窪美澄のレビュー一覧

  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    読書備忘録781号。
    ★★★★☆。

    軽い感じの表紙絵ですが、物語は現代日本が抱える大きな2つの問題を組み合わせている。
    でも、決して暗いエンディングではないので読後感は全然良いです。笑

    昭和、高度経済成長期に建てられたいわゆる団地。
    建物の老朽化と住民の高齢化が進む。
    そんな団地に、幼くして父親を亡くし母親は家を突然出ていき、その日その日を必死に生きる棚橋姉妹がいた。
    姉の七海は生きるために収入の良いデリヘルで働く。妹のみかげは夜間高校に通い、昼はパン工場で働く。
    みかげは、小中といじめに晒され、夜間高校に進学することにしたが、将来に何も希望を持てないでいた。

    そんなみかげが夜間高校で初

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    2025年08月11日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    生きる意味を失い、生きる気力を無くした三人それぞれの苦悶に胸が苦しくなったが、クジラを見に行くというきっかけで三人が行動を共にし、現地の人々のやさしさのなかで三人の絆が強まっていく様子と、もう一度前に進んでみようという心の動きに感動した。生きることで失う悲しみや苦しみも味わうはめになるけれど、新たな光を見出し大切な何かを得ることができる。生きることが許される限り強く生き続けていこうと思わされる作品だった。

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    2023年11月25日
  • 二周目の恋

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    「最悪よりは平凡」島本理生
    顔は平凡だけど体がグラビアアイドルなみの魔美は、こんな名前をつける親に育てられたという心の傷と、しょっちゅう男性から誘いをかけられる体質。彼女にとっての幸せな恋愛は?
    「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
    大学生の可那は気になっている男の子に手作りチョコ前日に思いつきあげようとするけど、料理スキルなく、買い物から四苦八苦。オチ秀逸だった。
    「フェイクファー」波木銅
    主に着ぐるみ作る手芸サークルに入っていた男子の回想。仲間が一人死んだという連絡入る。
    「カーマンライン」一穂ミチ
    私が五歳の時、母は父と死に別れたアメリカから日本に戻ってきた。双子のケントをアメリカの、父の実家に

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    2023年11月20日
  • 二周目の恋

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    短編アンソロジー作品。大人な内容でした。恋にも色々なカタチや想いや愛情がある。作家さん達の個性や魅力が溢れていました。

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    2023年11月14日
  • よるのふくらみ

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    ネタバレ

    同じ商店街の中で育った圭佑•裕太の兄弟とみひろ。3人が交互に主人公となる短編が繋がって一つの話になっていた。圭佑と裕太の父親は不倫を繰り返して家庭不和になる。みひろの母親は浮気相手と家出したかと思ったら3年後にちゃっかり戻ってくる。狭い商店街の中でそれぞれが親の異性問題で悩まされたことが自身の人生にも大きく影響する。そのトラウマも影響し圭佑とみひろは別れてしまう。双方が大きく傷ついてしまったが、みひろは裕太と、圭佑は京子と幸せになれそうな終わり方で良かった。

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    2023年11月06日
  • アカガミ

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    ネタバレ

    アカガミは国が少子化対策として打ち出した制度。利用者はアカガミが用意した団地で生活する間は生活が保障される。そして、アカガミを通して生まれた子供は国のものになる。初めから嫌な予感はしていたけど、国が子供を増やすための効率的な制度だった。今の時代はお節介おばさんやお見合いも無くなっているので、このような制度があることは子供を増やす上で効率的だと思う。しかし、それは国としてメリットがあるだけで、1個人としては自由恋愛から自分の意思で相手を選び結婚して子供を授かりたい。初めて読む小説テーマだったので、作品として面白いと感じた。

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    2023年11月04日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    ネタバレ

    様々な作家による「結婚」についてのお話。
    白い結婚側は素敵な結婚で、黒い結婚は不幸な結婚だった。
    特に黒い結婚の方で、似た話があってゾッとした。入り口は気づかないところにあるもんだ。
    白い結婚の方の初恋のバンドマンの話はこんなカップルもありだよなと思わせてくれる、幸せなお話だった、

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    2023年10月24日
  • ご本、出しときますね?

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    読書芸人の若林が小説家と対談する番組の書籍化らしい。
    常々小説大好きな人の気持ちを知りたいと思っていたが、この対談で多くの気づきを得られた。
    自分自身は現実的なビジネス書や、心理学、脳生理学などの役に立つ本を好んでいたので、なにゆえ個人の脳内で創作されたフィクションが好まれるのか不思議であった。
    本書や小説家(書くほう)の視点の言葉が多いが、彼らは読書家でもあるので示唆に富む会話が飛び交っている。

    ・「弱者」って言葉を言い換えると「大多数」のこと
    ・登場人物が自分の身代わりになってくれるような気がした

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    2023年10月05日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    ううん…すごく考えさせられた…
    視点が変わると事件の見方がこんなに変わる、
    登場人物すべてに共感できてしまって、なんだかつらくなった…

    実際に起きた少年Aの事件を題材にしているけれど、犯人像はかなり違う印象。
    この本だとAにも辛い過去があって、魔が差した、みたいに読めて
    同情してしまったし、更生して欲しいと思った。
    だけど本当の事件を調べると全くそんなことを思わなくて。
    この小説を被害者家族が読んだら、Aが美化されてて辛いだろう
    犯人に対して「仕方がなかったんだな」と感じてしまう描き方は、
    関係者にとってはあまりにも残酷ではないだろうか

    本を読んだ感想だと
    皆、しっかり生き抜いてほしいと

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    2023年09月17日
  • いるいないみらい

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    産んでみたかったけど、産めなかった私。
    産む年齢にいる人も色々と苦しみがある、そう感じさせてくれるストーリーでした。

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    2023年08月15日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    【2023年95冊目】
    男と女の欲望をぶつけあった5つの短編集。求め、求められていることが、なんとなく感じられるのが人間の不思議なところで、「あっ」と思った瞬間に恋に落ちていたりする。それがいつも正解ではないのが難しいところではありますが。

    それぞれの作家さんが匂い立つような、けれどどろどろとはし過ぎない愛と欲望の話を書いているので、贅沢と言えば贅沢な一冊。どの作家さんも表現や心理描写が上手く(プロだから当然と言いたいところですが、そうでもない場合もある)違ったテイストのお話を楽しめました。

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    2023年08月09日
  • たおやかに輪をえがいて

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    自分らしさ
    「自分」は、内側から出てくるものと他人から示されるものがあると思う。
    あれをしたいと思う自分
    こういう人と思われる自分

    自分の意思も他人から求められる役割も
    どちらも大切なことだけれど、
    どちらかが偏るとその人らしさは
    失われてしまうのかな?

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    2023年08月07日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    誰も幸せにならない辛い辛い話しだった。

    さよなら、ニルヴァーナというセリフは、死をイメージさせる涅槃からの別れ、生きるというメッセージだったのかな?

    と、勝手に解釈した。窪美澄作品の中でも特別異様な作品だったけど、やっぱり読み終わった後に心に残るもやみたいなものがたまらない。

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    2023年07月22日
  • 恋愛仮免中

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    私にとって、よく名前もみるし、代表作も分かるけど、読んだことはない作家さん達の恋愛小説アンソロジーとのことで面白そうだなと思い購入しました。
    それぞれに面白かったり、感動したり、共感したりしてとても良かったです。

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    2023年06月30日
  • ご本、出しときますね?

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    3.7面白かった。二人づつなのが良。ラジオとかで続いてくれないかな。その方が出てくれる作家さん増えそうだし。

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    2023年06月20日
  • アカガミ

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    ネタバレ

    窪先生ってホラーも描けるんだと思った。
    伏線回収とエンドでの衝撃。

    1人で生きることを選択できる時代が、選択せざるを得ない時代が、自分たちの年齢から多くなっているのは感じる。
    だからこそ、結婚とか出産とか、なんかわかるなぁって事たくさんあった。

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    2023年06月12日
  • いるいないみらい

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    若干食傷気味ではあるが
    結婚したい?子供欲しい?の問でザラっとなるアレのはなし
    選べる家族も、選べない家族も、どちらにしても家族をするのは大変
    でもたぶんそれを乗り越えて頑張って一緒に幸せになりたいって思えば家族は素敵

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    2023年05月29日
  • たおやかに輪をえがいて

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    短編もいいけど、長編はやはり読み応えがあっていい。
    52歳、専業主婦の絵里子、まじめで寡黙な夫が風俗にポイントカードがいっぱいになるほど通ってるって知ってしまって…。
    リアルなのよ、悩みがすごく、一人娘の萌もなんだかすごい年上の彼と会っていて警察から電話がかかってきたり。
    そうそう、もし自分の夫がそうだったらって考えたら絵里子の悩みも葛藤もすごくよくわかる。
    あのカクテルを飲むショット・バーみたいなお店で出会った頃のサカイさんとはあまりに違くて時を経てこんなに変わるものなのかとちょっと納得いかなかった。(ラストの方ではちょっと昔の片鱗はあったけど)
    ホームセンターのパートも辞めて、ひとり旅のあ

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    2023年05月29日
  • たおやかに輪をえがいて

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    50歳をすぎると人生の残りを考えることが増えた。いわゆる定年という仕事の終わりが見えてくるのも大きい。そして比喩的な意味ではなく本当に体にガタが来始めることも影響している。今の生活がいつまで続けられるのだろうかと考えてしまうのだ。
    それは男としての機能についての不安も含まれる。自分はいつまで性的な男でいられるのだろうと。女性はどんな思いを抱くのだろうと想像することもある。この本はその一つの答えと言えるかもしれない。
    夫の風俗通いがわかりショックを受ける主人公の絵里子。彼女の感じた嫌悪、寂しさを男である自分は完全に理解することはできないかもしれない。でも、求められない悲しさやいずれ訪れる死との向

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    2023年04月26日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    中々のボリューム。会話文は少なめで地の文が多く、ハードな内容も相まって途中まで読み進めるのにやや難航。
    「女性の生き方の多様性」「好きなことを仕事にするとはどういうことか」的な主軸だが、「多様性を認めよう!」的な押し付けがましいものは感じられず、自分はどうありたいのか内省したいと思えた。
    決して華やかな内容ではなく、売れっ子クリエイターでも最期は寂しいものだ、というラストは生々しく残酷で、好みの作風だった。

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    2023年04月23日