窪美澄のレビュー一覧

  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • 夜に星を放つ

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    切ない…読みながら何度胸がぎゅっとなったか…。
    だけど寂しさの中に優しさを感じられるような短編集で、タイトル通り暗闇の中に光が射し込むような救いのある作品でした。
    それと文章が澄んでて綺麗、他の作品も読みたくなった!

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    2025年11月29日
  • 恋愛仮免中

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    みんな、「好き」という感情が絶対的上等感情だと崇めがちだ。だが「ほしい」という感情がさらに純粋なものではないかと感じたことはないですか?比べたらことがなかった「好き」と「ほしい」の相対論。この2つは似ている感情だと勘違いしていました。小説の中では「好き」と「ほしい」のかけ違いや勘違いで恋愛に物語が発生し、「好き」と「ほしい」の合致で恋愛が成就していた。更にこの2つを掛け算で考えてみると複雑で面白い。「好き」だから「ほしい」と「ほしい」から「好き」は全然違う。例えば、メルカリをして世の中の欲に触れた時。「ほしい」から「好き」という感覚の存在に気づかされる。別に好きではないのにほしくなる!ほしくな

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    2025年11月27日
  • じっと手を見る

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    生まれ育った故郷で仕事をして生きていくこと、故郷を出て暮らしていくこと、それぞれの生き方を肯定してもらえる作品だと思った。
    自分が登場人物に近い仕事をしてるから感情移入しやすかったし、自分の生き方は間違えていないと言ってもらえているようだった。
    人と深く関わることで生まれる辛さと、人と関わることで得られる幸せがどちらも丁寧に描かれていてラストはじーん、と胸にくるものがあった。
    朝井リョウさんの解説も、大好きです

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    2025年11月23日
  • 晴天の迷いクジラ(新潮文庫)

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    三者がそれぞれ過酷な人生を歩み偶然にも一緒に海岸に迷い込んだ鯨を見に行く重たい物語。本当に重たく普通に生きていくことの難しさを知った。

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    2025年11月13日
  • 夜に星を放つ

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    「真夜中のアボカド」は、婚活アプリで知り合った相手のことで悩む女性。人と関わりを深めることの難しさがじわじわと。自分の気持ちは、その時々で、自分が一番いいと思う方法で伝えていいのに。

    「銀紙色のアンタレス」は、16歳高校1年男子の夏休み。同年代や大人の女性に向ける眼差しが、懐かしいような、こそばゆいような。この年頃の若者の発する言葉はストレートで残酷なんだな。

    「真珠星スピカ」は、辛いことが身近で起こる中1の女の子。そばにいる人が鈍感なので、強くあろうと頑張ってしまうのが痛ましい。人は悲しい時には我慢しないでしっかり泣ききったほうがいい。

    「湿りの海」は、妻子に捨てられ、知り合った女性と

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    2025年11月03日
  • 恋愛仮免中

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    「恋愛」をテーマにした
    5名の作家さんによるアンソロジー

    収録は以下の5作品
    「あなたが大好き」 奥田英朗
    「銀紙色のアンタレス」 窪美澄
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」 荻原浩
    「ドライビング・ミス・アンジー」 原田マハ
    「シャンプー」 中江有里

    窪美澄さんの作品は『夜に星を放つ』で既読だったが、好きな作品なので再読した。
    他作品は、私は初めてのものばかりだった。

    どの作品もそれぞれに趣が違っていて、個性豊かで、色々な恋愛模様がたのしめる。
    こんなに大当たりばかりのアンソロジーは、なかなかないと思う。しいて選ぶなら、私は荻原浩さんの作品が特にグッときた。

    読んでいて気恥ずかし

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    2025年10月25日
  • 夜に星を放つ

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    双子、幼馴染、亡き母、ママと母と弟と僕
    主人公だけでなく、他の人々の切ない気持ちが
    良い奴なんだけどー
    やっぱり泣かせてくれる

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    2025年10月22日
  • じっと手を見る

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    久しぶりの窪さん。人は弱いものだ。
    誰かに頼らなければ生きていけない。

    日奈の人生も、海斗の人生も、宮澤さんの
    人生も、どこか孤独を感じさせる。
    窪さんの作品はいつも、人の不完全さを
    つきつけられる。
    それと同時に、みんな器用にたやすく
    生きてるわけじゃないんだと安心もする。
    日奈の「そばにいてほしい」という素直な
    言葉に救われる。

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    2025年10月15日
  • 夜に星を放つ

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    昨日『秒速5センチメートル』を観たところで、なんだか星に縁があります。

    コロナに寄せた話は映画も本もあまり得手ではないのですが、これはその寄せ加減が絶妙。尤も、いちばん好きだったのはコロナの「コ」の字も出てこない3つめの『真珠星スピカ』だったのですけれど。

    いずれの話も主人公は大切に思っていた人をさまざまな形で失っています。なかなか歩き出せないのが伝わってきて切ない。本作を読んだら『秒速5センチメートル』を観ることをなぜだか薦めたくなりました。

    乗り越えなくてもいいし、忘れる必要もない。心の傷を糧にして、揚げたてコロッケにビールで乾杯。

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    2025年10月13日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    心の埋まらない何かを埋めようとする時、人は性行動に出るのだろうか。性描写の多さや詳細さから、人間が持っている虚しさに一生懸命抗おうとする姿を感じた。

    独立した短編だと勝手に思っていたので主人公が変わるタイプの連作で驚いた。

    最後の主人公は誰だろう?と思ったら、卓巳母だったことに少しの驚きと、親側の弱さや葛藤も描いて締めてくれるバランス感になんとなくホッとした。


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    2025年10月12日
  • 夜に星を放つ

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    重松清さん大ファンの私だが、
    大人版重松清さんというか、
    結局解決はしないけれど、主人公たちが心のどこかで救われていく感覚がとてもよかった。

    特に最後の片親の男の子の話は
    本当に本当に切なくて
    『みんな大好きなのに、なんでこんなに苦しんだろう』という気持ちが痛いひど伝わる文章だった

    全て夜空、星がモチーフになっている。

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    2025年10月09日
  • じっと手を見る

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    ネタバレ

    誰かに縋りたくて、寂しくて、どうしようもない時がある。本来はみんな孤独で死ぬ時も一人だ。それでも誰かと生きることを辞められない。すごくリアルだった。登場人物全員の気持ちが分かった。
    朝井リョウの解説も含めてラストはぽろぽろと涙が溢れてきた。
    手を握るところで終わるのも良かった。

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    2025年10月07日
  • 夜に星を放つ

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    単純ですが、ところどころ星に関する内容がちりばめられていて、好きな本でした。恋人や家族、同級生との人間関係について、婚活、いじめ、離婚、子育てなど、主人公たちの複雑な生活が描かれていて、心が鈍く痛んだり、どこか温かく感じさせてもらったり、200ページちょっとながら充実していて、読めてよかったです。個人的にはハッピーエンドが好きなので、もやっとした終わり方の短編もあったことを考慮して独断と偏見で星4つ(笑)。「星の随に」(読めない、、、)は、自分に刺さるフレーズがいくつも出てきて、一番好みでした。

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    2025年10月05日
  • 朱より赤く 高岡智照尼の生涯

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    12歳で実の父親に売られたみつ
    舞妓、芸妓として生きる中で、男たちに傷つけられ翻弄される
    最後にみつが選んだ道

    女という性に生まれたがゆえに理不尽な目にあう
    それでも希望を忘れず、自らの道を切り拓く主人公に胸を打たれた
    高岡智照という人をもっと知りたくなった

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    2025年09月30日
  • ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)

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    誰にでも生きにくさってある気がする

    重松清さんが書いている解説がとても興味深い文章だったし、今の自分に寄り添ってくれた

    「〈やっかいなもの〉を捨てられずにいるふがいない僕たちは、でも、その光がまぶたの裏に残っているうちは、人生や世界について少しだけ優しくなれるような気がする」

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    2025年09月29日
  • 私は女になりたい

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    正直な話 あんまり共感できなかったなぁ
    恋愛小説ってところだけを抜き出すとものすごく綺麗なお話だと思うけど、女性としての生き方の選択話としてみるとあのオチ含め、要所要所美化しすぎじゃないかなぁと感じてしまった。たぶんこれは私が男性として生きてるからなんだろうとは思うし、実はそこがこの小説の一番の罠であって、実はこういうとこにこそ嘘が書いてあって裏で舌ペロって出してたりするのかもしれない…くらいまでは考えた。

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    2025年09月22日
  • 夏日狂想(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おまえが死んだら、僕はどうやって生きていけばいいのか!

    ありふれた言葉なのになぜか沁みてしまった。
    橘だけでなく、水本もそう思ったんだろうと。

    なのに男たちは礼子を悪く書く。愛しているのに悪く書く。
    今の男たちも、自分の愛している人の悪口を友達に言うのだろうか。
    女たちも自分の愛している人の悪口を言うのだけれど。

    愛していることをいうと場が白ける。

    馬鹿らしいなと思う。

    悪口を言うとほんとうになるかもしれないのに。
    あいつは毒婦だとか。
    そんなことはないのに。そばにいたらわかるのに。
    そう思い込みたいだけ。

    愛は思い込み。
    思い込んだまま、自分に暗示をかけて、愛しきって欲しい。

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    2025年09月18日
  • よるのふくらみ

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    特に後味いいとか悪いとかないですが、まあリアルな物語進行と感じました。

    言葉にできない違和感をうまく解消できるかできないか、よりよく生きていく上では重要なのかなと思うなど。

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    2025年09月01日
  • 水やりはいつも深夜だけど

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    家族は何がどうあればうまくいっている、と言えるのだろうか。
    当然のことながら人間が生まれて育っていく過程には教育だったり労働だったりその他いろいろなことに関わるし、その関わることのしわ寄せがすべていくのが家族という場なのだろうと思う
    それだけいまのこの社会では家族や家庭で担わなければいけない役割が大きすぎる
    求められる夫像や妻像、父親像、母親像、はては子どもの理想的な姿までもが社会から無言の圧力で求められ、そこから弾かれた場合のケアは家族がすることになる
    それなのに労働時間は長く、各家庭の働き手は時間もきつくて余裕なんてない
    家族にしわ寄せがいくとどうなるか、社会とのコンフリクトの狭間で揺れる

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    2025年08月31日