窪美澄のレビュー一覧

  • 二周目の恋

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    どれも普通ではない恋(と呼んでいいかもわからない)の話。でも部分部分で分かる感情もあって、よかった。

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    2026年02月09日
  • アカガミ

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    ネタバレ

    「生きるのぜーんぶ、誰かに決めてもらったらいいのに」という手作りポップを見て購入。初めて読む著者だった。

    なんとなく、翻訳版の韓国小説のような雰囲気があった。主人公らの語りがほとんどだからだろうか、登場人物の口調が現代人風ではないからだろうか。いずれにしても、あと数年あとの2030年がこんな感じなら文化というのは一瞬で廃れるんだろうなと思った。

    「アカガミ」という制度自体は面白いと思う。妊活している自分としては、手厚い健診やらサポートやらはありがたい。実際にこの名前で紹介されたら引くが……。

    個人的には、解説を読んでやっと読み終えられたと感じた作品だった。とても今風で面白いとは思うが!

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    2026年02月07日
  • 宙色のハレルヤ

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    様々な形の恋愛が描かれた、
    6編の短編集

    《海鳴り遠くに》
    同性を好きという気持ちを隠しながら
    結婚した女性。夫を亡くして一人で
    住んでいるが、ある日、画家の若い女性と
    出会い、押さえていた自分の気持ちに気づく
    《風は西から》
    学校を休みがちな高校生、陸の家に、
    夏休みの間だけ食事を作りに来てくれる
    はとこの桃子さんとの話。チェシャ猫みたいな
    顔をした桃子さんがとても素敵。
    この話が一番好きだった。
    《パスピエ》
    行きつけの店の、足がとても綺麗な
    バイトの女の子が、ストーカーに遭って
    いるらしい。自分の家で匿うつもりで
    彼女を呼び、奇妙な同居生活が始まるが‥
    最後が、何それ?!
    《赤くて冷たいゼリーのように》
    学校の清掃員として、働く老人。
    昔想いを寄せた友人に、驚くほどよく似た
    少年、結に出会う。彼は男女と言われ、
    いじめられていた。ひと時の彼との交流。
    やがて結は老人の前から去り、老人は再び
    いじめられている少年を見つける‥老人の
    取った行動は‥?彼のそれまでの悲しみと
    孤独、怒りが伝わってくる。印象に残った話。
    《天鵞絨のパライゾ》
    お互い好きで結婚したはずなのに
    少しづつ気持ちがずれていく
    彼にはもう、自分への気持ちはない。
    自分のどこが嫌いになったのか、考えても
    分からない‥そんな時、側にいてくれた
    異性の友人。お互い恋愛感情は無いが、
    静かに寄り添ってくれた大切な存在。
    《雪が踊っている》
    家柄が違うという理由で、好きだった人と
    結婚出来なかった主人公。
    違う人と結婚し、子どもを出産。
    成長した子どもが通う塾で再会した、
    かつての恋人。
    ひどい男だ。自分の子どもの気持ちは
    考えないのだろうか。主人公のモヤモヤした
    気持ち、何となく分かる。

    宙色とは、空や宇宙の広がりを感じさせる、
    青や紫、あるいは様々な色が混ざり合った
    幻想的な色合いらしい。この小説もそんな
    様々な人の恋愛の色が混じり合った作品に
    仕上がっている。
    人を好きになることの怖さと喜び
    きっと誰もが経験している
    恋の始まりと終わり。
    読みながら、いろいろと思い出した。
    苦い辛い想いも、やがて時間を経て
    思い出となっていく。
    地味だけれど、丁寧に描かれていて
    あとからじわじわくる、
    そんな物語だった。

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    2026年01月29日
  • 宙色のハレルヤ

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    どこかに置き忘れてきた感情がゆらゆらと揺れていくような感覚になった作品集。最後のお話がすきだと思った。

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    2026年01月27日
  • 宙色のハレルヤ

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    思い描いた未来と、少しずれた現在のあいだで。

    ​「いまいちうまくいかない恋愛」をテーマに、理想と現実のわずかなズレを繊細に切り取った短編集。

    ​大きな事件が起きるわけではありませんが、日常のなかでふと気づいてしまう「こんなはずじゃなかった」というジレンマが、読者の心に静かに、そして深く刺さります。再録作の「海鳴り遠くに」を含め、どのエピソードも安定感があり、窪美澄さんらしい流麗な筆致でスラスラと読み進めることができます。
    ​短編集ということもあり評価は☆3としていますが、軽やかな読後感のなかに、そっと胸に残る確かな余韻がある一冊。

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    2026年01月24日
  • 宙色のハレルヤ

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    「赤くて冷たいゼリーのように」が良かった。
    実は同じ男性である祐を好きだった学校の清掃職員の男性の話。ある時、祐に似た男の子、結をいじめから助ける。それがきっかけに2人の交流が始まる。年齢を超えてこういう関係もいい。お互いが心の支え、楽しみになっていたんだろうな。そのつかの間の日々がある日突然終わりになったのが寂しい。しかし、彼のなかに「自分の人生の先があとどれくらいあるのか分からないけれど、この先はお前(祐)に恥ずかしくないように生きていきたい」と思えるようになったのは良かったと思う。心が死んだように生きていたらもったいないもの。

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    2026年01月23日
  • 宙色のハレルヤ

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    窪美澄さんの恋愛短編集
    収録作は以下の6作品

    海鳴り遠くに
    夫亡き後で知り合った女性に惹かれていく女性のお話

    風は西から
    初めて出来た彼女が自分の友人に心変わりしたお話

    パスピエ
    逃亡癖のある女性に翻弄された男性のお話

    赤くて冷たいゼリーのように
    定年後のある少年との出会いで己を知る男性のお話

    天鸞絨のパライゾ
    出会いと別れのなかで自分を見つめ直していくお話

    雪が踊っている
    子供の塾で再開したかつての恋人のお話

    どのお話もときめくような恋愛ではなく、一筋縄ではいかない内に秘めた思いを紡いだ大人向けの恋のお話だった。私は特に「赤くて冷たいゼリーのように」が印象的だった。

    短編でもそれぞれに趣が異なり、じっくりと静かに読みたくなる味わい深い作品。
    これは、読む時期や置かれている環境によっても、共感する箇所や、心に響く部分が変わってくると思う。


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    2026年01月20日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    確かに普通でない性描写にうんざりする瞬間もあるのだが、私は最後まで読んでよかった。最後の2つの話が好き。田岡さん、絶対ダメなことなんだけど、救われて欲しいし、福田くん、あくつ、卓巳には穏やかな未来がありますように。卓巳は、母親の大きな愛に包まれて育った。絶対優しくて素敵な大人になる。

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    2026年01月10日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    想像以上にしっかりとした恋愛小説でした
    誰かに寄り添うこと生きていくこと
    克服すること理解すること…
    人生ってとんでもなくレベルの高いゲームと
    改めて感じました

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    2026年01月09日
  • じっと手を見る

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    介護士として働く地方民を石川啄木の短歌「働けど働けどじっと手を見る」に重ねて読んだ。一生食いっぱぐれない職と地方では謳われているけど、一生安泰かと言われたら違うもんなぁ。介護についても色々考えてしまう。正直、自分よりも未来のある若者になけなしの給料で介護されるのなら、自分の力で生きて行けなくなった時点で人生の終止符を打ちたいなぁと本気で思う。自分が年取るまでに日本で安楽死制度はできるのかな。
    地方民と都会民の超えられない壁の描写も胸に沁みた。人生はいくらでも変えられると言う人もいるけど、結局は生まれた環境が自分の人生の基盤で、どう頑張ってもそこは覆せないんじゃないかなぁと思う。そこを覆すのではなく、その基盤でどう幸せを見つけていく事が、長い人生を過ごす上で大切なんじゃなぁかな。一人一人基盤が違うのだから、自分の価値観を人に押し付けるのは何とも烏滸がましい事なのだと思った。

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    2026年01月07日
  • じっと手を見る

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    作家の朝井リョウさんおすすめの恋愛小説! のっけからの性描写で、この本、このままだと挫折かもと、気を揉んだが、あの朝井リョウさんがおすすめするなら何かがあるはずと読み進めた。柔らかい文体だが、子どもの話、ひどい。一話一話に体温を感じつつも、読んでいて少しずつ何かが抉られていったこの感じは何だったんだろう。

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    2025年12月11日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    わたしはあんまり好きじゃなかったな。
    こういう人いるよね、とは思うけど、身近じゃないというか。
    共感できなかったし、サラッとしている話が多かった気がする。もう少し、精神が大人になったら感覚も変わるかな。

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    2025年12月11日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    友達におすすめしてもらって読んだ。人の生涯だからやっぱり長くて、友達におすすめしてもらってなかったらもっと読むのに時間がかかっていたかもしれない。友達が、人生ってこういうもんかっていってて、それ聞いたらすごく共感した。そう思ったら確かに、礼子は若い頃に出会った水本に心惹かれてその後誰と付き合っても水本は頭から離れず、結局60代になっても水本水本と、、。ほんとにいま20代の自分がそうなりそうで怖かったけど、まあそう言う生き方もあるのかと思ったらちょっとだけ人生に希望がもてたというか、まあ良かった。

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    2025年12月04日
  • 夜に星を放つ

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    直木賞受賞作の本作は、全5篇からなる短編集。

    どの物語も“大切な人との別れ”や“もう会えない寂しさ”を静かに描いており、読後には胸の奥にじんわりと温かくも切ない余韻が残ります。

    始まったばかりのコロナ禍を背景にしたエピソードもあり、あの頃の先の見えない不安や孤独を思い出しながら、登場人物たちの感情に自然と寄り添ってしまいました。
    それでも彼らの心の奥には、希望のような小さな光が確かに灯っており、その光こそが“星”として描かれているように感じます。
    タイトルの通り、物語の中には星座や夜空が繰り返し登場します。読んだあとには、ふと空を見上げたくなる。

    そんな静かな力を持った作品で優しさと哀しさが共存する一冊です。

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    2025年11月29日
  • じっと手を見る

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    この本を選んだきっかけは、Twitterか何かで紹介されていたような気がする。性描写がすごく丁寧で官能的で生々しかった。
    結局いっときの気の迷いで、よく見える人についていくと、破滅に向かうなということがわかった。
    生まれてきた環境の違いで、人生の簡単さがこんなにも変わるのかとある主残酷性があった。
    あんまり明るい話じゃないので、気持ちが落ち込んでいるときには読まないほうがいいと思った。

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    2025年11月29日
  • アカガミ

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    2030年代の日本が舞台だが、その頃の若者は他者との繋がりも希薄化し、結婚はおろか、恋すら遠い存在になってしまっていた。
    そこに国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に参加することになったミツキは、国に管理された生活の中、出逢った相手サツキと国が推奨する「まぐわい」の末に子を成すのだが、、、。

    読んでいて、どうにも胡散臭さがいっぱいなのに、それに気がつけない(疑問に思わない)若者たち。
    生きることにも未来にも、あまり意思や欲求が感じられない、言われることにも受け入れるばかりの子たちが、子供を持ち、恋をしり、だんだん私の知っている「人らしさ」を持ち出すのだが、そこで徐々に今の手厚い生活に疑問が生じてくる。

    なるほど、だから「アカガミ」なのか!
    と思ったあとのドキドキ。
    せっかく人らしくなった2人はどうなっちゃうんだろうと心配したが、ラスト本当にほっとしました。

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    2025年11月12日
  • 夜に星を放つ

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    人は人との繋がりの中でがむしゃらに生きているんだなと感じた。
    人はずっと変わらない関係を築けなくて、たえず変わっていく関係の中で自分の立ち位置を探し続けている。
    不安定な人間関係の中で安心するために。人との繋がりを感じた記憶をつくっていくのかもしれない。

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    2025年11月11日
  • ご本、出しときますね?

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    村田沙耶香さんのインタビューを読み漁っていたところこの番組を知り、当方リトルトゥースでもあるので是非観てみたいと思い、映像を探していたら書籍化されてるとの事で読みました。
    若林さんと仲の良い西加奈子さんや朝井リョウさんのインタビューも載っていてとても面白かったです。

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    2025年11月09日
  • 夜に星を放つ

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    ちょっぴり切ない5話からなる短編集。
    ただ生きているだけで、思いもよらない哀しみがやってくる。

    ・真夜中のアボカド
    ーーー婚活アプリで恋人を探す。
    フリーでプログラマーをしているという麻生さんは、妙に女慣れしていなくて、前に出会った人みたいに食事の後すぐに、ホテルに行こうとも言わなかった。

    ・銀紙色のアンタレス
    ーーー 16歳の夏。僕は田舎のばあちゃんちで、泣いてるような顔で赤ちゃんを抱えたあの人に出会う。
    幼馴染の朝日は言う「水着着たわたし、かわいかった?」

    ーーー真珠星スピカ
    酷いイジメにあっている私は、今日も保健室にいる。
    亡くなった人は話すことができないのだと知ったのは、死んだ母さんが私の前に現れるようになってからだ。


    ・湿りの海
    ーーー遠いアリゾナで新しいパートナーと暮らす妻とそのパートナーをダディと呼ぶ娘。彼女らが去った後も、僕はまるで彼女たちがまだこの部屋にいるように生活していきたかった。
    そんな僕の日々の中に現れたのは、幼い娘さんを連れ隣に越してきた船場さんだった。

    ・星の隨に
    ーーー渚さんを「お母さん」と呼ぶのに、僕はまだ少し頑張らないといけない。
    渚さんとことも生まれたばかりの弟、海くんのことも僕は好きだけど、本当のお母さんほどではない。
    ある日、学校から帰ると玄関の内鍵がかかったままで僕は家に入ることができなかった。

    共感できる話はなかったのだけど、辛い時にふと星空を見上げてしまうことはあるなと思う。
    傷付いた彼らがこの先、幸せでありますようにとそっと本を閉じた。

    今年の16冊目

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    2025年10月31日
  • じっと手を見る

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    田舎の閉塞感と人間の弱さ•脆さ•不確かさみたいなものが真綿のように詰め込まれた本。

    地方は向上心を持たなくてもいいし、
    限られ、閉ざされたコミニュティのなかで
    やるせなさと共に傷を舐め合うんよな。

    故郷を思い出した。
    まあ流されるっていうのも一興なんですけどね。

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    2025年10月28日