窪美澄のレビュー一覧

  • 恋愛仮免中

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    5人の作家による恋愛アンソロジー

    奥田英朗 「あなたが大好き」
    窪美澄 「銀紙色のアンタレス」
    荻原浩 「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」
    原田マハ 「ドライビング・ミス・アンジー」
    中江有里 「シャンプー」
    の5編が収録されています。

    窪美澄さんの作品を楽しみにしていましたが2016/10/17に刊行された「すみなれたからだで」に収録されていた物で少し残念でしたが、それでも再び読み返したらやっぱり好きだなと感じました。
    16歳の男女のすれ違う繊細な恋心にドキドキしたり、おばあちゃんの家や海、龍宮窟の風景が脳内映像に浮かんで来たり、おばあちゃんの作るおにぎりが食べたくなったり、終始無駄

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    2023年02月17日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    最初はなかなか入ってこなくて読み進められなくて時間がかかってしまった。でも、次第に3人の人生にのめり込むように読んだ。いわゆるライフプランみたいなものを考えている今、とても考えさせられる。

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    2023年02月15日
  • すみなれたからだで

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    揺れ動く人間関係と「性」、それについて登場人物の心理描写を緻密に書いているのが窪美澄先生らしくてとても好き。
    あとがきに
    「それでも「性」の先に「生」がつながっていることは書けるのではないか。私が小説家として生き延びていくためには、それが大きなテーマになるのではないか、という思いがありました。」
    と窪美澄が書いていることがとても印象的だった。

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    2025年12月06日
  • アカガミ

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    こんなにいい待遇でどんな結末が待っているのだろうと怖さを感じながら読んでいたら、驚愕のラストだった。
    アカガミの子にならなくてよかったとサツキと同じように安心した。

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    2022年11月28日
  • 雨のなまえ

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    どこにでもいそうな普通の人たちの、でもどこかしら歪んだ感情や欲望を淡々と描き出した短編集。
    なぜそこでそんなことをしてしまうのか、そんなことを言ってしまうのか。
    自分でもわからないけれどそうしてしまうことってあるよな、と思った。

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    2022年11月15日
  • 雨のなまえ

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    雨のなまえ。と言うタイトル通り悲しいお話の短編集。最後のお話は少し温かいお話でよかった。他のお話は悲しいしどろどろしているけれどリアルで本当に起こっていそうな物語だった。続きをもう少し読みたくなった。

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    2022年10月27日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    女性の人生を描く内容大好きなのもあり、すっかり引き込まれて読みました。

    なんでも完璧にはいかないけど、3人とも、何を手に入れたいか認識して、自分の人生を生きた実感があったんじゃないかなぁと思いました。

    最近身のまわりで思うところがあり、人間関係の中で自分が一番だと感じさせてほしいと思う感情のやっかいさに、疲労感。

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    2022年10月22日
  • すみなれたからだで

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    読み応えのある短篇集だった。
    生きている限り切り離せない「生と性」がおそらくテーマで、そこに「死」のエッセンスが加わってくる。

    自分自身歳を重ねて思うのは、まさに「すみなれたからだ」で何十年もこの身体と付き合ってきているのに、いまだに掴み切れない…というか、歳とともに変化してゆく部分を実感せずにはいられないということだ。
    太りやすくなる、疲れやすくなる、など加齢とともに表れやすい一般的な変化もあるし、女性ならば生理や出産などでの変化は人それぞれで、同じ女性同士でさえ理解し合えないことも多々ある。
    そこに男女の性愛が加わろうものなら、悩み、虚しさ、過去に対する思いなど、様々なものがないまぜにな

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    2022年10月16日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子、朝井リョウ、長嶋有…。小説家は普段何を考え、どうやって作品を生み出しているのか。無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と作家たちが“自分のルール”を語りつくす。BSジャパンの同名番組を書籍化。

    作家が何を考えているかがうかがえて面白い。

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    2022年10月14日
  • ご本、出しときますね?

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    これ、とても良かったです。
    私がまた読書にはまるきっかけになりました。
    いろいろな作家さんの人柄がわかり、作品に興味を持てます。

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    2022年10月13日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    主要登場人物の中で、なんだかんだで一番安定してそうに見えた卓巳が、一番再浮上の兆しが見えなくてびっくりした(松永のお兄ちゃんや田岡は脇役なので除く)。
    「妊婦である自分に気遣いを見せたので大丈夫だと思う」って発言があったんだけど、発言者が、あまり人間観察力があると思えないのっちーだからなぁ。
    もちろん台風の際の松永邸でも、いざとなるとしっかりした一面は見せているのだが、それが卓巳の本質なだけに、傷はあまりにも深いように見える。
    何より、本人の意思が見えないのだ。より過酷な環境にいる良太やあくつには、生き抜こうと言う意思が感じられ、上昇志向も芽生えてきた。七菜はズレているけど、深く悩まずしたたか

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    2025年10月21日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    1960年代に出版社の新雑誌の編集部で出会った3人の女性たちのお話。
    まだ女性の大半が結婚・出産を機に退職するのが当たり前だった時代にイラストレーターやフリーライターとして世の中を渡っていこうとする妙子と登紀子に、事務職で入社し編集職に誘われたものの結婚を選んで専業主婦になった鈴子。
    3人の生活、結婚とその後、仕事振りが、昭和から平成の出来事とともに描かれる。
    妙子や登紀子にはモデルがあると知ってググってみたが、大橋歩という人も三宅菊子という人もまったく知らなかった。雑誌は「平凡パンチ」のようだが、私は「平凡パンチ」よりも「週刊プレイボーイ」のほうが好きだったもんなぁ。

    生まれも育ちも性格も

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    2022年10月06日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    窪さんの作品で初めて読んだもの。

    衝撃でしたね〜

    フィクションと書いてますが、これ本当なのでは?と思ってしまって、息を呑みながら読みました。

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    2022年09月23日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    完読した際にどっしりとした重みが。600ページに及ぶ文庫本は僅かです。妙子、登紀子、鈴子3人のそれぞれの人生が綴られていて外から見ると羨ましく見えても本当の真実は分からないなって感じました。
    達成感と面白ろかった分厚い文庫本です。

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    2022年08月27日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    ネタバレ

    正直に言うと、後半は先が気になってどんどん読めた。でも前半は、重くて嫌な感じで、中々読めなかった。フィクションだとしたら、呆気なくて切ないけど面白いお話だと思う。

    ただ確かに、本当にあったことと考えると、被害者家族は嫌だろうな。倫太郎も一緒に死ねてればいいのにって思ってしまったし、最後のなっちゃんの様子は、悲しみで気が狂っちゃったってことじゃないのかな?

    職業柄は、晴信の成育史可哀想。親も人間で未熟だよなぁ、子どもができたらいきなりまともになれるわけじゃないし。血の繋がりって難しいな。

    涅槃と因果。
    私は、このタイトルは、輪廻からは良くも悪くも抜け出せないし、望んでしまった煩悩がやっぱり

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    2022年08月20日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    鈴子、登紀子、妙子の一生を綴った壮大な物語だが、共通点は潮汐出版にいたことで、鈴子は事務員、登紀子はフリーライター、妙子は早川朔というペンネームのイラストレーター.鈴子の孫の奈帆が登紀子の話を聞き取る形で話が展開する.戦後の様々な事件が巧みに織り込まれており、その時代の空気を思い出しながら読めた.鈴子が最も一般的な女性の歩みを辿っていたが、妙子の幼年期からの苦労話が最も楽しめた.登紀子はライターの家系でそれなりの資産もあったので、お嬢様風の立ち回りを演じていたが、奈帆への振舞にもその生い立ちの名残が見えたのも、面白かった.妙子の息子 謙と奈帆の出会いがこの物語の発展性を示していると感じた.

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    2022年08月10日
  • アカガミ

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    ネタバレ

    あくまで、フィクション。でも現実。
    そんな内容で、引き込まれる作品。
    -あんたたちはどんな身分なん-
    違和感が徐々に募るサツキ。
    伴って不安感が募る読者である私たち。
    最後にはハッピエンドのようなバッドエンドのような、不思議な終わりを迎える。
    引き込まれる作品でした。 

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    2022年07月28日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    若い頃は恋愛の先のゴールが結婚で
    とても幸せなことだと思っていた

    時間をかけながら夫婦や家族の形が変わっていく
    夫婦の数だけ形もあって
    結婚の意味がある
    それはまさにこの短編集の最後の
    「いつか、二人で。」の一節にあったように
    夫婦の最後にならないと結婚の意味は分からない

    この本は黒い結婚と白い結婚に分かれている
    黒はダークで少し現実離れをした設定
    白は現実的な設定
    バラエティーの富んでいてどの話も面白かった
    窪美澄さん
    滝羽麻子さん
    中島京子さん
    の作品は読んだことがあるけれど
    殆どの作家さんの作品を初めて読んだ

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    2022年07月15日
  • すみなれたからだで

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    窪さんの小説を読んで、いつも思うのですが。
    ほかの作家さんにない、奥行きというか心の動きというか、そういったものが怖いくらいに伝わってくるのです。

    どうして踊るんだ?そこで触れたもの、見つけた物から感じたもの。そしてそれをどうして??とかね。

    フィクションもあるけれど、ノンフィクションでもあるというようなことがあとがきにありました。

    ひとはけして人には言わないけれど、いろいろなものを抱えて生きているんだ、誰にも言えないこともあるでしょう。きれいごとだけでは生きていけない。そうですね、孤独なのかもしれないなあ、と改めて。

    うまく書けなくて申し訳ないのですが、すばらしい作家さんだと毎回思い

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    2022年06月03日
  • 妖し

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    ネタバレ

    「喪中の客」終始いやな予感にドキドキさせられ、身構えていたのにやはり最後にゾクリ。やられた。

    「細川相模守清氏討死ノ事」時代物は苦手だが我慢して読み続けただけの価値はあった。読後爽快!ニンマリ

    「フクライ駅から」なーんだネット系の都市伝説かぁ…期待せず読み進めたら意外な展開になり引き込まれた。フェスタのその後を知りたくなる。

    「真珠星スピカ」なんて素敵な家族。泣けた。

    「わたしキャベンディッシュ」バナナに対する認識が変わった。シゲルの味が気になって仕方ない。

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    2022年05月19日