窪美澄のレビュー一覧

  • タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース

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    15歳のみかげは、姉の七海と2人で暮らしている。生まれたときから住む家は、お年寄りが多い古びた団地だ。
    姉と助け合いながら、工場でのバイトと定時制の学校で2人の友人むーちゃん、倉梯くんと穏やかに過ごす日々を送っていたみかげ。
    ある日、団地警備員を名乗るおじいさん、ぜんじろうさんの半ば強引な誘いで、みかげは団地警備員に任命される。

    今作ではそれぞれの登場人物の背景はあまり描かれていない。現在の悩みや苦しさも、主人公であるみかげ以外はあまり描かれない。
    しかし、登場人物たちは皆それぞれ違った優しさを持っていることが、言動から伝わってくる。
    それだけでなく、その優しさの背景にはこれまでに様々な傷や痛みがあったのだろう、今も苦しさを抱えているのかもしれない、ということが想像できた。
    詳細な背景は描かずとも登場人物たちの傷や痛みを感じることができるのだと思ったし、それができる窪さんのすごさを感じた。
    同年代の友人や、ぜんじろうさん、団地のお年寄りといった年配の方の交流を通して、みかげが成長していく過程が丁寧に描かれていたのも素敵だった。

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    2024年04月23日
  • いるいないみらい

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    自分のこれからの生き方を考え直すいい機会になった。
    大体こんな感じになるんやろうな〜と思っていた人生じゃなくても良くて、選択肢はたくさんあって、その選択肢を一緒に選びたいと思える人と一緒に生きていきたいと思った。
    どうしても人と比べてしまいがちだけど、人生に正解はない。
    人に自分が正解だと思い込んでいることを押し付けるのはお門違い。

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    2024年04月12日
  • アカガミ

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    読み進めるにつれて、これは何かとんでもないことが起きるのでは…とハラハラした!
    ラストの衝撃といったら…
    やっぱり窪美澄先生の作品は好きだ

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    2024年04月09日
  • いるいないみらい

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    子供がいる未来か、いない未来か。
    手探りで選択しつつある夫婦の形。
    5編の家族。

    解説は渡辺ペコさん。渡辺さんのコミックも「1122」「にこたま」等、いつも夫婦の形を考えさせる素敵な作品が多い。
    窪さんと渡辺さんは、テーマが似ているのかなと思う。
    “子を生す、持つ”
    “家族を作る”
    ご自身も答えを探しながら書いている。
    しかも まだ納得も理解もしていないとのこと。

    短編ですが、5編とも、子供を持つことに対してしっかり考える。子供だけが、人生の糧でないことも考える。すれ違う気持ちも大切にする。
    そして、それぞれの家族のみらいを読者に委ねる。
    ただね、こんなに考えちゃったら、家族を持つ事が不安になってしまいそうではあるねえ。

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    2024年04月07日
  • ははのれんあい

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    母が主人公で、母と父と幼い子供とすごす日々の前半部分と、長男が主人公の後半部分。母が強くなる様子や、長男の心の動きが優しくて、最後はうるうるした。

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    2024年04月05日
  • 妖し

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    全編シンプルに怖い。どろどろしているわけじゃなくて、上品な怖さだけど、それ故に怖い…!作家さんたちがみんな巧みなんだな…

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    2024年03月19日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    窪美澄3作目。それはありえないでしょうと思う最終場面での「真織ちゃん」と主人公の邂逅エピソードも、よかったねと感じられてほんわり暖かな気持ちになれる。それまでのプロセスが一つ一つ積み重なって成就した、そうあってほしかったエピソードと思わせるところがこの作家の筆力なんだと思う。

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    2024年03月17日
  • ははのれんあい

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    3.9
    序盤は穏やかで微笑ましい家族が、出産や家族経営の仕事の廃業などから徐々に歪みだし、最後は夫の浮気が原因で離婚。その間に穏やかでのんびりしていた母はどんどん強い母に変わり一家の大黒柱になり、代わりに長男が母になる。
    家族の形が変化しながら、それぞれの役割も変わっていく様子が淡々としているようで、しっかりと物語に引き込まれる。

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    2024年04月03日
  • 二周目の恋

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    「誰も軽視しないから、誰からも軽視されない。」p121


    波のおとをきいているような感覚の文。
    繊細で力強くて身を預けてしまいたくなる

    「カーマンライン」と「無事に、行きなさい」「海鳴り遠くに」がアンソロジーのテーマに合っている感じがしてよかった。

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    2024年03月18日
  • ははのれんあい

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    ストーリーに納得できないところは、ある。
    優しく穏やかなれば、なんでも許されるんですかねって思う。
    それでも、読ませる。
    こういう家族の形を認めさせてしまう。

    前半は、“はは”の視線。
    普通の会社員の家庭で一人娘として、おっとりと育った女性。家族で自営業の男性と結婚して一緒に働き始める。長男が生まれ、仕事が薄くなり、夫はタクシードライバーとなる。
    家計を助けるため保育園に息子を預けて慣れない仕事を始める。ははは、将来を見据える。家庭の安定を求める。そのあたりから、穏やかな夫との間にズレが生じる。

    後半は、高校生となった長男の視線。
    長男は、父親譲りの優しさで、家事を受け持ち、双子の弟の面倒をみて、おまけに一人暮らしの祖父も気遣う。
    そう、父親は飲食店に勤める外国人女性を好きになり、新しい家庭を築いたのだ。
    父親は相変わらず優しげ。弟たちは、父を慕う。
    新しい家庭には、国から呼び寄せた女の娘と自分の子供がいる。みんな、よく働き、助け合う良い家庭ではあるのだ。
    脇目もふらず、働いて三人の子育てをする“はは”をどーしてくれるんですか。あれもこれもこの優しさだけに責任を持つ無責任な男が蒔いた種。
    それでもみんな父親が好き。
    もしかしたら、日本中にゴマンとありそうなリアル感に引き込まれた。
    いろんな家族の形を認めさせるお話でした。

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    2024年03月10日
  • ははのれんあい

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    第一部が、重く長いなあと感じたが、この重く長いのがあるから、第2部が生きるのだとは、思った。
    人の心の動きが丁寧に書かれた作品。

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    2024年03月10日
  • ははのれんあい

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    ネタバレ

    親にふりまわされる子供達がかわいそうだった
    智久 再婚するなら遠いところに行ってよ!!
    自分の親の面倒を別れた嫁&子供にさせるなよ!!

    智久にはツッコミどころいっぱいだった

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    2024年03月03日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    総じて面白い作品だったのですが、あまりに登場人物の苦悩が生々しく描かれているのでちょっとネガティブな印象は受けるかもしれません、その意味でやや好みが分かれる作品かと思いますがとにかく文章がきれいで引き込まれました。
    少し長いですがガッツリとした読み応えを求める人にはおすすめの一冊です。

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    2024年02月23日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    ネタバレ

    解説にも書かれていたが、最初から最後まで「純愛小説」だった。
    どこかで、落とし穴や、読者への裏切りがあるのかと心配(期待?)しながら読んだけど、そのままテレビドラマになりそうなキレイな恋愛ものだったな。
    読んでスカッとしたい、気分よくなりたい、という時にお勧めだ。

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    2024年02月23日
  • ははのれんあい

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    ネタバレ

    リアルで温かくて、やっぱり窪先生の話は
    唯一無二だと思う!!

    第1部は由紀子の子育ての奮闘を描いていて、
    第2部は長男智晴の想いが描かれている。

    第1部を読んで思ったことは、無償の愛を注ぎ続けてくれた母の偉大さだ。自分の人生を二の次で、子どものために動き続ける由紀子を見て、純粋にすごいしか出てこなかった。そして寛人と結人が生まれても、智晴のこともしっかりと愛する姿を見て、智晴の母への無償の愛はここから生まれたのだと強く思った!!

    第2部では、母子家庭になった家族を智晴が支える話。そして智晴と由紀子の恋愛模様も描かれる。
    智晴は父の再婚相手の子どもと高校の同級生になってしまったり、幼なじみの大地と好きな相手が被ってしまったりと、周囲の人との関わり方で悶々とする…
    またそのなかで、母が男性と会っているところに遭遇したりするなど、母の恋愛事情に対して複雑な気持ちを抱く。それでも智晴は人と真っ直ぐにぶつかって、自分の素直な気持ちだけは離さずに向き合っていく。最後は智晴も由紀子も自分らしい道を選べて、
    一読者としてとても嬉しかった。

    特に本作の好きなところは、由紀子と智晴の結びつきだ。親子でありながら、家族を支える戦友であり、1番の良き理解者である2人。何があっても智晴は由紀子を選び、大切にしてきた。その想いは由紀子のよりどころだったと強く思う!!

    私も智晴のような息子にいつか出会いたいなぁ。
    そしてまた窪先生の作品が読みたい!!

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    2024年02月21日
  • ははのれんあい

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    昭和の高度成長期の終わりころから始まったお話。田舎の風景も家族間で交わされる会話もあるある過ぎて懐かしい。共に思い合いながらも、言葉足りずで解りあえなくなる夫婦、親の背中を見て頑張る長男。こんな家族あったなぁと。
    家族の形は変わり、辛い場面もあるけど、それぞれが優しくて読んでいて心地よかった。
    文庫本の「ははのけっこん」がより一層温かいラストで本当によかったなあと。

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    2024年02月20日
  • いるいないみらい

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    子どもがいる未来といない未来、妊活するかしないか、さらには、養子縁組みするかしないか、いろんな家族の形がある中で悩んだり支えあったりする人たちを描く短編集。夫婦のあり方、家族のあり方を考えさせられる。

    妊活がうまくいかないときに、どちらかが傷ついたり夫婦関係がギクシャクしたりすること、子どもが嫌いでも、堂々とそれを言うことは憚られる社会の空気、職場で産休・育休を取る人がいると、その周辺に業務負担がかかりがちだが、それについて不満を言えない会社の雰囲気、
    SNSでやたらと子どもの写真をアップする親も多いが、それにより静かに傷つく人もいることなど、共感することしきり。
    そんな微妙な問題を描きながらも、それを乗り越えるのもまた家族の力だと感じさせてくれる窪美澄さんのストーリーが絶妙。

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    2024年02月18日
  • よるのふくらみ

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    同じ一人の女性を好きになってしまった兄弟。
    他の登場人物も含めて、人を好きになるってことに少し考えたり。
    アーケードの商店街、幼なじみ、、。
    温かい気持ちになれた小説でした。

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    2024年01月28日
  • すみなれたからだで

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    無様に。だけど、私はまだ生きているのだ-。焼夷弾が降る戦時下、喧騒に呑まれる80年代、そして黄昏ゆく、いま。手さぐりで生きる人々の「生」に寄り添うように描かれた8つの物語。

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    2024年01月27日
  • いるいないみらい

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     子どもがほしい夫とそれを強く望まない妻や子どもが大嫌いな女性、子どもを亡くした男性などが主人公の、子どもに纏わる短編集。子どもがほしいと夫にお願いされても、妊娠から子育ても含めて負担がかかるのは女性の方なので、踏み切れない気持ちもわかるし無理しなくて良いと思う。産んでみてやっぱり無理でした、では済まない。『無花果のレジデンス』にあった妊活プレッシャーは夫と妻どちらの気持ちにも共感できる。望む人の元にすんなり来てくれるシステムだったらいいのに。『私は子どもが大嫌い』が1番好きだった。どんな価値観の人にも、その人の選択によって幸せな未来が訪れますように。

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    2024年01月25日