窪美澄のレビュー一覧

  • トリニティ(新潮文庫)

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    580ページも初めて読んだ。

    昭和時代を駆け抜けた女性3人
    (イラストレーター・ライター・雑務→専業主婦)の話だった。

    昔の話といいたいが、いま現在も女性の社会での扱いは厳しいものがある。

    3人ともお互いのことを羨ましく思っているが、
    その裏には問題を抱えて生活している。そこがもし男性であればと考えてしまう。

    こらから社会を見直す為に必要な一冊なんじゃないかなと思いながら読んだ作品でした。



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    2021年12月01日
  • トリニティ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    話は1960年代。
    読んでいると、今なんじゃないかと錯覚する感じがある。

    仕事、就職活動、女性が社会に出ること、出世の壁、結婚など。

    東京オリンピック前後で社会に対する女性の意識が、考え方が、建物が、内側から、外側から変わろうとしている。変われないものもある。

    幸福な時間ばかりではないけれど、いろいろなものと戦って、選んで、捨てて、進んできた人生の物語。

    たとえ、すべてを手にいれられたとしても、うまくいかない、そこがゴールになってしまっては、すぐに手からこぼれ落ちてしまう。手に入れた後のケアを怠らないように。


    自分の人生をちゃんと生きてきた三人。
    同じように生きられなくても、自分の人生を自分で歩けるように。

    人生の先輩から学ぶことは多い。

    先輩、上司の苦労話、武勇伝もたまには、いいアドバイスになるときがくるかも?と少しだけ、耳を傾けようかな、シラフの時、限定で。

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    2021年10月12日
  • アニバーサリー

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    遅ればせながら最近、窪 美澄さんを知って嵌まってしまい過去の作品も立て続けに読んでいます。
    この作品もとても良かったです。

    マタニティスイミング講師の晶子。

    有名な料理研究家を母に持ち何一つ不自由なく育ちながらも家族愛に恵まれないシングルマザーでカメラマンの真菜。
    この二人が軸となり物語が展開して行きます。

    現在75歳になる晶子が幼少時に体験した第二次世界大戦
    晶子と真菜が遭遇した3.11の東日本大震災・福島原発事故。

    晶子はマタニティスイミングの先駆者金澤直子さんがモデルになっておりそこに実際に起きた出来事が織り込まれているのでフィクションと言えどもリアリティーがあり、ストーリーにのめり込んで一気読みでした。

    登場人物が少ない事もあり、それぞれのキャラが非常に解りやすく、特に晶子と真菜のシーンでは絶えず脳内映像で二人が動いていました。

    窪 美澄さんの作品を読ませて頂いていつも感じる事なのですが、底知れぬ暗さの中に確実に力強さが存在していて救いがない場面でも強く引き込まれてしまいます。

    おせっかいな晶子、自暴自棄で人に素直になれない真菜、この二人が出逢えた事の奇跡や
    妊娠、出産、育児、そして生きて行く事、生きぬく事、色々考えさせられました。
    タイトルも秀逸です。

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    2021年09月03日
  • 雨のなまえ

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    面白かったです!どの物語も、日常的な内容なのに、それぞれの主人公に1点だけ欠落していることがあり、面白かったです!

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    2021年07月06日
  • アカガミ

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    2030年の日本でお見合いシステム「アカガミ」のお話でした
    選ばれた二人が団地で暮らし、まぐわい、子を産み
    子を育てる
    食住を用意されていて良さそうと思ったが・・・

    これはちょっと続編もありそうな予感も

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    2021年06月21日
  • 妖し

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    印象的だった作品

    ANNIVERSARY/村山由佳
    真珠星スピカ/窪美澄
    李果を食む/阿部智里
    かぐわしきひと/乾ルカ
    喪中の客/小池真理子

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    2021年05月31日
  • 妖し

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    以前読んだ妖のアンソロジーと同じかと思いきや少しテイストが違った。
    でもどれも一通り面白かった。

    その中でも武川佑さんの短編が素晴らしかった。
    日本史に明るくない私が読んでも目が離せない凄まじい熱量。読めない字も吹き飛ばすほどの強風がふく文章。本を持つ手が肘まで熱くなるような引き込まれ方をする物語に久々に出会った。まるでVRの映像を観たような読後感。

    うーん、アンソロジーにハマりそうだな。

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    2021年04月19日
  • すみなれたからだで

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    16歳の男女のすれ違う繊細な恋心にドキドキし おばあちゃんの家や海、龍宮窟の風景が絶えず脳内映像で浮かんでいた「銀紙色のアンタレス」

    16歳の少女と46歳の義父とのインモラルな関係をハードに描いた「バイタルサイン」

    同居する彼女と猫の様子が思わず目に浮かんで来る読後感の良い「「猫と春 」

    家族に認知症と思われている老婆の戦時中の恋愛を描いた「「朧月夜のスーヴェニア」は人間の生と性が味わい深く心に残ります。

    バラエティーに富んだ作品集で短編ながらも読みごたえのある1冊でした。

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    2021年04月03日
  • 妖し

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    ネタバレ

    特に「マイ、マイマイ」と「李果を食む」が印象に残った。

    マイ、マイマイ
    過去の体験は今の自分を作っている。その事実を物理的なものに例えて、体からぽろっと抜け落ちる表現がおもしろかった。
    自分が持っている価値観に案外無自覚だったりするよなと思った。

    李果を食む
    兄弟それぞれの事実に基づいた認識が、同じものを見ているはずなのに、捩れの位置みたいに全く違うものとして突き進んでいく感じ、徐々にどれが真実が分からなくなる奇妙さが読んでいておもしろかった。

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    2021年03月20日
  • アカガミ

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    生にも性にも興味を失った若者たちが蔓延る日本で
    国が設立したお見合いシステム"アカガミ"
    各々の理由で"志願"し出会ったミツキとサツキが
    初恋をする描写が微笑ましい気持ちになりつつも
    そこはディストピア小説で、
    生が貴重になったからこそ、はみ出す事に容赦が無い
    不穏な世界感。
    産婦人科に勤める知人曰く、割とよくある事らしいので、
    それくらい許してよ…と思うところもあるけど、
    それが許されなかったからこその結末で、
    他の方のレビュー通り、オチからの終幕が早すぎて
    物足りなさはあるものの、オチ自体は好き。

    なぜ"アカガミ"で、なぜ"志願"なのだろうと思っていたけど
    その名の通り、そういう事なのかな。
    アカガミ的な志願は嫌だけど、現代もこれくらい手厚くしてくれたら少子化は解決しそうだし、政府のAI婚活でジワジワ現実味のある話になりつつある気もする…

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    2021年03月08日
  • アカガミ

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    生殖管理ディストピア〜いや、見方によってはユートピアか?と思いながら読んでたらラストがマジでディストピアで慄いた。そっちか。

    *

    多くの若者が恋愛を知らず、性を知らず、生そのものに対する興味を失ったまま生きている2030年、日本。
    国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した主人公、ミツキ。
    パートナーに選ばれたサツキとの暮らしを通じて、恋愛や性を知り、やがて家族を得る。

    途中の恋愛描写がほのぼのきゅんとしすぎていて普通に和んだし、アカガミのサポートが手厚すぎてやっぱりユートピアでは、と思ったりした。

    ラストは希望だけれど、絶望だなあ

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    2021年03月03日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚生活は甘いのか、辛いのか。

    私は黒の話の方が好きだったな。
    窪美澄さんの『水際の金魚』が特に。
    『かっぱーん』も、実際にありそうだなと。
    『愛の結晶』は少し不気味に思えたけど、面白い。
    一人目を妻が出産したら二人目は夫の番!
    いいじゃない!
    男性は妊娠出産育児を自分のこととして体験したほうがいい!つわりはものすごく辛いんだ!体調不良で仕事を休むのも、まわりに配慮しながらやってるんだー!

    白の方の『シュークリーム』は、白でいいのか?!
    私は黒じゃないかと思ってしまったよ。

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    2021年01月05日
  • さよなら、ニルヴァーナ

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    すごく読み応えがあった。けれども救いのないラストだなあ、、晴信がすごく美化されてる気がする。
    確かにこの国は、被害者が守られず加害者が守られる不思議な国だと改めて思った。

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    2020年12月04日
  • 雨のなまえ

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    この人に恋をしたことも確かにあった二人の間に生まれた子供を二人で育てた。それほどの縁があった。それなのに、心は近づいては失望し、それでもまた近づいて、離れていく。時間をうしろに辿って、二人の心が違ったどこかのポイントまで戻れば、私たちは元の二人になれるんだろうか、どう考えたって無理だもう戻れない、こういう生活が死ぬまで続くのだ

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    2020年11月20日
  • アニバーサリー

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    産む女、育てる女、働く女、母親だけど1人の女、その娘。時代とともに家族の在り方、女性の在り方は変わってきたけど、女性の生きづらさは変わらないと訴えてくる。
    知らない者同士が女という括りで同志になれたらいいのに。わたし達はお互いの境界線を越えるための勇気を持たなくてはいけない。

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    2020年10月01日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    色々な作家の結婚にまつわる短編集。
    黒い結婚は怖すぎるし、中でも『かっぱーん』は主人公があまりに気の毒だし、そもそもかっぱーんて何なんだw
    逆に白い結婚は甘いお話ばかり。『いつか、二人で。』がとても良かった。

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    2020年09月14日
  • すみなれたからだで

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    久しぶりにどっぷり小説の世界観に浸れました。
    『バイタルサイン』『朧月夜のスーヴェニア』秀逸。
    別の作品も読んでみたいと思える作家さんに出会えて幸せです。

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    2020年08月31日
  • すみなれたからだで

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    性と生と死を扱った短編集。表題作は登場人物と同世代の読者にとっては、ドキッとさせられる内容。窪さんの作品は、綺麗事ではない苦しみや悲しみがいつもそこにあって、心の底の方を揺り動かされます。

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    2020年08月18日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    黒も白も前途多難でハッピー結婚したい!と思う話はひとつもない。
    黒に関しては完全にホラー。かっぱーんと愛の結晶なんて恐る恐る読んだ。

    白は、シュークリームが好き。いるよねこういう人。一回相手の嫌なところを見るとそれに執着しちゃうけど、自分にぴったり合った人なんていない人と人生を共にするのが結婚であり夫婦なんだとしみじみ思う。最後は希望が持てるエンドでよかった。

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    2020年08月09日
  • すみなれたからだで

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    初の窪先生。
    人間から切り離すことのできない性と愛
    表題作の短さが逆によかったし、いい意味で詰め込まれてるなと思う。
    色濃く性を表す作品もあれば、ほのかだけど確実な感情のはじまりとか、心の機微みたいなものが正直に描かれている。
    抗えない性というものの虚しさと儚さと尊さが沢山入っていました。

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    2020年08月01日