窪美澄のレビュー一覧

  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    心の埋まらない何かを埋めようとする時、人は性行動に出るのだろうか。性描写の多さや詳細さから、人間が持っている虚しさに一生懸命抗おうとする姿を感じた。

    独立した短編だと勝手に思っていたので主人公が変わるタイプの連作で驚いた。

    最後の主人公は誰だろう?と思ったら、卓巳母だったことに少しの驚きと、親側の弱さや葛藤も描いて締めてくれるバランス感になんとなくホッとした。


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    2025年10月12日
  • 夜に星を放つ

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    重松清さん大ファンの私だが、
    大人版重松清さんというか、
    結局解決はしないけれど、主人公たちが心のどこかで救われていく感覚がとてもよかった。

    特に最後の片親の男の子の話は
    本当に本当に切なくて
    『みんな大好きなのに、なんでこんなに苦しんだろう』という気持ちが痛いひど伝わる文章だった

    全て夜空、星がモチーフになっている。

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    2025年10月09日
  • じっと手を見る

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    ネタバレ

    誰かに縋りたくて、寂しくて、どうしようもない時がある。本来はみんな孤独で死ぬ時も一人だ。それでも誰かと生きることを辞められない。すごくリアルだった。登場人物全員の気持ちが分かった。
    朝井リョウの解説も含めてラストはぽろぽろと涙が溢れてきた。
    手を握るところで終わるのも良かった。

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    2025年10月07日
  • 夜に星を放つ

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    単純ですが、ところどころ星に関する内容がちりばめられていて、好きな本でした。恋人や家族、同級生との人間関係について、婚活、いじめ、離婚、子育てなど、主人公たちの複雑な生活が描かれていて、心が鈍く痛んだり、どこか温かく感じさせてもらったり、200ページちょっとながら充実していて、読めてよかったです。個人的にはハッピーエンドが好きなので、もやっとした終わり方の短編もあったことを考慮して独断と偏見で星4つ(笑)。「星の随に」(読めない、、、)は、自分に刺さるフレーズがいくつも出てきて、一番好みでした。

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    2025年10月05日
  • 朱より赤く 高岡智照尼の生涯

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    12歳で実の父親に売られたみつ
    舞妓、芸妓として生きる中で、男たちに傷つけられ翻弄される
    最後にみつが選んだ道

    女という性に生まれたがゆえに理不尽な目にあう
    それでも希望を忘れず、自らの道を切り拓く主人公に胸を打たれた
    高岡智照という人をもっと知りたくなった

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    2025年09月30日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    誰にでも生きにくさってある気がする

    重松清さんが書いている解説がとても興味深い文章だったし、今の自分に寄り添ってくれた

    「〈やっかいなもの〉を捨てられずにいるふがいない僕たちは、でも、その光がまぶたの裏に残っているうちは、人生や世界について少しだけ優しくなれるような気がする」

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    2025年09月29日
  • 夜に星を放つ

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    著書初読み。
    「真夜中のアボカド」がとっっっても好きなお話だった。胸にぐっときて泣きそうになった。
    双子じゃないから、双子の妹を亡くす辛さはわからないけど、小さい頃から一緒に育ってきた自分の半分のような存在が突然いなくなってしまったら相当な辛さだろう。
    弓ちゃんの死を受け入れられない主人公と村瀬さん、その対比のように描かれるアボカド。
    「あれが双子座の星だよ。あの星は弓ちゃんと私」
    そう思えた主人公は村瀬くんとの別れとともに、弓ちゃんの死を受けいれて、成長できたんだと思う。
    弓ちゃんの分まで生きて、結婚して子供も産むという主人公に対して、「そんなことは考えなくていいの。綾は綾の人生を生きなさい

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    2025年09月29日
  • 私は女になりたい

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    正直な話 あんまり共感できなかったなぁ
    恋愛小説ってところだけを抜き出すとものすごく綺麗なお話だと思うけど、女性としての生き方の選択話としてみるとあのオチ含め、要所要所美化しすぎじゃないかなぁと感じてしまった。たぶんこれは私が男性として生きてるからなんだろうとは思うし、実はそこがこの小説の一番の罠であって、実はこういうとこにこそ嘘が書いてあって裏で舌ペロって出してたりするのかもしれない…くらいまでは考えた。

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    2025年09月22日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おまえが死んだら、僕はどうやって生きていけばいいのか!

    ありふれた言葉なのになぜか沁みてしまった。
    橘だけでなく、水本もそう思ったんだろうと。

    なのに男たちは礼子を悪く書く。愛しているのに悪く書く。
    今の男たちも、自分の愛している人の悪口を友達に言うのだろうか。
    女たちも自分の愛している人の悪口を言うのだけれど。

    愛していることをいうと場が白ける。

    馬鹿らしいなと思う。

    悪口を言うとほんとうになるかもしれないのに。
    あいつは毒婦だとか。
    そんなことはないのに。そばにいたらわかるのに。
    そう思い込みたいだけ。

    愛は思い込み。
    思い込んだまま、自分に暗示をかけて、愛しきって欲しい。

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    2025年09月18日
  • よるのふくらみ

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    特に後味いいとか悪いとかないですが、まあリアルな物語進行と感じました。

    言葉にできない違和感をうまく解消できるかできないか、よりよく生きていく上では重要なのかなと思うなど。

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    2025年09月01日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族は何がどうあればうまくいっている、と言えるのだろうか。
    当然のことながら人間が生まれて育っていく過程には教育だったり労働だったりその他いろいろなことに関わるし、その関わることのしわ寄せがすべていくのが家族という場なのだろうと思う
    それだけいまのこの社会では家族や家庭で担わなければいけない役割が大きすぎる
    求められる夫像や妻像、父親像、母親像、はては子どもの理想的な姿までもが社会から無言の圧力で求められ、そこから弾かれた場合のケアは家族がすることになる
    それなのに労働時間は長く、各家庭の働き手は時間もきつくて余裕なんてない
    家族にしわ寄せがいくとどうなるか、社会とのコンフリクトの狭間で揺れる

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    2025年08月31日
  • よるのふくらみ

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    生々しい性欲と愛情なのに純粋に好きになる思いも感じられて...個人的には好きな物語の終わりかたでした

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    2025年08月26日
  • ぼくは青くて透明で

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    窪美澄手法とでも言うのか、各章毎に主役が入れ替わる、前の章でダメなやつと思った人が次の章では見方が変わるみたいな感じ。で、最後はまとまる。

    LBGTQを取り扱っているんだけど、わざとらしくなくて良かった。

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    2025年08月20日
  • 私は女になりたい

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    タイトルに惹かれた。
    どういうこと?と。
    恋から遠ざかってる40代以上の女性なら共感できることばかりだと思う。
    戸惑いながらも女になっていく主人公が素敵だった。
    心温まる展開もあってすごく良かった。

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    2025年08月15日
  • よるのふくらみ

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    いまだに女性には性欲があることを認められずにないものにされたりする
    つるっとしたプラスチックみたいに思われがちだ。そこに生々しさはざらついたものがあると認識されない
    窪美澄さんの小説に出てくる女性たちはみんな生でざらついてて、汗ばむ皮膚の下に血がどくどくと流れているのを感じる
    自分の性欲に振り回されて、もがいている女たちが愛おしい。性に主体的な女性はいまだに奔放では好意的に受け取られることが少ないと思う
    だからこそ、こうして自分のなかにある性欲の存在を認めたうえでそこにもがいている女たちの生き様を読めることがうれしい

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    2025年08月07日
  • 私は女になりたい

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    48才美容皮膚科医の主人公が14才歳下の男性と恋に落ちる話。こういう設定の本を初めて読んだので新鮮だった。
    自分は成人さえしていればひとまわり以上歳下の男性を好きになってお付き合いしたっていいじゃないかと思ってしまうが、人によっては年甲斐もなく恥ずかしいと思うのであろうか。
    短い人生。自分が好きになった人が自分のことを好きでいてくれることがどれほどの奇跡かと思うから、年齢になんてとらわれる必要ない。雇われ院長として仕事もバリバリ頑張る主人公に肩入れして、応援して読み進めていた。そのため、後半の展開がつらすぎて絶望、気分悪すぎて目眩してくる。わたしだったら立ち直れない、人生おしまいくらいの出来事

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    2025年08月05日
  • やめるときも、すこやかなるときも

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    かなりの人間不信な自分でも、一人の人とじっくり向き合いたいなぁと思わせるストーリーだった。各々の心理状況や生活環境の描写から二人の関係性を間接的に投影していく文章展開が心にしみた。

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    2025年07月09日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    窪美澄さんの描く女性って、なんでいつも無様で必死で愛おしんだろうなと思うんだけど、それはきっと出てくる女性が自分の意思を持って、自分で選択したという事実を揺るがないものとしているからだろうと思う
    選択したことが上手くいってもいかなくても選んだのは自分、それが何より自分の尊厳を守る。モデルは長谷川泰子で中原中也と小林秀雄との関係で知られている
    長谷川泰子は二人の男を弄んだ毒婦と言われることが多いが、彼女にも晩年というものがあり、ただ二人の男のあいだにいた女というわけではない。その後の彼女の人生はどんなものだったろうというのを恋愛小説の名手である窪美澄さんが血肉の通った一人の女性として描いてくれた

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    2025年07月03日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    中盤まではなかなか話に入り込めずもう少しで読むのをやめてしまうところでしたが、水本の死の辺りから一気に引き込まれ、後は一気に読まされました。戦争の記述では昭和天皇への怒りが生じ、広島訪問での学校の悲劇には涙が止まりませんでした。最初の本が売れた後からのエピローグの様な最終盤は沁み沁みと心に深く届き、とても良い本だったと思います。

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    2025年07月02日
  • 私は女になりたい

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    ネタバレ

    窪さんの抉られるような
    火傷中のような
    あの人物描写は感じず、
    圧倒的な少女性を感じた
    のめり込んで読んじゃった

    絶対一緒になってほしかったので
    最後はすごーく嬉しかったし、
    映像がありありと浮かんだ

    仮装した馬鹿たちの中心で愛を叫ぶ!2人の結婚式
    ブーケトスやんね、あれは

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    2025年06月25日