窪美澄のレビュー一覧

  • すみなれたからだで

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    短編集。読んだことあると思ったらそのうちの1篇はアンソロジーで既読でした。
    たぶん窪美澄さんの作品はアンソロジーでしか読んだことがなかったのでがっつり読んだのは初めてです。性愛が多いですがエロティックだとは思わなかったです。性は生と繋がってる、とあとがきで書かれていましたがそんな感じでした。
    既読のおばあちゃんの過去話と、「父を山に棄てに行く」と「インフルエンザの左岸から」の裏表の話が好きでした。
    う〜ん…と思った「バイタルサイン」ですが、まんまとタルコフスキーの『ノスタルジア』は観たくなったし、alice auaaかな?と思ったお洋服は好きでした。

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    2022年04月14日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    略奪愛をテーマにした小説集。
    女性作家たちの描く偏愛にドキドキする。

    どうしてこんなにも、欲しいのだろう。
    そして、どうしてこんなにも、求められたいのだろう。

    「それからのこと」花房観音
    なんだかリアルでよかった。設定はリアルじゃなかったけど。奪われたい、求められたい。

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    2022年03月22日
  • 恋愛仮免中

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    ネタバレ

     5人の作家による「恋愛仮免中」、2017.5発行。奥田英朗「あなたが好き」と原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」が気に入りました。

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    2022年03月08日
  • 妖し

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    地に足がつかない。結末は、個々に委ねられる。短篇でしかたないけど、展開の変化や末路に至る解説を欲してしまう。不自由な自分に星3つ。

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    2022年02月27日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    可愛らしいジャケットデザインに惹かれて読みました。

    黒い結婚と白い結婚、
    それぞれ上下逆になっていて
    どちらからでも読めるのが斬新で面白い。

    『結婚』をテーマに
    様々なテイストの作品を読むことができる。

    特に印象に残っているのは
    白い結婚『いつか、二人で。』。
    ちょっと世にも奇妙な物語っぽさがありつつ
    あたたかい気持ちになる作品。

    これで終わり〜!?と思わず
    突っ込みたくなる作品もあり
    登場人物のこれからを
    勝手にイメージせずにはいられなくなる。 

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    2022年01月27日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    1960年代の働く3人の女性(ライター、イラストレーター、編集雑務)の物語。昔々のかつての話、と2020年代に突入した今も思えないのが残念。同じ時代を生きた3人の女性の横軸と、親、子、孫世代の縦軸で続いていく時代背景でよりリアルに今が透けて見えてくるような生きづらさと、わずかな希望に期待して続編が見てみたい。

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    2021年11月15日
  • 妖し

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    ネタバレ


    短編集は知らなかった作家さんに出会えるのが楽しい。
    今回いちばんのお気に入りは村山由佳さんのANNIVERSARY。
    「俺が寂しいの」に不意にきゅんとしてしまった。
    話のあらすじとはズレちゃうけど、こんな旦那さんと結婚したいなあとしみじみ思いました。笑

    真珠星スピカはちょっとうるっと来たし、
    マイ、マイマイは思春期のムズムズ感を思い出したし、
    わたしキャベンディッシュはぞわっとした。

    一冊で色んな感情を引き出される本でした。

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    2021年10月24日
  • アニバーサリー

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    自分が真菜みたいに、子供の頃からタッパーの料理ばかり食べてたら、今の自分とは全く別人に育っていたんだろうなぁと思います。
    様々な事情や考えがあって一緒にご飯が食べられないと思うんですけど、出来るだけ一緒にご飯を食べられるようにしたいと思いました。

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    2021年09月16日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    さよなら・ニルヴァーナ 窪美澄

    息が、出来ないほど何度もページを閉じ深呼吸をして、箸休めのために別の本を読み、また再開する。
    途中まではB級小説に転落したか窪美澄?と苛立ちを覚えた。
    やっていい題材かどうか、私が批評するものではないけど、二児の母親として、読む度に胸が締め付ける。
    私が被害者の母親だったら?きっと死にたくなるんだろう。
    私が加害者の母親だったら?死んでも死にきれないおわびになれないと思う。
    大変な人生を歩んだ人に読んでほしい。希望を捨てないでほしいと思ったけど、結末はあまりにも残酷だったので、どう話せばいいか。

    結局最後までちゃんと読まずにページを閉じました。

    もっと大人

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    2021年09月10日
  • 雨のなまえ

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    雨、にまつわる5編の短編集。

    ラストが絶望なのか解放なのか分からない終わり方をしているものが多く、胸がザワザワする。
    最後の「あたたかい雨の降水家庭」はきっと救いだったけど。

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    2021年09月04日
  • アニバーサリー

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    ばぁばと孫娘ぐらいに歳の離れた二人の女性が物語の中心となる物語。戦中は疎開、戦後は復興・高度成長に翻弄されながらも、力強くしなやかに生きてきた晶子。なんとかの予言は予言に終わり、この世の終わりは終わらず、途方にくれてしまった真菜はその後ふらり流され気づけば愛人の子を孕んでしまった妊婦。晶子と真菜。どちらも必死に生きているだけなのに、外野がうるさすぎて。ただ、晶子のほうが図太くしもしぶとくもあって。真菜は無駄に繊細で。家族に恵まれなかったのは真菜の不運ではあるけど、どこかで運は開ける瞬間があるらしい。

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    2021年08月16日
  • アカガミ

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    極端に少子化が進んだ近未来の物語。
    ミツキとサツキの2人の距離感がほほえましくて昔のピュアだった頃の恋愛を思い出した。
    でもまぁなんとなくアカガミ制度は最初から胡散臭い感じでそういうことなんだろうなって雰囲気はあったけど最後はちょっと急ぎ過ぎたかなぁって感じがした。最後のサツキの込み上げてくる笑いで察してくれよってことなのかなぁ。

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    2021年08月09日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚して半年経った頃に、本屋で目に止まり買った一冊。
    ふつうの結婚生活って?自分たちは大丈夫?と不安になったときに心強い一冊でした。
    いろんな人生から結婚を見つめられて面白かった。

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    2021年07月31日
  • アニバーサリー

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    戦前、戦後、そして昭和から平成へ。女の求められる役割は時代と共に変わってきた。

    この令和の時代、家族とは何なんだろうと考えさせられる。

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    2021年07月22日
  • すみなれたからだで

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    9作品収録
    いずれの話も男と女、時々猫も絡み
    男か女が語るお話でした
    男と女、人と人って簡単じゃない
    その人、その人の思いが通じないと一緒に
    いることなんて難しい
    また、相手の思いなんてすべてはわからない
    そんなことを感じながら読んでました

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    2021年06月24日
  • 雨のなまえ

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    5作品収録
    いずれもどこかにはいそうな人のお話な感じはしました
    その中でひとつの結末にはびっくりしました

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    2021年06月17日
  • アカガミ

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    少子化問題から、過去を描く。
    確かに現代の若者は、あまり恋愛をしないのかもしれない。
    会社の若い子達を見ていても、そんな気配すら感じられない人ばかり。
    この話はそんな若者たちを国がカップリングして出産まで導いていく。
    それが、アカガミ。
    応募すれば、自分だけではなくて家族もが生活の補償をされる。
    そして、妊娠した暁にはもっと手厚い生活が待っている。
    ただ…その先に待っているものは…
    戦争の時代の赤紙…やはりそれを彷彿とさせる…
    2021.6.12

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    2021年06月12日
  • アニバーサリー

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    この本といい、前の「晴天の迷いクジラ」といい、表紙がイマイチだなぁ。

    のっけから東日本大震災で、それに続くのが第二次世界大戦という話の展開に、これ本当に窪美澄かと思ってしまうが、読み進んでいけば、確かに窪美澄ぽくもなってきた。
    戦争を経験して晶子がああいう風になっていくのは理解できる。
    平原真希が最初は純粋に始めたことに途中から絡め取られていくのもこれも分かる。
    そういう母親だったら真菜がああなっていくのかが、丁寧に書かれている割に、男の私には些か腑に落ちなかった。

    以下は蛇足ながら…、、、
    自分で上のようなことを書きながら浮かんでしまったのだが、それぞれがその世代を代表した生き方のように

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    2021年05月30日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    黒い結婚編と白い結婚編が上下逆になっており 前後どちらからでも読める様になっています。

    私は白い結婚編から読み始めましたがお気に入りは瀧羽麻子さんの「シュークリーム」

    黒い結婚編では窪美澄さんの「水際の金魚」

    7編の中にはシンミリ来る物、ぶっとんだ物、リアリティー溢れる物、イヤミス要素のある物と様々で、結婚と言う共通したテーマの中にも色々な形が存在し、そのふり幅も広く飽きずに読む事が出来ました。

    結婚は墓場なのか、はたまた楽園なのか、自分自身を顧みながら興味深く読めた1冊です。

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    2021年05月20日
  • クラウドクラスターを愛する方法

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    「クラウドクラスター」とは積乱雲、入道雲のかたまりを意味するそうですが、それを主人公の母に例えています。

    母親と娘、同性であり親子であるが故の複雑な思いが綴られていますが、気持ちの良い読後感でした。

    「キャッチアンドリリース」は釣った(キャッチ)魚を傷付けることなく再放流(リリース)する意味合いです。

    こちらも家族の物語ですが、親に対して持って行き場のない感情を抱えた子供の心情がリアルに描かれていて惹きつけられます。

    いつもより暗さも陰鬱な感じも少ないけれど、窪 美澄さんの描く世界感は癖になります。

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    2021年05月20日