苦を受ける「自作ビデオ」。あなたのすぐ隣にある狂気を描く、伝説の実話短編シリーズから、著者が最恐の31編を自選。新たに書下ろし3編を加えた豪華完全版。
  • しずく
    3.9
    恋人同士が一緒に暮らしたことから出会った2匹の雌猫。彼女たちの喧嘩だらけの日々、そして別れを綴る表題作。子供が嫌いな私が恋人の娘を一日預かることになった。作り笑顔で7歳の子供に機嫌をとろうとしてもそう簡単にはうまくいかない……。二人のやり取りを、可笑しく、そして切なさを込めて描く「木蓮」。直木賞作家が贈る、「女ふたり」をめぐる6つの極上の物語。
  • 猫は毒殺に関与しない~猫探偵 正太郎の冒険5~
    4.0
    誰が犯人だ!? 桜川ひとみの自宅で開かれた鍋パーティ。作家仲間である四方幸江を陰で中傷する人物を探り出す。それが、ひとみに任された役割りだった。だが、パーティ参加者の中に、大きな殺意を抱く者がいて……。(表題作) いつもクールに謎を解く猫探偵 正太郎が、生涯二度目の恋をした!?(「正太郎、恋をする」) 珠玉の3編を収録。
  • 会津・リゾート列車殺人号
    -
    鬼怒川温泉から会津若松まで走るリゾート列車『幕末』号の試乗会で殺人事件が発生! 殺されたのは山口・萩の会社社長。殺したのは列車内で剣舞を演じていた福島・会津若松の女子高生。トラベルライターの瓜生慎は山口の映画ロケの取材先から、リゾート列車に同乗して事件を目撃した息子・竜の元へ駆けつける。幕末以来の遺恨が絡んだ難事件に親子が挑む!
  • 宗谷・望郷列車殺人号
    3.0
    サハリンを望む稚内の海岸線に戦時中、建てられた監視哨から人間の白骨が見つかった! 密室状態にあった監視哨の所有者・小幡作治はなぜか失踪中。作治の古くからの友人だった義父からの依頼を受け、トラベルライター・瓜生慎は、事件の解決に乗り出すが……。彼らを乗せた“スーパー宗谷”には次々と妖しい人物が! トラベルミステリの魅力満載!
  • 古典文学の秘密
    3.0
    1巻550円 (税込)
    『古事記』『土佐日記』『源氏物語』『徒然草』『古今和歌集』……。かの有名な日本文学の古典には、学校では教えてくれない「秘密」があった。それはエロティシズムだ。おなじみリンボウ先生が誰もが知る有名な作品の数々から色事溢れる場面を抽出し、面白おかしく解釈を披露。つまらなかった古典がこんなに艶っぽいものとは!「目からウロコ」のリンボウ流「特別課外講義」。(『本当はとてもえっちな古典文学』改題)
  • ランチタイムのぶたぶた
    3.8
    スーパーに勤める聖乃は、一人で過ごすお昼休憩を味気なく思っていた。そんな中、思いがけないお弁当を持った「山崎ぶたぶた」という新人が現れ、聖乃の毎日が変わり始める――(「ぶたぶたのお弁当」)。仕事も勉強もお悩みも、ひと休みできる「お昼」の時間。さりげなくも大切な時間を、お店や職場やお家で、不思議なぬいぐるみと過ごした人々の、7通りのランチタイム。
  • 京都・宇治川殺人事件
    5.0
    野村映子の夫・昭夫(あきお)は、車もろとも宇治川に突っ込み、謎の転落死を遂げた。警察は事故と判断したが、不審を感じた映子は独自に捜査を開始する。一方、映子に協力的な笛木(ふえき)刑事が追う轢(ひ)き逃げ事件は手詰(てづま)り状態に陥っていた。そんななか、金閣寺で絞殺事件が発生。3つの事件に接点はあるのか? 幻の処女長編、ミステリーの女王の原点が甦(よみがえ)る!
  • 愛の海峡殺人事件
    5.0
    日本の敗戦まで少女時代を過ごしたソウル市を、27年目に訪れた野際彩子。亡父が恩義をかけた3人の韓国人と会ううちに、敗戦直後に客死した父の死に重大な疑惑が……!? さらに謎の連続殺人事件――しかも彩子は、殺人の容疑をかけられる……。トリックと“どんでん返し”で読者に挑戦する、エキゾチシズムあふれる長編推理力作!
  • 謎の乗客名簿(ボーディング・リスト)
    -
    一流金属メーカー、東洋工業の社有機が山肌に激突。捜索隊が五体の遺体を収容した。ところが、乗客名簿には四人の名前しか記されていなかった。捜索ヘリのパイロット・滝は、現場に同行した東洋電工の社員の態度に疑惑を感じ、独自に捜査を……。苛烈な企業戦争を背景に描くアドベンチャー推理の傑作!
  • 深い眸
    -
    十前(じゅうぜん)久信は自分を見つめる女の視線を感じていた。彼が向かうのは怪しい〈岳女伝説〉に包まれる峡の村。その村で十前は、アル中に効く神草(しんそう)を探すという野狩玄人と出会う。やがて、神草を求めて野狩が狐を山に放ったとき、村長の孫娘が突然に姿を消した。村を挙げての必死の山狩り。ついに、怨念を秘めた深い眸の女の正体が……(表題作)。著者渾身のハード・サスペンス。
  • 狼の地図
    -
    「週刊タイム」の記者たちが、鋭い嗅覚と執拗な取材で、企業の暗部に迫る事件簿。博多鉄道の社長が、抱えるプロ球団の赤字の責を負って、辞任に追い込まれそうになった。球団の熱烈ファンで社長を敬愛する運転手が、株主総会に出席し、名演説で大反響を呼ぶ。それを契機に、総会屋になった車掌は……(「私鉄騒乱」)。その他、傑作5編を収録。
  • 霧に溶ける
    4.5
    ミス・コンテストの最終予選に残った5人の美女が、最終審査を前にして、脅迫、交通事故、怪死……次々と謎の事件に巻き込まれてゆく。警視庁特捜班の追及が開始されるが、巧妙なアリバイ工作、鉄壁の密室など、複雑に絡み合った“犯罪連立方程式”が立ちはだかった。周到な伏線が、読者を不可能犯罪の迷宮へと誘う、笹沢本格推理ワールド決定版。
  • 悪魔の剃刀
    3.0
    「故萬田氏よ、お前を許さん」不気味な言葉を残し、失踪中の日本WHM社課長代理・安芸一弘が、死体で発見された。事件の真相を探る海老沢四郎。さらに安芸を慕う女性の白骨死体。苦闘する海老沢の前に、「萬田」と名乗る美貌の女性が現われた! 衝撃の真相! 非情な企業の論理! 先端企業の暗部に潜む病巣に、鋭いメスを入れた長編推理、野心作。
  • 骨牌の城
    -
    本郷家の嫁姑の対立は、日増しにエスカレートしていた。姑の加代子を追い出そうとする嫁のマスミ、姑もまた逆襲……。大蔵官僚の夫・高次(たかつぐ)は、インサイダー取引事件で家庭を顧みる余裕がない。その渦中、近所の人妻・大河原美子が殴殺(おうさつ)された。しかも凶器は高次のゴルフクラブだった! ――永遠の問題・嫁姑の対立と、ミステリーの見事な融合。新機軸の傑作長編。
  • 闇に踊る女
    -
    女の部屋へはいったとたんに、何となくいやな予感がした。女のちょっとした行為に疑問を覚えたのだ。過去に一度関係をもち、これは十年ぶりの再会。女はなぜ、男を求めたのか。(表題作)男と女のさまざまな出会いと別れが生むミステリー、そしてサスペンス。現代の人間社会を鮮やかに浮き彫りにする傑作小説集。
  • 原島弁護士の愛と悲しみ
    4.0
    江戸川区小岩で起きた残虐な母娘殺害事件。その容疑者の弁護を買って出たのは、良心的で正義感に厚いと評判の原島弁護士だった。しかも原島は、かつて同容疑者に自分の妻と娘をひき殺されていた。職業倫理に忠実であろうとする原島の行為は美談なのか、それとも……。表題作をはじめ、意想外なストーリーを巧みに構築した初期の傑作社会派ミステリー5編を収録。
  • カスバの女
    3.0
    日本商船の三笠山丸は、モロッコよりの帰途、中東動乱でスエズ運河が閉鎖されたため、カスバで足止めを喰っていた。船医の春日は、そこで地元の女性の出産に立ち会った。貧民窟(ひんみんくつ)に暮らすその女は、なんと日本人で、東小路公爵(あずまこうじこうしゃく)の一人娘である、と明かした……!? 海外の日本人をテーマに、直木賞作家が綴る傑作トラベル・ロマン!
  • 鳩が来る家
    4.0
    「船だ……船が復讐に来る」口癖のように呟(つぶや)き続け、狂死した父。母も後を追うように首を吊った。呪われた嘗羅家(なめらけ)最後の生き残り・雄作の元へも“彼ら”はやって来た。一族を根絶やしにするために……(表題作)。母が死んだ生家(せいか)に帰った男を襲う怪異(「骸列車」)。謎の缶詰に隠された恐るべき秘密(「蔵煮」)。研(と)ぎ澄まされた文章が紡(つむ)ぎ出した、純度120%の恐怖譚13編!
  • 冥府神(アヌビス)の産声
    3.0
    新宿中央公園で、帝都大学の教授・吉井原義(よしいみなよし)が刺殺された! 医学界のリーダーがなぜ!? ルポライター・相馬研一郎は、吉井の研究室を去った男を追う。その男・九条昭彦は新宿の浮浪者街にいた。彼を慕う不思議な少女・トウトとともに……。九条が以前行った禁断の実験とは? 瀕死の吉井がとった不可解な行動の意味は? ――鮎川哲也賞受賞者による衝撃作!
  • 比翼
    4.0
    ●恋人が身を引いた理由が、片方だけ不自然にずれた着物の紋の位置から判明する(「風神雷神」)●マジックをテーマに、複雑な殺人の謎を解く(「赤いロープ」)●カメラマンが盆栽造りの男によって、妖しい官能の世界に引き込まれていく(「思いのまま」)●ペアルックに拘(こだわ)る女心の奥に潜む危険な香り(「比翼」)人情、奇術、怪異、愛憎……。名人の筆捌(さば)きが冴える傑作集!
  • 鬼子母像
    4.0
    離婚経験のあるタウン誌編集長の奥山美知子は、15歳下のアルバイト・西木総一と愛人関係にある。ある日、二人は取材で訪れた寺の住職から、子を思う鬼子母神の由来を聞く。事故で母親を亡くしたばかりの総一は、いつしか美知子の中に母の面影を求めるが……(表題作)。恐怖、官能、怪奇……。奇才が誘う妖しき世界。多彩な仕掛けのびっくり箱!(全12編)

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